アメリカ生活の長さに個人差はあれど、子育て、そして英語での生活に不自由を感じることがある人は多いのでは。「子供の様子がいつもと違う。そんな時どうすれば?」「英語を話すのに自信が持てなくなってしまった」などの疑問を解く。アメリカで生活する上での子育て&英語適応力をよりアップさせよう。(2012年4月)
※アメリカでの英語上達法については、姉妹サイト・ライトハウスの特集記事「英語完全学習法~アメリカ現地講師がおすすめする上達方法」もご覧ください。
アメリカ生活を後押し! |ページ1(子育て編) »|ページ2(英語上達編) »
アメリカ生活を楽にするコツ、英語をモノにするためのヒント
アメリカ生活を始めたのはいいけれど、英語に対してコンプレックスが消えない人も多いはず。ふたつのシチュエーションを元に、心理カウンセラーが克服方法を伝授。
日常生活編
<回答|カウンセラー 角谷紀誉子さん>
英語には自信があったのに、渡米してみると日常生活の中で会話が聞き取れず、思うように話せず落ち込みます。
英語の上達には、学習だけでなく、「心構え」も必要です。そのいくつかをご紹介しましょう。
①プライドの保留
「恥をかきたくなくて」英語を話したがらない人は多いです。英語の上達が早い人は「とにかく話す人」で、笑われても傷つかず「ウケた」と思えるくらいの人。話すことで、アメリカ人が英語を直してくれたり、「あいつは面白い」と友達になってくれるというメリットもあります。
②話し続ける度胸を持つ
すごい発音でひどい文法にも関わらずベラベラ話す外国人はいますよね。驚くことに、それを聞いているアメリカ人はちゃんと理解して会話が進んでいるではありませんか。対して、日本人はひと言ひと言、相手が理解したかどうか確かめるために、短いセンテンスで切ったり、語尾を上げたりするので、相手が「?」という表情をして会話が自然消滅、というパターンが多いです。相手の顔色を気にせず、説明を加えジェスチャーを交えながら話し続けてください。相手は全体の文脈や表情などから内容を察してくれるでしょう。
③ネイティブみたいに話そうなんて考えない
第2カ国語の発音が完璧に身に着くには、12歳以下で始め、しかも数年続けなければ何かしらのアクセントが残ることが研究でわかっています。「ネイティブと同じように話すのは無理」ということを頭に入れましょう。英語は単なるコミュニケーションのツール。「通じれば良い、相手の言っていることがわかれば良い」のです。
④クローズド・キャプションでセンテンスを丸覚え
テレビや映画のシーンで、使えそうなセンテンスや格好良いセンテンスを書き取って丸覚えし、とにかく使ってみることです。日本人が不得意な「断る」「問題を解決する」「交渉する」などのシーンの会話を覚えておくと便利。また、その番組や映画のことを話題にできるので会話がもっと進みます。
ワシントン州認定臨床ソーシャル・ワーカー。サクセス・アブロード・カウンセリング社代表。著書に『在米心理カウンセラーが教える、留学サクセスマニュアル』(アルク社)などがある。駐在、留学、国際結婚、子育てなどの悩みに対応する。
■ Success Abroad Counseling
TEL : 206-418-0600 www.successabroadcounseling.com
パーティー編
<回答|カウンセラー 伊藤ゆきさん>
会話にちゅうちょしてしまい、パーティーが憂うつです。
一般的に言って、日本のパーティーとアメリカのパーティーの違いは「誰が」パーティーを楽しくするかです。日本では招待客が楽しい時間を過ごしているか「ホスト」が気配りします。だから招待する人数も少なめですが、アメリカではホストの役目は場所、飲み物、食事を提供するくらいで後はほったらかし。招待人数も多く、客同士の面識がないことも多いのです。つまり「招待された人」が自分の責任で楽しい時間を過ごします。
日本人は下手な英語で話し掛けたら迷惑だろう、変な人だと思われるかも、などと気後れしがちですが、アメリカのパーティーでは、日本人が心から楽しめないのは当然です。参加することに意義がある、社会勉強だ、くらいの軽い心構えで出掛けると良いでしょう。語学力はどうあれ、自分に自信を持ち、相手に興味を持つことは、社交では必須です。彼らの会話に入って意見を言うのが苦手なら、質問して相手に答えさせて会話を進めるという手があります。「I love your dress. It’s so beautiful. Where did you get it?」など、簡単なことでいいので、いくつか質問事項を考えておきましょう。自分の好きなこと、自己紹介的な会話も準備しておくと便利です。最初はうまくできなくても、場慣れしていくことで受け答えもスムーズになるものです。
相手の目を見てあいさつする、にっこり笑うことも忘れずに。迷惑そうな顔や冷たい反応をされても気にせず、次の人に話し掛けてください。日本やアジアに興味を持つ人なら会話も弾みます。そんな人を見つけるのもパーティーを楽しくするコツです。また、その場にどんな人が来るのかを事前に確認しておくと心強いでしょう。たとえ、ひとりになっても、ドリンクでも飲みながら人間観察をしてその場を楽しむくらいの度胸が大切です。
ワシントン州認定メンタル・ヘルス・カウンセラー。子供、親子、大人、カップルを対象に、サクセス・アブロード・カウンセリングにおいて、オンラインや電話、またはオフィスにて心理カウンセリングを提供。
■ Success Abroad Counseling
TEL : 206-418-0600 www.successabroadcounseling.com
日本人なまりの英語を改善!
