シアトル・タイムズに掲載の記事を要約してお届けしています。
2003年12月
12月31日(水)ピュージェット湾に大量の重油が流出 NEW
30日にリッチモンド・ビーチ付近のポイント・ウェルズから流出した重油は、同日夕方にはキットサップ郡ジェファーソン・ヘッド、ウィビー・アイランド、エドモンズ、シアトルの海岸まで流出範囲が広がった。州および連邦機関は、作業員240名を投入して重油の回収作業にあたっている。
魚類野生動物局では、リッチモンド・ビーチから海水と砂土を回収し、流出油の影響をテストするとともに、環境へのダメージの分析にあたる。
重油はシェブロン/テキサコの船荷ターミナルからはしけに給油中に溢れ、約4,800ガロンが流出。この重油はバンカーCというグレードで知られており、寒い気温に達すると小さな油球を形成するのが特徴だが、これが野鳥や海洋生物にとっては脅威となるという。
12月30日(火)米政府、エフェドラの販売使用を禁止
米政府は30日、ハーブ系ダイエット薬「エフェドラ」の販売と使用を違法とする規制を施行することを発表した。米政府が栄養補助食品の販売と使用を違法とするのは今回が初めて。
エフェドラが原因と見られる死亡件数は、今年初めに熱中症で死亡した米ボルティモア・オリオールズのスティーブン・ベチェラー選手を含めて、約155件。米厚生省では、ホリデー・シーズンを終え、新年のスタートを機にダイエットを計画している人々が同薬の使用を考慮する可能性が高いとして、今回の発表となったと話している。
エフェドラは心拍数を促進して血管を収縮させ、健康な人が指定の服用量で使用した場合でさえも、心臓発作や脳梗塞などを引き起こす危険があるという。
規制の正式施行は来年初めとなるが、米厚生省および米食品医薬局では、消費者とメーカーに対し、同薬の販売と使用を直ちに止めるよう求めている。
12月29日(月)狂牛病によるリコール、全米8州に拡大
米農務省(USDA)は28日、ワシントン州ヤキマで発見された狂牛病(牛海綿状脳症:BSE)感染牛が、先に発表されたワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ネバタの4州のほか、新たにアラスカ、ハワイ、アイダホ、モンタナの4州とグアムの全米8州に流通していた可能性があることを発表し、また、これらの流通牛肉の安全性には問題がないことを改めて強調した。
感染牛および感染牛と同じ日に食肉処理された牛19頭から出荷された牛肉約1万パウンドは、警戒のためにリコールされており、現在も回収作業が進められている。スーパーマーケットのチェーン店、アルバートソン、フレッド・マイヤー、セーフウェイ、ウィンコフーズでは、感染牛の出荷元からの挽き肉製品の自主的な撤去を行っている。
USDAの発表によると、感染牛は食肉処理された後、セントラリアのミッドウェイ・ミートで骨の除去が行われ、12月12日にポートランドの2ヵ所の加工工場へ送られ、肉のほとんどはこれらの工場で保管されているという。加工工場のひとつであるウィラメット・バレー・ミートには、ハンバーガーなどに使用される切り落とし肉も出荷されており、これらはワシントン、オレゴン、カリフォルニアおよびネバダのアジア系およびメキシコ系の小さな食料品店30数店に流通されたという。
今回の狂牛病発覚で、米国産牛肉の輸入を禁止した国は全国30ヵ国にも及んでおり、米国の牛肉輸出産業への大きな影響が懸念されている。農務省では、米国産牛肉の最大輸入国である日本を訪問するなどして、輸出禁止措置の見直しを求めている。
12月24日(水)米政府、狂牛病感染牛をトレース
連邦政府高官は米国で初めてのケースとなる狂牛病(医学名:牛海綿状脳症)感染の畜牛を最初に購入したと思われるワシントン州の2つの家畜市場が限定されたと発表するとともに、米国民に対し、米国の食肉が安全であることを改めて保証した。
感染したと思われる畜牛は、ワシントン州の家畜市場から同州南部の乳製品加工工場へ出荷されており、その後、食肉処理のためにオレゴン州の加工工場へ出荷されたことまではわかっているが、その後の出荷先については現在特定を急いでいるという。
狂牛病が人間に感染した場合に発病すると言われている「ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease:CJD)」は、感染した動物の脳や脊髄などが含まれた肉を食べることによって起こるが、政府は、今回発見された畜牛は、加工工場へ出荷前に、脳や脊髄などの部分はすでに取り除かれており、人間への危険度はきわめて低いとしている。
狂牛病に感染した動物が発病するまでには、4~5年の潜伏期間があることから、米農務省(USDA)では、畜牛の出生した群れを限定し、その群れの出所と出荷先、および飼料の原料の特定を行うことが最優先であるとしている。
日本、韓国、メキシコ、香港などの主要輸出国を含む全国11ヵ国で米国からの牛肉輸入が禁止されており、米経済に与える打撃が懸念されている。
12月23日(火)ワ州で狂牛病に感染の畜牛が見つかる
ワシントン州ヤキマ近くの農場で23日、狂牛病に感染したと見られる畜牛が発見された。米農務省(USDA)では、米国の食糧供給は安全であり、この発見による国民への危険度は低く、また、これはテロ攻撃によるものではないとしている。
感染したと見られる畜牛はワシントン州で今月屠殺されたもので、肉の一部はすでに州の一部の加工工場へ出荷されているという。農場は現在検疫を受けており、検査官らはこの牛から出荷された肉の追跡を急いでいる。
狂牛病(医学名:牛海綿状脳症)は牛の脳の疾病で、ヨーロッパやアジア、昨年5月にはカナダでも感染が見つかっているが、米国で発見されたのは今回が初めて。USDAでは、ウェブサイトに情報を掲載するとともに、消費者ホットラインも設けている。
USDAウェブサイト:www.usda.gov 消費者ホットライン:1-866-873-2266
12月22日(月)南カリフォルニアでM6.5の地震
カリフォルニア州中部の太平洋岸で22日午前11:16にマグニチュード6.5の地震が発生。崩壊した建物の下敷きとなって2人が死亡、1人が行方不明となっている。
震源地は太平洋岸の町カンブリアの北約11マイルで、M6.5の揺れの後にはM3.0を超える大きな余震が5回に渡って続いた。震源地の東約20マイルにあるペソ・ロブレスの町では、1892年建築の時計塔が倒壊し、駐車中だった車がつぶれ、2人が死亡するなどの被害が出た。
地震の震源地から北西に約165マイル離れたサンフランシスコの連邦裁判所、また、185マイル南東のロサンゼルスでも揺れを感じたという。
12月19日(金)リッジウェイ、刑務所が怖いと告白
グリーンリバー連続殺人事件で18日に無期懲役の判決を受けたゲリー・リッジウェイ被告が、刑務所へ行くのが怖いと告白していたことが明らかになった。
リッジウェイの弁護士らは、悪名高いグリーンリバー事件の犯人であるリッジウェイが、刑務所で囚人らのターゲットとなることは明白であり、刑務所収容後にトロフィーとして殺害される可能性もあるとして、リッジウェイの安全を懸念。
ワシントン州刑務所では、リッジウェイの安全上、24時間の監視が付いた独房での投獄を検討しているが、被害者の家族らはこれに反対している。
12月18日(木)シアトル~エベレット間に通勤列車
サウンド・トランジットは17日、バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道と2億5,800万ドルで列車の路線拡張のための契約を結んだ。
これにより来週から、エベレットとエドモンズ市民は平日に通勤・通学の足として、シアトル~エベレット間を列車で往復できるようになる。最初は1本が往復するのみだが、2005年末には2本目、2007年までには3本目と4本目が運行する予定。マキルテオにも新駅が誕生する。
エベレット駅では21日(日)9:30 a.m.から記念パーティーを開催。また、シーホークスのホーム・ゲーム観戦に向けて特別列車の運行が予定されている。
12月17日(水)ライト兄弟飛行100周年の記念式典開催
ライト兄弟の初飛行から100年目となる17日、米ノースカロライナ州にあるライト兄弟国立記念碑で記念式典が行われ、彼らが飛行に使用した飛行機のレプリカ飛行などが行われた。
ライト兄弟が初飛行に成功したのと同じ時刻である10:35 a.m.に予定されていたレプリカ飛行は、豪雨で午後に延期されたが、悪天候が影響して、残念ながら失敗に終わった。関係者は今後の天気次第で、再飛行を試みる予定だという。
式典にはブッシュ米大統領も出席し、米航空産業100周年を祝った。大統領は集まった約3万人の聴衆を前に、「ライト兄弟は何度も挫折を繰り返しながら、自らの疑念に負けずに、成功を信じて前進した。もし、彼らが悲観主義者だったら、今日まで名を残すことはなかっただろう」と演説した。
12月16日(火)7E7最終組立地はエベレットに決定
ボーイング社のハリー・ストーンサイファー最高経営責任者は16日、同社の最新鋭旅客機7E7の最終組立地にワシントン州エベレットが選ばれたことを発表した。
今回の決定について、同社のマイク・ベイヤー7E7プログラム上席副社長は「最終候補に残ったのは、いずれも競合ばかりだったが、総合的なビジネス・ソリューションで、エベレットが最も有力であった。キングストンには素晴らしい施設があり、長い滑走路と広大な敷地は非常に魅力的だった」と述べている。
エベレットのレイ・スティーブンソン市長は「これ以上の喜びはない。経済の安定と前進に向けた非常に大きな勝利だ」と語っている。
12月15日(月)フセイン元大統領の情報から要人逮捕
14日に発見・拘束されたイラクのサダム・フセイン元大統領の取り調べで、所持品などから、新たに複数の旧フセイン政権の要人が逮捕されたことが明らかになった。
フセイン元大統領は拘束された際に米軍人に対して「私の名前はサダム・フセイン。イラクの大統領だ。話し合いがしたい」と述べ、その後の取り調べや彼の所持していた書類などから、要人の隠れ家などの情報が収集され、数名が逮捕されたという。
米陸軍旅団司令官は、「逮捕されたのは、旧フセイン政権の鍵を握る要人。彼らは現在、米軍による取り調べを受けている」と話しているが、指名手配中の要人55人のうち、逃亡中の13人であるかについては言明していない。
12月12日(金)FBI、銀行強盗犯に2万ドルの賞金
米連邦捜査局(FBI)は、西部ワシントン地域に出没する銀行強盗犯男性(通称“バッシュ・バンディット”)の逮捕に、2万ドルの賞金を提供すると発表した。
この強盗犯は常に銃を所持しており、車のバッテリーや木の丸太、岩などを使って、窓やドアを打ち破って強行。過去2年の間に、ファクトリア、ボセル、ビュリエン、リンウッドで犯行を繰り返し、被害総額は50万ドルにもおよぶという。
強盗犯の特徴:年齢は20~30歳代。背は高く、痩せ型。髪はブロンドの長髪。赤いジープ・コマンチのピックアップ・トラックで逃亡したという目撃証言がある。
12月11日(木)インフルエンザ、先週の2倍に
米連邦政府は11日、インフルエンザの蔓延により、大きな影響を受けている州が全米で24州に達し、先週の2倍となっていることを発表した。
疾病管理予防センター(CDC)の発表によると、インフルエンザは全米50の州すべてで流行しており、全校生徒の3分の1がインフルエンザにかかって、閉鎖を余儀なくされている学校も多いという。
CDCのガバディング博士は「インフルエンザ流行のピークはこれから。ワクチン接種は優先順位をつけて行う必要がある」と話し、リスクの高い、妊娠第2、第3期の妊婦、高齢者、24ヵ月未満の幼児、慢性の病気を持つ人々を優先にワクチン接種を行うことを推奨。政府は、成人用ワクチン10万本と子供用ワクチン15万本をすでに手配済みで、到着次第、各州に配給するとしている。
米ではすでに、インフルエンザで11人の子供が死亡しており、今年のインフルエンザによる死亡者数は、3万6,000人以上に上るだろうと予想している。
12月10日(水)シアトルの売春斡旋業者、摘発される
シアトルで大規模な高級売春斡旋業者が摘発され、経営者の母娘ふたりが逮捕された。顧客は数百人にも上り、著名な会社社員なども多数含まれているという。
母娘は「エデンの園」という名前でこの売春斡旋業をウェブサイトで経営。顧客の男性は、ウェブサイトから女性の写真と価格、スケジュールを確認し、オンラインで予約ができるシステムとなっていた。
金銭を支払って行う性交渉は犯罪であるため、顧客も全員が容疑者となり、裁判になった場合には彼らの名前が公になる可能性もあるという。
12月9日(火)日本政府、自衛隊のイラク派遣を承認
日本政府は9日、イラク復興支援特別措置法に基づき、約1,000人の自衛隊員をイラクへ派遣することを承認した。この派遣は、第二次世界大戦以来の最大規模となる。
小泉純一郎首相はテレビの全国放送で、「日本は参戦するわけではない。イラクの治安状況が危険であることは認識しているが、我が国は任務を遂行する義務がある」と演説し、国民の理解を求めた。
派遣の正式日時についてはまだ発表されていないが、小規模な部隊の派遣は今年中にも行われる予定で、派遣期間は6ヵ月から1年間と見られている。
派遣反対派は、「イラクは現在、全土が戦闘地域のような危険な状況だ。今回の派遣は、部隊の派遣先を“非戦闘地域の安全な場所”と限定しているイラク復興支援特別措置法に違反している。自衛隊員は、防衛手段としての戦闘をやむなくされる可能性がある」とし、小泉首相の決定を非難している。
12月8日(月)米大統領、メディケア改革法案に署名
ブッシュ米大統領は8日、高齢者・障害者向けのメディケア(公的医療保険制度)改革法案に署名した。この改革法案には、今後10年間で約4,000億ドルのコストがかかると予想されている。
同大統領は「この改革法案により、米国民はより良い選択をして、医療保険を自分でコントロールできるようになる。米政府はやっと高齢者に向けた処方箋薬を保険対象とすることができた」と話している。
メディケアは1965年に制定。今回の改革はメディケア史上、最大規模の変更となる。この改革法案はまた、一般の保険会社によるメディケア対象者向けの医療保険プランの提供を奨励しているため、民主党員の中には、改革はメディケア・プログラムの破滅を引き起こすと懸念する声も多数揚がっている。メディケアによる処方箋薬の保険給付は、2006年度初めから実施される予定。
12月5日(金)シアトル地域、7万戸が依然停電
4日にワシントン州を襲った暴風で倒れた樹木に住宅や車が押しつぶされるなどの被害が出た。
シアトルの南東部にあるメイプル・バレーでは、倒れた木の下敷きになって、車の中に2人が閉じ込められるという被害があった。2人は救出後、ハーバービュー・メディカル・センターに運ばれたが、うち1人は重体だという。
ワシントン州全体では、25万戸の住宅や企業が停電に見舞われ、シアトル地域では依然として7万戸が停電状態のまま。
暴風はイーナムクローとバックリー地域で80mph、シアトル南西部では60mphの風速を記録した。
12月4日(木)ピアス郡衛生局、禁煙条例を承認
タコマ・ピアス郡衛生局は3日、バーやレストラン、ボーリング場などのすべての屋内の公共の場での喫煙を禁じる禁煙条例を圧倒的多数で承認した。条例は30日以内に施行される予定だが、ワシントン州レストラン協会はこの条例を不服とし、衛生局を相手取って訴訟を起こすことを決定している。
保険局ディレクターで次期州知事選共和党候補者のフェデリコ・クルス・ウリベ氏は「正しいことが承認されただけのこと。清潔な飲料水と安全な食品、きれいな空気は市民の当然の権利」と語っている。禁煙条例は全米の多くの州や地方都市で導入されており、カリフォルニア、ニューヨーク、デラウェアでは州全体で施行されている。ピアス郡の条例が訴訟に勝ち残れば、ワシントン州で最初の施行となる。
レストラン協会政府業務ディレクターのスタン・ボウマン氏は、バーやレストランでの喫煙は1985年の州法「屋内クリーン・エアー法」で認められており、この禁煙条例は違法であるとしている。ワシントン州ではこれまでにも、キング郡、スポケン、ピュアラップで同様の禁煙条例案が検討されたが、いずれも施行には至っていない。
12月3日(水)小学6年生、毒入りクッキーで放校処分
サマミッシュのエリザベス・ブラックウェル小学校で1日、担任教師に毒を盛ろうとした小学6年生の生徒が放校処分となった。
