2016年10月 特別インタビュー
■ 日本人で3人目のWNBAプレイヤーとしてシアトル・ストームで活躍。リオ五輪では強国を相手に善戦し、エースとして日本代表をベスト8に導いた渡嘉敷選手にお話を伺いました。
▲ とかしき・らむ◎1991年生まれ。中学からバスケットボールを始める。2010年にJXサンフラワーズ(現JX-ENEOSサンフラワーズ)に加入し、2015年よりシアトル・ストームに所属。同年、WNBAの新人ベスト5に選出された。身長193cm |
”オリンピックは今までの全てを出す場
人生で一番のビッグイベントでした ”
ー日本代表20年ぶりの決勝リーグ進出、ベスト8となったリオ・オリンピックの感想をお願いします。
オリンピックは、今までの全てを出す場であり、バスケットボール人生の中で一番のビックイベントでした。試合中は「オリンピックに出てる」と特に感じることはありませんでしたが、終わった後、この舞台に立てて良かったと思いました。メダルが獲得できなかったのは残念ですけど。
ーアメリカ(世界ランク1位)に途中2点差に迫る試合、フランス(世界ランク4位)に勝利など、良い試合もたくさんありました。
でも、勝てるはずなのに落とした試合もあって、それに勝っていれば結果は違ったのかなと思ったりもします。強豪国と戦う経験ができたのは良かったです。
ー日本代表の中で唯一、アメリカのWNBA(Women’s National Basketball Association)所属ですが、その経験は生きましたか?
体の大きい選手と戦うことに慣れていたのは良かったです。今シーズン、特にオリンピック前はストームでなかなか試合に出ることができず、試合出場に飢えた気持ちを日本代表に持ち込めました。
ー東京オリンピックの抱負は?
リオは、これから先、何をやるべきか見えた大会でもありました。個々のスキルアップも大事ですし、しっかり走ることや、チームディフェンスも磨きたいです。
ーシアトルストームでは、開幕以降、試合に出られないこともありました。そんな時、どのようにモチベーションを保っていましたか?
もっと上手くなりたい気持ちだけで自主練をやっていました。ストームの試合に出られなくても、日本のエースとして日本代表を勝利に導かないといけないので、自主練や練習を頑張れたと思います。
ー9月、今シーズン初めてスターティングメンバーに選ばれましたが、その時の気持ちは?
特に何も。いつでも試合に出る準備はできていましたから。でも、他に控えがいる中、自分を使ってくれたのはうれしかったです。緊張しましたが、チームメイトが助けてくれるので、心配はなかったです。
ーオリンピック後、ストームでの出場機会が増えましたね。
オリンピック前後で自分のプレーが変わったとは思ってません。ただ、今までと異なるポジションを任される機会が増えるなど、ストームから自分のできる範囲を広げてもらえるようになりました。
ーシアトルでは、他のスポーツでも日本人が活躍していますが、彼らの存在は励みになりますか?
違うスポーツですが、同じアスリートとして、特に女子サッカーの2人(川澄奈穂美選手、宇津木瑠美選手)からは刺激を受けていますね。同じアメリカの舞台で試合に出て結果を出すという部分では負けたくないなと、個人的にライバル視しています。
ーシアトルの日本人へメッセージをお願いします。
日本人シアトルファミリーのみなさん、試合に来ていただいたり、街で声をかけていただけると、シアトルでバスケットをやっていて良かったと思いますし、これからも頑張ろうと思います。日本人同士、何かあったら、助け合いながらやっていけたらいいですね。機会があればぜひ試合会場に足を運んで、応援していただけたらうれしいです。
日本では100年に1人の逸材と称されることも。ストームからは、高い運動能力を評価されています。
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