<話|英語発音指導者 スコット・ペリーさん>
日本人特有のなまりを改善し、ネイティブに通じる本場の発音を習得する方法は? ネイティブの発音に近づく大切なポイント2つを紹介!
1. 息を深く吸う
英語を話す時は大きく息を吸い、肺の中に入った空気をすべて出し切るまで音を切ったり途中で止めたりしてはいけません。ネイティブのように英語を話すには、正しく呼吸することがいちばんのポイントになります。ネイティブ達が英語を話し始める時、日本人より深く息を吸い、肺いっぱいに空気を溜め、話し終わるころには肺の中の空気はほとんど残っていません。空気の出し方を調節しながら、話すスピードやリズムをコントロールするのです。一方、日本語を話す時はあまり呼吸を意識しません。初めに息を大きく吸わない代わりに、文の途中で何度も必要なだけ息継ぎをします。この呼吸法の違いを意識してみてください。
2. 上唇を上げて調子の高い音(高ピッチの音)を作る
英語と日本語のもうひとつの違いは、言語が持つ音の周波数です。日本語の平均周波数は1,500ヘルツ、英語は3,000ヘルツと推定されており、日本語の周波数のままで英語を話せば、音が単調で低く聞き取りにくいものになってしまいます。高ピッチの音を出すには上唇を上げ、唇を使って音を形作るように話せば良いのです。アメリカ映画やアメリカ人同士が話しているのを見る機会があれば、注意して見てください。彼らが歯を見せて話しているのに気付くでしょう。唇を見ただけで、何を言っているのか読み取れるほど大げさにして良いくらいです。
発音矯正トレーナー、エンターテインメント発音コンサルタントとして日本人に特化した発音指導を25年間にわたり実施。学生やビジネスマン、国内外で活躍する日本人歌手や俳優など多くの人々に指導を行っている。
■ Scott Perry www.scottperryacademy.com
アメリカ生活の味方!無料のESL
*情報は2012年4月時点のものです。
● 図書館のESLクラスが無料で受講できる!
キング郡のいくつかの図書館では無料のESLクラスを提供しており、読む、書く、話す英語をESLインストラクターから学ぶことができる。レジストレーション、レベル分けテストが必要なクラスもあるので、詳細は下記で確認を。4~6月のクラスが間もなくスタート!
ワシントン州キング郡図書館 TEL : 425-369-3454 www.kcls.org
ワシントン州シアトル市内の図書館 TEL : 206-386-4636 www.spl.org
● 図書館のトーク・タイムで英語に慣れよう
英語のネイティブ・スピーカーがリードして英語の会話練習をしていくトーク・タイム。アメリカの文化だけでなく、さまざまな国からの参加者とお互いの文化をシェアすることも。渡米間もない人や英語に慣れたい人にはとても有意義。レジストレーション不要。
ワシントン州キング郡図書館 TEL : 425-462-9600 www.kcls.org
ワシントン州シアトル市内の図書館 TEL : 206-386-4636 www.spl.org
オレゴン州マルトノマ郡図書館 TEL : 503-988-5234 http://multcolib.org
● コミュニティー・カレッジのESL
ほとんどのコニュニティー・カレッジには外国人のためのESLのクラスがあり、低料金で受講可能。地元のコミュニティー・カレッジのパンフレットやウェブサイトをチェックしてみよう。
● オレゴン州グッドウィル主催の無料ESL
英語を上達したい人なら誰でも、超初級者から上級者までレベル別クラスで受講可能。ポートランド(1943 SE 6th Ave., Portland, OR 97214)、セーラム(3535 Lancaster Dr. NE, Salem, OR 97305)またはバンクーバー(6425 NE Fourth Plain Blvd. Vancouver, WA 98661)いずれかのグッドウィルに出向き、レジストレーションを。
問い合わせ先: Goodwill TEL : 503-238-6173/TEL : 503-238-6196
https://goodwilljobconnection.org/esl/free-classes/
留学生ホームステイ生活 悲喜こもごも
英語上達の早道、そしてアメリカ生活にいち早く順応するために、渡米直後にホームステイ生活をした人は多いはず。ホームステイには当たり外れがあると言うけれど、実際はどんな生活? そして英語上達のために心掛けていることを現役留学生に調査!