放校処分となった女生徒は、クラスメイトと担任教師に配るクッキーを持参。担任に食べさせることを目的として、そのうちのひとつに毒をスプレーしたという。女生徒が毒だと思った薬物は犬用の防虫剤であり、致死性はなかった。
女生徒がクッキーにスプレーした際に、ほかのクッキーにも薬品が付き、それらを食べた生徒らが咳き込んだり、クッキーをはき出すなどしたため、中毒管理局が呼ばれて事件が発覚した。
クッキーを食べた生徒らに被害は出ていないが、サマミッシュ学区では学校でおやつを配る習慣の見直しを検討している。キング郡保安官はこの事件について捜査を進めている。
12月2日(火)ボーイング社最高責任者辞任
米航空・宇宙最大手ボーイング社のフィル・コンディット会長兼最高責任者(CEO)が1日、政府からの防衛関連の受注をめぐる不祥事の責任を取るかたちで辞任した。後任にはマクドナルド・ダグラス社出身のハリー・ストーンサイファー氏が就任した。
ボーイング社は先週、米空軍からの767空中給油機の賃貸契約をめぐり、ダーリーン・ドゥルユン副社長とマイク・シアーズ最高財務責任者(CFO)を解雇。現在、近年の軍事航空契約2件について、米司法省、上院軍事委員会、国防省から不正および犯罪取引疑惑で調査を受けている。
ストーンサイファー氏はボーイング社の本社をシカゴへ移転させ、2001年の同社ストライキの原因を作ったとして、ボーイング社社員は同氏のCEO就任を快く思っていない。しかし、産業アナリストや政府関係者はボーイング社で近年多発している一連の不祥事を一掃し、最大顧客である米政府の信頼を取り戻すためには不可欠だったとして高く評価している。
12月1日(月)日本、イラクへの部隊派兵を再表明
イラクのティクリート北部で先週末に日本人外交官が襲撃を受けて2人が死亡した事件について、小泉純一郎総理大臣は1日、イラクに部隊を派兵する方針に変わりがないことを改めて表明した。
小泉総理は「我が国の姿勢に変更はない。再建努力を中断させ、混乱を引き起こそうと画策するテロリストに威圧されてはならない」と述べたが、派兵の具体的な日時については言明していない。
日本の部隊派兵は少人数で戦闘活動への参加はないが、米同盟軍参加を他国へ促すための重要な役割を果たすとして注目されている。
2003年11月
11月26日(水)米上院議会、メディケア改革法案可決
高齢者・身障者向けのメディケア(公的医療保険制度)改革法案が25日、米上院議会で54対44で可決された。ブッシュ大統領はこの法案を歓迎しており、承認の署名は近日中にも行われると予想されている。
この法案は高齢者と身障者向けの処方箋薬を保険給付対象とすることにより、自己負担を軽減するとされているが、受給資格を得るためには、低所得高齢者であっても流動資産の上限制限があるなど、実際に負担が軽減されるか否かは明確でない。
メディケアは全米で40万人をカバーしており、高齢者・身障者にとって、この改革法案が死活問題となることは間違いないが、「この改革は製薬会社と保険会社のためのものだ。我々にはあまり助けにはならないのでは」と新しい法案を懸念する高齢者も多い。 。
11月25日(火)ベルビューの一家惨殺事件、裁判開始
1994年7月にベルビューのタリク・ラフェイさんと妻のサルタナさん、娘のバズマさんの一家3人が殴殺された事件で、アティフ・ラフェイ、セバスチャン・バーンズ両容疑者の裁判が9年越しでようやく開始された。
キング郡最高裁判所で行われた24日の冒頭陳述では、カナダ警察のおとり捜査官に残虐な殺人を自慢げに告白するふたりのビデオ・テープが流され、ロジャー・デビッドハイザー副検察官は「ふたりは“完全犯罪”だったと自負していたが、結果的にはこの傲慢さが逮捕につながった。相続金目当てに慎重に殺人を計画して実行した」と述べた。
弁護団は、ふたりの自供はカナダ警察の巧みな誘導によるものであり、指紋や毛髪、血痕の付いた足跡などの事件の法廷証拠とも矛盾していると主張している。
両容疑者は事件発生の1年後にラフェイ一家殺害容疑でカナダのバンクーバーBCで逮捕・拘留されていた。アメリカへの送還は、死刑判決をめぐる国際的な論争に発展したが、キング郡検察局が死刑を求刑しないという合意の下、2001年にワシントン州へ引き渡された。
11月24日(月)ワシントンDC連続狙撃犯に死刑判決
2002年10月にワシントンDC近郊で発生した連続狙撃事件で、バージニア州裁判所陪審団は24日、主犯のジョン・アレン・モハメッドに死刑の判決を下した。
モハメッドの弁護団は彼が「湾岸戦争症候群」にかかっている疑いがあるとして精神障害を訴えたが、モハメッド自身が検察側の精神科医との面談を拒絶したため、証拠として提出できなかった。
モハメッドと共犯のリー・マルボーが逮捕された当時、起訴をめぐって複数の州が管轄権を争ったが、死刑判決を持つバージニア州が最初の裁判権を獲得。バージニア州はテキサス州に次いで死刑執行率が高い州で、16~17歳の少年にも殺人罪による死刑判決がある。
11月21日(金)レドモンド高校生、麻薬取引で逮捕
21日、レドモンド警察は2ヵ月に渡る麻薬捜査の末、レドモンド高校の生徒5人を麻薬法違反の疑いで逮捕した。5人の生徒のうち2人は年齢が上だったことから大人扱いで刑務所へ拘留され、ほか2人はキング郡ユース・センターに収容、残り1人は収容後に親元へ引き取られている。
警察では、麻薬取引に関する苦情が寄せられたことから、学校におとり捜査官を生徒として潜入させていた。学校ではマリファナ、コカイン、オキシコンティンなどの麻薬取引が行われていたという。
11月20日(木)7E7プログラムの本拠地はエベレット
ボーイング社は新しい7E7ジェット旅客機の設計・開発業務はワシントン州のボーイング社エベレット工場を本拠地とすることを発表した。ボーイング社はまた、旅客機の主翼部分を含む機体の35パーセントを日本企業が製造することについても正式に認めた。
ボーイング社ではこれまで、複雑な主翼製造はすべてボーイング社内で製造しており、機体製造の重要部分を含む35パーセントもの製造を委託するのは初めて。
現在、ボーイング社のパートナーである日本企業では、777旅客機の21パーセント、767旅客機の15パーセントが製造されている。
11月19日(水)ノースウエストの豪雨、豪雪に
18日から降り続けている豪雨が夜半から雪に変わり、19日早朝、スノホミッシュ郡に豪雪警報、キングとキットサップ郡の一部に豪雪注意報が発令された。
19日の積雪量は、ショアラインから北部のスノホミッシュ地域で2~3インチ、ダーリントンで5インチ、マウント・バーノンで4インチとなった。降雪量の多かった地域では、道路が積雪で滑りやすい状態となり、朝の通勤に影響が出た。
豪雪警報および注意報は午前9時に解除されているが、18日から発令されている都市部および河川の洪水警報は依然として解除されていない。
11月18日(火)シアトルなど都市部にも洪水注意報
西部ワシントン地域で18日、降水量により河川の水かさが増し、キング、スノホミッシュ、スカジット郡など各地の河川で洪水警報、キットサップ、西スノホミッシュ、キング郡の都市部にも洪水注意報が発令された。
都市部では、落ち葉で詰まった排水溝から水があふれ出し、Hwy.99などの主要道路が洪水状態となり、通行止めとなった地域もあった。
国立測候所では、今後も雨は弱まることなく降り続け、さらなる状況の悪化が予想されるとして注意を呼びかけている。
11月17日(月)アルカイダ、日本へのテロ攻撃脅迫声明
ロンドンを拠点とするアラビア語新聞紙2社に、アルカイダの兵士を名乗る人物から日本がテロ攻撃の標的となる可能性があることを示唆する脅迫声明文が電子メールで送られていたことが17日に明らかになった。
電子メールによる脅迫声明文が送られたAl-Majalla紙の発表によると、アブ・モハメッド・アルアブラジと名乗るアルカイダ兵士は声明文の中で、「兵士をイラクへ派遣すれば、日本は経済的に破壊され、神の兵士に踏みつぶされるだろう。我々は東京の中心も攻撃することができることを思い知るだろう」と発言。また、15日のトルコでの自動車爆弾テロとイラクのイタリア警察本部の爆破テロに対する犯行声明も行っている。
この脅迫声明文はブッシュ米大統領および米同盟国に対する攻撃も示唆。日本がイラクに対する平和維持軍の派遣を延期すると発表した直後に届いており、小泉首相は「テロ攻撃に対しては全世界が脅威の標的だ。我々は脅威に屈してはならない」と述べている。
米政府は、送り主のアルアブラジはアルカイダ・メンバーである可能性が高く、声明文の信憑性は高いとしている。
11月14日(金)7E7旅客機の主翼製造、日本へ移動?
14日発売のシアトル・ポスト・インテリジェンス紙(シアトルPI)により、ボーイング7E7旅客機の主翼部分の製造を日本企業に委託することが決定したことが明らかになった。
ボーイング社が同社ジェット機の機体主要部分の製造をピュージェット湾地域以外に委託するのは今回が初めて。製造を行う日本企業は、三菱、富士、川崎、新明和、日飛の5社で、先導的役割は三菱が担うという。この7E7旅客機の製造委託により、日本では新たに1,000以上の新たな雇用が生まれると予想されている。
航空コンサルトは「エアバス社との競争が激化するボーイング社にとって、日本は最後に残された宝石のようなもの。日本のような市場規模で、市場および産業に誠実な国はほかにない。ボーイング社の主要製造に日本が関わることで、日本とのA380旅客機ビジネスを模索しているエアバス社にも大きな打撃を与えることができる」と話している。
11月13日(木)車への悪質な破壊行為、エスカレート
キング郡のウッディンビル-デュバル・ロード近辺で空気銃などによる破壊行為が相次いでいる。駐車場やビルを狙っての射撃や、走行中の車に向かって反対車線からの射撃など、行為は日に日に悪質になっているという。
対向車から突然射撃され、フロントガラスに穴が空いたり、ガラスが粉々に砕けたりするなどの被害を受けた車は多く、最悪の場合には大きな事故につながる恐れもある。
容疑者や車の詳細などはまだわかっていないが、警察ではドライバーへの警戒を呼びかけるとともに、容疑者の特定を急いでいる。
11月12日(水)ピアス郡の学校脅迫者は16歳の少年
12日早朝、タコマ近くのクローバー・パーク高校を脅迫する911通報を行ったとして16歳の少年が逮捕された。少年は通報はいたずらで、学校を休みにしたかったと話しているという。
ピアス郡学区ではこの通報により3校を厳重封鎖態勢に置き、警察がスワット・チームを配備するなど警戒態勢が取られたが、脅迫にあった時間を過ぎても何も起こらず、警察では脅迫がいたずらであったと判断。通報の電話を追跡して少年逮捕となったという。
この脅迫で3校の生徒約3,400人が影響を受けた。
11月11日(火)連続殺人犯リッジウェイ商品がeBayに
大手オークション・ウェブサイトeBayにグリーン・リバー連続殺人犯ゲーリー・リッジウェイの顔が描かれ、”I was good at choking(俺は首絞めが得意だった)”と書かれた血のように真っ赤なTシャツがオークションにかけられ、殺人関連商品の販売に反対する抗議団体らの間で物議を醸している。eBayは早々にこの商品を削除している。
eBayにはほかにも、グリーン・リバー事件捜査本部の捜査官の名刺や、リッジウェイが30年間勤めていたトラック会社の古いマグカップなどの商品がオークションに出されているが、裁判所はこのような商品の販売は憲法の「言論の自由」で保護されており、違法ではないと話している。
11月10日(月)カスケード山脈に大雪注意警報
国立測候所は10日、ワシントン州カスケード山脈に大雪注意警報を発令した。
10日に標高4,500フィートあたりから降り始めた豪雪は、11日早朝には標高3,500フィートあたりまで下降し、降雪量は8~15インチと見られている(スティーブンズ・パスの標高は4,000フィート、スノコルミー・パスは3,000フィート)。
この大雪注意警報はワシントン州北東部のほか、アイダホ北部の地域にも出されている。
11月6日(木)タコマ警察、誘拐容疑者を逮捕
タコマ警察署は7日、行方を追っていた凶悪誘拐犯を逮捕した。逮捕されたのは停職中のキング郡刑務所看守で、名前はまだ発表されていない。
被害者の女性が両手を後ろ手に縛られ、容疑者の車に乗せられているのを目撃した人物が車を追跡し、容疑者がコンビニエンス店に入ったところで被害者を救出。その際、容疑者の男の姿が同コンビニエンス店の監視カメラに撮影されていたことが今回の逮捕につながった。
タコマ警察のジム・マシュー刑事は「25年間刑事をやっているが、これほど凶悪な拷問犯罪は初めてだ。被害者は首を絞められ、殴る蹴るの暴行や空気銃で撃たれるなどの拷問を受けたうえ、複数回に渡って暴行されている。まったく残忍な手口だ」と語っている。
警察ではほかにも余罪があるものとみて、捜査を進めている。
11月6日(木)ストリッパゲート疑惑に新事実
シアトルのストリップ・クラブをめぐる「ストリッパゲート」スキャンダルで6日、ストリップ・クラブの再区分承認の投票が行われる数週間前に、同クラブの関係者が代理でジュディ・ニカストロ議員に献金を行っていたという事実が明らかになった。
献金を行ったのを認めたのは、ステーシーとニコル・ファーファロ姉妹で、彼女らの両親は同ストリップ・クラブで長年勤務している。献金者が明らかにされない政治献金は違法であるが、ふたりはニカストロ議員に2,300ドルの献金を行い、後日払い戻しを受けたという。
ストリッパゲート・スキャンダルは、ストリップ・クラブの再区分をめぐり、クラブのオーナーらが市議会議員の選挙キャンペーンに多大な献金を行っていたというもので、献金を受け取った3人の議員が献金全額を返却させられている。
今回の献金の違法性について、ニカストロ議員が認識していたかどうかはまだわかっていない。
11月5日(水)リッジウェイ、48件の殺人を認める
グリーン・リバー連続殺人事件の容疑者ゲーリー・リッジウェイの審理裁判がキング郡裁判所で5日に行われ、リッジウェイは48件の加重第一級殺人罪を認めた。
今日の審理での有罪認知は、リッジウェイが死刑判決を逃れるためにキング郡検察官との間で取り交わしたキング郡管轄の殺人だけに適用される司法取引によるもの。リッジウェイは「売春婦を憎んでいた。売春婦だと思った女は殺せるだけ殺したかった。彼女達の名前も顔も覚えていない」と供述している。
グリーン・リバー連続殺人事件では1980年から1998年の間に49人の女性が殺害されているが、リッジウェイはこのうちの42件の殺人と当初は無関係と思われていた殺人6件を認めており、残りの7人の殺人については未解決のままとなっている。
検察関係者は「リッジウェイが殺人のすべてを供述したとは思えない。捜査はまだ終わっていない」と話している。
11月4日(火)ワ州、2003年度総選挙投票
ワシントン州の懸案および地方都市の議員選出のための総選挙投票が本日4日に開始された。投票所は今朝7時にオープンしたが、有権者の過半数は郵送による不在者投票を行うものと予想されている。
今回投票が行われる州全体の懸案は、ワシントン州の職場でのエゴノミクス(人間工学)ルールの廃止を求める議案841。議案支持派は、エゴノミクス・ルールの導入によるコストの増大で、多くの職場で労働者が解雇されたり、他州へ職が流出しているとし、一方の反対派は、このルールは重労働を行う労働者にとって不可欠なものと主張している。
各地方都市では、ワラワラ郡とピアス郡、キットサップ郡で増税に対する投票が行われるほか、各市議会の空席を埋めるための議員選挙投票などが行われる。
11月3日(月)米大統領、イラク戦犠牲者に対し声明
イラクで米軍ヘリコプターが墜落され16人が死亡、20人以上が負傷した事件の翌日である3日、ブッシュ米大統領は訪問先のアラバマの工場で「攻撃者は多国籍軍を追放しようと躍起になっている。だが、アメリカはぜったいに逃げない」と演説した。
大統領は特に2日のヘリ墜落については言明しなかったが、イラク戦争での米軍犠牲者について「我々はすべての犠牲者に追悼の意を表し、彼らをたたえ、彼らの家族と共に死を悼んでいる。自由を守るために犠牲となった勇姿に感謝している」と述べた。
イラクでは10月27日にバグダットで自爆テロの犠牲となり36人が死亡するなど、先週は最高の死傷者数を記録した1週間となった。5月1日の戦争終結宣言以後に死亡した米兵は240人にものぼる。
2003年10月
10月31日(金)マイクロソフト、グーグルを買収か?
