アメリカの秋のイベントといえば何といってもハロウィン!その起源、アメリカでの習慣、かぼちゃを使ったジャック・オー・ランタンの作り方、仮装のコスチュームのアイデア、またワシントン州とオレゴン州のパンプキン・パッチやお化け屋敷などを紹介します。毎年10月31日、大人も子どもも心待ちにしているアメリカのハロウィンを存分に楽しもう!
ハロウィンの素朴な疑問 〜 起源や習慣など
ハロウィン(Halloween)は毎年10月31日に行われる古くからの行事。アメリカではハロウィンが近づくと、お化け屋敷やハロウィン関連のイベントが開催され、家の周りにハロウィンの飾り付けをする家庭も多い。当日は、多くの子どもがコスチュームを着てトリック・オア・トリートに出かけ、またハロウィンにちなんだ服装や仮装姿で出勤する大人も。まずは、ハロウィンの起源や習慣について解説していこう。
ハロウィンの起源って何?
話は紀元前5世紀までさかのぼる。その昔、11月1日を新年と設定した古代ケルト民族は、年末から年始にかけての夜(つまり10月31日の夜)は死者が蘇って親族を訪れたり、悪霊や魔女がいたずらをしたりするとしていた。 一方、キリスト教(カトリック)においての10月31日は、聖人達を讃える『万聖節(All Hallows, All Saint’s Day)』の前夜祭。これらの文化がミックスして、ハロウィンとしてお祭りするようになったよう。アメリカへは19世紀後半、アイルランドからの移民達が持ち込んだとされている。
なぜ怖い格好をするの?
悪霊や魔女が現れると信じていた古代ケルト民族は、家から食べ物を集めて捧げものをしたり、かがり火を焚いたりして悪霊を追い払おうとした。この習慣が、『人間も怖い格好をして、霊を追い払おう』という主旨の現代のハロウィンに変化したと言われている。
なぜ、かぼちゃを使うの?オレンジと黒の色には意味がある?
その昔、死者の霊が家に帰る時に迷わないようにと灯されたランタン(提灯)。もともとケルト民族は、このランタンを作るのにカブ(実がしっかりしたもの)を使っていたが、アメリカに伝わった際、より身近で手に入りやすいということでかぼちゃに変化したらしい。また、ハロウィン・カラーのオレンジは“収穫”、黒は“死”を意味している。
ハロウィンには何をするの?
■ジャック・オー・ランタン作り Jack O’ Lantern
中身を取り出したオレンジ色のかぼちゃに、目、鼻、口などの形をくり抜いて、内側にキャンドルやランプを灯したのが『ジャック・オー・ランタン(カボチャ提灯)』。10月の上旬くらいから玄関や軒先に飾る。作り方は次ページを参考にして。
■仮装 Halloween Costume
もともと「人間も怖い格好をして悪霊を怖がらせよう!」と始まったハロウィンの仮装。魔女、ドラキュラ、ミイラなどが定番キャラクターだが、今では自分の好きなコスチュームに身を包むのが一般的。ヒーロー系からひたすらウケを狙ったお笑い系まで、なんでもあり! トコトンなりきろう。コスチュームはお店で購入するも良し、手作りするのも良し、ハロウィンはアイデア&個性の見せどころ。この日は工夫を凝らしたコスチュームでオフィスや学校に参上する人もいる。
■ハロウィン・パーティー Halloween Party
ハロウィンの当日やその前後に行われる仮装パーティーのこと。クラブやコミュニティー・ホールなど、この時期は各所でパーティーが開かれ、仮装コンテストを行う所も。家庭のパーティーでは、パンプキン・パイを食べたり、『アップル・ボッビング(Apple Bobbing)』をしたりする。これはリンゴを水に浮かべ、口でくわえて釣り上げるハロウィン恒例のゲーム。
■パンプキン・ピッキング Pumpkin Picking
この時期スーパーマーケットを始め、各所でジャック・オー・ランタン用のかぼちゃが販売されるが、パンプキン・ファームに行って自分でピッキングするのも楽しいもの。広大なとうもろこし畑を改造して、メーズ(迷路)を設置するファームもあり、パンプキン・ピッキング&メーズに行くのをハロウィン前の恒例行事にしている家庭もある。
■トリック・オア・トリート Trick or Treat
仮装した子供達が近所を練り歩き、ドアをノックして「Trick or treat(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と声を掛けて回る。これは中世のなごりで、お祭り用の食料を貰って歩いた農民をまねたもの。言われた大人は、いたずらしないでね、という意味でキャンディーやチョコレートなどのお菓子をあげるのがお約束。
安全のため、以下の注意が必要。
- 保護者が必ず付き添う。
- 知らない人の家に行かない。
- もらったお菓子は保護者が必ずチェックする。
悲しいことに、最近では毒物混入事件なども報道されるので、手作りのものや包装されていないものは受け取っても食べない方が無難。万が一のため、知り合い同士でトリック・オア・トリートをするのがオススメだ。
アメリカのスーパーマーケットでは、9月頃からハロウィンのトリック・アンド・トリートで子どもに配られるお菓子(ハロウィン・キャンディ)を袋詰めした多くの商品が並ぶ。
基本的なジャック・オー・ランタンの作り方
ハロウィンに欠かせないジャック・オー・ランタン。既製のプラスチック製ランタンなどを購入する人もいるけど、自分で作ればハロウィンの楽しさも倍増。意外と簡単なのでチャレンジしてみよう!