ホストファミリーと暮らして良かったこと、悪かったこと
◎良かった
家事をしなくていい。時間の節約になる。アメリカのリアルな家庭の様子を見られる。子供のしつけなど、見ていて面白い。 (若干平和/男)
アメリカの文化、生活様式により多く触れる機会を作ってもらえる。地元の祭りや、教会のイベント、観光地に連れて行ってもらった。アメリカは親戚で集まる機会が多いので、そこでの出会いも会話向上に。あと、電話対応がうまくできなかった時に代行してもらったりなど、海外生活は何があるかわからないので安心感があった。(小林/女)
×悪かった
私が滞在した家は子供が多く、ホストマザーが料理まで手が回っていなかった。3日間同じおかずで通されたこともあったし、野菜も少なかったため体調を崩した。今はルームシェアに移って自炊している。 (若干平和/男)
友達をあまり家に呼べず、呼んでも気を遣って遅くまで騒げない。(Joy/女)
子供が小さいため夜9時以降は静かに過ごさないといけない(シャワーも禁止)。また日本でひとり暮らしを経験していたためか、他人と一緒に暮らすことに少し抵抗があった。(ジャッキー/女)
ホストファミリーとのエピソードや思い出深い食事メニューは?
ホストファーザーの出勤が早朝なので(4時半起き)、週末も朝早くから行動。どこかに連れて行ってもらえるとしても、8時くらいまで寝ていると置いて行かれたりする。(小椋/男)
アメリカでは家の中で靴を脱がないと思っていたが、日本のように脱ぐ家が多く、逆に期待外れだった。あと、私のホストファミリーは日本人は食事の際、箸のみを使うと思っていたので、フォークやスプーンを使っていたら「無理にアメリカ人ぶらなくていいのよ」と、箸を差し出してくれた。(小林/女)
ホストマザーが料理の先生でご飯はおいしいがケーキは時々甘過ぎ。でも昼食(ホストとしては稀)も毎日用意してくれるので感謝!(小椋/男)
アメリカ生活中の英語上達法や、自分なりの勉強方法
アメリカ生活中に映画やドラマなどを見まくる。良いなと思ったフレーズを覚えて使う!(emma/女)
発音は意識して訓練しないと治らないので、アメリカ留学中であっても発音訓練用の日本語の本『英語耳』を読んでいる。英語の読み物としては『Wall Street Journal』を購読中。英文もダントツに難しく予備知識も必要だが、これが読めるようになればリーディングで困ることはないだろうという気持ちがモチベーションになる。 (若干平和/男)
アメリカ人や英語を話す人が多い所に行く、教会やクリスチャン系のアクティビティに参加する、ラジオを聞くなど。(Joy/女)
家の近くで行われていたファーマーズ・マーケットが好きで、ボランティアとして毎週手伝っていた。みんな親切で、その後のインターンにも繋げられ大変良い経験になった。(yuripon/女)
家では部屋にこもらずホストファミリーと積極的に話す時間を作る。学校では知らない生徒にも話し掛けたり、ボランティアに参加したり、とにかく話す機会を自分なりに増やしている。(小林/女)
今更聞けない英語の略字
【AKA】 As known as
【ASAP】 As soon as possible
【ASL】 Age Sex Location※意味:年齢、性別、住んでる場所を尋ねる場合に使用
【B2B】 Business to business
【B2C】 Business to customers
【B4】 Before
【BR/Brgs】 Best regards
【BRB】 Be right back※「すぐ戻ります」の意味。AFK (Away from keyboard)となると「ちょっと席を外します」という意味になる。
【BTW】 By the way
【BYOB】 Bring your own bottle/booze/beer 大人のパーティーで「自分の好きな酒を持って来て」という意味で使われる。参加者が家族単位の場合は最後のBがドリンクのDになり「飲み物お願いね」、ポットラックの場合はフードのFになり「何か食べ物持って来て」となる。
【CU】 See you
【FYI】 For your information
【GTG】 Got to go
【How r u?】 How are you?
【IC】 I see
【J/KまたはJK】 Just kidding
【LOL】 Laugh out loud※日本語の(笑)と同じ感じで使用される。
【OMG】 Oh my god
【PLZ】 Please
【PPL】 People
【r u ok?】 Are you okay?
【S/O】 Shout out、Significant other、Sold outなど
【TGIF】 Thank God it’s Friday
【Thx/Thnx】 Thank you
【U2】 You too
【UR】 You are/ your
【W/】 With
【W/E】 Weekend
【W/O】 Without
【XOXO】 Hugs and Kisses※意味:ラブレターや子供が手紙の最後に付けることが多い。Xが横から見たキスをしている様子、Oは両手を広げてハグしている様子を表した愛情表現。
【Y】 Why?