インターネット検索エンジンの大手である米グーグルとソフトウェア業界の大手、米マイクロソフト社が事業提携あるいは合併する可能性があることが明らかになった。
米ニューヨーク・タイムス紙によると、マイクロソフト社は以前から、人気が高く宣伝効果のある検索エンジン・ビジネスへの参入を模索しており、グーグル社との話し合いを進めているという。
一方のグーグル社は、期待されている新規株式公開に向けた準備に入っており、マイクロソフト社との提携にはあまり乗り気ではないと見られている。
10月30日(木)航空博物館、コンコルドを獲得
シアトルの航空博物館が先週引退した英国航空のコンコルド旅客機を競売で獲得したことが明らかになった。
コンコルドは世界に18機しかない貴重な飛行機で、米国ではシアトルのほか、ワシントンDCとニューヨークの航空博物館に展示される。
10月29日(水)ピュージェット湾北部で暴風被害
最高降雨量を記録し、洪水の被害に見舞われた西部ワシントン地域を今度は暴風が襲った。28日午後4時頃から吹き始めた暴風で、ピュージェット湾北部およびスノホミッシュ郡全域が高波や停電などの被害を受けた。
最大時速60mphの強風の影響で、ウィッピー・アイランドでは男性が倒れてきた樹木の下敷きになって死亡。マキルテオではフェリー・ドックのアイバース・レストランが高波に襲われ、デッキが崩壊。当時、店には約20人の食事客がいたが、全員外に避難して無事だった。
ほかにも、マキルテオ-クリントン間フェリーの運航停止やショアライン鉄道線路の閉鎖、電力線の切断による停電などの被害が相次いだ。
10月28日(火)元UWチーム医師、薬物不正使用で捜査
連邦およびワシントン州捜査官は27日、治療に違法薬物を使用した疑いで、元ワシントン大学のWilliam Scheyerチーム医師の犯罪捜査を行うと発表した。
捜査は米連邦検事事務所、連邦麻薬取締局、州パトロール麻薬特捜班によって行われ、Scheyer医師だけでなく、チームのトレーナーやコーチ、UWの運動部に所属する選手や医師に薬剤を提供していたエドワード・マツカワ元薬剤師も対象となるという。
Scheyer医師は1986年から1999年までワシントン大学の様々な運動プログラムのチーム医師として勤務。違法の疑いで医師ライセンスが剥奪される直前までボランティアとしても関わっていた。
今回の捜査に関し、UW側はコメントを発表していない。
10月27日(月)保安官代理ら、暴行容疑で逮捕される
キング郡保安官事務所とデモイン警察署は26日の合同記者会見で、現職の保安官代理2名と警察官1名を暴行罪および不正拘留の疑いで逮捕したと発表した。
逮捕されたのはジェームス・ケラー、ジョージ・アルバレズ両保安官代理、そしてバロン・トッド・ボールドウィン警察官の3人で、先週22日の麻薬売買捜査中に被害者を殴る蹴るなどして脅し、情報収集を行ったという。この事件は暴行を目撃していた警察官の内部告発によって発覚した。
警察官らは26日、審理のため裁判所に出廷する予定。
10月24日(金)新520ブリッジ建設費に通行使用料?
ワシントン州運輸省はワシントン湖の新しい520ブリッジの建設に通行使用料の適用を検討していることが24日に明らかになった。
通行使用料は通常が片道3ドル、ラッシュ時4.60ドル、夜間は75セントで、6車線の新しい520ブリッジは建設費が約20億ドル。完成は2014年を予定しているという。
10月23日(木)Sea-Tac空港で刃物がセキュリティ通過
シアトルのシータック空港からフィラデルフィアへ向かうUSエア・ウェイズ106便の機内で、乗客が刃渡り約5インチのナイフを所持していたという事実が発覚した。
飛行中に女性乗客がナイフを取り出し、リンゴを切り始めたのに驚いた他の乗客がUSエアーウェイに警告。ナイフを所持していた女性は、「一体、どうやって機内に持ち込めたのか?」という質問に、驚いた様子で「わからない」と答え、ナイフを座席の下にしまったという。
米運輸保安局(TSA)ではナイフを持ち込んだ女性の身元が確認されたかなどの詳細はまだ発表していない。
10月22日(水)ワ州国家警備隊員に動員命令
マイヤーズ米統合参謀本部議長は訪問先のワシントン州のフォート・ルイス基地で22日、ワシントン州の米国家警備隊員、約3,300人をイラクに派遣することを発表した。この動員は、第二次世界大戦以来、最大のもの。マイヤーズ統合参謀本部議長は、「第81機甲旅団の配置はイラクの米軍展開において非常に重要だ」と話している。
第81機甲旅団は現在イラクのバグダットにいる第53独立歩兵旅団の後任として駐留することになるが、派遣日時や期間などの詳細についてはまだ発表されていない。
10月21日(火)WA西部、大雨の影響で被害続出
西部ワシントン州地域は20日、ストームによる記録的な大雨の影響を受け、各地で道路の閉鎖や土砂崩れ、住宅の浸水などの被害が相次ぎ、10の河川で洪水警報が発令された。
国立測候所の調べによると、メイソン郡のリリワップ地方で8インチ、シェルトン地方で6インチなど、各地で最高降雨量が記録され、ギグ・ハーバーではわずか7時間に3インチもの大雨が降ったという。河川ではスカジット川が今朝6:45の時点で最高水位42.2フィートを記録。洪水位を約14フィートも上回り、付近住民が避難を余儀なくされている。
シアトルでも雨水をノースゲートからワシントン湖へ運ぶソーントン・クリークが氾濫し、付近の道路が洪水状態となり、ベルビューのファクトリアBlvd.でも排水しきれない水が道路に溢れた。
大雨によるけが人などは現在のところ報告されていない。
10月20日(月)メリーズビル教師らに仕事復帰命令
スノホミッシュ郡最高裁判所は20日、メリーズビル学区のストライキは違法であるとし、教師らに仕事に復帰するよう、強制命令を出した。メリーズビル教育組合は、この判決について会合を行い、ストライキを続行するか否かの協議する予定。
裁判官は「契約問題については今後も協議を続ける必要があるが、学校関係者は子供達に対する責任を改めて認識すべきである」と話している。
違反者に対する処罰はまだ発表されていないが、今回の審理申し立てを行っていた父兄グループは、1日につき250ドルの罰金を求めている。
メリーズビルでは49日間に渡りストライキが続いており、学区の生徒1万人以上がまだ新学期を迎えられずにいる。
10月17日(金)西部ワ州各地でストームによる被害
ストームの影響で16日、西部ワシントン地域は各地で大雨や強風による被害が続出し、スノホミッシュ郡では切れた電線に感電した32歳の男性が死亡した。
男性は友人と車でHwy9を走行中に雑木林で小さなやぶ火事を発見。消火しようと近づいた際に、切断されて路上に落ちていた7200ボルトの高圧線を踏み感電したと見られている。
ほかにも、各地で洪水や停電、土砂崩れ、強風により倒された樹木が住宅や車を押しつぶすなどの被害が相次ぎ、スカジットとポートアンジェルス地域の河川に洪水警報も発令された。
10月16日(木)ボーイング、757の製造中止を決定
ボーイング社は16日、ワシントン州レントンにある757ジェット旅客機の製造工場を2004年終盤に閉鎖することを発表した。
757ジェット旅客機は2001年のテロ攻撃後、一番の顧客であったアメリカの航空会社が不景気に陥ったことにより、注文が激減。過去21ヵ月の間に受けた新しい注文はわずかに5機だけで、製造中止は時間の問題と予想されていた。
ボーイング社のAlan Mulally旅客機最高責任者は、今回の製造中止は757旅客機の市場の現実と、需要が増加している737ジェット旅客機の市場を反映したものだと話している。
10月15日(水)メリーズビルのストライキ、判決延期
スノホミッシュ郡高等裁判所は15日、メリーズビル学区の教師によるストライキ中止を求める強制命令の審理で、学区および教師組合は、まだ協議の余地があるとして判決を20日に延期した。
この審理は、父兄グループ「Tired of Strike」およびメリーズビル学区が教師に対して仕事に戻るよう、裁判官による強制命令の執行を求めて起こされていたもの。裁判官は、学区および教師組合に対し、問題解決に向けた協議を明日(16日)から毎日8時間ずつ、4日間に渡って行うよう要請した。
メリーズビルでは、650人の教師組合メンバーが給与と手当、そして教師による学校外の仕事に対する処遇を求めて、9月1日からストライキを実施。44日間に渡るストライキは同学区の生徒1万人以上に影響を与えている。ワシントン州では学校は1年間に180日間と定められており、生徒らはすでに30日以上の不足日を補わなければならない。
10月14日(火)ベリングハムの高校で女生徒逮捕
ベリングハムのメリディアン高校で先月、学校の校庭の樹木から首つり縄7本が吊り下げられていた事件に関して、13日に学校主催の臨時会議が行われ、出席した14歳の女生徒が会議中にクラスメートに人種差別的罵声を浴びせ、絞首刑にしてやるなどと脅迫して逮捕された。
この会議は、首つり縄事件や生徒による南部連合国旗の掲示などの問題に関するもので、学校関係者や生徒、父兄ら約200人が出席。「南部連合国旗は人種差別の象徴であり、侮辱的で不快だ」とする人権活動家らと、「国旗は歴史の象徴であり、差別ではない」と主張する生徒とその父兄の間で意見が対立した。
学校およびワットコム郡保安官当局では、首つり縄を吊した人物の特定を急ぐとともに、学校での脅迫や嫌がらせなどの捜査を開始。南部連合国旗に関しては、同郡裁判所が学校への持ち込みを禁止する決断を下している。
10月10日(金)DHL、本社をフロリダへ移転
国際クーリエ・サービス大手のDHL社がシアトル本社をフロリダに移転することが明きらかになった。この移転によりシアトルの従業員、数百人が職を失うことになる。
DHLは今年8月にシアトルを拠点とするクーリエ・サービス会社、エアボーン・エキスプレス社の一部運営を100億ドルで買収し、同社を吸収合併。フロリダにも本社を持っており、今回の移転は2ヵ所の本社を統合するためだという。
DHLシアトル本社従業員のうち、ピックアップ・デリバリー部門の300人余りはシアトルに残り、情報テクノロジー・システム部門の約370人はアリゾナへ転勤。その他の部門に所属する約500人に関しては、フロリダへ転勤または解雇となる見込み。
ワシントン州では2年前にボーイング社が本社をシカゴに移転。DHLはドイツの郵便サービス会社Deutsche Post AGの子会社で世界に17万人の従業員を抱える大企業であり、今回の本社移転は州経済への大打撃となると予想される。
10月9日(木)モノレール税、脱税者を捜査
シアトル・モノレール・プロジェクトは8日、モノレール税の脱税行為を行っているシアトルに居住する車両所有者を捜査・追跡する考えであることを発表した。
税金の支払いを避けるために、居住している都市以外で自動車登録を行うのは違法だが、罰金などのペナルティは課せられていない。モノレール・プロジェクトは、かなりの住民の間でこの脱税行為が行われているものとみており、自動車管理局のデータ・ベースなどから脱税者の特定を行う予定だという。
シアトルは昨年秋、既存のモノレールをバラードからウエストシアトルまで延長する「Green Line」の建設に自動車物品税を導入することを承認。このモノレール税は自動車の価値価格1万ドルに対して85ドルと設定されているが、自動車価格の設定が実際の市場価格よりも高額に設定されており、住民からは税金をつり上げるための工作だと不満の声も上がっている。
10月8日(水)シアトル学区の最高責任者が決定
シアトル教育委員会は7日、シアトル学区の次期最高責任者に現在の臨時最高責任者であるRaj Manhas氏を1年間の期限付きで任命した。
次期最高責任者は、教育委員会が最終的に推薦した候補者4名全員を教育委員会任命の市民議会が否認。候補者2名が辞退に追い込まれ、委員会が市民議会の決定を「政治策が強い」と非難するなど、選出が難航していた。
10月7日(火)シアトル・タイムス、JOA判決に上訴
『シアトル・タイムス』紙は7日、『シアトル・ポスト・インテリジェンサー』紙(シアトルPI)との共同経営契約条件(JOA)をめぐる裁判に対する高等裁判所の最終判決を不服として上訴する考えがあることを発表した。
タイムス紙では2000年から3年間に渡る赤字経営がJOAの契約条件の契約破棄条件に該当するとして、PI紙とのJOA契約破棄を求めていたが、高等裁判所は2000年の赤字は同年のストライキの影響によるもので、契約破棄条件には該当しないとして、タイムス側の訴えを棄却する判決をくだしている。
タイムス紙は今回の抗争について、PI紙を所有するHearst社がJOA契約を利用してタイムス紙の買収を図ろうと画策しているものであると主張している。
