大自然に囲まれたノースウエストは、まさにアウトドア・スポーツ・パラダイス！そこで今回は、ノースウエストで楽しめる夏のアウトドア・スポーツ情報をお届けします。達人直伝のビギナー編なので、初めてでもこれでバッチリ。夏のノースウエストを体で満喫しよう！ （情報は2003年6月時点のもの）
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アメリカでキャンプを楽しむ（ワシントン州＆オレゴン州） ｜ページ１ »
ノースウエストで楽しめる、人気のアウトドア・アクティビティー
フィッシング
海、川、湖でも楽しめるNWはまさに釣り天国！
● ビギナーにはツアーがおすすめ
▲ 写真左がキャプテン・デイヴ。この日も大量！© Possession Point Fishing Charters
ノースウエストで夏の釣りといえば、サーモンやスチールヘッドなどの大物釣りが魅力。少し厄介なのは、これらを釣ろうと思ったらボートが必要ということ。また、釣りのポイントを探すのも難しいので、ビギナーはガイド付きのツアーに参加することをおすすめします。釣り天国のワシントン州、オレゴン州には、サーモンやスチールヘッドに精通した釣りのガイドがたくさんいるので。
例えば、エベレット近海でのサーモン釣りで私がよく使うのは、ガイド歴40年のキャプテン・デイヴ・モーギソン。誰よりも多くキング・サーモンを釣ることから通称“キング・デイヴィド”と呼ばれている。ライセンスも船上で買えるし、釣り竿も用意してくれるので、持参するのはクーラーボックスと雨具だけでOKだ。
対象魚はシーズンで異なり、7月ならキング・サーモンとシルバー・サーモン、8月後半からはピンク・サーモンとシルバー・サーモンを狙う。キャプテンがその日の状況に合わせて最適の釣り場へ直行。釣り場へ着くと、最先端の器具を駆使して魚を探し、どの程度の深さにいて、どう釣るのがベストかを探り当ててくれる。通常は「ダウンリガー」という大きな重りを使った仕掛けを使い、餌（ニシンなど）を付けて海へ竿を下ろす。そしてゆっくりトローリング。竿が曲がるまでは、ワシントン州の大自然を満喫しよう。
● 魚との1対1の戦いが始まる！
▲ Trask River(OR)でのサーモン釣り© Possession Point Fishing Charters
竿がしなったら、さあここからが本番！「ダウンリガー」の重りが自然と外れ、ここからは魚と1対1の勝負が始まる。キャプテンのアドバイスを受けながら大物の引きを楽しもう。サーモンは粘り強い魚なので、ボートの近くまで寄せると逃げるように泳ぎ出すが、そんな時は無理せず、魚とやり取りをするのがポイントだ。
戦利品はクーラーで冷やしながら持ち帰り、得意の料理で食卓へ。天然のサーモンはスーパーで売られているものと違って、鮮度も味も格別！ ただし、寄生虫がいることがあるので、サーモンは刺身で食べないように。お店で販売している刺身は特別な処理がされています。
海でのサーモン釣りのほか、川に上ってくるサーモンやスチールヘッド、湖や川でのトラウト釣り、海でのリングコッドやシーバス釣り…など、ノースウエストの夏は釣り人にとってまさにパラダイス！ こんな地に住んでいながら釣りに行かない手はないが、毎週末、家を留守にするので妻はけげん顔。私にとって釣りは、魚との戦いであり、家内との戦いでもあるわけです（笑）。
■ キャプテン・デイヴの情報
Possession Point Fishing Charters
360-652-3797
URL：www.possessionpointfishing.com
● 最低限必要な装備
●釣り竿と餌（ツアーの場合は不要）
●釣った魚を入れるクーラーボックス
●フィッシングのライセンス
●雨具と酔い止めの薬（船酔いが心配な人）
【ビギナーの素朴な疑問Q＆A】
Ｑ.ライセンスは必ず必要なの？
A.必ず必要と思っておこう。料金は州や釣りの種類などで異なり、例えばワシントン州での海釣りは$6～。詳細はWashington Department of Fish and Wildlife
360-902-2700へ
Ｑ.釣った魚は何匹まで持ち帰りできるの？
A.州や海域（河川）、時期などによって規則が異なるので、常に最新の情報を入手して従うようにしよう。
Ｑ.釣りに関する情報はどこで得たらいいの？
A.インターネットや専門誌のほか、釣具店での情報入手も欠かせない。ガイド情報は『Fishing & Hunting News』誌が有益。
津岡 眞悟
釣り具の会社Gamakatsu USA勤務。父親の影響で子供の頃から釣りに親しむ。海、川、池を巡って釣り歴30年。特にサーモン釣りが得意で、今年は40ポンド級のキング・サーモンを狙う。 Gamakatsu USA Inc.