【4U】 For you
私はこうして英語をものにした
英語を操りバリバリ仕事をしているバイリンガルの3人に、気になる英語上達法を聞いてみました。(*取材実施は2004年)
● 酒井ケンさん|翻訳業務、日米のビジネス・コンサルティング
使えそうなフレーズはかたっぱしからメモ 自分の表現を増やす!
Q.アメリカに来た当時の英語力は? また、どのように英語を勉強しましたか?
それなりに英語を勉強してアメリカに来たつもりですが、日本で勉強した英語とアメリカ人が実際に使っている英語のギャップが大きく、外国というよりほかの惑星に来たような錯覚を抱きました(笑)。語学は所詮モノマネだと思っていたので、使えそうな表現やフレーズを聞いたら片っ端からノートに書き込み、日本語訳を付けて、繰り返して見て覚えました。時代遅れやキザな言い回しもあり、必ずしも鵜呑みにできないのが難しいところですが、当時のノートが3冊あり、今でも宝物のように感じています。
Q.英語力を磨くのに役立った教材・本・テレビなどがあったら教えてください。
日本にいた時はNHKのラジオ英会話講座のテキストを最も頻繁に使っていました。ビジネス関係で役立ったのは、日本人ビジネスパーソン向け英語の学習書『これでアメリカ人と仕事ができる(ロッシェル・カップ/ローラ・クリス共著』と『辞書では引けない最新ビジネス・キーワード100(ロッシェル・カップ著)』。ただ英語を覚えるのではなく、アメリカのカルチャーや、バックグラウンドを同時に理解しながら、ビジネス・シーンに適切な英語表現を覚えることに徹しているので、表現が自然に頭の中に入ってきます。
Q.普段の生活でお金をかけずにできる英語上達法は何だと思いますか?
アメリカ人の同僚や友人との会話で聞いたことがない表現や言い方、単語があったら、会話を中断してもらい、その言葉を紙に書いてもらう。それを後でノートに書き写し、英語の表現を増やすこと。これは私にとってとても効果的でした。しかし、会話を中断したり書いてもらったりするのは、ある程度人間関係ができた人とでなければすんなりいかないので、アメリカ人の友人を作るのもポイントだと思います。
■ 酒井ケンさん
1958年生まれ、1987年渡米。翻訳業務や日米のビジネス・コンサルティングを行う『Pacific Dreams, Inc.』の代表取締役。ロッシェル・カップ氏の異文化コミュニケーションや人事管理関係の本を出版するなど、出版翻訳家としても活躍。
● 竹中維津美さん|アメリカン航空のアカウント・デベロップメント・マネージャー
聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥
Q.アメリカに来た当時の英語力は? また、どのように英語を勉強しましたか?
アメリカに来てすぐにカレッジに入学したのですが、English097からスタートしたと思います。私は小学生の時に洋楽と洋画にハマったという“ませた子供”で、どんな歌かを知りたい気持ちからよく辞書を引き、好きな俳優の映画を何度も繰り返し見ました。それで聞き取れるような簡単はフレーズは、子供が言葉を覚えるように耳に入っていったと思います。また、小学生からNHKのテレビとラジオの英会話講座を利用して勉強したり、高校生時代は知り合いの英語の先生の家へ遊びに通ったり、外国人の友人もたくさん作りましたね。それが高じて21歳でアメリカ人と結婚してしまったのですが(笑)。
Q.英語力を磨くのに役立った教材・本・テレビなどがあったら教えてください。
母国語や外国語を問わず、わからないことをそのままにしないことです。“聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥”と言うし、何よりも私はわからないことはすぐに知りたいタイプ。なのでよく質問し、辞書もまめに引きます。15歳の時に買った英和辞書を今も使っていますが、ボロボロになって外れてしまったページもあるほどです。
Q.英語を勉強している人にアドバイスをお願いします。
言葉は学問ではなくコミュニケーションの手段ですから、まず会話から始める、そして間違いを気にせずにとにかく使うこと。一生懸命勉強して学ぶという観念を払拭して“知りたい、覚えたい、話したい”という欲求に忠実になれば英語はマスターできます。私の場合も英語は遊びながら覚えたと言った方が正しく、辞書を引くのは意味を知りたいという欲求が強かったから。一方、今はEメールもビジネス・コミュニケーションの大切な手段なので、正しく書く能力も必要。ライティングは英語を外国語としている人には一番のチャレンジだと思いますが、私は“簡潔・明瞭”を心掛け、ネイティブの人の上手な文章を参考にしています。
■ 竹中維津美さん
1960年生まれ、1984年渡米。1988年より航空会社で仕事を始め、現在はアメリカン航空のアカウント・デベロップメント・マネージャー。日本便就航中はパシフィック・セールス・マネージャーを務めていた。
● 小林めぐみさん|インターナショナル・ファイナンシャル・アドバイザー
話す努力、聞く努力、辞書を引く努力これらを怠らないことが重要
Q.アメリカに来た当時の英語力は? また、どのように英語を勉強しましたか?
