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松茸狩り、ファームなど秋の収穫を楽しむ

秋の味覚、紅葉

松茸、栗、りんごに梨。。。海や山に囲まれ、食材の宝庫でもあるノースウエストで収穫の秋を楽しもう!ワシントン州やオレゴン州の松茸狩り情報や、秋に訪れたいファームなどを紹介。(執筆-2004年10月)

 

秋の収穫を楽しむ

松茸狩り

秋の味覚の王様、松茸を堪能する

私たちが住んでいるノースウエストはアメリカでも希な松茸の産地。しかも、松茸狩りの達人たちによると、今年は松茸の豊作年らしい。そこで今回は、松茸狩りのノウハウに加えて、達人たちに「親子でも教えない」と言われる松茸スポットも教えてもらいました。とはいえ、もちろん各自の“ベスト・スポット”は胸の内に秘めているようで……。
宝の山を探し当てるには、達人とお友達になるのが一番なようです。

【松茸狩りの達人 光岡則夫さんに聞く「松茸狩りの醍醐味とノウハウ」】

松茸狩りは宝探しのようなもの

松茸狩り名人の光岡さん

▲2001年の豊作時、Stampede Passで採った松茸。2時間で約30本の大収穫!

「松茸は土壌やその年の季候など、さまざまな条件に左右される繊細な植物。限られた期間しか採れないし、またそこにあるかないかもわからないので、宝探しのような楽しさがあります。もちろん、食べれば旨いし、収穫の過程である山歩きは健康にも良く、気分も爽快! まさに一石三鳥のアクティビティーなんですよ。私は収穫時期になると3日とあけず山へ通っています。

最近では3年前が大豊作で、1度に何十本も収穫しました。それに味を占めて翌年同じ所に行ったのですが、その時は1本も採れず仕舞い。しかし、そんなひと筋縄ではいかないところが松茸狩りの面白いところで、だからこそ採れた時の感動も大きいんですね。松茸は3年周期で豊作を迎えると言われているので、今年は当たり年ではないかとにらんでいます。

採った松茸は、もっぱら焼き松茸にして楽しみます。網で焼いて割き、ポン酢で食す。それも小鉢にちょこっとじゃなく、どんぶり一杯に盛って豪快にね。松茸の佃煮も美味ですよ。しょう油、酒、みりん(各同量)の中にスライスした松茸を30分以上浸し(エキスを出すため)、アクをすくいながら弱火で煮詰めるだけ。これをおにぎりの具にして松茸狩りに持参すると、松茸狩りが10倍楽しくなります。ぜひ試してみてください。

【私の松茸ポイント】

1.スノコルミー・パスにほど近いStampede Pass(WA)
I-90で東へ。Exit 62から南へ延びている道がStampede
Pass。湖があって水気があるからだと思うが、豊作が期待できます。

2. マウント・レニアの南にあるSkate Creek(WA)
州道7号線→州道706号線へ。AshfordとLongmireの中間から南東のPackwoodへ延びるFR(フォレストロード)52号線の真ん中あたり。Skate
Creekの川に沿った無数の林道をチェックしましょう。

3. マウント・レニアの北東にあるThe Dalles(WA)
州道410号線で北へ。クリスタル・マウンテンのほど近くにあるのがThe Dalles。キャンプ場があり、その周辺や向かいの山で採れます。

光岡則夫さん
松茸狩り歴10年。「シアトル界隈の松茸狩りにこの人あり!」と言われるほどの達人。四季と自然が満喫できる環境を求めて、1991年にロサンゼルスからシアトルへ移住。ドレイン・バルブの輸入・販売を行う会社『Fumoto
Engineering of America』の代表で、趣味は松茸狩りと釣り。 *2004年取材
【松茸狩りの達人 木家下真治さん】

2通りの方法で松茸狩りを30年間楽しんでいます

木家下真治さん

▲2004年2回目の松茸狩り(9月12日)で33本収穫。その松茸は美酒と共にあっという間に消えてしまったそう

松茸狩りの楽しみ方その1は、社員やお客さんを連れて、ピクニックのように賑やかに行くこと。森林浴の後にほお張るおにぎりが格別 ! また自分で初めて松茸を見つけた人の輝く表情を見るのも楽しいものです。収穫後は我が家にて松茸尽くしの飲み会になり、更に盛り上がります。「松茸の場所は親子でも教えない」と言われますが、たかが松茸じゃないですか。山は大きく、深いものです。その昔、貧乏学生だった私を初めて松茸狩りに連れていってくれたガーデナーのKさんへ感謝を込めて、私はできる限り「松茸狩り」を共有することにしています。