253-922-8373
URL：www.gamakatsu.com
● 達人おすすめのスポット
1. ピュージェット・サウンド（WA）
大物のサーモンが釣れる。また、Cowlitz Riverでもサーモンやスチールヘッドなど、1年を通して大物が狙える。
2. オリンピック半島最北端のNeah Bay（WA）
サーモンからハリバット、リングコッド、シーバスまでいる釣り天国。自然が豊富で、アザラシやクジラとも遭遇できる。
3. コロンビア川河口の Bouy10 （WAとORの州境）
遡上してくるサーモンの群れに当たると、40ポンドを超える大物が釣れる可能性も！
マウンテンバイク
心をリフレッシュさせながら体力アップ
● 全米で最も自転車が盛んな街シアトル
▲ 上りの果てにある絶景。これぞMTBの醍醐味 ©Shoji Onozawa
シアトルは全米で最も自転車が盛んな街として知られている。トレイルはいたるところにあるので、自転車で豊かな自然を満喫する場所には事欠かない。マウンテンバイク（MTB）は自転車を使ったハイキングと考えれば良い。森を抜け、渓流に沿って走る。見晴台に出れば気分爽快。その上、新陳代謝が促進されるから心身共に健康的だ。精神がリフレッシュされて身体が活性化されるなら一石二鳥である。
初めに“道具”ありき。自分に合ったサイズのバイクを選ぶ。次にシートの高さ調整。サドルに腰をかけた状態でペダルを下にして、そこに踵をのせる。その姿勢で脚を伸ばした時に脚が一直線になる高さが最も効率良くペダルをこぐことができ、膝への故障を最小限に抑えることができるのだ。バイクのフィッティング、それはMTBを楽しむ上で無視できない基本なのだ。いきなりバイクを買うのはちょっと……という人は、レンタル・ショップを利用しよう。バイク別のフィット感を体験することができる。
初心者におすすめのスポットは、ワシントン州ならI-90イサコアのPreston。ここはフリーウェイ沿いにゲートがあるので分かりやすい。Exit南側のトレイル・ゲートから出走。最初に100ｍ程の上りがあるが、すぐに平坦になる。山路なので上り下りは繰り返す。高低差は少ない方なので初心者でも無理なくバイキングを楽しむことができる。ただし、自転車禁止の標識がある場所も多いので、間違って進入することがないように注意が必要。もっと気軽にバイクを楽しむことができる場所にウエスト・シアトルのリンカーン公園などがある。いきなりMTBで山に行くことに不安がある人にはトレーニング用としても最適かもしれない。オレゴン州では、Forest Park (Thurman St.の先), Powell Butte (East Portland)、 Harder-Post Canyon (Hood River), Souixan Creek 、Larch Mountain (Corbett) などが初心者向きだ。
● 発車と停車に注意しよう
▲ 慣れてくれば崖下りもなんのその ©Shoji Onozawa
注意すべき点は乗り降り。マウンテンバイクはママチャリ（買い物自転車）とは大きく異なる。乗車姿勢そして走行路面に大きな違いがある。買物自転車の感覚で乗ると転倒することがあるから注意が必要だ。発車時はバイクにまたがり、サドル前に両足を着地した位置から一方のペダルを水平位置にして、こぎ出しながら着座する。降りる時は、ブレーキを両側同時にかけながらスローダウンし、完全にストップする前にサドル前に片足で着地しながら停車する。
出走前の準備にストレッチング運動とタンパク質と炭水化物の補給がある。走行中の空腹にはバナナが最適。水分は随時補給したい。喉の渇きは脱水症状の信号。乾いてからでは遅いのである。以上を守って持久力を維持すれば、バイク・ライドも楽しいものとなる。
私にとってマウンテンバイクは「子供心を取り戻す場」。立派な大人達から馬鹿にされていますけどね（笑）。では、ハッピー・マウンテンバイキング！（文／小野沢 昭志）
● 最低限必要な装備
●自分にフィットしたマウンテンバイク
●転倒時に頭を保護してくれるヘルメット
●転倒時に手の平や甲を保護してくれる手袋
●長袖のウインド・ブレーカー。保温と皮膚保護のため
【ビギナーの素朴な疑問Q＆A】
Ｑ.マウンテンバイクはどこでも乗ってもいいの？
A.国立公園は全域禁止。州立公園や国有林は禁止されていないトレイルが多いが、禁止標識に注意。
Ｑ.バイクはいくらくらい？ レンタルはできる？
A.バイクは＄300からあるが、本当に楽しむなら軽量で高機能のバイクが必要。セールで＄600くらいの車格を選びたい。レンタルは2時間＄20が目安。
Ｑ.ビギナーが最も注意することは？
A.上半身を支えるために両腕を突っ張らない。また、ギヤは上りにかかる前にシフトダウンすること。
