初めて写真に納められた日本を見よう！

日本や中国を始めとするアジアのアンティーク＆コンテンポラリー家具を販売している「ミングス・ギャラリー」。ここでは年に5回、店内でエキシビションを開催しているのだが、現在行われているのが日本の明治時代に撮られた写真を集めた「イメージ・オブ・ジャパン」だ。
オランダ人によって日本の長崎に初めてカメラ（写真機）が持ち込まれたのは1646年。それから200年以上を経て明治時代になっても、日本で写真は珍しかった。この時代に撮影された写真を見る機会も少ないが、中でも今回の展示の目玉はカラー写真。といっても現代のようなカラー写真ではなく、モノクロの写真に後からフローラル・カラーの色を施した作品だ。
この製法を生み出したのは日本人のオガワ・イッシンと言われ、今回の展示では彼の作品を見ることができる。彼はその製法について誰にも教えず、生涯秘密を通したので、本当の製法は彼の死と共に謎に包まれてしまった、といういわく付きだ。
イタリアの写真家で日本に20年以上住んだFerice Beatoの作品もある。富士山、浅草の下町、路地裏の小さな雑貨店、寺、隅田川や吉原の風景……。どれもこれも、モノクロともカラー写真とも違う、ほんわかとした独自の“味”がある。大きな美術館とは違って展示数は決して多くないが、これらは“写真に納められた初めての日本”。時代を振り返る貴重な時間になるはずだ。