日本の高校を卒業後、アメリカのカレッジに入学したのですが、当時でTOEFL475点ほど。日本では英語の個人レッスンを受けていたのですが、その時使っていたテキスト3冊は暗記するほど勉強しました。ひとりで2役しながら対話をし、流暢に話せるまで繰り返したのですが、それが今のベースになっている気がします。
私は今でも辞書をよく使います。英語力が付いた今、知らない単語が出てきても推測することで文章の意味はわかりますが、それでは新しい単語を覚えないし、使いこなせない。辞書、それも英英辞典をまめにひき、その言葉を完璧に理解した上で使うように努力します。また、通訳や翻訳力アップのためには、英英・英和辞典のほかに広辞苑も使って、日本語のボキャブラリーも養うようにしています。
Q.英語力を磨くのに役立った教材・本・テレビなどがあったら教えてください。
日本ではFENラジオ(米軍基地放送。現AFN)をよく聴き、アメリカに来てからはテレビを見まくりました。渡米して5カ月目くらいに、いきなりCMがスローモーションかと思うほど理解できるようになったのを覚えています。
Q.普段の生活でお金をかけずにできる英語上達法は何だと思いますか?
テレビ、ラジオ、雑誌などをフル活用して、興味があることに英語でのめり込むこと。スポーツ、芸能、料理など、自分が好きなことなら一生懸命になれるから、何でもいいのです。そして、話す努力、聞く努力、辞書を引く努力を怠らないことが大切だと思います。
■ 小林めぐみさんさん
1964年生まれ、1984年渡米。世界中で展開する総合金融サービス会社『メリルリンチ』のインターナショナル・ファイナンシャル・アドバイザー。語学力の高さと人柄で、マリナーズの日本人選手歓迎イベントなどで通訳を務めることもある。
お金をかけずに学ぶ
英語はひとつの生涯学習。そこで、『ゆうマガ』読者の皆さんに、普段の生活でお金をかけずにできる勉強法を聞いてみました!(*取材実施は2004年)
●カフェやショップなどで他人の会話を盗み聞きしてリスニング力を養う。カフェに置いてある新聞を片っ端から読めばリーディング力もアップ。あと、パッケージや製品の説明書きやカタログを読むのも、いろんな分野特有のボキャブラリーがあって意外と勉強になります。(ぴんこ・33歳・会社員・在米2年半)
●小さなノートを常に携帯し、初めて知った単語や表現を書き留める。家に帰ったら辞書を引き、意味や使い方と一緒に大きなノートに書き写して覚える。 (ぴーちゃん・35歳)
●ずばり英語で交換日記! 映画の感想や、日々思うことなど、なんでも英語でしたため、それをネイティブの友達に添削してもらう。返してもらったらそれを音読。お金もかからず、楽しく効果的にできる勉強法。2冊用意すると間が空かなくていいですよ。 (バナナ共和国・28歳・アルバイト・在米1年半)
●始めはよくある会話本を丸暗記し、慣れたら単語を替えたり応用して使う。あとは独り言を言ったり、これからしなきゃいけないことなどを英文にする(例:明日携帯料金を払わないと止められちゃう)。わからなかったらすぐに辞書で調べてモノにする。 (お蝶夫人・30歳・派遣社員・在米6年)
●発音には、影のように後から真似して発音する『シャドーイング』が役立つ。聞きながらひたすらしゃべりまくっていると、どこが聞き取れていないか、またどの発音が苦手なのかなどがわかる。あと日本の英字新聞。アメリカの新聞はとっつきにくいが、日本の新聞だと内容的に基礎知識があるので取り組みやすい。 (マンカストラップ・25歳・学生・在米1年)
●英語学習系のメルマガ。特に音声付きでネイティブの発音を確認できる『言いたい英語・聞きたい英語 www.lint.co.jp/MLM/MLM_subscribe.htm』。アメリカ人が実際に日常会話で使う表現が多く、すぐに役立つ。 (ペンペン・25歳・会社員・在米2年4カ月)
●通勤中にはラジオを聴き、家ではテレビを見る。わからない単語は英英辞書ですぐに調べる。あと、やたらパーティーに参加し(飲んで恥ずかしさを忘れ、多くの人と話すから)、気に入った映画はアホのように何度も見て、セリフを覚えて使う。(PN・28歳・会社員・在米6年)
●ボランティアに参加したり、英語が共通語になる人と生活したり、とにかく英語に触れる。テレマーケターからの電話も長々と話をしてから断る。故障の多い車に乗ったり、ちょっとしたトラブルに巻き込まれるのもポジティブに考えると有効。(ミシル・28歳・ネイリスト・在米6年)