パンプキンをくり抜いたりするためのカービングキットはスーパーで入手可能。写真はターゲットで販売されている商品($5〜$10)。キッチンにあるナイフや大きめのスプーンでもOK。
材料&用具
- かぼちゃ(お好みの大きさのもの)
- スプーン(あればアイスクリーム用スクープや大きなスプーン)
- カービング用のこぎり ※なくてもOK
- 小型ナイフ
- クレヨン(下書き用)※ペンでもOK、拭けば消えるホワイトボード用のペンがおすすめ
ジャック・オー・ランタンを作る手順
1. かぼちゃにクレヨンで下書きをする。ヘタの周囲(直径約12センチ)にカービング用のこぎりで切り込みを入れてフタを作り、中身をスプーンで取り出す。 |
2. 目、鼻、口などの下書きを小型ナイフで深くなぞった後、カービング用のこぎりで切り込みを入れる。切り取ったパーツは指でそっと押し、内側に落として取る。 |
3. くり抜いた部分に付いているかぼちゃの繊維をキレイに処理する。また、キャンドルを置く底の部分も平らになるようにし、最終仕上げをする。 |
4. キャンドルを灯せば完成! キャンドルはガラスの容器などに入れてかぼちゃの中に設置すると、風の影響を受けずに長持ちする。 |
ジャック・オー・ランタンのデザイン例
アイデア次第でいろんなジャック・オー・ランタンができる。インターネットではパターンをダウンロードできるサイトもあるので、参考にしてみよう。
▲キュート編 | ▲眉毛付きおとぼけ編 |
▲ちょっと怖い編 | ▲彫刻っぽい上級編 |
デザイン・パターンのPDFをダウンロードできるなど、ジャック・オー・ラタン作りの参考になるウェブサイトはこちら。
- Spook Master www.spookmaster.com
- Good Housekeeping www.goodhousekeeping.com/holidays/halloween-ideas/g40168110/printable-pumpkin-stencils/
- Zombie Pumpkins www.zombiepumpkins.com/patterns
ジャック・オー・ラタンのオンライン・コンテストも実施されている
Pumpkin Masters www.pumpkinmasters.com/contest/
ハロウィンのコスチューム
アイデアや個性が問われるコスチューム。スーパーやリサイクルショップ、オンラインショップなどで子ども用から大人用、ペット用までいろいろ。あらかじめテーマを考えてからショッピングを。
コスチュームのアイデア
■ 男の子 定番系・・・・・・ドラキュラ、フランケンシュタイン、ゾンビ、スクリーム、海賊 ヒーロー系・・・・スパイダーマン、超人ハルク、スーパーマン、バットマン、スーパーマン、パワーレンジャー キャラクター系・・ハリー・ポッター、ブラックパンサー、、 『スター・ウォーズ』 のダースベイダー ウケ狙い・・・・・忍者、相撲レスラー、タコス、トランプ大統領 |
■ 女の子 定番系・・・・・・女バンパイア、クラシック・ウィッチ、グッド・ウィッチ、ハリー・ポッター・シリーズのハーマイオニー ヒロイン・・・・・シンデレラ、白雪姫、、『美女と野獣』のベル、ワンダー・ウーマン セクシー系・・・・マリリン・モンロー、アラビアン・ダンサー、フレンチ・メイド、セクシー怪傑ゾロ ウケ狙い・・・・・芸者ガール、自由の女神、チア・ガール |
■ カップル ポパイ&オリーブ、医者&看護婦、怪傑ゾロ・カップル、ファンキー・カウボーイ&カウガール、フィフティーズ・カップル |
ハロウィン・コスチュームが買えるお店
全国チェーンのお店
秋になるとコスチュームやハロウィン用メイクアップ用品が販売されるワシントン州やオレゴン州にあるチェーン店。
■Jo-Ann Fabrics
◎シアトル店 / 2217 NW 57th St., Seattle
206-782-6242
◎ビーバートン店 / 4005 SW 117th St., Beaverton
503-469-2968
www.joann.com
上記以外の店舗の検索
■Party City
◎ベルビュー店 / 15600 NE 8th St., Bellevue
425-459-1683
◎ビーバートン(Cascade Plaza)店 / 8905 SW Cascade Ave., Beaverton
503-536-4000
www.partycity.com
上記以外の店舗の検索
■Spirit Halloween
◎シアトル店 / 4501 Roosevelt Way, Seattle
1-855-704-2669 リンウッド店、ベルビュー店、レントン店ほか