10月6日(月)夫妻殺害の容疑者に保釈金300万ドル
ケント地方裁判所は6日、ナイトクラブ経営者のマイケル・ファンさんとミシェルさん夫妻を殺害した容疑で逮捕されたジョンQモリモト容疑者に対する保釈金を300万ドルと設定した。
警察はケントの自宅で殺害されている同夫婦と腹部に重傷を負った娘のシンディちゃんを3日に発見。夫妻の自宅から盗まれていたSUV車「Hummer」に焦点を絞り捜査を進め、アーバンのスーパーマーケット近くで発見された同車の周りをうろついていた同容疑者を逮捕した。
ファン夫妻はシアトルのインターナショナル・ディストリクトにあるナイトクラブのオーナーで、ベトナム系ビジネス推進者として活躍していた。夫妻の司法解剖は6日に予定されている。
10月3日(金)メリーズビル、教員ストライキ続行
メリーズビル学区は3日、学区側と教員側の調停会議が不合意に終わり、来週も引き続き教員によるストライキが続行されると発表した。
メリーズビル学区では、同教育組合に所属するメンバー690人が、新学期が始まる予定だった9月2日からストライキを実施。同学区域の学校は1ヵ月以上も閉鎖されている。
次の調停会議が予定されている6日に両者が合意に達し、組合の承認が行われない場合、1995年のファイフ学区のストライキ記録である36日を上回ることも予想される。
10月2日(木)メトロ・バスで刺殺事件
メトロ・バスに乗車していた男性が何者かにバスの中で刺されて死亡した。被害者の身元などはまだわかっていない。
死亡した男性は、バスを下車した際に路上に倒れ込み、その直後にバスの運転手が警察に通報。救急車で病院に運ばれたが、搬送先のハーバービュー・メディカル・センターで死亡した。
事件当時、男性の乗っていた14番のバスは満員の乗客で混雑。目撃者の話によると、被害者はバスの中で何者かと口論していたという。
警察では犯人の行方を追っている。
10月1日(水)シアトルの侵入窃盗で容疑者ら逮捕
1日早朝、シアトル市の民家に侵入し、宝石や現金などを盗んだ疑いでアジア系の若い男ら4人が逮捕された。
近所に住む住民が、被害者宅前に不審な車が停車しているのを警察に通報。車の詳細が数時間前に発生したケント市の侵入窃盗事件で使用されたものと似ていたことから、すぐに警察官が出動。逃げ遅れて民家の中に潜んでいた4人の容疑者を逮捕した。
シアトル市では先月から最低でも4件の侵入窃盗が発生しており、いずれも被害者はアジア系家族。ナイフや銃で被害者を脅し、縛り上げるという窃盗の手口が今回の事件と同じであることから、警察では今回の容疑者がこれらの事件にも関与しているとみて調べを進めている。
2003年9月
9月30日(火)マリナーズのギリックGM、辞任
シアトル・マリナーズのゼネラル・マネージャー(GM)のパット・ギリック氏が30日、辞任を表明した。今後はマリナーズのコンサルタントとして活躍するという。
ギリック氏は「よく考えて決めたこと。チームをレベル・アップできる後任者に職務を譲りたい。今後もチームの一員として貢献できるのを楽しみにしている」と語った。
マリナーズのハワード・リンカーンCEOは「ギリック氏にGMとして残留して欲しかったが、彼の決断を尊重した」と話している。
ギリック氏は1978年にトロント・ブルージェイズのGMに初就任以来、24年間に渡りGMとして活躍。今年の9月10日のレンジャーズ戦では通算2000勝を記録した。また、マリナーズのGMとして勤務した4年間でチームはメジャー最高記録に並ぶ393勝を記録、アメリカン・リーグのチャンピオンシップ・シリーズには2度出場を果たしており、2001年度のエクゼクティブ・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。
9月29日(月)UWパーティーで暴動事件
27日、ワシントン大学の学生が多く居住する47th Ave. NEの路上で学生数百人による暴動が発生。警察官約70人が出動し鎮圧にあたるという大騒動となった。
大学の授業が始まる前の最後の週末であった27日は、大学付近で数多くのパーティーが催されており、警察官によってパーティーを分散させられた学生たちが路上に集結し暴動となったという。
学生達は駐車していた車を横転させたり、道路標識を破壊するなどの行為のほか、段ボールやマットレスに火を点けるなどした。警察のパトロール車もフロント・ガラスを割られるという被害を受けている。
警察ではパトカー設置のカメラに収録された映像と付近住民が撮影したビデオ・テープを検証し、破損にかかわった人物を特定するという。UW関係者と警察、シアトル市代表ではこの暴動事件について29日に協議する予定だ。
9月26日(金)「セグウェイ」がリコールに
米消費者安全委員会(CPSC)は26日、1人乗りの充電式二輪車スクーター「セグウェイ」のリコールを発表した。リコール対象モデルは、「Segway HT i167(i series)」「Segway e167(e series)」「Segway p167(p series)」の3種類。
「セグウェイ」は、搭載された姿勢制御装置がスクーターを垂直な状態に保ち、転倒を防止するとされていた。しかし、充電量が減少した状態で加速したり、段差や斜面を走行した場合には転倒するおそれがあるという。
発売元のセグウェイ社では、充電量が少ないことを知らせ、自動的にスクーターを停止する無料のソフトウェア・インストールを提供するため、全米の11都市にリコール・サービス・センターの設置を予定しているが、これにシアトル市が含まれているかどうかはまだわかっていない。
リコールに関する問い合わせは、セグウェイ社ウェブサイトまたはカスタマー・サービス(電話1-877-899-9020)まで。
9月25日(木)北海道で地震、太平洋沿岸で津波警戒
日本時間の26日早朝、北海道釧路沖で震度6の地震が発生し、けが人は160人以上、停電や電車の脱線、工業地帯からの出火などの被害が出ている。
日本気象庁は、この地震の震源地は釧路の南南西65マイル(約104キロ)、震源の深さは36マイル(約60キロ)、マグニチュードは8と発表。地震による津波警報を太平洋沿岸に出し、津波の高さは3フィート(約1メートル)程度と予想している。
また、ハワイの太平洋津波警報センターでも、日本、ロシア、グアムに津波警報、ハワイ、台湾、フィリピンに津波注意報を発令し、警戒を呼びかけている。
9月24日(水)マイクロソフト、チャットルーム閉鎖
米マイクロソフト社は24日、同社のMSNインターネット・チャット・サービスを34カ国で閉鎖すると発表した。児童を狙った性的犯罪を防止するための措置だという。
閉鎖となるのは、欧州、中東、アジア、中南米諸国のサービスで、米国、カナダ、日本、ブラジルについては、有料のMSNサービス利用者にのみサービスが継続される。有料サービスの利用にはクレジット・カードなどの個人情報の登録が義務づけられており、これによりMSNの利用規約の違反者を追跡することが可能だという。
インターネット・チャット・サービスの閉鎖および変更は10月14日に施行される予定。
9月23日(火)ブッシュ大統領、国連で演説
ブッシュ米大統領はニューヨークの国連本部で23日に行われた国連総会で演説し、イラク復興に向けた国連および各国の参加を求めた。
同大統領は1年前の国連演説の際には、大量破壊兵器を理由にイラク戦争に対するサポートを求めたが、承認が得られずに単独で戦争に踏み切っている。今回の演説ではイラクの民主化は中東諸国を奮起させるとし、若い民主国家には各国の助けが不可欠であると強調した。
ブッシュ大統領は最近、イラク戦争における犠牲者および復興費の増加で支持率が低下しており、この演説は国連だけでなく、全米の国民に向けたものとも見られる。
9月22日(月)セーフウェイの食品に毒物混入の恐れ
先週18日、セーフウェイのポート・アンジェルス店に「製品に毒物を混入した」という脅迫状が送られてきた事件について、米食品医薬品局(FDA)とFBIは20日、西部ワシントン州のセーフウェイに限定して捜査が行われていることを発表した。捜査の対象となっている製品についてはまだ発表されていない。
現在のところ、毒物もそれによる被害者も報告されていないが、セーフウェイで最近購入した製品に対しては、パッケージの破損や脅迫状に示唆されている“針穴”による毒物混入の痕跡などの不審点がないかどうか警戒が必要だ。
毒物のテストがワシントン州保健省で実施されているが、結果はまだ出ていない。しかし、連邦政府による反毒物混入の法律では、毒物混入の事実が発見されなくても、それを示唆した脅迫を行っただけで最低1年の実刑判決が下される。FBIでは脅迫状を送付した人物の特定も急いでいる。
FDAでは、不審な製品を発見した場合には、購入したセーフウェイへ返品またはFDAの緊急オペレーション・センター(TEL:301-443-1240)まで通報するよう呼び掛けている。
9月19日(金)フランクリン高校で成績偽造の疑い
シアトルのフランクリン高校で、2003年度の卒業生に対する成績の改ざんが行われた可能性があることが明らかになった。
シアトル・パブリック・スクールの調べによると、成績の変更は約55名の卒業生に行われ、その変更の多くが教師の承認と必要書類のないものであったという。
改ざんが特定の生徒グループを対象に行われたかどうかについては現在調査中だが、シアトルの学区域では成績平均値(GPA)が2.0以下のスポーツ選手は競技に参加できないという規定があり、この改ざんがスポーツ選手を対象として行われた可能性もあるという。
改ざんに関与したと思われるカウンセラー4名は現在有給の休暇措置がとられているが、改ざんが事実であった場合には失職となる可能性が高い。成績の改ざんを受けた生徒に対する処罰は考えていないという。
9月18日(木)カラカラ、地元投資家が購入か
オークション会社James G. Murphy Co.は、先週13日に行われたオークションでフェリー「カラカラ」を落札したカリフォルニアのチャールズ・メドリン氏が16日の入札期限までに入札を行わなかったと発表した。
同氏は入札金14万ドルを現金で送金しなければならなかったが、送金されてきたのは約束手形だったため、入札は不履行と判断されたという。この不履行により、2番目の最高値である13万5,000ドルで入札したタコマの投資家グループが「カラカラ」購入の権利を獲得することになる。
「カラカラ」は1935年から1967年にシアトルとブレマートン間を往復したフェリーで、67年以降はアラスカのコディアックで鮮魚加工工場として利用されていた。その後、海岸沖に放置されていたところをシアトルの保護団体が復元を目的として1998年にシアトルに曳航。1999年から現在までユニオン湖に係留されていた。
9月17日(水)エスプレッソ課税、否決される
16日に行われたワシントン州の予備選挙が開票され、シアトル市の投票者69パーセントが「エスプレッソ課税」に反対、条例案77は否決という結果となった。
条例に反対する人々は「誰も幼少教育資金に反対している訳じゃないんだ。課税方法が間違っているんだよ」と話し、今回の投票結果を祝福。
また、シアトル市のマリファナ所持犯罪を警察捜査の最低優先犯罪とする条例案75は、59パーセントが賛成し可決されている。
9月16日(火)ワ州、2003年度予備選挙投票
ワシントン州の予備選挙投票が本日16日に行われる。この投票により、各都市および郡で提出されている様々な懸案が決定され、また、11月の総選挙へ向けた候補者数も絞られる。
懸案のなかでも注目を集めているのが、エスプレッソに10セントを課税して幼少教育資金にあてるというシアトル市の「エスプレッソ課税」。
シアトル市ではほかにも、マリファナ所持犯罪を警察捜査の最低優先犯罪とするべきかどうかについても投票される。
投票所は16日の夜8時まで開いているが、不在者投票による影響も大きいと見られている。
9月15日(月)ワ州の包括予備選挙に違憲の裁決
米連邦上訴裁判所は15日、ワシントン州の包括予備選挙法は米国憲法修正第1条の政党の結社権を侵害しており、違憲であるという裁決を下した。
包括予備選挙法は、投票者が支持する政党にかかわらず、すべての候補者の中から投票する候補者を選ぶことができるという法案で、例えば、知事に民主党員、議会に共和党員といった投票が可能となる。ワシントン州はこの法案を採用している全米唯一の州である。
包括予備選挙法の支持者は、この判決はワシントン州民が政党登録なしで投票する権利を剥奪するものであり、不公平であるとして連邦最高裁への上訴を期待しているが、政党側は判決を歓迎している。
この判決は、明日予定されている市および郡の予備選挙には影響しないが、2004年度の連邦および州選挙にどういう影響が出るかはまだわかっていない。
9月12日(金)シアトルPIの運命は如何に?