●TOEFLの勉強! この試験はヒアリング、文法、読み・書きのすべてをカバーしているのでおすすめ。また、定期的に試験を受けることにすると、点数アップの目標ができて意欲も高まります。(Eひーひー・36歳・学生・在米2年)
●Snohomish County Literacy Coalitionという 団体が行っている英語の家庭教師(無料)!あと、子供の絵本を読んだり(意外に勉強になる)、図書館のStory Timeに参加して子供と一緒に英語を磨く。買い物はなるべく対面式を利用して、レジに並んでいる時は前後の人と会話。カードで素敵なフレーズがあったら書き留めて覚える。(どらちゃん・38歳・主婦・在米16年)
●スムーズに表現できなかった文章は、帰宅後その場面を想定してスムーズに言えるようになるまで何度も練習する。地道なプロセスだが、自分の弱点を認識でき、短期間で効率的な伸びが期待できる。 (MJ・27歳・学生・在米1年2カ月)
●車でラジオを聴き、テレビのニュースを副音声で見て(意外に効果あり)、英語で考える癖をつける。例えば道を歩いていて「花がきれいだな」ということでもOK。とにかく英語で言ってみるのが重要。(すみれ・26歳・学生・在米11カ月)
●アメリカ人の友達を作る。一緒に行動していると「こんな時はこういう言い回しをするのか」と自然に覚えられるし、わからない単語や表現は聞けばいい。辞書で調べるのと違って、意味や使い方をフィーリングで覚えられる。あと聞き役に回らずに喋りまくるのもポイント。 (あれ吉・36歳・ソフトウェア関連・在米10年半)
●TOEFLやTOEICを定期的に受けるようにし、それに向けて勉強する。漠然と勉強するよりも目標があると集中できるから。で、映画やテレビなどを見て、とにかく英語に触れる時間を増やす。(親方・24歳・学生・在米1年2ヵ月)
●独り言を言う。周りに人がいない時には声に出して。いるときは嫌なやつになってしまうので頭の中だけで。映画などを字幕付きで観てから、その後なしで観るのを繰り返す。歌の歌詞を覚えてその歌手になりきったつもりで歌う(発音に特に気を配る)。(お蝶夫人・30歳・派遣社員・在米6ヵ月)
●机上でする勉強は嫌いだけど、生活がかかると嫌でも意思の疎通を図ろうとするようになる。働きながら覚えた英語って多いです。他の人の話すのを聞いて活用したり。(Imchef・42歳・販売員・在米11年)
●シャドーイングと独り言英会話。(AS・39歳・駐在員・在米2年半)
● 毎日、英語で日記をつける。また、わからないけどCNNを観て理解力を養ったり、英字新聞(特に『Seattle Weekly』。タダだから)を読んだりする。物事を考える時に英語で考えてみるのも有効!(Wallflower・23歳・商社勤務・在米2年半)
●英語でしか話せない友達を作ってとにかく話す。(サンタ・35歳・会社員・在米2年)
● 友達や恋人を作ってとにかく英語を話すというのは、ある程度のレベルまでしか到達できない。自分の持っているボキャブラリーでしか言いたいことを表現できないので。“話すこと”に慣れたら、ボキャブラリーの習得に力を入れるべき。(若葉マーク・31歳・会社員・在米3年)
●ワンポイント英会話などが学べるメルマガに登録したり、英語学習系のホームページを読む。ちなみに、大学のESL部門がやっているHPの内容はかなり充実している。(まいまい・36歳・会社員・在米4年)
● インターネットや新聞で英語のニュースを読み、マメに辞書を引き、正しい意味や使い方を調べる。「毎日英語に触れる」ということはとても大切。(みっくん・31歳・学生・在米1年)
●日本人は文法にとらわれて言葉が詰まってしまうことが多いけど、とにかく下手でも間違えていても、話すこと。親戚が多い主人の家庭ではよく集まりがあって、頭の上をわけのわからん会話が飛び交い、最初は針のむしろ。私はただヘラヘラ笑っているだけで、人格が変わったようで情けなかった。しかし、職場で一緒に働いていた中国人のおじさん(めちゃくちゃブロークン英語)がアメリカ人に向かって「お前の発音が悪い!」というのを聞いて開眼。それくらいの心意気で話すのも上達の近道。今でも100%わかるわけではないけど、積極的に会話に参加している。(Imchef・42歳・販売員・在米11年)
● 映画を観て、言葉の使い方や発音に注目する。その映画のセリフの本を買ってマネするとなお良い。(沙羅・23歳・学生・在米1年)
