  ©R.R. Jones －－子供のころ、大きくなったら何になりたかったですか？
特に変わった夢を持っていたわけではありません。バレリーナになりたかったですね。真面目にバレエを習っていたし、思い起こせばかなりの優等生でもありましたし。ほかになりたかったのは、母のようなファッション・デザイナーや、ピアニスト、女優（はっきり覚えているのは演劇キャンプで白雪姫をやりたかったこと！）などなど。銀行員になりたくなかったのは確か。それなのに、なぜか大学では経済学を学びました。 －－指揮者としてのキャリアを最初に考えたのはいつですか？ 憧れの人はいましたか？
音楽は常に趣味として、こっそり愛情を注いではいましたが、ピーボディー音楽学校の学生になるまでは真剣に指揮者としてのキャリアを考えてはいませんでした。バルティモア・オペラで指揮者のアシスタントとして働いていた時に「トスカ」と出合い、完全に恋に落ちてしまったのです。ほぼ同時期、マーティン・アルソップが指揮するバルティモア・シンフォニーによる「春の祭典」のリハーサルを見たのですが、それはまさに感動、衝撃で、転機の瞬間でした。言わずもがな、そのすべてのパフォーマンスを見に行き、マーティンは私の神さまとなりました。2年後に彼女が私のメンターとなった時の気分と言ったら!! －－指揮は男性がかなりの多数派を占める職業のように思えますが、そのフィールドに女性として立つというのはどんな感じなのでしょうか。
興味深いことに、私のオーケストラ指揮者としての初体験はスミス大学の院生時代だったんです。スミスは女子大なので、指揮者が男性の役割ということは全く思い至りませんでした。最近でも、こうして話すことにならなければ、特に考えることはなかったです。 －－もし指揮者でなければ、のぞいてみたかったほかの分野の仕事はありますか？
指揮者じゃなかったら、環境分野に身を捧げたかったですね。それか、たぶん禅マスターになっていました。競争するように、私達は自分の星を警戒域まで破壊し続けています。同時に、ほとんどの人々は自分達の“内なる”環境に注意を払っていません。 －－古典音楽以外にどんなタイプの音楽を楽しみますか？ もし砂漠の島でしばらく過ごさなければならないなら、何を持ち込みたいですか？
そうですね、ずっと砂漠の島にいるなら、私の音楽コレクションの入ったiPodを持って行きます！ 私のiPod Touchはあまり曲が入らないのですが、今はマーラーの交響曲9番すべてと、いくつかのベートーベンのピアノ・ソナタ、ドイツのハリー・ポッター「ばらの騎士」、そしてチェックしておきたいさまざまな現代曲を入れています。 －－世界各地でお名前を見掛けますが、仕事で進んで出向きたいと思える場所はどこですか？
お気に入りの場所のひとつは、オークニー諸島（英国）です。夏の聖マグナス祭では素晴らしい音楽が楽しめます。町歩きや羊を見るのも好きで、華やかながらまだ素朴さも残る、景色の美しい場所です。フィッシュ＆チップスが最高で、2:00 a.m.にパブを出ても、外はまだ明るいの！ －－どのような経緯でセレブレート・アジア！に出演することになったのですか？ ほかのコンサートとの違いは何ですか？
私は2007年からサンフランシスコ・シンフォニーの旧正月コンサートで指揮をしていて、チケットは毎年完売という「東洋と西洋が融合する」優れたイベントです。私の経験を、後にこのプロジェクトの委員長となるSSOのボード・メンバーに話したところ、シアトル・シンフォニーと共にシアトルで似た試みを行うのは非常に素晴らしいことだとの考えに至りました。「中国と西洋の融合」ではなく、その代わりに、シアトルに存在する多くのアジア文化を可能な限り含めたいと思ったのです。私達のアイデアがセレブレート・アジア！として日の目を見て、本当に興奮していますし、私の中でとても特別な存在であることは間違いありません。セレブレート・アジア！は、私達の演奏する音楽や招待するソリストから、そのイベントが観客をどう引き込み、ワクワクさせるかまで、そのすべてがほかのコンサートと異なります。おそらく私にとって最も大切な要素は“コミュニティーによるコミュニティーのための”イベントだということです。 －－セレブレート・アジア！を、ずばり3語で表現するなら？
「見逃せない！」。あら、これだと数が合わないですね。「笑いあり、感動あり、別世界のような」イベントです！ －－来る1月22日のコンサートで絶対見るべきものは？ 初めて訪れる人へのアドバイスは？
まるで10人の子供を持つ人にどの子がいちばん好きか聞くようなものね！ 私が思うに、すべての内容が素晴らしく、イベント全体が見る価値のあるものです。セレブレート・アジア！が初めてという方へのアドバイスは……お友達と一緒に来て、とにかくステキな時間を過ごしてください！ | 