小野沢 昭志
東京在住時代からの自転車フリークで、自転車三昧の生活を求めてシアトルへ。好きが高じて会社まで興す。専門誌『MountainBike』誌が選んだ“マウンテンバイク・フリーク23人”のひとりでもある。 Sidetrak, Inc. 206-575-0335
URL：www.sidetrak.com
● 達人おすすめのスポット
1. プレストン南側のハイキング・トレイル（WA）
シアトルから近く、坂はあっても短いので、初心者でも気軽にMTBが楽しめる。
2. スノコルミー・パス・スキー場（WA）
Ski AcresやHyakにMTBのレンタル・ショップがあり、リフトを使えば上り坂が苦手という人にも最適。
3. マウント・フッド・スキー場（OR）
ポートランドにあるMTBのショップ「Fat Tire Farm」は情報源として有名。詳細はそこで聞こう。レンタルもある。
【マウンテンバイクが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Lake Sylvia State Park
（Montesanoエリア）
TEL：360-249-3621
www.parks.wa.gov/parkpage.asp?selectedpark=Lake%20Sylvia
●Fidalgo Bay Resort RV（Anacortesエリア）
TEL：1-800-727-5478 www.fidalgobay.com
■オレゴン州
●Newberry Group Camp Site（Deschutesエリア）
TEL：1-541-383-4000 ウェブサイトなし
※最寄りのマウンテンバイク・ツアー：
Paulina Plunge Downhill & Waterfall Mt. Bike Tour
TEL：1-800-296-0562
www.paulinaplunge.com
●Frog Lake（Mt. Hoodエリア）
TEL：1-503-668-1700 ウェブサイトなし
トレッキング
大自然が創り出した風景や動植物に会う
● 自然界の神秘に触れよう！
▲ レニア山国立公園もトレッカーに人気 ©Rei Kosugi/Eco Caravan
トレッキングの醍醐味は、大自然が創り出した素晴らしい風景や動植物に出会えること。そして、その土地独特のエコシステムの一部が垣間見れること。 針葉樹の多い森、苔がむした森、平坦な野原、波の音が聞こえるビーチ、流れの強い川沿い、湿地帯、若い森や古い森……。行く先々ごとにまったく異なった環境で生活する動植物を見ることができます。私の場合、自分自身が気持ち良くなれるというのもトレッキングをする大きな理由ですけれど（笑）。
山が好き、海や川を見ると落ちつく、などいろいろなタイプの人がいると思いますが、さまざまな場所で楽しめるのもトレッキングの特徴。私は行き先を限定せず、その時の気分で行きたい場所へ足を向けるようにしています。
右の「おすすめスポット」ではビギナー向けをチョイスしましたが、トレッキングの王道はやはり国立公園でしょうか。オリンピック、マウント・レニア、ノース・カスケードなど、多くの国立公園があるノースウエストは、トレッカーにとって恵まれた環境。国立公園は情報や管理がしっかりしているので、国宝級の珍しい大型動物に出会えます。ちなみに私はオリンピック国立公園でボブ・キャットを見ました。
● 自分のペースで楽しくトレッキング
▲ トレッキングの途中でバード・ウォッチング
トレッキングを楽しむコツは自分の体力を知り、それに沿ってルートを決めること。そして、無理をせずに自分のペースを守り、天候をよく見極めることです。特に山間部は都市部と違って天気が変わりやすく、気温も都市部に比べて低い、ということを頭に入れておきましょう。あったら便利な道具は方位磁石と虫除けスプレー（夏場）。また、双眼鏡があると野鳥などがよく観察できるし、ビニール袋があると濡れた芝生にも安心して座ることができます。
大がかりなトレッキングの場合、方位磁石と携帯電話は必須。その他、ファーストエイド・キット、雨具、ジャケット、チョコレートなどのスナック菓子も忘れないように。 行く前にその場所のナチュラル・ヒストリーなどを知っておくと、トレッキングが一層楽しくなります。
例えば、右の「おすすめスポット2」で挙げたワシントン大学のTree Tour。「ポールアラン図書館」前にあるアトラスシーダーやダグラスファーなど、30ｍを超える巨木が見ものなのですが、この木々はその昔、図書館の新設によって伐採される計画があり、それをある教授達の抗議によってあやうく逃れた、という話があります。このようなストーリーを念頭におきながら伸び伸びと枝が張った木々を眺め、そこを通りすぎる生徒や教授達に与える安らぎの重要性を考えるのもいいのでは？