楽しみ方その2は、休日の昼食後「夕食の松茸を採ってくるよ」と、散歩がてらひとりでブラリと出掛けるもの。途中で新鮮な野菜などを買いながら、スポットに着く3時頃は人も少なく、山の神々と松茸に向かい合うという感じ。たとえ雨が降り出しても、ひとりなら気兼ねなく歩き回ることができますしね。2、3年前、山に入ったら一面の雪で、ひざ近くまでの積もった深い雪の中から33本の松茸を収穫したことがありました。誰ひとりいないシーンと静まりかえった光景は、それこそSpiritualで美しかった。今でも忘れられません。

今年は初心者でも松茸に出会える豊作年。新スポットの開拓も楽しいし、人間が食べる松茸の総量なんて0.01%にもならないのですから、みんなでシェアしましょう!

【私の松茸ポイント】

1.シーズン初期ならShepard Camp(WA)
シアトルからはI-405から州道169号線で約55マイル。州道410号線沿いの左手にある駐車スポットで駐車し、道路を背にして左、10m先を右、突き当たりを左、数十m先を右折。トレイルに出るので板が敷いてある左方へ30m進み、右手に下りて約50m行くと別のトレイルに突き当たる。その辺りを含め右手上方全体。。

2. 初期~中期ならBuck Creek Recreation
Area(WA)

1の駐車スポットの先を北へ1、2マイル進むと『Buck Creek Recreation Area』の看板があるので、その左手のトレイル。この山の懐は深くて広く、100人でもカバーし切れないほど。

2. 初期~中期ならBuck Creek Recreation
Area(WA)

1の駐車スポットの先を北へ1、2マイル進むと『Buck Creek Recreation Area』の看板があるので、その左手のトレイル。この山の懐は深くて広く、100人でもカバーし切れないほど。

木家下真治さん
Yamato Transport USA, Inc.のシアトル支店長。松茸狩り歴はかれこれ30年。今年の初松茸狩りは9月6日で22本収穫。上の写真は9月21日にマウント・レニア周辺で収穫したジャンボ松茸で、なんと直径25cm・800g! 豊作年の今年はこの時点ですでに収穫200本を突破。*2004年取材

【松茸狩りの達人 安田永悦さん】

仲間とワイワイピクニック気分が楽しい

シーズン中は、定休日になると従業員総出で松茸狩りを兼ねたピクニックに出掛けます。おにぎりやみそ汁、手作りのおかずなどを持参して大人数でワイワイやるのが、やっぱり松茸狩りの楽しみ。ビーバートンから車で1時間ぐらいの所に穴場がいろいろあるし、乗馬場や湖などのレジャー・スポットも近くに点在。連休だったらキャンプをしながらも楽しいのでは?
山では3~5m間隔で横1列に並んで世間話をしながら、1mを5分ぐらい掛けてゆっくり歩きます。隣と声を掛けながら、仲間と一緒に進むのが迷わない秘訣のひとつですね。

【私の松茸ポイント】

1.マウント・フッド周辺(OR)
シアトルからはI-405から州道169号線で約55マイル。州道410号線沿いの左手にある駐車スポットで駐車し、道路を背にして左、10m先を右、突き当たりを左、数十m先を右折。トレイルに出るので板が敷いてある左方へ30m進み、右手に下りて約50m行くと別のトレイルに突き当たる。その辺りを含め右手上方全体。

2. Kalamath Falls(ORとCAの境)
両州の州境近くに点在するNational Forest内。12月終わり~1月始め頃まで採れる。業者が泊まり込むほど良質な松茸が採れる一等地だが、素人は奥地に入り込まないように。

3. 州道224~Crackamas River上流(OR)
州道224号線を東に、Crackamas River上流のWarm Springsの周辺。ただし、山歩きが上手な人でないと難しい。

安田永悦さん
オレゴン州ビーバートンにある『番屋』のオーナー・シェフ。自衛隊パイロットから転身した異色の料理人で、東京でレストラン経営、全米各都市でシェフの経験を経て、豊かな自然に魅せられてオレゴンに定住。3、4カ所ある自身の松茸スポットには毎年訪れている。*2004年取材
【松茸狩りの達人 ヒューゴさん、ジョーさん兄弟】