●外国人と話してわからない単語は即チェック、即暗記。そのつど使い方などを外国人に聞くのがいい。プロレスを観ながらスラングも覚えられるWWE(World Wrestling Entertainment)は、僕にとっては一石二鳥。スラングは使わなくてもいいけど、語学勉強において避けては通れないものなので早めに覚えるべき。インド人の友達は、常日頃から思うことすべてを頭の中で英語から変換する方法で、日本語がとてもうまくなったそう。(ゼッペキ伊藤・47歳・漫画家兼プロボクサー・在米歴11ヵ月)
● 気になった単語を調べる癖をつける。好きなDVDを30回以上観て、単語も調べ尽くす。特に字幕は役立つ。字幕付きの日本のドラマを観るのも面白い。日本語がわかるので、英語の使い方、ニュアンスがよくわかる。(ペン・22歳・学生・在米1年)
●興味ある本をたくさん読む。僕の場合、シドニー・シェルダン、ジョン・グリシャム、ケン・フォレット、ジェフリー・アーチャーなど。(シドニー・37歳・駐在員・在米1年10ヵ月)
●映画やテレビを観る、雑誌などに目を通す、わからない単語をメモしておき、あとでまとめて自分だけの単語帳を作る。ドラマを観ることで、日常的な言い回しを学べる。(プリンセス・25歳・学生・在米11ヵ月)
● 大学に通っていると嫌でも英語を勉強しなければならないので、自然と伸びると思います。死に物狂いでのレポートとか、膨大な量のリサーチをインターネットでする、など。否応なくスキャニングの力が付くと思います。学校の教科書を読んでいると、一定の期間に同じ単語が何度も出てくるので、単語力も付きます。留学生同士でも構わないので、とにかく英語での会話をする。同じ考えを持っている日本人を見つけて、「一緒に英語で話そう」と決めて会話をする。ホームステイ、シェアハウスなどで滞在し、アメリカ人と生活をする。確かに、接触はそこまでないかもしれないが、風呂場や台所などでたまには顔を合わせるはず。(mahoko・24歳・学生・在米2年2ヵ月)
●映画は映画館で観ると、英語がわからなくてもとにかく最後まで見続けるので、最初は辛いかもしれないけれどリスニング力が付く。テレビは、「フレンズ」や「ビバリーヒルズ」などアメリカの日常生活(?)を舞台にしたものが、英語での表現力を知る上で勉強になる。(T.S.・22歳・学生・在米11ヵ月)
● パートナー、友達、通行人などと殴られない程度に口ゲンカする。悔しくて、上達が早い(これマジです)。スポーツ番組や「HOME IMPROVEMENT」などのコメディー番組を1日1回観る(初心者向け)。日本人のいない環境(職場、学校、飲屋、何でも良い)に自分を置く。ストイックな性格の人向き。(森のカメさん・44歳・イラストレーター・在米8年)
●テレビを観て、どんな状況でどんな表現を使っているかを知る。ニュース番組では、シャドーイングをする。好きな内容の本をたくさん読む。英単語の意味を調べる時は用例もついでに見るようにし、その単語を使う状況と共に一緒に使われている副詞もまとめて覚える。自分の書いた英文が正しいかどうか、自然な文体であるかどうかを確認するには、Googleの検索をよく使う。フレーズ検索してたくさんヒットすればOK(ヒットしたサイトが英語圏のものであるかどうかは要確認)。文例もたくさん見られるので便利。(かもめ・40代・求職中・在米9ヵ月)
● DVDを観る時には初回は字幕付きで観て、2回目以降からは字幕なしで観ることにしている。字幕付きにしないと特に医学関係や法律関係の映画はストーリーがわかりにくいことがあるし、字幕によって「こんなイディオムがあったのか!」と学べる。字幕なしで観る時は、以前学んだことの復習になる。教材は使ったことあるけど楽しくない。やっぱり自分の好きなテレビ番組や映画から学ぶのが一番では。 (あれ吉・30代・ソフトウェア関連・在米10年半)
●中学時代から、ペンパルを作って英語で手紙の交換をしている。友達への手紙を書いてるうちに、自然と英作文の練習になっていたし、いろいろと表現力が身に付いた。高校時代は、Asahi weeklyなどの英字新聞を取って読むようにしていた。そして、昔、英会話を習っていた時に先生に言われた「プラス・ワン・トーク」を心がけている。会話が膨らむように、常に思いついた会話にもうワン・フレーズ付け加えるようにしてから、会話力が伸びた。(空飛ぶワンコ・23歳・学生・在米2年半)