◎ポートランド店 / 10546 SE Washington St., Portland
1-855-704-2669 ビーバートン店ほか
www.spirithalloween.com
上記以外の店舗の検索
■Target
◎U ディストリクト店 / 815 NE 45th St., Seattle,
1-855-704-2669
◎タナスボーン・タウンセンター店 / 18043 NW Evergreen Pkwy., Hillsboro
1-855-704-2669
www.target.com
上記以外の店舗の検索
■Wal-Mart
◎レントン店 / 743 Rainier Ave. S., Renton
425-227-0407
◎タイガード店 / 7600 SW Dartmouth St., Tigard
503-268-5270
www.walmart.com
上記以外の店舗の検索
ワシントン州のローカル店
■A Masquerade Costume
16759 Redmond Way, Redmond
425-373-5990
https://amasquerade.com
■Champion Party Supply
6516 5th Pl. S., Seattle
206-284-1980
www.championparty.com
■The Party Store
4730 196th St. SW, Lynnwood
425-776-9111
www.partynw.com
■Party @ Display & Costume
6000 E. Lake Sammamish Pkwy. SE, #B, Issaquah
425-392-3777
www.partynw.com
オレゴン州のローカル店
■Costume Avenue
19665 SW Tualatin Valley Hwy., #A2, Beaverton
503-848-3861
http://costumeavenue.com
■The Lippman Co
50 SE Yamhill St, Portland,
503-239-7007
www.lippmancompany.com
■Metro Boutique
3525 SE Hawthorne Blvd., Portland
503-234-9667
www.facebook.com/shopmetroboutique/
■Party Fair
7297 SW Dartmouth St, Tigard
503-746-6629
https://partyfairtigard.com/
パンプキン狩りが楽しめるファーム
10月に入ると農園ではパンプキン狩りや、家族で楽しめる催し物が行われるところも。ジャック・オー・ランタンに使うパンプキンをファームに探しに行こう。
ワシントン州のファーム
Craven Farm(スノホミッシュ)
約40年前に、スノホミッシュで最初にパンプキン狩りを始めた農園。パンプキン狩りと、トウモロコシ畑で作った迷路(以下、コーン・メイズ)が楽しめる。期間中、園内もたくさんの飾りが施され、ハロウィン・テイストに様変わり。10月中には夜のコーン・メイズも。
©Lincoln Potter
●場所:13817 Short School Rd., Snohomish, WA 98290
TEL : 360-568-2601
https://www.cravenfarm.com/
Swans Trail Farms(スノホミッシュ)
パンプキン・パッチが楽しめるファームは随所にあるが、スノホミッシュにある『Swans Trail Farms(旧ザ・ファーム)』は、家族で1日かけて遊べるスポット。広大な敷地には、ワシントン州のカタチをした巨大コーン・メイズや干し草を積んで作った迷路(Hay
Maze)があり、うさぎや子豚、ヤギなどの小動物と触れ合うこともできる。もちろん、畑にはオレンジ色のかぼちゃがゴロゴロ。ピクニック・テーブルがあり、手作りパイやもぎたてのコーンなども販売しているので、
ピクニックがてら行くのも楽しいだろう。
●場所:7301 Rivershore Rd., Snohomish, WA 98290
TEL : 425-330-3084
https://swanstrailfarms.com/
Carleton Farms(エベレット)
小さい物から大きな物まで、さまざまなサイズのパンプキンが収穫可能。子どものプレイ・エリアも登場し、ジップライン、コーン・メイズなども楽しめる。場内に併設されているマーケットで新鮮な野菜類を購入できるのも、ママにはありがたい!