松茸探しのヒント

ファーム・ワイルド・フレッシュで新鮮なキノコを販売するヒューゴさん、ジョーさん兄弟に、松茸探しへ出掛ける際のポイントを教えてもらった。

身支度
方位磁石は必携。ブーツを履き、ガーデニング用具とバスケットを持って行こう。小さめのナイフもあると便利

行き先
ワシントン州:レニア山、アダム山、トラウト・レイク、セント・ヘレンズ山、シェルトンなど オレゴン州:フッド山、クレセント・レイク、ケーブ・ジャンクションなど カリフォルニア州:シャスタ山、ウィード、フォート・ブラッグ、ウィリッツなど ※詳細や許可については各地のレンジャー・ステーションにて

時期
9月までの気候によるので、まだ何とも言えない。もっと雨が降り、涼しくなってからがベスト・シーズン

コツ
とにかく根気良く歩き続けるのみ。地面を手で触り、松茸の感触がないか探っていく。ほとんどの松茸は笠を開く前に地面の下で埋もれており、松の木のそばでよく見つかる

注意点
特徴が明確な場合のみ収穫すること。正確に見極めるにはたくさんの経験が必要。松茸のある場所では、知らない人に尾行されたり、誰かの縄張りに足を踏み入れてじゃまされたりすることもあるかもしれない

その他のキノコ
秋はシャントレル、ロブスター、冬はブラック・トランペット、ヘッジホグ、イエロー・フットなどが取れる

*2009年10月に取材

 

クチコミ松茸スポット

ワシントン州

Mt. Rainierの南、国道12号線沿いにあるPackwood Lake周辺。ウィッビー・アイランドにある小さな湖の周辺の森も11月以降に採り頃(情報提供者Mさん)。
バンクーバーにあるGifford Pinchot
National Forest。
規制は自分でチェックを(情報提供者Nさん)。
国道2号線からLake Wenatcheeに延びる州道207号線に入った東側の斜面(情報提供者Hさん)。
ポート・エンジェルスのハリケーン・リッジ周辺(情報提供者Dさん)。
Olympic Mt.の南側、国道101号線のAmanda Park近くにあるLake
Quinault周辺と、国道101号線→州道119号線で Lake Cushmaを越えた先
(情報提供者Dさん)。
North Cascade NPの南東。州道20号線のNewhalemとDiabloの間の北側とJack
Mt.周辺(情報提供者Dさん)。

 

オレゴン州

国道26号~州道35号~I-84号を利用してMt. Hood~Hood
River~Columbia Gorge辺り。
赤松や黒松の林を目印に。あとMt. Hoodの周囲にあるLost Lake、Frog Lake、Timothy
Lakeの各周辺(情報提供者Eさん)。

 


■自然をナメるな
山では上って来た道を下っているつもりでも、違う斜面に出るなんてザラ。遭難事故に繋がる可能性もある。車から降りたらコンパスで方位をチェックし、メモを取るなどして充分に注意しよう。一方、山では熊に遭遇することも。上記の光岡さんはカゴに熊除けの鈴を付けているそうだが、木を叩く、大声でしゃべるなど、音を立てながら歩くようにしよう。
■毒キノコに注意
松茸は比較的に区別しやすいが、ほかのキノコも収穫するなら明確に食用と判断できるものしか収穫しないように。「虫が食べたキノコには毒がない」、「柄が縦に裂けないキノコには毒がある」などは、科学的根拠のない迷信。中には死に至る猛毒キノコもあるので、見分ける術がないなら採るべきではない。必ずキノコに詳しい人や専門家と一緒に行くようにしよう。
■ライセンスと規制
収穫や地域の規制は以下の通りだが、このほか国立公園や国有林は個別に規制を設けているところもあるので、事前にチェックしてから出掛けよう。

ワシントン州
個人でキノコ狩りを楽しむ場合はライセンス不要(州が管理する土地で商業目的のキノコ狩りは禁止)。収穫は基本的に1日につきひとり1種類のキノコが3ガロン、トータルで9ガロンまで。州指定の自然保護区、天然資源保全地区やキャンプ場、小川や湖など水辺から50フィート以内でのキノコ狩りは禁止されている。
オレゴン州
州が管理する土地でのキノコ狩りは、個人・商用共にライセンスが必要。個人用のライセンスは最寄りの『Oregon Department of Forestry』で取得できるが、申請はひとり1年に1回のみ。2週間有効で、収穫は申請期間中のトータルが1種類1ガロンまで(種類は未制限)。州指定の自然保護区、水辺から25フィート以内でのキノコ狩りは禁止されている。

 


栗専門ファームで栗三昧

秋の食卓で大活躍する栗の魅力を満喫しよう

栗ご飯を始めとするメイン・ディッシュからデザートまで、あらゆる料理に変身する秋の味覚。珍しい栗専門ファームで、栗の新しい楽しみ方を発見しよう!!