私にとってトレッキングは人生の一部。ストレス発散の場所であると同時に、いろいろなことを考えさせてくれる学び舎でもあるのです。
● 最低限必要な装備
●はき慣れたトレッキング・シューズ
●日射病を避けるための帽子
●ミネラル・ウォーター
●緊急時用の携帯電話
【ビギナーの素朴な疑問Q＆A】
Ｑ.トレッキングとハイキングはどう違うの？
A.『広辞苑』によると、トレッキングは「山歩き。特に高山の麓を歩き、風景などを楽しむ」とあり、ハイキングは「自然に親しむため山野などを歩く」だが、基本的には同じ。
Ｑ.レッキングにも種類があるの？
A.スノー・トレッキング、アニマル・トレッキングなどがあり、何か目的を持つこともトレッキングを楽しむ秘訣。
Ｑ.ビギナーが最も注意すべきことは？
A.野生動物にエサをやらないことと、有毒な植物を知っておくこと。残すのは足跡だけでゴミは必ず持ち帰ること。
小杉 晶子
両親の影響で3歳から関西近辺の山を歩き始める。現在はSouth Seattle Community CollegeでLandscape & Horticulture （園芸学） を学ぶと同時に、シアトル日本庭園でインターンシップをしている。
● 達人おすすめのスポット
1. Nisqually National Wildlife Refuge（WA）
オリンピアから東へ約8マイル。I-5沿いにあり、シアトルでも希なデルタ地帯をぐるりと回るトレイルがある。
2. ワシントン大学のTree Tour（WA）
キャンパスの南にある「Forest Resources Library」で地図とリストをもらって各自、自由に回るツアー。
3. Oregon Dune National Recreation Area（OR）
海岸沿いの中央部に位置するFlorenceから南へ約10マイルにある砂丘の公園。ビーチまでいくつかのトレイルがある。
【トレッキングやハイキングが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Mima Falls Trailhead（Mima Fallsエリア）
TEL：360-748-2383
ウェブサイトなし
●Olympic National Park（Olympic Peninsulaエリア）
TEL：1-800-833-6388
www.nps.gov/olym/
■オレゴン州
●Silver Falls State Park (Silver Fallsエリア)
TEL：503-873-8681
www.oregonstateparks.org/park_34.php
●Ainsworth State Park（Columbia Gorgeエリア）
TEL：1-800-551-6949
www.oregonstateparks.org/park_146.php
カヤック
穏やかに、激しく…楽しみ方は自分次第
● 雨でもOKのアウトドアスポーツ
▲ 夏でも水は冷たいのでウェット・スーツを着よう
カヤックの最大の魅力は、水の上を自由自在に旅して回れること。川を下る「ホワイト・ウォーター」と海を行く「シー・ウォーター」があるが、ワシントンでは湖でもOK。また、アウトドアスポーツは天候に左右される場合が多いけど、カヤックの場合、雨の中で楽しむのもまた一興。僕の場合、雨が降っている休日は、釣りでもなくトレッキングでもなく、「よし、カヤックに行こう！」となるんだ。
景色を愛でながらや、釣りをしながらのんびり漕ぐことも、激流をラフティングさながら下ることもできる。僕はキャンプ道具と釣り道具を持参して出掛ける2、3日のツーリングが一番好きだけど、カヤックの楽しみ方は本当に自分次第なんだ。
カヤックには次に何が起こるかわからないエキサイティングさがあると同時に、危険性もある。水の流れがない湖での数時間のカヤックは別だけど、単独でツーリングに出掛ける場合──自分の行きたい所へ行く、これこそがカヤックの魅力なんだけど──カヤックに水が進入した時や転覆した時の対処法も知っていないと、それこそ命取り。乗り方、漕ぎ方、座り方にもさまざまな方法があって、その場の状況に応じて使い分けることが必要。ここでは基本中の基本を説明しよう。
● 体とカヤックをパドルに引き寄せる感覚で
▲ ビギナーにはグループ・ツアーが便利 © Crystal Seas Kayaking