シアトル市の2大新聞、『シアトル・タイムス』紙と『シアトル・ポスト・インテリジェント』紙(シアトルPI)の共同経営契約条約をめぐる訴訟に関する論議が行われ、高等裁判所判事の最終判決が今月27日に下されることになった。
訴訟の中心となっている共同経営契約は、2000年11月に起こった新聞ストライキ後に両紙の間で交わされたもので、契約条件には、3 年間の赤字経営が続いた場合は契約破棄できるとしていた。『シアトル・タイムス』紙は、『シアトルPI』紙が2000年から3年間に渡り赤字を計上したとして、契約破棄を求めており、一方の『シアトルPI』紙側は、契約が交わされた2000年は含まれないとしている。
判事が『シアトル・タイムス』側の訴えを認めた場合、自社印刷施設を持たない『シアトルPI』紙は事実上倒産することになり、判決の行方が注目されている。
9月11日(木)米同時テロ、ワ州でも追悼式典
米同時多発テロから2周年を迎えた11日、ワシントン州の各地で犠牲者を偲ぶ追悼式典が営まれている。
ワシントン州のゲイリー・ロック州知事は、キャンプ・マリー州兵施設を訪れ、ワシントン州に住む約18万人の米軍および国防総省関係者、そしてその家族らに向けて、国家安全に対する貢献と犠牲に感謝の意を表明した。
テロ攻撃があった東海岸地域から遠く離れたワシントン州でも、航空宇宙産業が破壊的なダメージを受けるなど、攻撃の影響は大きかった。また、ワシントン州からは数千人以上の軍関係者がアフガニスタンおよびイラクの戦地に赴いている。
9月10日(水)性犯罪者施設、南ダウンタウンに決定
ワシントン州社会保健省は10日、シアトルの南ダウンタウン、南スポケン・ストリート近くに治療を受けた性的犯罪者の最初の社会復帰施設を建設することを発表した。
この施設は暴力的な性的犯罪の治療プログラムを終了した犯罪者の社会復帰を目的としたもので、学校などの公共施設が“視野方向”から外れていることが条件となっていた。今年に入り、南キング郡およびノースベンド郡の4ヵ所の地域が最終候補として選択され、市民の安全と社会復帰を求める患者の憲法上の権利について激しい論争が繰り広げられていた。
施設は法廷およびシアトル市の異議申し立てがない限り、2004年には完成する予定。施設の居住者は、裁判所によって決定された保護観察下で、電子装置による徹底した監視が義務づけられており、また、施設にはレーザー・ワイヤー・フェンスなども設置されるという。
9月9日(火)連邦判事、同時多発テロの訴訟を許可
米連邦地裁は9日、ハイジャックによる航空機墜落事故は「道理的に予測可能なリスク」であったとして、2001年9月11日に発生した米同時多発テロに関連する航空業界などを相手取った訴訟を許可するという判決を下した。
米連邦地裁のAlvin Hellerstein判事は判決の理由として、アメリカン航空とユナイテッド航空、そしてボーイング社は、セキュリティ・チェックとコックピット・ドアの設計の怠慢を挙げ、また、世界貿易センターを保有する港湾管理委員会に対しても、政府の免責は適用されないとしている。
この判決により、同時多発テロの犠牲者の遺族は、航空業界を訴えるか、政府から補償金を受け取るかの選択ができることになった。補償金の申請は今年の12月22日が締め切りとなっているが、今後、多くの遺族が訴訟を起こす可能性があると見て、マンハッタンの裁判所では準備を急いでいる。
9月8日(月)米大統領、イラク復興費の追加要請
ブッシュ米大統領は7日、全米に向けたテレビ演説で、イラク復興と軍事費で議会に870億ドルの追加支出を要請することを明らかにした。
同大統領は「自由を推進し、世界をより安全にするため、対テロ戦争には何が何でも勝利しなければならない」と述べ、軍事費追加は必要不可欠であることを強調。また、イラク復興に対する米国先導の政策を転換し、その一部を国連に一任することも発表し、諸外国からの軍事派兵による協力を求めた。
対イラク戦争による米軍死傷者は、5月1日の戦争終結宣言後も増加の一途をたどっている。
9月5日(金)UW、短大からの編入を規制
ワシントン州のコミュニティ・カレッジからワシントン大学(UW)のシアトル・キャンパスへの編入学が2004年度の夏学期から規制されることが学校関係者の発表で明らかになった。UWのボセルおよびタコマ・キャンパスはこの編入規制の影響は受けない。
これまでUWでは、ワシントン州のコミュニティ・カレッジを平均点(GPA)2.75以上の成績で卒業した学生には無条件で編入学を保証していた。しかし、経済不況による就職難で卒業しない学生が増加し、また、州の予算削減で入学を許可できる学生数が減少。このため、UWでは、生徒の過密状態を緩和するための最終手段として規制を決定したという。
コミュニティ・カレッジの学生の多くはUWへの編入を希望しているが、今回の規制で、GPAが3.0以上であっても編入できない学生が多く出るだろうと予想されている。
9月4日(木)ワ州、依然ボーイング7E7の受注候補
ワシントン州のゲイリー・ロック州知事は3日、シアトルのビジネス・リーダーの会合に参加して、ワシントン州がボーイング社の7E7旅客機を受注競争に勝ち残っているとを発表した。
ロック州知事は、ワシントン州のマーサ・チョー経済開発長官が、継続的にボーイング社の代表と交通やエネルギー・コスト、ジョブ・トレーニングなどについて検討中であり、ワシントン州が受注を勝ち取る可能性は十分にあると述べた。
ワシントン州で候補に挙がっているのは、エベレット市とモーゼス・レイク市で、ほかには、テキサス州が有力視されている。ワシントン州では、受注獲得に向けて、ボーイング社に対して20年間に渡って3億ドルの税金控除を行う法律が6月に可決されている。
受注獲得の正式発表は10月頃の予定。
9月3日(水)ガソリンスタンドで爆発、作業員死亡
ワシントン州レーシーのシェブロン・ガソリンスタンドで2日夜、爆発事故が発生し、地下のガソリン貯蔵タンクを修復中だった作業員ひとりが死亡した。
死亡したのは、オレゴン州のタンク・ライナー・セントラル社のロバート・ブラックさんで、一緒に作業中だったほかの2名がタンクを離れた直後に爆発が起こったという。事故当時、ガソリンスタンドには給油中の客が何人かいたが、いずれも被害を受けずに無事だった。
警察では付近に充満していたガスが引火したものと見ているが、爆発の原因については現在も捜査中。
9月2日(火)シアトルの高校生殺人事件で新事実
シアトルのルーズベルト高校の学生ジョン・ジャスマー君殺人事件で、ジャスマー君の17歳の誕生日にあたる1日、家族が書面による声明を発表し、殺人容疑で逮捕されているふたりの同級生が、犯行後に家族を訪問し、慰めの言葉などをかけていたことが明らかになった。
ふたりの容疑者は先月28日頃、ジャスマー君をメリーズビル近くの雑木林に呼び出して殺害。前もって掘っておいた穴に遺体を埋めていた。ジャスマー君の家族は、「容疑者のふたりは家にもよく遊びに来ていたし、行方不明後にも『きっと生きている。無事を祈っている』などと話していた。本当に信じられない。裏切られた思いでいっぱいだ」と話している。
警察は、容疑者のひとりのガールフレンドが、6月にレイプ疑惑でジャスマー君を相手に訴訟を起こしていたことが殺害の動機と見ている。
2003年8月
8月29日(金)Blaster.Bウィルス作成者は18歳の少年
米サイバー捜査当局は29日、「Blaster」ウィルスの変種である「Blaster.B(別名:LovSan)」を作成した容疑でミネソタ州の18歳の少年を逮捕した。
逮捕されたのは、ジェフリー・リー・パーソン容疑者で、オンライン上では「ティーキッド(teekid)」のハンドル名で知られていたという。米FBIとシークレット・サービスは今月19日、同容疑者の自宅を家宅捜索し、コンピューター7台を押収。現在も分析を続けている。
「Blaster」はマイクロソフト社のウィンドウズOSの欠陥を悪用したウィルスで、世界中で50万台以上のコンピューターが影響を受けている。
8月28日(木)WASLテスト結果発表、成績は向上
ワシントン州生徒学習評価(WASL)テストの結果が28日に発表され、リーディング、ライティング、数学の成績が昨春よりも向上したが、州の約半分の学校が、依然として連邦政府教育省の標準成績基準に達していなかった。
連邦政府教育省の「落ちこぼれを作らないための初等中等教育法(No Child Left Behind Act)」の一貫であるWASLテストは、ワシントン州で1993年に制定された教育改革法案の中心的存在で、州の学校の成績標準を向上することが目的。この基準に、2年連続して達成できなかった学校は、生徒の転校許可や個別指導、連邦予算の損失などの制裁措置を受ける可能性もある。
学校関係者や両親の間では、WSALテストは成績をアップすることだけに重点が置かれ、生徒はテストに合格する方法を教わるだけで、実際の学習効果はないという懸念の声も多く上がっている。
8月27日(水)市会議員、Vulcan社のジェットで遊飛行
シアトル市会議員のジム・コンプトン氏は26日、Vulcan社が所有するプライベート・ジェット機で、同社創設者のポール・アレン氏がオーナーであるNBAバスケット・ボール・チーム、ポートランド・トレイル・ブレイザーの試合に出掛けたことを認めた。
Vulcan社は南ユニオン湖地域の開発を計画しており、シアトル市による都市計画法の変更などを模索中。また、今年のシアトル市議会選挙のキャンペーンへの多額の寄付、およびコンプトン氏を含む市会議員3名の再選資金調達パーティーの開催も行っている。
コンプトン氏は、バスケット・ボール観戦はアレン氏およびVulcan社とは一切関係ないとし、シアトル市倫理および選挙管理委員会に事情を説明する書面を送付しているが、今回のコンプトン氏の行動はシアトル市の倫理コードに違反しているのではないかと懸念されている。
8月26日(火)ワ州でガソリンの値段が急騰
ワシントン州の各地で、ガソリンの値段が急騰し、ガソリン・スタンドによっては、1ガロンが2ドルを超えているところもあるという。
米国自動車協会(AAA)の調べによると、ワシントン州のガソリンの値段は先週最高値を記録し、無鉛レギュラー・ガソリンの値段の平均は1ドル88セントに達しており、全米平均の1ドル65セントを14パーセント上回っているという。
このガソリンの値段急騰についてワシントン州検事当局は、エネルギー業界による人為的な値上げではなく、自由市場経済の結果であると話している。急騰の原因についてAAAは、アリゾナ州のパイプライン破裂およびカリフォルニア州の精油所停電などによるガソリン供給の不足を挙げている。
8月25日(月)YMCAキャンプの食中毒、保健省が調査
ワシントン州保健省は25日、先週末にオルカス島のYMCAキャンプ場で発生した食中毒事件は、ノーウォーク・ウィルスの感染による疑いがあると見て調査を開始した。
ノーウォーク・ウィルスは非常に感染率が高いウィルスで、感染すると下痢や吐き気、発熱や腹痛などの食中毒症状を引き起こす。ウィルスに感染したと見られる児童約150人と数人のカウンセラーらを含むキャンプ参加者は、オルカス島からアナコーテスへ引き上げている。
キャンプ場はサン・ファン諸島および州保健省が検査を行い、施設の安全を確認した後、再オープンされる予定だ。
8月22日(金)ユニオン湖近くの倉庫で火災
21日夜、ユニオン湖近くの倉庫で火災が発生し、倉庫は全焼、シアトルのダウンタウンを含む付近一帯が煙に包まれた。
火災は、倉庫のテナントのひとつで、ディスプレイ・ケースなどを生産しているUtility社から発生。倉庫は木造建てだったため、消防隊が到着した時には、すでに激しい炎に包まれており、倉庫内の消防活動はできない状態だったという。
火災発生時に倉庫内で仕事中だったジェフ・ハットさんは「上階で爆発音が聞こえ、あっという間に煙が充満してきた。衝撃で吹き飛ばされたドアから急いで逃げ出した」と話している。
出火の原因についてはまだわかっておらず、損害金額は数百万ドルに及ぶと見られる。
8月21日(木)グリーン・リバー事件で新たな人骨
グリーン・リバー連続殺人事件の捜査本部は22日、ケント付近で新たな人骨のかけらを発見した。捜査官らは、事件との関連について捜査を続けている。
人骨が発見されたケント・デモイン・ロード付近一帯は、今年の6月にも調査が行われていたが、先週土曜に人骨が発見されるまで進展がなかった。
今回の人骨発見について、容疑者のゲーリー・リッジウェイが司法取引に同意して情報を提供したのではないかと噂されているが、警察側はこの件についてコメントを避けている。
8月20日(水)米大統領のWA州訪問、抗議団体が準備
22日にワシントン州を訪問し、環境政策のプロモーションおよび共和党の政治資金調達を行う予定になっているブッシュ米大統領に対し、シアトル近郊では、ブッシュ政権に異議を唱える抗議活動が活発化している。
今回の訪問でブッシュ大統領は、ワラワラ郡バーバンクでサーモンの保護について討議を行い、その後、レイク・ワシントンのハンツ・ポイントで会費が一人あたり2,000ドルの政治資金調達パーティーに出席する予定だ。
抗議団体グループらは、抗議バナーを掲げたり、抗議デモを行ったりとすでに行動を開始しており、大規模な抗議イベントがシアトル、タコマ、ベルビューで21日~23日に渡って行われるという。ベルビューではまた、この抗議イベントに対抗し、地元共和党員が主催する大統領支持派による歓迎ラリーも予定されており、両者の場所争いなども懸念されている。
この抗議活動に対し、ホワイト・ハウスのケン・リサイアス報道官は「大統領はアメリカの民主主義を歓迎しているし、多くの国民はブッシュ政権を支持している」と語っている。
8月19日(火)バグダッドの国連本部で爆弾テロ
バグダッド市にある国連の現地本部事務所が入ったカナル・ホテルが19日、爆弾テロ攻撃を受け20人が死亡、100人以上が負傷した。死亡者の中には、デメロ国連事務総長特別代表も含まれているという。
ブッシュ米大統領は、滞在先のテキサス州クロフォードで声明を発表し、「テロリストは無実の人々をまたしても犠牲にした。このテロ攻撃は平和への恐怖の表れだ」と語り、救出活動などあらゆる支援策を取るよう指示した。
爆発は大量の爆薬を積んだ大型トラックによって起こされており、攻撃の手口が世界各地で発生しているイスラム武装勢力のものと類似。専門家らは、攻撃はアルカイダの概念に一致していると話している。
爆破されたカナル・ホテルは、国連関係者や非政府組織(NGO)職員ら、および、人道援助活動などの拠点事務所として援助関係者や報道関係者が集まる場所として知られていた。
8月18日(月)レイモンド殺人事件に新事実
今月10日に、レイモンドの住宅の裏庭で複数の遺体が発見された事件で、約2年ほどまえに、容疑者の家族が殺人を目撃し、警察に通報していたことが明らかになった。
通報したのは、容疑者として逮捕されているミシェル・クノテクの義母で、行方不明中のキャシー・ロレノさんが殺害される様子を目撃したという。義母は、警察に事件の詳細を的確に説明し、9ヵ月に渡る事情聴取などが行われたが、先週末まで容疑者の逮捕などは行われなかった。
容疑者の家族らは、目撃者が通報した段階で、警察が積極的に捜査、逮捕をしていれば、事件は2年前に解決し、新たなふたりの被害者が殺害されるのを防げたかもしれない、と話している。
パシフィック郡警察では、1年6ヵ月前に通報を受けたが、先週末まで、逮捕に踏み切る十分な証拠がなかったと話している。
8月15日(金)北米東部の停電、引き続き影響大
14日に北米東部で発生した史上最大の停電は、一部の地域で電気が復旧したものの、多くの地域で依然として停電状態が続いており、完全に復旧するのは17日になるものと見られている。
この停電により、ニューヨーク、デトロイト、クリーブランドなどの米北東部8州とカナダのオタワ、トロントなどの東部一帯はわずか9秒で機能停止状態に。ニューヨークでは、地下鉄や電車はまだ動いておらず、オハイオでは深刻な水不足が心配されている。
米ブッシュ大統領は遊説先のカリフォルニア州で「老朽化した電気配給システムが原因のひとつではないか。この停電は、システムの近代化を急がなくてはいけないという警告だ」と述べたが、原因はまだわかっていない。
8月14日(木)ワ州で西ナイル・ウィルス感染者
ワシントン州保険省は14日、ヤキマ郡でワシントン州で最初のウエスト・ナイル・ウィルス感染者と見られる男性が発見されたと発表した。
感染したと見られる30代の男性は、今月初め頃に感染症状を訴えて病院に入院。現在は回復しているという。
