ポートランド・ダウンタウンに昨年9月にオープンしたフレンチ・カット・ヘアには、東京とパリで長年美容師をしていた日本人女性、西留怜子さんがいる。今回の取材以前に、子供のために信頼できる「床屋さん」を探してしていた時、たまたま彼女のことを知った。 高級な店とレストランが並ぶパール・ディストリクトにあり、ウェブサイトもヒップなイメージなので最初は迷ったが、予約を取って恐る恐るサロンに行くと、受付の男性ふたりが丁寧に対応して怜子さんを呼んでくれた。想像していたのとは違う、近所のお姉さんといった感じの女性で親しみやすい。サロンはモダンでスタイリッシュだが、冷たさや堅苦しさがない。「単に髪を切る場所ではなく、交流の場だと思うんです」と怜子さん。 東京都板橋区出身の怜子さんは、東京のヘア・サロンで働いた後、フランスで修行。パリでは著名な美容室で勤務し、またベルギーでも活躍。そして、2012年にポートランドに移った。以前住んでいたパリとブリュッセルに比べて、ポートランドは空気がきれいで自然も多く、それに健康意識が高い点が魅力だと言う。「食生活に気を付けて体を労るように、髪を労ることも大切だと思います」。 ポートランドで偶然再会した、知り合いのフランス人女性と怜子 さんが、ほかの数人のスタッフと共に開いたサロン。髪、肌を労って、自然の美しさを引き出すのがモットーだそう。同僚のキャロラインさん曰く、“She always has a smile on her face. She is happy.”子供も大人も気持ち良く行けるスポットだ。 (取材・文/徳河美和子)
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