まず、パドル（かい）はバーベルをもち上げる時をイメージして、肩幅より少し広く持つ。背筋を伸ばして目線を進行方法に向け、ブレード（扇状の部分）が海面に沈む程度にパドルを操作する。 最も基本的な漕ぎ方（フォワード・ストローク/前進）は、パドルを動かすのではなくパドルを差したところへ、体とカヤックを引き寄せる感覚で。パドルを動かすとカヤックは回転してしまうから。上手に漕ぐとカヤックは水面をスイスイと進み、まるで空に浮かんでいるような気持ちになる。
その他、方向転換や横移動など、いろいろな漕ぎ方があるので、初心者の場合、まずはグループ・ツアーに参加することをおすすめする。道具も一式レンタルしできるし、出発前に基本的な漕ぎ方の練習もする。また、万が一のことがあっても経験豊富なガイドがいれば安心だからね。シーカヤックは想像以上にスピードが出る乗り物。自然の景色や野生のクジラ、アザラシなどに見入ったりして、ガイドさんやツアー仲間とはぐれないように気を付けて。
このようなグループ・ツアーに参加したり、レッスンを受けたりしてカヤックの腕が上達したら、いよいよ単独ツーリングへ出発だ。カヤックを自由自在に動かせるようになれば、激流下りや波乗りなどトリッキーな遊びにも挑戦できるようになる。こうなったらもう君もカヤックの虜、間違いなし！ では、どこかの川か海で会いましょう。
● 最低限必要な装備
●カヤックとパドル
●ライフ・ジャケット
●カヤック用のウェット・スーツ
●係留や救助に使用するロープ
【ビギナーの素朴な疑問Q＆A】
Ｑ.カヌーとカヤックはどう違うの？
A.基本的な定義は、乗るところが広く開いているのがカヌー。一方、穴が開いたようになっているのがカヤック。一般的にカヤックは両端にパドルが付いたダブル・ブレードを使う。
Ｑ.まったく泳げなくても大丈夫？
A.転覆してもライフ・ジャケットを着ていれば浮くので、溺れる心配はまずない。
Ｑ.カヤック選びのポイントは？
A.海か川か、ひとり用か二人用か、ツーリング用に荷物が積載できるタイプか、など目的にもよるのでショップで相談しよう。
Leonard Di Francesco
エンジニア。ペンシルベニアの実家のそばに川があり、10歳の時に父親の指導でカヤックを始め、キャリアは25年。月に最低2回はキャンプ道具を持って数泊のカヤック・ツーリングへ出掛ける。
● 達人おすすめのスポット
1. Hoh River（WA）
オリンピック国立公園内を流れる川で、熱帯雨林とオリンピック山が織りなす風景が素晴らしい。ラフティングもOK。
2. Wenatchee River（WA）
アクセスが良く、川幅も広いので初心者でも楽しめる。ベスト・シーズンは4月から7月中旬だが、11月頃まで楽しめる時も。
3. Snake River （ORとアイダホの州堺）
NW1の深さを誇るHell’s Canyonをぬって流れる川。その景観は言葉を失うほど美しいが、大きな波が襲う急流でもある。
【カヤックが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Lopez Island Sea Kayak
（Sun Juan Islandエリア）
TEL：360-468-2847 www.lopezkayaks.com
●Riverside State Park（Little Spokaneエリア）
1509-465-5064 www.riversidestatepark.org
■オレゴン州
●Champoeg State Heritage Area
（Willamette Valleyエリア）
TEL：503-678-1251
www.oregonstateparks.org/park_113.php
●Trillium Lake（Mt. Hoodエリア）
TEL：503-668-1700 ウェブサイトなし
この他のアウトドア・アクティビティー
● ローラーブレード
湖の周辺やトレイルが整備された公園でできるお気軽スポーツの代表格。シアトル近郊ではグリーン・レイクやアルカイ・ビーチが有名。ポートランド近郊では「Tom McCall Waterfront Park」のほか、スケーターのための公園「Burnside Skate Park」もある。
● ゴルフ
NWは知る人ぞ知るゴルフ天国。日本に比べたら料金も格安で、1ラウンド$30前後でプレイできる。まずはゴルフ・レンジ（打ちっ放し）で数回練習をしてから、いざコースへ。マナーもそれほど厳しくないので、ビギナーでも気負わずにグリーン・デビューできる。
● 特集｜ノースウエストでゴルフを楽しむ »
● シアトル観光ガイド（ゴルフ） »
● 乗馬ツアー
森の中や海沿いを歩く数時間のお気軽ライドのほか、キャンプをしながら数日かけてホース・トレッキングを楽しむコースなどいろいろ。いずれも訓練された馬に乗るので、乗馬ビギナーでもOK。料金の目安は1.5時間$20前後。
● 熱気球