ウエスト・ナイル・ウィルスは、感染してもほとんどの人には症状が現れないが、約1パーセントの人が脳炎や髄膜炎、脊髄や脳の被膜の炎症などの重傷に陥るという。
保健省では、ウイルスは人間から人間へは感染しないが、今回のケースから、感染元となる蚊に刺されないように対策を取るよう呼び掛けている。
8月13日(水)Sea-Tac空港でパキスタン人を逮捕
シアトル・タコマ国際空港で9日、米国運輸保安局の飛行禁止者リストに名前が記載されていたパキスタン人の男性と連れの男性2名が移民法違反の疑いで逮捕された。
両者とも、パキスタンのパスポートを所持しており、NYのJFK国際空港行きの航空会社の異なる片道航空券を現金で購入。所持していた運転免許証は、ひとりはカナダBC、もうひとりはNYで発行されたものだったという。
今回の逮捕は米連邦捜査局(FBI)のテロリズム合同捜査班と移民関税執行局(BICE)による国際的な移民法違反の捜査によるものだが、ふたりに対する刑事訴訟は起こされていない。
8月12日(火)MSウィンドウズに新たなウィルス攻撃
電子メールを介さず、ユーザーがコンピューターにログインするだけで感染し蔓延するインターネット・ワーム「LovSan」が11日にアメリカで発見され、ヨーロッパおよびアジア全域へ感染を拡大している。
このインターネット・ワームはマイクロソフト社製OS、ウィンドウズの欠陥を悪用するもので、感染したままでいると、15日には自動的にマイクロソフト社のウェブサイト(www.wwindowsupdate.com)へ一斉攻撃を開始するという。
マイクロソフト社では7月16日にはウィンドウズOSで発見された欠陥について警告し、無料の修正プログラムを同社ウェブサイトで配布しているが、多くコンピュータ・ユーザーが修正プログラムを適用していなかったために、今回のウィルスが蔓延したものと見ている。
8月11日(月)レイモンドで住宅裏庭から遺体発見
パシフィック郡保安官は10日、1994年の行方不明事件で家宅捜索を行っていたレイモンド市近くの住宅の裏庭に埋葬されている複数の遺体を発見。ほかにも多数の遺体が埋葬されている可能性があるとして、検死解剖による遺体の身元確認を急いでいる。
発見された遺体は、少なくとも3人以上の遺体であると見られており、そのうちひとりは、レイモンドに住むロン・ウッドワースさんであることが確認されている。ほかのふたりは、行方不明中のキャシー・ロレーノさんと彼女の娘である可能性が高い。
遺体が発見された住宅に住むディビット・クノテクと妻のミシェルは、9年前のロレーノさん行方不明事件に関与した疑いで捜査を受けていたが、今回の遺体発見により、故殺罪の容疑で逮捕、収監された。
8月8日(金)ウエスト・ナイル・ウィルスに新警告
米連邦厚生当局は、ウエスト・ナイル・ウィルス(ウエストナイル熱・脳炎)の感染件数が昨年の記録を上回る恐れがあるとして新たな警告を発令した。米東部地域の州では、急激な早さで感染が拡大している。
ワシントン州ではまだ感染は認められていないものの、今年の猛暑の影響で、例年以上に蚊が繁殖していることから、感染者が出るのは時間の問題だと予想されている。
ワシントン州厚生局は、感染源となる蚊の発生防止や蚊に刺されないような対策を取ることを呼び掛けている。
8月7日(木)射殺された警察官、数千人が追悼
今月2日に射殺されたパトリック・マハー警官の追悼式がシータックのクリスチャン・フェイス・センターで行われた。警察関係者ら2千人以上が参列し、マハー警官を偲んだ。
フェデラル・ウェイ警察のカークパトリック署長は、マハー警官をたたえ、勇敢で勇気ある行動を行い、優秀な功績をおさめた警察官に贈られる最高メダルである「Medal of Valor」を授与した。
マハー警察官を射殺したジェイスン・スコット・ロバーツ容疑者は、第一級殺人罪で起訴されている。
8月6日(水)EU、マイクロソフトに最終通告
欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、米マイクロソフト社が依然として新市場を独占しようと製品の乱売を続けているとして、マイクロソフト社に対し、罰金を科すなどの最終処分を下す用意があることを明らかにした。
欧州委員会は、マイクロソフト社に対し、この通告に対する反論を求める一方、調査の対象となっているふたつの市場(ローエンド・サーバーおよびメディア・プレイヤー)を解放するよう最終勧告を行っており、この期限となる9月30日までには最終決定を下すものと見られている。違反の場合、懲罰金は数十億ドルを超えると予想される。
マイクロソフト社のパリ支店では、今回のEUの行動を残念だと話し、会社側が譲歩するかどうかについてはコメントを控えている。
8月5日(火)空港で電子機器チェック強化
米国土安全保障省は5日、電子機器を使用した起爆装置または武器などを利用したテロ攻撃の可能性について勧告を発令した。
勧告によると、アルカイダはセキュリティ規制の厳しい政府ビルや公共施設などへアクセスするため、カメラなどの一般電子機器を武器や起爆装置に改造し、それらを利用してテロ攻撃を仕掛けようと画策しているという。
この勧告を受けて、空港ではCDプレーヤー、カメラ、ノートPC、携帯電話などの一般電子機器に対する入念な調査が行われることとなり、運行の遅れなど乗客への影響が出ると予想される。
8月4日(月)メトロ・バスの監視装置に懸念の声
メトロ・バスに設置されている監視カメラ装置にマイクロホンが付随していたことが明らかになり、ワシントン州のプライバシー法に違反するのではないかと懸念の声が揚がっている。
監視装置は4~5台のカメラとマイクロホンから形成され、ドライバーと乗客の会話を録音するように設定されている。設置バスは、絵表示で識別できるようになっているが、米国自由人権協会のダグ・クルンダー氏は「表示はとても小さく、バスの乗客は録画や録音に気付いていないだろう」と話している。
メトロ関係者は、装置は事件発生時にドライバーによって作動され、データは事件の事後調査に使用されるが、乗客のプライバシーを侵害するものではないと説明している。
監視装置は、現在約150台のメトロ・バスに設置されており、2004年1月までには約280台のバスに設置される予定だという。
8月1日(金)米政府、事前乗客確認システムを検討
米運輸保安局(TSA)は31日、テロリストによる攻撃を未然に防ぐため、航空機を利用する乗客の個人情報をチェックする事前乗客チェック・システムの導入を提案した。
事前チェック・システムは、乗客の氏名、住所、生年月日、電話番号などを搭乗前に確認することにより、テロリストを識別するというもので、逮捕令状が出ている暴力犯罪者などの警告も行われる。
米政府は、システムに利用するデータ・ベースには、乗客のクレジット情報や医療情報などは使用されないとしているが、システム導入によるプライバシー侵害を懸念する声も揚がっている。
新システムは、最低6ヵ月の公示試用期間の後、システム調整が行われてから実施される見込みだ。
2003年7月
7月31日(木)米政府、サイバー攻撃の脅威を懸念
米国土安全保障省は30日、マイクロソフト社ウィンドウズの欠陥を利用したハッカー攻撃に対する警告を発令した。政府および産業専門家は、ホーム・ユーザーおよび企業のコンピューター管理者に対して、マイクロソフト社のウェブサイトから無料入手できる修正プログラムを適用するよう促している。
政府や企業のコンピューターへ不法侵入を試みる行為が多く見られたことから、ネットワーク・セキュリティ関係者は、インターネットのチャット・ルームなどで攻撃プログラムについて意見を交換しているハッカーらの監視に目を光らせている。
専門家はまた、ハッカーが集結するコンベンション「DefCon」が今週ラスベガスで開催されることから、近日中にハッカーによる何らかの攻撃が開始されるものと示唆しており、コンピューター・ユーザーへ早急な対応を呼び掛けている。
7月30日(水)服役中の元保安官代理、殺人を計画
元キング郡保安官代理のビル・ジェンセンが29日、相続金をめぐる家族殺害を計画したとして起訴された。
ジェンセンはキング郡で19年間巡査として勤務した後、4年前に退職。その後、結婚生活が暗礁に乗り上げ、妻への虐待と脅迫を繰り返し、現在、脅迫罪で服役している。
警察の調べによると、ジェンセンは仲間の囚人に15万ドルで妻とふたりの子供、そして義妹の殺害計画を持ちかけ、殺し屋のメッセンジャーを装った女性おとり捜査官に「一家の大掃除」を指示したという。
ジェンセンは第一級殺人の教唆罪で再起訴され、審問は来週の予定。
7月29日(火)ロン・シムズ氏、州知事選へ出馬表明
キング郡エクゼクティブのロン・シムズ氏は29日、次期州知事選へ出馬することを正式に表明した。
シムズ氏はスポケン出身の55歳で、ワシントン州では最高位の黒人政治家。キング郡議会委員を11年間務めた後、キング郡エクゼクティブとなり現在で7年目。1980年には立法議会スタッフとしてシアトル少年犯罪者プログラムの指導にあたり、検事局の消費者保護部門勤務の経歴も持つ。
ロック州知事の不出馬表明後、民主党では元州議会議員のフィル・タルマージ最高裁判事とクリスティン・グレゴア検事総長がすでに州知事選への出馬を表明しており、シムズ氏は3人目の候補者となる。
7月28日(月)ワ州西部に光化学スモッグ注意報
ピュージェット・サウンド・クリーン・エアー・エージェンシーは28日、西部ワシントン地域に今季最初の光化学スモッグ注意報を発令した。同地域では30日(水)まで、華氏80~90度の猛暑が予想され、光化学スモッグ注意報の発令期間は8月1日(木)までとなっている。
シアトルとタコマの東部と南部、およびカスケード山麓地域で最もスモッグの影響が出るのは、29日と30日と予想されており、オゾン汚染レベルの上昇とともに、人体が感じる不快指数も上がると見られている。咳や呼吸困難などの症状が出る場合もあるので、注意が必要だ。
同エージェンシーでは、光化学スモッグ発生の原因となる猛暑での排気ガス使用を極力少なくするよう呼び掛けている。
7月25日(金)花火による火災、男性死亡
タコマの住宅で24日、花火が原因とみられる火災が発生し住人男性が死亡した。警察では、放火および殺人事件の可能性があるとして容疑者の行方を追っている。
亡くなった男性はパーシー・リーJr.さん(45歳)で、自宅裏庭で心臓発作を起こして倒れているのを、火災の通報を受けて到着した消防隊が発見。搬送先の病院で死亡が確認された。
警察では、リーJr.さんが花火を打ち込んだ犯人を追跡中に心臓発作を起こしたものと見て調査している。
火災現場付近の地域住民からは、違法花火に関する苦情が警察に提出されていた。
7月24日(木)ボーイング、1億ドル相当の懲罰
米空軍は24日ペンタゴンの記者会見で、ボーイング社が通信衛星用ロケットを受注するため、ライバルのロッキード・マーチン社から機密文書を不法に入手した罰則として、今後の通信衛星用ロケットの契約からボーイング社を除外することを発表した。
ボーイング社は、1998年の18億8,000万ドルの通信衛星ロケット契約受注の際に不正行為があったとして、米司法省と米空軍から調査を受けていた。米空軍はさらに、ボーイング社がすでに受注している約1億ドル相当の7つの軍事衛星用ロケット契約も、ロッキード・マーチン社に発注を行うとしている。
同社は、先月、今回の過失を認めた謝罪文を新聞の一面広告で掲載しており、今後、このような不道徳が起こらないように努力していくつもりだと述べている。
7月23日(水)シータック空港建設費、5億ドルを超過
シアトル港湾委員会は22日、シアトル-タコマ国際空港の新ターミナル建設にさらに9,000万ドルを投入することで合意し、拡張建設費の合計は、セイフコ球場建設費を6,000万ドルも上回る5億7,700万ドルとなった。
建設費の大半は、政府および航空会社が負担するが、空港を利用する乗客も航空券一枚につき4ドル50セントのチャージ料金を支払うことになる。港湾委員会は、建設費の増加について、政府のセキュリティ強化に伴う新システムの導入および建設デザインの変更などによる影響が大きいとしている。
来夏オープン予定の新ターミナルは、ゲート数が2倍に増え、全面ガラス張りの到着エリアからはレニア山が一望でき、動く歩道も設置される。空港関係者は新ターミナルの建設により、運行の遅れが緩和されることを期待している。
7月22日(火)タコマの教師、生徒への性犯罪で告訴
タコマのスタジアム・ハイスクール(Stadium High School)教師が、未成年者である16歳の生徒と性的関係を持った罪で告訴された。生徒は妊娠しているという。
事件は、生徒の近所住人が警察に通報して発覚。バウワー容疑者は21日、自らタコマ警察に出頭し、ピアス郡刑務所に収監されたが、その後保釈金を支払い釈放。22日午後に裁判所へ出廷することが決まっている。
ふたりの関係は昨年末頃から始まっており、妊娠中の生徒は、子供の父親はバウワー容疑者だと主張。真偽を確かめる検査が予定されているが、同容疑者は容疑を否認している。
警察では、さらなる余罪があるものと見て、捜査を進めている。
7月21日(月)ロック州知事、次期選挙の不出馬表明
ワシントン州知事のゲイリー・ロック氏は21日、3度目となる次期州知事選挙に出馬しないことを表明した。州知事の任期満了後の計画については発表されていない。
ロック州知事は「今回の不出馬決定は、家族と相談を重ね、熟考した上で出した結論。州知事としての経験は、人生で最も困難で有益、そして充実したものだった」と語っている。
最近の経済状態の悪化により、支持率がやや低下していたロック州知事だが、人気度は常に安定しており、次期選挙でも再選は確実と見られていた。
ロック州知事の不出馬表明を受け、民主党・共和党ともに候補者選びが急ピッチで始まっている。民主党では、元州議会議員のフィル・タルマージ最高裁判事、クリスティーン・グレゴアール検事総長、共和党では、元マイクロソフト社幹部のボブ・ハーボルド氏、そしてサマミッシュのディーノ・ロッシ上院議員などが候補者として挙がっている。
7月18日(金)不正貸し付けの証拠、子会社が破棄?
シアトル連邦検察官は、ハウスホールド・ファイナンス社が不正貸し付けの隠ぺい工作として顧客情報を破棄していた疑いがあるとして調査を進めている。正式な捜査に発展するかどうかはまだわかっていない。
ハウスホールド・ファイナンス社の親会社であるハウスホールド・インターナショナル社は、ワシントン州を含む多数の州で融資利率を偽るなどの「略奪的貸し付け業務」に対するクレームが出されていたが、州検事側と4億8,400万ドルで和解協定を結んでいる。
ハウスホールド社側は、今回の“書類破棄”は会社方針である「ペーパーレス環境」の実施と、今まで使っていた不正なフォーム・資料の撤廃が目的だと説明し、調査には全面協力するつもりだと話している。
7月17日(木)ボーイング、再びジョブ・カット
ボーイング社は、民間航空機市場の長引く不況を理由に、新たに4、5千のジョブ・カットを計画していることを発表した。
ボーイング社では、2003年末までの3万5,000人解雇を計画していたが、今回のジョブ・カットにより、18日にはさらに660人の従業員が解雇の通達を受ける予定だという。
航空業界は、2001年9月11日のテロ攻撃以来、経営不振の状態が続いているが、今年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の影響により状況はさらに悪化している。
7月16日(水)I-90、2車線増加が決定
I-90運営委員会は15日、I-90全域に渡り、新たに2車線を増加することを承認した。今回の決定は、軽レールなどの交通機関導入を検討した将来的展望によるものだという。
新たな2車線は、トランジット&カープール専用車線で、既存の車線幅を現在の12フィートから11フィートに変更して増加され、1車線はシアトル方面行き、もう1車線はベルビュー方面行きとなる。また、現在利用されているリバーシブル・タイプ(朝と夜の通勤時に方向が転換される)のトランジット&カープール用の中央車線2車線は、既存のまま残される。
今回承認された計画には、安全面での悪影響を心配する声も多数上がっており、シアトル市議会とメトロポリタン・キング郡議会は、車線幅や路肩幅の縮小は、事故を引き起こす要因となり、結果として渋滞を悪化させる可能性があると示唆している。
7月15日(火)ボーイング757、生産ライン閉鎖か?