●場所:630 Sunnyside Blvd. SE, Everett, WA 98205
TEL : 425-343-4963
www.carletonfarm.com
Carpinito Brothers, Inc.(ケント)
50エーカーもある敷地で、巨大なパンプキンを探そう。園内では、敷地で採れた焼きトウモロコシなども販売。トラクターの荷台に乗って場内を移動する「Hayride」も体験してみては。ファームの動物、ヘイ・メイズ、ゲームなどアクティビティが盛りだくさん。
●場所:1148 Central Ave. N., Kent, WA 98032
TEL : 253-854-5692
www.carpinito.com
オレゴン州のファーム
Plumper Pumpkin Patch & Tree Farm(ポートランド)
©Plumper Pumpkin Patch & Tree Farm
65エーカーの広大な敷地で楽しむパンプキン狩りは格別! キャラメル・アップルやホットドッグなどの軽食販売、パンプキンをピン代わりにしたボーリングなどもできる。日によってはジャズやブルーグラス・バンドの演奏もあるので、子供はもちろん大人も楽しめること間違いなし。
●場所:11435 NW Old Cornelius Pass Rd., Portland
TEL : 503-645-9561
https://plumperpumpkins.com
The Maize at the Pumpkin Patch(ポートランド)
夜間も営業するコーン・メイズは、期間中の週末と31日に実施され、迷路の柄が毎年違う点もポイント。パンプキン狩りは10月中は休みなく連日開催し、フィールド・トリップも受け付ける。パンプキン・グッズほか、農場で採れるトウモロコシやジャガイモ、ナシ、リンゴなど、秋の味覚もゲットしては!
●場所:16511 NW Gillihan Rd., Portland
TEL : 503-621-7110
www.portlandmaze.com
Lee Farm(テュアラティン)
パンプキン狩りはもちろん、子ウシやヤギ、ウサギ、子ブタとの触れ合い動物園もあり。農場で生産している野菜や地元で生産しているジャムや蜂蜜を販売するカントリー・ストアほか、パイなどの甘~い香りがただようベーカリーも併設されているので、食品の調達にも便利。
●場所:21975 SW 65th Ave., Tualatin, OR 97062
TEL : 503-638-1869
www.leefarmsoregon.com
ハロウィンに行きたいお化け屋敷
ワシントン州
Georgetown Morgue(12歳以上向け)
基本的に中学生くらいの子どもから大人向けのお化け屋敷だが、小さな子ども向けのキッズ・デーも設けられている。会場に使われる施設は、1939年より葬儀の準備、火葬などに使われてきた歴史がある。12歳以上向け。
●場所:5000 E. Marginal Way S., Seattle, WA 98134
TEL : 206-762-2067 https://seattlehaunts.com/
Nile Nightmares Haunted House(13歳以上向け)
8種類のシーンが用意されており、2つのエスケープ・ルームも設置されている。小さな子どもがいる家族向けにライトアップされたお化け屋敷を巡るイベントもあり。13歳以上向け。
●場所:6601 244th St. S.W., Mountlake Terrace
https://www.nilenightmares.com/
Seattle Chocolate Haunted Factory Tour(大人・子供向け)
チョコレート工場に作られたお化け屋敷でゲームのように楽しめる。チョコレート作りについても学べる内容。8歳以上向け。
●場所:1180 Andover Park W., Tukwila
https://www.seattlechocolatefactory.com/
オレゴン州
Halloween Fantasy Trail(大人向け・子供向け)
小さな城の中にハロウィンにちなんだ人形や飾りがあり、歩いて見て回るトレイル。鏡をのぞくとお化けが映るような仕掛けも。イルミネーションが美しいので、怖いものが苦手な人でも楽しめる。
●場所:19754 S. Ridge Rd., Oregon City, OR 97045
TEL : 503-631-2047
www.fantasytrail.com
13th Door Haunted House -Return to Facility 13 (大人・子供向け)
入口から出口まで約30分の長いお化け屋敷。死の研究所、地下トンネルの謎を明らかにするという設定だ。映画の中にいるような感覚を味わおう。
●場所:8805 SW Canyon Ln., Portland
TEL : 503-222-5554
www.13thdoor.com
FearPDX(大人向け)
1つのチケットで「 Dark Carnival, Dead City, The Doll Factory and The Mansion」の4つのアトラクションが体験できる。15歳以上向け。
●場所:12219 NE Glisan Street Portland
www.fearpdx.com
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