ダイナミックに空中体験したい人におすすめ。ワシントン州にはレドモンドやウディンビルに、オレゴン州にはシャーウッドやレイク・オスエゴに熱気球ライドの会社があり、料金の目安は$150前後（飛行1時間＋ランチ付き）。NWの大パノラマを空から楽しんでみては？
● スカイダイビング
アドレナリンを大放出して空中を急降下。インストラクターと一緒にフリー・フォール（落下）を楽しむ「タンデム」と、4～5時間の講習後、自動的に開くパラシュートを自分で使って落下する「スタティックライン」がある。料金の目安は「タンデム」で$150前後。
● ウインド・サーフィン
ワシントン湖をはじめとする湖で気軽に楽しめ、道具一式もレンタルできる。また、ワシントンとオレゴンの州境を流れるコロンビア川の支流、Hood Riverはウインド・サーフィンのメッカ。初心者～上級者を対象にしたレッスンも行っている。
● セーリング
マイ・ヨットがなくてもセーリング・クラブなどのレンタルを利用すればセーリングが楽しめる。ただし、操船をするには各クラブの講習などで操船技術と航行ルールを学ぶことが必要（ライセンスは不要）。それも面倒という人は、大型帆船のツアーに参加する方法もある。
● パラセーリング
パラシュートを着けてボートに引っ張ってもらい、空中散歩を楽しむスポーツ。海や湖で楽しめるが、一番気軽にできるスポットはシアトルのウォーター・フロント（ピア57）。ボートでエリオット湾の沖まで出て、約80メートルの高さまで上がる。滞空時間は10分で約$50。
● 水上スキー
ボートに引っ張ってもらい、水上を走るスリル満点のスポーツ。主に湖で楽しめる。体験スポットはシェラン湖（WA）、ベーカー・カウンティー（OR）など。海や湖の水上をさっそうと走り抜けるのは快感だが、スピードが出るので事故の危険も高い。ワシントン・オレゴン両州では運転ルールを設けている。サインなどをある程度把握し、決まりを守って遊ぼう。シェラン湖周辺では器具がレンタルできる場所もある。
【水上スキーが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Lake Wenatchee State Park
（Lake Wenatcheeエリア）
TEL：509-763-3101 www.parks.wa.gov
●Lake Chelan State Park（Chelanエリア）
TEL：509-687-3710 www.parks.wa.gov
■オレゴン州
●Deschutes River Recreation Area（Central Oregon北部）
TEL：1-800-551-6949
www.oregonstateparks.org/park_37.php
●Detroit Lake State Recreation Area（The Willamette Valleyエリア）
TEL：503-854-3346
www.oregonstateparks.org/park_93.php
● ラフティング
ゴムボートを漕ぎながら急流を下る。Wenatchee River、Methow River、Nooksack River（以上WA）や、Deschutes River、Hood River、Clackamas River（以上OR）が主なスポット。川沿いには、ギア・レンタルやスクール、ツアーなどを提供する店が点在しているが、かなり落差のある急流を下っていくので、初めての人はインストラクターが同乗するツアーに参加するのが無難。
【ラフティングが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Bridge RV Park
（White Salmonエリア）
TEL：1-888-550-7275 www.bridgerv.com/
●Ellensburg KOA（Ellensburgエリア）
TEL：509-925-9319 www.koa.com/where/wa/47129/
■オレゴン州
●Memaloose State Park（Hood Riverエリア）
TEL：541-478-3008
www.oregonstateparks.org/park_163.php
※最寄りのラフティング・ショップ「Wet Planet」の敷地内でキャンプ可
TEL：1-800-306-1673
www.wetplanetwhitewater.com/home.htm
●Viento State Park（Hood Riverエリア）
TEL：1-800-551-6949
www.oregonstateparks.org/park_171.php
● 潮干狩り＆カニ取り