ワシントン州レントンにあるボーイング社の757旅客機生産ラインが、今後の受注が増加しない限り、早ければ来年夏には閉鎖される可能性が出てきた。
757旅客機は最近の737旅客機の需要拡大により注文が減少しており、現在は18機の注文契約があるのみ。そのうち11機を保持するコンチネンタル航空は14日、契約中の757旅客機に関する「引き渡し条件」についてボーイング社と再交渉中であると発表した。
航空業界幹部と航空アナリストは、ボーイング社とコンチネンタル航空の間で757旅客機の契約がキャンセルになった場合、2004年中旬には最後の757旅客機が引き渡されることになり、生産ラインの閉鎖につながるだろうと推測している。
ボーイング社では、すでに本部がシカゴに移り、民間航空機関連だけで約2万~3万人の労働者が解雇されている。ボーイング社側は「757旅客機の注文を増加させることに焦点を置いている」と話し、今回の憶測についてはコメントを控えている。
7月14日(月)I-5のタンカー事故、陸橋への影響なし
タンカー爆発炎上事故による大きなダメージが心配されたI-5のリンウッド陸橋は、路面の表面は修復が必要なものの、陸橋の構造自体にはダメージがないことが州運輸省(DOT)の調べで明らかになった。
事故が発生したのは12日の午後12時頃で、約11,600ガロンのガソリンを運搬途中のタンカーがハンドル操作を誤り、コンクリートの障壁に滑るように激突。ガソリンが爆発し、炎上したタンカーのタンク部分のアルミが溶けて流出し、路面を焦がした上、陸橋の上部1/2インチがひび割れし、コンクリートがこそげ落ちた。
DOT職員ら20人が修復作業にあたり、I-5は南方向路線が約3時間後、北方向路線は翌日13日の早朝に開通。DOTでは、今後の交通状況によっては新たなダメージが生じる恐れがあると懸念している。
目撃者の証言によると、運転手の居眠り運転の可能性が強く、警察は運転手のゲーリー・ブラマー氏を近く召喚し、事故の原因を追求する予定だ。
7月11日(金)脱獄犯への銃撃、警察の正当性に疑惑
警察官の銃撃により死亡した脱獄犯の検死結果が発表され、警察側の措置に新たな疑惑が生じている。
脱獄犯ハロルド・マコードJr.は「スリー・ストライク法」による終身刑の判決を受けていたが、先月23日にピアス郡裁判所から脱走。翌日24日に逃亡先のモンローのアパートで、警察官に襲撃されて死亡した。検死報告書によると、マコードは、肩、胸、臀部、腕、手、両腿の7ヵ所を撃たれており、薬物やアルコールも検出されなかったという。
マコード側の弁護士は、警察官による発砲の数の多さと、弾丸が命中している部位に懸念を表明。マコードはうつ伏せの状態で撃たれた可能性が高いと話している。
警察側は、捜査が完了するまでは何も言えないと話しており、マコードが拳銃を保持していたかどうかについても返答を避けている。
7月10日(木)CA州の性犯罪者、WA州へ送還か
カリフォルニア州サンノゼの裁判所は、カリフォルニア州で服役を終えた性犯罪者をワシントン州へ送還するという判決を下した。
今回送還されるブライアン・デブリーズは、カリフォルニア州の暴力的性犯罪者セラピー・プログラムを終了した最初の性犯罪者400人のうちのひとり。服役後、性犯罪法に基づき州立病院に収容されていたが、カリフォルニア州内に受け入れ住宅施設が見つからず、彼の父親が住むワシントン州オリンピアで父親の保護下に置かれることとなった。
ワシントン州オリンピア地域の警察関係者は、今回の送還に関して、カリフォルニア州から何の連絡も受け取っていないと当惑している。
7月9日(水)ナイキ、コンバースを買収
ナイキ株式会社は9日、1920~70年代にバスケットボール・シューズ市場を独占したコンバース株式会社を3億500万ドルで買収することで合意したと発表した。
オレゴン州ビーバートンを本拠地とするナイキは、1980年代にバスケットボール・シューズ市場でコンバースを凌ぐ成長を遂げ、一方のコンバースは2001年1月に破産を申告。同年に生産をアジアに移行し、コンバースの商標を復活させようと考えた個人の投資家によって買収されていた。
今回の買収について、アナリストは、最近の“レトロ”人気と1950~60年代に青春を過ごした世代へのコンバース・ブランドの根強い人気に目をつけたナイキの戦略だろうと話している。
7月8日(火)受刑者の早期出所に保安官が抗議集会
ワシントン州の保安官は8日、受刑者の早期出所に反対する抗議集会をモンローとスポケンの2ヵ所で開いた。
ワシントン州では、州の財政対策のため、暴力犯罪以外で服役中の受刑者を早期出所させる法案が可決され、先週だけで約280人の受刑者が出所。保安官らは、この早期出所者の中に「服役中の品行方正」を理由に出所した暴力犯罪者が含まれているとして抗議している。
キング郡のレイチャー保安官は、早期出所した受刑者のうち、すでに13人が銃器関連の犯罪を犯して再逮捕されており、州の政策は一般市民の安全を脅かしていると話している。
7月7日(月)ノースウエストで山火事広がる
ノースウエスト地域で山火事が急速な勢いで広がっている。
ワシントン州ではコルヴィルのインディアン特別保留地で最大級の山火事が発生しており、付近のコロンビア川では、飛行機による遅延剤の投下など、消防隊による必死な作業が行われているが、鎮火には時間がかかる見込みだ。
また、ラトルスネーク・キャニオンの山火事でも、すでに4,000エーカーが焼き尽くされており、現在も延焼を続けている。
7月3日(木)独立記念日連休、記録的な旅行者数に
独立記念日の3日間の連休を利用して旅行に出掛ける人は、記録的な数字に上ると見られ、主要道路や空港、フェリーに大きな影響が出ると予想されている。
全米自動車協会(AAA)は、この3日間に自動車を利用する旅行者は3,700万人と予想。今月1日にガソリン税が5セント引き上げられたことによる影響はないと見られ、ワシントン州運輸省はスノコルミー・パスを通過する車の数は、今週末だけで4万7千台に上るだろうと見ている。
シアトル・タコマ国際空港でも連休に12万5千人の旅行者を予想しているが、3日早朝の時点では、空港内に長い行列も見られず、セキュリティ・チェックがスムーズに行われていると見られる。
また、フェリー乗り場も同様の混雑が予想されるので注意が必要。連休中、フェリーは休日スケジュールで運航される。
7月2日(水)2010年冬季五輪はバンクーバーBCに
国際オリンピック委員会の総会が2日プラハで開催され、2010年冬季五輪開催地にカナダのバンクーバーBCが選ばれた。競技開場となるバンクーバーとウィスラーの2都市ではニュースを聞きつけた市民が喜びに湧いている。
バンクーバーは五輪開催地の最有力候補と黙されていたが、第2位となった韓国の平昌との投票差はわずかに3票だった。
バンクーバーでオリンピックが開催されることにより、国境を挟んだ隣のワシントン州でも約2億ドルの経済効果がもたらされると予想されている。
バンクーバーのような大都市で冬季オリンピックが開催されるのは今回が初めて。
2003年6月
6月30日(月) 保安官殺害の容疑者、保釈なしで拘留
シェラン郡保安官殺害事件で加重第1級殺人罪に問われているホゼ・サンチェス・ギエン容疑者に、予審法廷は30日、保釈なしの拘留を命じた。
サンチェス容疑者は26日夜、免許停止で車を運転しているところをガエゴス保安官に職務質問され、逃げようとしたところを追跡されて発砲。保安官は拳銃で頭を2発撃たれて死亡した。
FBIや移民局なども捜査に参加し、メキシコを含む広範囲に渡る捜索が続けられていたが、シェラン郡保安局は29日、事件現場から約150マイル離れた無人トレイラー・ホームに隠れていたサンチェス容疑者を発見し、逮捕した。
6月27日(金) 迷惑電話規制サービス開始
ブッシュ政権はテレマーケティング規制の一貫として、全米で「セールス電話拒否リスト(do-not-call list)」登録システムを開始した。ブッシュ大統領は「家庭でくつろいでいる時に、セールス電話で勧誘されるほど煩わしいことはない」と述べている。
「セールス電話拒否リスト」への登録は、政府が設置した無料電話番号、またはウェブサイトから行うことができ、一度登録を済ませれば、テレマーケティング電話の80パーセントがブロックされる。登録は昨夜12時(米東部標準時間)から開始され、今日の正午までの12時間ですでに37万件が登録されている。
電話での登録は現在ミシシッピ川以西地域のみ可能で、7月7日から全米で一斉スタートする予定。ウェブサイトでの登録は今すぐにも可能(www.donotcall.gov)だが、登録者が殺到しているため登録にかかる時間は長くなっている。
6月26日(木) 高等裁判所、高校の人種選考認める
高等裁判所は26日、シアトル学区の高校への入学に人種を基準とした選考を行うことを認める判決を下した。
今回の判決は、シアトル学区基準である「オープン・チョイス・プラン」がワシントン州の「教育、公務員雇用、行政契約に関する人種による優先を禁じる法律」に違反しないという結論によるもの。これにより、この訴訟は再び連邦控訴裁判所へ戻されることになった。
シアトル学区では学生が入学を希望する高校を選択することができるが、希望者が募集定員を超過した場合には、学校の多様性を目的とした人種選考を用いている。
6月25日(水) Sea-Tac空港、運行に大幅な遅れ
シアトル・タコマ国際空港で今朝、ターミナル間を運航中の地下鉄が停止した上に、セキュリティ・アラームが作動し、空港内は大混乱となった。
地下鉄の停電による停止で、南ターミナルは約20分間閉鎖され、運行に大幅な遅れが発生。その後、ターミナルは再オープンしたが、今度はセキュリティー・アラームの作動により再び閉鎖。乗客と関係者全員がターミナルから完全撤去されるという騒動となった。
空港側は、関係者が立ち入り禁止である部屋のドアを誤って開けてしまったためにアラームが作動したと見ている。南ターミナルは警察官によって安全が確認された後、再びオープン。ターミナル間の地下鉄も午後には運行が開始されている。
6月24日(火) 第三滑走路、10億ドルを上回る恐れ
シアトル港湾委員会は24日、シアトル-タコマ国際空港の第三滑走路の建設費が10億ドルを上回ることを発表した。
この金額は8年前の見積金額の約2倍。過去2つの滑走路も1995年の見積金額4億3,000万ドルから5年後には7億7,300万ドルに跳ね上がっている。
空港関係者は、工事の遅れと建設に絡む訴訟により建設費が増大したことは認めているが、正式な金額の公表はしていない。
6月23日(月) タコマで囚人が脱獄
「スリー・ストライク法」により終身刑の判決を受けた犯罪者が23日朝、ピアス郡裁判所から脱走した。
脱走したのは、誘拐や暴行、窃盗などの犯罪歴があるHarold McCord 36歳で、偽の拳銃のようなものを使用して裁判所のガードマンを脅した模様。
McCordは囚人服を脱ぎ捨て、青のGMC Sonataトラック(ナンバープレート:A51420N)で逃走中と思われる。逃走車がハイジャックされたものか、また、同乗者がいるかについてはまだわかっていない。
McCordは身長約6フィート、体重150ポンドの黒人男性で、スキン・ヘッドが特徴。
6月20日(金) グリーン・リバー付近で頭蓋骨発見
18日午後、レントン市で乗用車が救急車と衝突。運転していた64歳の女性は死亡し、同乗していた7歳の孫も重傷を負った。
20日早朝、グリーン・リバー近くのケント/デモイン道で人間の頭蓋骨が草刈作業中だった道路作業員によって発見された。警察は発見された頭蓋骨とグリーン・リバー連続殺人事件との関連性はないと話している。
1980年のグリーン・リバー殺人事件では、49人の女性が殺害されており、遺体が発見されていない被害者も数多くいると見られているが、今回発見された頭蓋骨は、死亡日時が1980年よりも最近のものであると監察医は推測している。
6月19日(木) 救急車との衝突事故で女性死亡
18日午後、レントン市で乗用車が救急車と衝突。運転していた64歳の女性は死亡し、同乗していた7歳の孫も重傷を負った。
救急車は心臓発作の患者を運搬中で、道路の中央車線を走行中、マクドナルドのドライブ・スルーから道路に出てきた乗用車に衝突。救急車にはじき飛ばされた乗用車は堤防を乗り越え、駐車場へ落下した。
事故発生時、救急車はひどい渋滞の中を、反対車線に出るなどしながらかなりのスピードで走行していた。警察は「サイレンを鳴らしてライトも点滅させていた」と話しているが、サイレン音を全く聞いていないという目撃者も多く、意見が分かれている。
救急車で運搬中だった心臓発作の患者に怪我はなかった。
6月18日(水) 7E7旅客機の一部組立はワシントンで
ボーイング社が7E7旅客機の組立場所をどこに決定しても、機体の主要な本体部分の構築はワシントン州で行われることが17日、ボーイング7E7プログラム・チーフのマイク・ベアー氏のシアトル・タイムズ紙とのインタビューで明らかになった。
7E7プログラムに関するボーイング社からの公式な声明は今回が初めてで、ベアー氏は大規模な構築はタコマ市南部にあるフレドリクソン工場で行われるだろうと話したが、具体的な詳細説明については言明しなかった。
フレドリクソン工場ではボーイング7E7旅客機の尾翼と非常によく似た777旅客機の尾翼の構築を1995年から行っている。
6月17日(火) マイクロソフト、スパム・メール訴訟
マイクロソフト社は17日、20億以上の迷惑メールを送付したスパム発信者を相手に訴訟を起こしたことを発表した。
15件の訴訟のうち、13件はワシントン州の反スパム法に違反するとして、シアトルのキング郡上位裁判所とロサンジェルスの連邦裁判所に、残り2件は英コンピューター法違反を主張して英国に訴えが出されている。
マイクロソフト社の総合弁護士は消費者をスパム被害から保護するため、機関と全面協力する構えでいると話している。ワシントン州司法長官によると、電子メールによる被害は最も申し立ての多い苦情であり、Eコマースの信用と収益を脅かす深刻な問題だと言う。
ワシントン州の反スパム法は全国的にも厳しいことで知られており、司法省は、スパム発信者は処罰の厳しさを認識すれば違反をやめるだろうと話している。
6月16日(月) バイオテック産業に免税か
シアトル市議会はサウス・レイク・ユニオン地域の再開発計画を承認した。
この計画はポール・アレン氏の発案により、サウス・レイク・ユニオン地域に1,000平方フィートのバイオテック産業関連のオフィス街を建設するというもの。
市議会はこの開発による雇用の増加と税収を期待しているが、バイオテック産業は地方経済の促進には適しているものの、地方税収入の増加は少ない産業だといわれている。
この開発計画により、バイオテクノロジー産業に対し、20年間に渡り最低3度の大規模な免税が実施される可能性があり、その場合、企業と家主は数千万ドルの恩恵を受けることになる。
6月13日(金) タコマのガン・ショップ、訴えられる
米ワシントンD.C.近郊の連続狙撃事件の被害者家族はタコマ市の銃器店と銃器メーカーを相手取り訴訟を起こした。
被害者の家族らは、銃器店「ブルズ・アイ」と銃器メーカー「ブッシュマスター」が攻撃用ライフルを容疑者の手に渡したことで家族が死亡したとして、彼らの責任を追求する構えだ。
銃器店「ブルズ・アイ」と銃器メーカー「ブッシュマスター」の弁護士は、訴訟の取り下げを求めている。
6月12日(木) UWフットボール・コーチ、解雇
ワシントン大学アスレチック・ディレクターは今朝の記者会見で、同大学フットボール・チーム「ハスキーズ」のRick Neuheiselヘッド・コーチの解雇を発表した。
解雇の理由は、Neuheiselヘッド・コーチの大学バスケットボール・トーナメントでのスポーツ賭博によるもので、これは全米大学競技協会(NCAA)の規則違反にあたる。
次のコーチはまだ決定していないが、同チームのKeith Gilbertson氏が有望視されている。
6月11日(水) WWUの学生、爆破計画容疑で逮捕
暴力犯罪および大量破壊兵器使用の教唆罪で、ウエスタン・ワシントン大学の学生、ポール・ダグラス・レバク(Paul Douglas Revak)が逮捕された。
FBI捜査官の話によると、レバクはべリングハム市にある沿岸警備隊、ワシントン国家航空警備施設、ワシントン国家陸上警備設備のいずれか1つを爆破する計画を立てていたという。
レバクの住む学生寮からは迷彩帽が2つ、フェイス・ペイント、黒手袋に黒いスキー・マスク、ウォーキー・トーキー、ボルト・カッターなどが押収されたが、爆発物は発見されなかった。
6月10日(火) ボーイングに30億ドルの減税の見通し
ボーイング旅客機7E7生産の競争入札をめぐり、ワシントン州のゲーリー・ロック州知事は9日、ボーイング社に20年間に渡って合計30億ドルの減税を行うことを提案した。
知事は「ワシントン州の将来に関わる重要な入札だ。これは7E7旅客機だけの問題でなく、今後のボーイング工場存続にもつながる」と話している。
この減税案に対する決議は、特別総会でまもなく出される予定だ。
6月9日(月) テロ対策でフェリーに遅れ?
