2020年3月30日～4月3日（3月5週目/4月1週目）

新型コロナウイルスの影響で多くの人が厳しい状況下にいる中、シアトルの北、ノースサウンド地域で、ボランティアの歯科医などが無料の緊急歯科治療を提供している。治療に使われる車両には診察台、待合室などが完備。Medical Teams Internationalのボランティアによる歯科クリニックでは今後数週間、リンウッドで診察を行う予定で、感染症、また深刻な歯痛や腫れがあり、緊急の治療が必要な患者は誰でも無料で利用できる。現在Medical Teams Internationalでは歯科医、歯科助手などのボランティアを募っている。（https://www.medicalteams.org/volunteer/）。治療が行われる場所、日時はオリジナル記事に記載。KIRO7の関連記事はこちら

ワシントン州のジェイ・インスリー知事は2日（木）、不要不急の外出を控える自宅待機命令（Stay Home, Stay Healthy order）を5月4日（月）まで延長すると発表した。3月23日（月）に発令された同命令は、当初2週間の実施とされていた。しかし州内での新型コロナウイルス感染はまだ拡大しているため、知事は命令期間の延長を決定した。2日時点でワシントン州で確認されている新型コロナウイルス陽性者数は6585人で、そのうち死亡した患者数は262人。ワシントン大学の免疫学者が作成したモデルによると、現在の状況でワシントン州での感染者の死亡は1000人を超える可能性があり、もし自宅待機命令を終えた場合、それ以上の死者が出る恐れがあるとインスリー知事は述べている。自宅待機命令下では、住民は生活に必要な買い物や社会的距離を保っての散歩などの運動目的での外出は許可されており、また生活に不可欠な事業体の営業は認められている。州内にある学校（K-12）の休校ついては、今のところ4月27日（月）再開の予定はそのままだが、ワシントン州教育長の広報担当者は、休校実施期間も同様に延長されるとみられると話している。KING5の関連記事はこちら

水陸両用車によるシアトルの人気観光ツアーのライド・ザ・ダックは、3月に事業を閉鎖し、連邦破産法第7章の適用を申請した。ライド・ザ・ダックは2015年に車両の欠陥が原因で、5人が死亡、50人以上が負傷する貸し切りバスとの衝突事故を起こしており、被害者から訴訟により同社の財政は逼迫していた。そこへシアトル地域での新型コロナウイルス感染拡大で観光客が大幅に減少したことで、ライド・ザ・ダックは3月16日（月）に閉鎖を発表していた。KING5の関連記事はこちら

シアトル警察のカルメン・ベスト署長よると、過去1カ月においてシアトルでは強盗とドメスティック・バイオレンスが昨年同時期よりも増えており、同警察へのドメスティック・バイオレンスについての通報数は前年比で21パーセントの増加した。またベルビュー警察も同様に、3月のドメスティック・バイオレンスの通報が前年よりも増えたと伝えている。一方、自動車の盗難、住宅や商業施設での強盗、ドメスティック・バイオレンス以外の暴行などは減少したとタコマ警察は話している。シアトル警察ではドメスティック・バイオレンスの被害に遭っている、または知り合いが被害を受けている場合はナショナル・ドメスティック・バイオレンス・ホットライン800-799-7233 あるいは 800-787-3224 (TTY)へ連絡するか、911へ電話、またはテキストメッセージで助けを求めるよう呼びかけている。KING5の関連記事はこちら

イサクアに本社を置く会員制倉庫型店のコストコは3日（金）より、提示する会員カード1枚につき2人までの入場制限を開始する。これは社会的距離を保ち、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために実施される。この他30日（月）には新型コロナウイルス対策として、平日の閉店時間を一時的に午後6時半に早めることを発表している。また高齢者とコロナウイルスに感染すると症状が重症化する恐れのある客の専用営業時間を、これまでの火曜、木曜の午前8時〜午前9時に、水曜の同時間帯を加えた。コストコでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が急激に高まったペーパータオルやトイレット・ペーパーなどの商品に対して、現在1回あたりの購入数を制限している。またトイレット・ペーパー、ボトル入り飲用水、消毒用ウェットティッシュ、ペーパータオル、米、除菌スプレーの返品は受け付けていない。KING5の関連記事はこちら

ワシントン大学(UW)の研究員がニューヨーク大学と共同で、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の治療に効果が期待されている抗マラリア薬、ヒドロキシクロロキンの有効性について臨床試験を行い調査を実施する。ヒドロキシクロロキンは関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療にも使用されている薬。現在研究員はシアトルとニューヨークにおいて調査に参加できる、COVID-19患者の同居人など最近新型コロナウイルスに晒された2000人を求めている。今年夏までに調査結果が出ることが期待されている。KING5の関連記事はこちら

シアトル市は30日（月）、新型コロナウイルス感染拡大の抑制策で営業が制限されている飲食店など、市内の小規模ビジネスを支援するためにオンラインツールを公開した。市のIT部門が作成したツールではテイクアウトやデリバリーを行うレストランなどが検索できる。観光局のVisit SeattleやメディアのEater Seattleなどが持つ既存のデータベースを利用しており、現在519軒のビジネスの情報が検索できるが、今後さらにデータベースの登録数を増やしていく予定。シアトル市ではこの他に地元ビジネスを支援するため、レストランのテイクアウト利用客専用の一時駐車の標識を作り、市内での設置を始めている。KING5の関連記事はこちら

新型コロナウイルス感染拡大によるシアトル地域の病院での病床不足に対応するため、センチュリーリンク・フィールド・イベントセンターでは野戦病院の設営が行われている。アメリカ米陸軍工兵隊と連邦緊急事態管理庁が作業に当たっており、ベッド数148の同野戦病院にて、間もなくCOVID-19の患者以外の治療が行われる。コロラド州フォートカーソン基地から第627メディカル・センターの医療関係者300人がシアトルへ配置されており、野戦病院設営完了後もシアトルに留まり、医療関係者の支援を行う。KING5の関連記事はこちら