アレン・クリーク・ファーム(ワシントン州)



▲広大な栗ファーム
©ChestnutsOnLine.com

栗の魅力を再発見できる栗専門のファームがワシントン州の南西部に位置する『アレン・クリーク・ファーム』。イガでケガをする危険性があるので、残念ながら自分で採ることはできないが、10~12月のシーズン中は新鮮な栗が購入できる。

ファームで購入できるほか、オンラインでの注文も受け付けている。またウェブサイトでは栗を粉にしたchestnut flourを使ったレシピを紹介。

■Allen Creek Farm
9112 NW 41st Ave., Ridgefield, WA
TEL : 360-887-3669
営業時間:事前電話にてアレンジ
ウェブサイト:www.allencreekfarm.com

 


©ChestnutsOnLine.com

■材料(9インチの型で2個分)
●パイ生地
砕いたグラハム・クラッカー 2と1/4カップ
砕いたピーカン 1と1/4カップ
溶かしバター 1/2カップと大さじ1杯
砂糖 1カップ
●フィリング
クリームチーズ 24オンス
砂糖 1/2カップ
卵 4個
生クリーム 1/3カップ
バニラ・エッセンス 大さじ1杯+小さじ1杯
● 栗のピューレ 1カップ
栗粉 4.5オンス
生クリーム 1/4カップ
粉砂糖 大さじ1杯
バニラ・エッセンス 小さじ1杯
水 5.25オンス
※栗のピューレは材料をすべてミキサーにかけてピューレ状にする。

■作り方
●生地
1.砕いたグラハム・クラッカーとピーカンをボールに入れ、溶かしバターと砂糖を加えて混ぜる。
2.9インチの型を2つ用意し、底に1の生地を1/2ずつ敷く。
●フィリング
1.クリームチーズと砂糖を合わせてクリーム状に混ぜる。
2.別の容器で卵を滑らかになるまで泡立たせ、1に加える。それに生クリーム、バニラ・エッセンス、栗のピューレを加え、よく混ぜる。
3.これを2等分して生地を敷いた型に流し入れ、350°Fに熱したオーブンで約45分焼く。

 


フルーツ街道で季節のフルーツを満喫

りんご、なし、ぶどう、ブラックベリーなど

オレゴン州の北、フッド・リバーに沿って各種ファームが点在する道、それが『フルーツ街道(Fruit
Loop)』。栽培するフルーツや野菜は各ファームで異なるが、この時期に収穫を迎えるのはりんご、なし、ぶどう、ブラックベリーなどで、各ファームでさまざまなイベントも開催。シアトルからも車で約2時間で行けるので、ドライブがてら秋の味覚を満喫しに行こう!
※ファームやショップのオープン時期や営業時間は異なり、スタッフが不在の時は併設のショップも閉まる場合があるので、
事前に確認して出掛けましょう。

フッドリバー・フルーツ・ループ(オレゴン州)

www.hoodriverfruitloop.com

700 x 84*地図の作成は2004年。現在営業していない農園もある。

Apple Valley Country Store
りんごを使ったジャム、アップルパイ、クラフトなどが楽しめる。
2363 Tucker Rd., Hood River
TEL : 541-386-1971

Browning Blueberries
ブルーベリー専門ファーム。U-Pickができるのは8月下旬まで。5164 Imai Rd., Hood River

Draper Girls Country Farm
この季節は30種以上のりんご、洋なしなどのU-Pickが楽しめる(各シーズン中はチェリー、桃、プラムのU-Pickも可能)。1年中オープンしているマーケットでは、野菜、自家製ジャム、ハチミツなどが購入できる。
6200 Hwy. 35, Parkdale
TEL : 541-352-6625

Kiyokawa Family Orchards & Fruit Stand
約50種類のりんご(U-Pick可能)、日本の『20世紀』を含む各種なし、栗、プラム、にんにく、玉ねぎ、かぼちゃなどを栽培する広大なファーム。
5625 Hutson Rd., Parkdale
TEL : 541-352-7115

Packer Orchards & Bakery
自家製のクッキー、フルーツ・パイ、シナモン・ロール、ジャム、スムージーなどが楽しめるショップ。製品には砂糖の代わりに甘みが強い自家栽培のなしを使うのが特徴。
3940 OR-35, Hood River
TEL : 541-234-4481

The Fruit Company
1942年に開園した広大なファームで、りんごやなしが中心。フルーツ・ギフト・セットを豊富に取り揃え、インターネット販売も行っている。
2900 Van Horn Dr., Hood River
TEL : 541-387-3100

 

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*情報は執筆当時の2004年のものです

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