潮干狩りではカキやハマグリなど、カニ取りではダンジネス・クラブなどの食用ガニが取れる。ワシントン州ではグレー・ハーバーからコロンビア川河口周辺、オレゴン州ではリンカーン・シティーなど。注意点は必ず各地域ごとのルールを把握しておくこと。基本的に満15歳以上はライセンスが必要で（釣具店などで購入可）、1日に収穫できる量も決まっている。網・熊手などは釣具店などで購入しよう。
【潮干狩りやカニ取りが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Deception Pass State Park
TEL：360-675-2417
www.parks.wa.gov
●Dosewallips State Park（Hood Canalエリア）
TEL：1-888-226-7688 www.parks.wa.gov
■オレゴン州
●Nehalem Bay State Park（Oregon Coast北部）
TEL：503-368-5154
www.oregonstateparks.org/park_201.php
●Devils Lake State Recreation Area（Lincoln Cityエリア）
TEL：541-994-2002
www.oregonstateparks.org/park_216.php
● ロッククライミング
安全ロープをつたって岩肌を登る。一見難しそうだが、意外に初心者やスポーツが苦手な人にもお勧め。屋内施設などで基礎を学んだら、野外で本物の岩にも触れてみたい。ワシントンとオレゴンの州境にあるビーコン・ロックやホースチーフ・シュートなどでは、いろいろなレベルの人が楽しめる。頂上までは大変だが、そこから見る景色は格別だ。
【ロッククライミングが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Beacon Rock State Park
（Vancouverエリア）
TEL：509-427-8265
www.parks.wa.gov
●Spokane KOA
（Spokaneエリア）
TEL：509-924-4722
www.koa.com/where/wa/47107/
■オレゴン州
●Prineville Reservoir State Park
（Prinevilleエリア）
11-800-551-6949
www.oregonstateparks.org/park_34.php
●Smith Rock State Park
（Smith Rockエリア）
TEL：1-800-551-6949
www.oregonstateparks.org/park_51.php
● パラグライダー
ハンググライダーとパラシュートを組み合わせたパラグライダー。ワシントン州ではタイガー・マウンテンや、シェラン・ビュートなどの山間部で行われているほか、フォート・イービイなどの海岸部でも体験できる。じかにレッスンを受けられるキャンプ場はないが、１日体験ができるスクールが近くにある所も多いので、キャンプのついでにぜひ挑戦して欲しい。
【パラグライダーが楽しめる主なキャンプサイト】
■ワシントン州
●Beebe Bridge Park（Chelanエリア）
TEL：509-661-4551 www.chelanpud.org
●Fort Ebey State Park（Whidbey Islandエリア）
TEL：360-678-4636 www.parks.wa.gov/parkpage.asp?selectedpark=Fort%20Ebey
■ オレゴン州
●Tucker Park（Hood Riverエリア）
TEL：541-386-4477 ウェブサイトなし
※最寄りのパラグライダー・スクール：
Sunsports Paragliding TEL：541-387-2112
ウェブサイト： www.usairnet.com/Paragliding/Training/Schools.htmlのOregonからsunsports
paraglidingをクリック
●Fort Stevens State Park (Hammondエリア)
TEL：503-861-1671
www.oregonstateparks.org/park_179.php
※最寄りのパラグライダー・スクール：
DiscoverParagliding TEL：503-861-2772
www.usairnet.com/Paragliding/Training/Schools.html
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