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シアトル公演直前インタビュー コンテンポラリー・ジャズ・ピアニスト/作曲家 松居慶子さん

2011年05月掲載

松居慶子さん
©Bobby Quillard

5月から始まる松居慶子さんの北米ツアー。シアトルにあるディミトリアス・ジャズ・アレーでも、5月5日(木)~8日(日)の4夜7回にわたりコンサートを開催する。

■22枚目のアルバムとなる新作、「The Road…」に
ついて教えてください。

4年ぶりのリリースで、やっと発売できて良かった!という思いでいっぱいです。人生での経験、命、たましい、宇宙をイメージして生まれた曲が詰まっています。例えば「Secret Pond」は、命の源という意味を持つ曲で、「そこから人生が始まる」という思いを込めました。

■東日本大震災被災者支援CD「Jazz for Japan」発売の経緯は?
3月11日、私は東京で地震に遭いました。また仙台には親戚や友人の一家もいます。命を失われた方のご冥福をお祈りすると共に、被災地の皆さまが1日も早く、安心できる生活に戻れるよう祈っております。日本が冷え込まないように、動ける人は自分のできることを精一杯やることが必要。復興への祈りとして、音楽を続けていく決意を新たにしました。ロサンゼルスで「Jazz for Japan」と銘打ったチャリティー・レコーディングを行ったのですが、全米から世界的なミュージシャンが集まってくれて……。みんなが日本のことを思ってくれていることがわかり、感無量でした。

■音楽にはどんな力があると考えますか?
世界各国を旅してコンサート活動をしていますが、そこで感じたさまざまなことは、今回のアルバムにも反映されています。音楽は宇宙、神さまからのギフト。空気を震わすだけの不思議な存在。宗教・民族・国籍の違いも乗り越えて、人の心をひとつにし、元気付けてくれる力があると信じています。

■今回のシアトル公演について、読者へメッセージをお願いします。
シアトルは大好きな街なので、また訪れることができて幸せ。今回は新曲を披露します。1曲1曲の持つ情景や感情を感じてもらえればうれしい。昔、「慶子の曲を聴くと、たましいのルーツに返してくれる」と書かれたファンレターをもらいました。天災、人災が世界的に広がる中で、少しでも調和の空気を増やし、みんなが元気になれるようにサポートできたら、と考えています。皆さんに会えるのが楽しみです

■Keiko Matsui www.keikomatsui.com
『ビルボード』誌で日本人として初の1位を獲得し、米国で120万枚の売り上げを記録する。日米友好150周年記念の際、音楽での貢献に対し外務大臣賞を受賞。前作に引き続きセルフ・プロデュースによるアルバム「The Road…」が好評発売中。
*情報は2011年5月時点のものです