● リスニングのためにテレビをよく観た。意味がわからなくても聞き続けると、ある瞬間から耳が鳴れて、英語が入ってくることに気付く。リーディングは、眠くならないために、興味ある雑誌を読むのがお勧め。図書館を利用すればタダだし、いろんな分野の雑誌が過去のバックナンバーから揃う。また、自分の覚えたい単語を大きめの字で書いて、目に入りやすいところに張っておくのも有効。スピーキングは、相手の言ってることはわかるのに、自分の意志が伝えられなくてもどかしい思いをするというのは、誰もが通る道。こればかりは実践のみによって得られると思うので、友達作ってどんどん使っていくしかないと思う。日本人グループが主催しているローカルのイベントや、自分の興味のある分野のボランティア活動などに参加すると良い。スポーツをする人なら、現地の人と交わってできる場所を探してプレーするとか。知り合う場所は無限にあるはず。(香織・31歳・歯科矯正科アシスタント・在米11年)
●映画を何度も観る。最低2回(1回は字幕付きで、英語の表現をチェックする)。バーで積極的にアメリカ人に話し掛ける。酔ってると、自分の文法ミスが気にならないため、話しやすい。ビリヤードなどを一緒にプレーするとなお良い。(カール・31歳・営業職・在米13年)
● 学校の図書館で、英語のCDを借りる(CNNなど)。(Kazu・21歳・学生・在米6ヵ月)
●夜寝る前に単語帳や英語文法の本、TOEIC対策本など自分の持っている本を1冊ずつ熟読。すべて読み終えたら、また最初に読んだ本に戻る。そうすると覚えたつもりになっていた単語やフレーズも結構忘れていることに気付く。単語は「ただ暗記する」だけではタンスの肥やし状態。これを「使いこなす」レベルまで持っていくには、何度も何度も本を読み返すこと、そして覚えた単語は日常で使う努力をすることが大切。ドラマ「Sex and the City」のDVDは、こじゃれた表現やネイティブが交わす本当の会話を学べるので、とても勉強になっています。(バナナ共和国・28歳・アルバイト職・在米1年半)
● 毎日英語で日記をつける。たとえ全然わからなくても、CNNなどテレビを観て、新聞を読む。考え事は、全部英語で。外国人の友達を作って、とにかく話す。(WALL FLOWER・商社勤務・在米2年半)
●メルマガに登録し、無料で見られる英語学習のHPをチェック。大学のESL部門がやっているHPの内容はかなり充実している。カフェなどでは、放置されている新聞を読み、他人の話していることを盗み聞き。パッケージや製品の説明書き、カタログをよく読むと、いろんな分野に特有の語彙が養える。定期的にTOEICやTOEFLなどのいわゆる英語の試験を受けるのも、自分のレベルを知る上で効果的。(ぴんこ・33歳・在米2年半)
● コーヒー・ショップに通い、そこの店員と仲良くなる。実際、多くのアメリカ人がアジア、特に日本に興味があるから。(ten ten・24歳・休職中・在米7年)
●話しやすい人(趣味が合うとか、アジア系の人、移民の人など、自分の環境と似ている人)を見つけて、勇気を出してどんどん話してみる。あとボランティア(絶対!)。友達やボーイフレンドもいい話し相手になるけど、夫ともなると、向こうがブロークン・イングリッシュに慣れてくるので英語力は上達しない。義父・義母はいい話し相手になるけど。(KA・32歳・会社員・在米歴6年)
● 気軽に質問できるネイティブの友人を作ること(私の場合は夫)。知らない単語が出てきたら、恥ずかしがらずに意味などを聞く。(ブリマトンママ・39歳・リアルター・在米15年)
●簡単で読みやすい英語の本を何度も読む。それからとにかくアメリカ人としゃべること。(カマドー・47歳・アルバイト・在米12年)
● 英語でホームページを作ったり、英語でメールができる友達を増やしたりする。リスニングは映画やドラマなど、自分の興味のあるものを観るのがいい。(真っ赤なトマト・29歳・学生・在米1年)
●テレビやラジオの英語をリピート。好きな映画やドラマ、ニュースなどで言い回しを学び、発音の練習にもなる。あとネイティブとしゃべりまくる。カフェやファストフード店でも、前の人が注文しているのを聞いてフレーズを覚えたり、とにかくアンテナを広げる。(ガブニャー・36歳・会社員・在米10年)
●日本語、日本人をシャットダウンした環境を作る。日本語のビデオを観るなら英語モノに。日本人とつるまず、アメリカ人と積極的に交わるようにする。スポーツのグループに参加する……など、とにかくアメリカにいる時間を有効利用できるよう、英語の環境に自分を置くように努力する。(めぐみ・30歳・教員・在米13年)
アメリカ生活を後押し! |ページ1(子育て編) »|ページ2(英語上達編) »
コメントを書く