沿岸警備隊よって検討されている新しいテロ対策が、ワシントン州フェリーのシステムに大幅な遅れを引き起こす可能性が出てきた。
スポークス・マンが語るには、高いセキュリティ・レベルの下では、係員がすべての車、旅客を検査することが提案されている。旅客は出発の2時間前に到着しなければならず、その分の遅れによってスケジュールが乱れることが予想される。
沿岸警備隊がその対策法を発表するのは7月1日頃になる見込みで、今秋には実施されることになる。
6月6日(金) 神聖な祝福は抱擁?
抱擁による慈悲のメッセージを普及するため、世界各国を旅しているAmmaさんこと、Mata Amritanandamayiさんがシアトルのサウス・レイク・ユニオン・アーマリーにやって来た。彼女の神聖な祝福を受けるため、1,000人を超える人々が集まり、長い行列を作った。
Ammaさん(「Amma」はサウスクリット語で「母親」を意味する)はシアトルを皮切りに、全米10都市を回り、「ダルシャナ(darshan)」と呼ばれる祝福の抱擁を行う予定だ。
7月の終わりには、故国インドへ戻り、国内をツアーするが、彼女が50歳の誕生日を迎える9月には、約20万人が祝福の抱擁を受けるために集まるだろうと言われている。
Ammaさんは昨年10月には非暴力に対する第4回ガンジー・キング・アワードをスイスのジュネーブで受賞している。
6月5日(木) UWフットボール・コーチ、失職か
ワシントン大学のフットボール・チームのRick Neuheiselコーチが、全米大学競技協会(NCAA)の規則違反である大学バスケットボール・トーナメントでのスポーツ賭博を行ったことを認めた。
NCAA捜査官は、2002年の男子バスケットボール・トーナメントで、Neuheiselコーチが賭博に参加したという情報をもとに捜査を進めていた。
ワシントン大学のアスレチック・ディレクターは、賭博は深刻な規則違反であり、大学側は今回の事件を厳粛に受け止める姿勢だと話している。
この騒動によって、Neuheiselコーチの4年間に渡るワシントン大学フットボール・コーチ歴に終止符がうたれる可能性は大きいと言える。
6月4日(水) ロック州知事、7E7キャンペーン開始
ゲーリー・ロック州知事は木曜、ワシントン州のボーイング旅客機の生産を継続するためのキャンペーンを開始する。
ボーイング7E7組立工場の獲得に全面的な努力を約束しており、支援のための減税を考慮する予算決定のため特別総会が開かれる予定だ。
ボーイング社は、効率的なジェット旅客機の開発に向けて、21社の航空宇宙会社を選出。ワシントン州を含む各州による入札の締め切りは6月20日となっている。
6月3日(火) アラスカ航空、墜落の責任認める
アラスカ航空は、2000年1月に墜落した同航空261便に関する法的責任を認めた。
アラスカ航空とボーイング社は2日、墜落事件に関する会社見解を米国地方裁判所判事チャールズ・ブレヤー氏に言明。アラスカ航空は、同261便の国際条約下における責任を認め、ボーイング社は飛行機の設計に関する責任について異議申し立てをしないとしている。
どちらの会社も、過失および製造物責任請求に対しては、異議を申し立てており、会社側と和解が成立していない被害者の家族に対する損害賠償金の支払いの判断は陪審員にゆだねられている。
6月2日(月) シアトルで反テロ会議に対する抗議活動
2日(月)から開催中の第48回、司法当局情報部隊(LEIU:Law Enforcement Interigence Unit)トレーニング・セミナーに対する抗議活動のため、活動家グループがシアトルに集まって来ている。
「犯罪情報と対テロ戦争」と題された今年のセミナーは、5日間に渡って開催され、会議の模様は一般およびメディアへは公開されない。
活動家グループ団体の代表は「LEIUは政府情報を利用しているのだから、情報の非公開は情報公開法に違反する」とし、抗議している。
2003年5月
5月30日(金) ワ州西部で震度3.7の地震
29日(木)午後9時頃、ワシントン州西部でマグニチュード3.7の地震が発生した。地震によるけが人や大きな被害は出ていない。
震源地はブレマートン市の南西7マイル付近で、震源の深さは約14マイル。
運輸局では、シアトル市のアラスカン・ウェイを含む主要道路への損傷を調査し、危険の有無の確認作業を行っている。
5月29日(木) サウス・シアトルでまた放火
木曜日の早朝、サウス・シアトルのMartin Luther King Jr. Wayの近くで、新たに2台の自動車が放火されているのが発見された。
サウス・シアトル地域では、先週にも7件の放火が発生しており、地域住民は不安な日々を過ごしている。
消防署では、前回の放火との関連を調べるとともに、放火魔に関する情報提供の報酬として1万ドルを用意している。
5月28日(水) 失業手当の給付が最大26週間延長
ホワイトハウスは28日、ブッシュ米大統領が失業手当の給付を12月まで延長する法案に署名したと発表した。
コメントの一切ない、声明文だけの発表という簡素な法案成立だった。
給付の延長の対象となるのは、現行26週間の給付期間を満了する人のみ。失業問題が深刻な州(アラスカ、オレゴン、ワシントン、コネチカット、マサチューセッツ、ペンシルバニア)で26週間、その他の州で13週間の延長となる。
5月27日(火) 保育施設で補助金の不正行為
ワシントン州の福祉不正行為調査員は、保育施設が子供の出席記録を偽り、偽証または盗難した社会保障番号を利用して不正に補助金収入を得ていたと発表した。
不正行為はシアトル市を含む各地で見つかっており、ワシントン州監査局では、保育施設を対象とした一連の監査を予定している。
以前から監査局から警告を受けていた社会保険省では、監視に手落ちがあったことを認め、今後は社会保障番号の報告だけでなく、カードの提示も求めていく方針であると話している。
5月23日(金) 高校生、学内で銃を所持
シアトル南部ホワイト・センター地域のエバーグリーン・ハイスクールで銃が押収された。
銃を所持していたのは、同ハイスクールに通う17才の学生。学校関係者によると、銃は「Mac-10」32連射式で、学生のバック・パックの中から発見されたという。
学生は逮捕されて退学処分となったが、数週間前に自宅が射撃される事件に遭っており、銃の所持は自衛のためと主張している。
5月22日(木) Bon Marche、店名変更
ボン・マルシェが店名をボン・メーシーズ「The Bon-Macy’s」に変更する。
ボン・マルシェはシアトルを拠点とし、ワシントン州、オレゴン州、アイダホ州などにに48店舗を構える老舗デパート。
店名変更は同デパートの親会社「Federated Stores」のマーケティング戦略の一環によるもので、実施は8月1日を予定している。
5月21日(水) 子供への暴力的ゲーム販売を禁止
ワシントン州で、暴力的な家庭用ゲームの子供への販売を禁じる初めての法律が、ゲイリー・ロッキー(Gov. Gary Locke)知事により、署名された。
この法律の下では、17歳未満の子供に暴力的なゲームを販売したり貸し出したりすると、小売店に500ドルの罰金が科せられることになる。
ゲーム業者は、この法律は米国憲法の「言論の自由」に違反するものだと主張している。
5月20日(火) 米政府テロ危険度レベル引き上げ
米ブッシュ政権は20日、テロ攻撃警告を黄色(かなり危険)からオレンジ(高度な危険)に引き上げると発表した。
この引き上げは、海外におけるテロ攻撃の波が米国本土にも広がる恐れがあると判断したことによるもので、テロ攻撃の地域や日時、攻撃の手段などの詳細は特定されていない。
トム・リッジ国土安全保障長官は、各機関へ注意と警告を呼びかけると共に、人の多く集まる公共の場所では特に警戒を強めるよう指示している。
5月19日(月) 政府資金の宗教教育使用、検討段階へ
最高裁判所は、ワシントン州大学生による奨学金をめぐる裁判で、政府資金の宗教教育への使用について「考慮する余地がある」との認識であることを明らかにした。
この裁判は、専攻が神学であるという理由で一度承認された奨学金の支払いを拒否されたことを不当とし、ワシントン州の大学生が原告となり、同州を相手取り控訴しているもの。
公的資金の宗教教育への使用はワシントン州を含む全米15州で禁止されている。この禁止令が米国憲法で保証されている信仰の自由を侵しているかどうか、最高裁による判決が下るのは来年の予定。
5月16日(金) ボーイング社、150億ドルの契約受注
米航空機大手のボーイング社は、米陸軍から戦車と武器を開発する契約150億ドル相当を勝ち取った。
ワシントン・ポストは、この契約はペンタゴンによる陸軍近代化計画の一環であると語っている。
ボーイング社は現在、サンディエゴを本拠置とする米情報システム会社サイエンス・アプリケーション・インターナショナルでシステム作業に着手している。
5月15日(木) 牧師、性犯罪のおとり捜査で捕まる
ウェスリアン教会ノースウエスト地域の最高責任者のトーマス・ジェームス(Thomas James)牧師が、未成年者と性的関係を持つことを計画したとして、FBIのおとり捜査で逮捕された。
「AOL(アメリカ・オンライン)」のチャット・ルームで、おとりとして特別捜査官が演じる13歳の少女と知り合ったジェームス牧師は、実際に少女と会って性交渉を持とうと計画した。
ジェームス牧師は、未成年者と性交渉を持つために州境を越えたことに対する罪で起訴されており、有罪と判決されれば、15年の服役と、250,000ドルの罰金が科せられる。
5月14日(水) オレゴン行方不明母子、FBIが捜査
FBIは、オレゴン州の行方不明女性アマンダ・ジョーンズさん(Amand Jones 29歳)と、彼女の息子ジャスティス・ガロンくん(Justice Gallon 18カ月)の行方を捜している。
2人は、5月9日にオレゴン州レニアの自宅で目撃されたのを最後に消息が分からなくなっており、「身に危険のある行方不明者(Missing and Endangered )」として捜査が開始された。
警察はアマンダさんの別居中の夫で英国人のアンドリュー・ジョーンズ氏(29歳)が2人の失踪に何らかの関わりがあるものと見て行方を追跡中。
5月13日(火) サウジの爆弾テロ死者数29人に
サウジアラビアの首都リヤドで12日、テロリスト9人による外国人居住区を狙った自動車自爆テロ事件が発生。死者数は29人に達し、そのうち米国人は7人前後とみられている。
けが人の中には3人のボーイング社員が含まれており、うち2人はピュージェット・サウンド地域の出身。
コリン・パウエル米国務長官は「アルカイダの典型。無差別なテロ攻撃は世界に対する脅威だ」と語り、ブッシュ米大統領は「犯人は必ず追いつめて逮捕する」と国民に断言した。
5月12日(月) シアトルで大規模な対テロ訓練
5月12日(月)から5日間に渡り、放射性物質をまき散らす「汚い爆弾(Dirty Bomb)」によるテロ攻撃を想定した、対テロ訓練がシアトルで実施される。
この訓練の現場であるシアトル市南部の工場地帯では、破壊された車やバス、廃墟と化した建物や散在する瓦礫の山などが作られ、現実感あふれる設定となっている。
全米最大規模となる訓練の実施について、シアトル市のグレッグ・ニッケルズ市長は「テロ攻撃に対する弱点を浮き彫りにできればいい」と語っている。
5月9日(金) UW、SARS蔓延国からの生徒受け入れ
ワシントン大学は、SARS蔓延国とされている中国、シンガポール、台湾、香港からの新入生の受け入れを禁止する予定はないと発表した。
ワシントン大学ホール・ヘルス・プライマリー・ケア・センターの医局長は「SARSは、大きな問題になるだろうが、すぐに過ぎ去るものではないので、事態を静観すべきである。」と語っており、大学側は、SARSの状況について議論するために管理者および衛生当局の委員会を組織した。
ワシントン大学には、中国人留学生が382人、台湾人留学生が 258人、タイ人留学生が 68人、香港人留学生が 59人いる。
5月8日(木) シアトル学区、教職員178人を解雇
シアトル教育委員会は昨日7日の会合で、シアトル学区の教職員178名(カウンセラーや司書を含む)を学年度末付けで解雇すると発表した。
1986年以来となるこの解雇は、経済不況の影響による国庫歳入の低下で、退職または辞職する教職員が減少していることを受けて実施される。
本日中には、各学校宛に解雇通知者名リストが手渡される予定だ。
5月7日(水) クローゼットの中から男の変死体
ブレマートン市で6日夜、人里離れた道ばたに捨てられたクローゼットの中から、死んでいる若い男の遺体が発見された。ブレマートン警察署は、殺人の疑いがあると見て現在捜査中。
発見者は、愛犬と朝の散歩中だったエリック・シーモアさん(Eric Seymour)。クローゼットの中から人間の手が突き出ているのを見つけて警察に通報した。
警察では失踪届を調べるなどして被害者の身元の確認を急いでいる。
5月6日(火) 空母リンカーン、約10カ月ぶりに帰港
5月6日(火)、イラク戦争に参加していた米空母エイブラハム・リンカーン(USS Abraham Lincoln)が、約10カ月ぶりに母港であるエベレット海軍基地に帰港した。
ピュージェット湾を望むエベレット港には、空母の到着を待ちわびる何千人もの乗組員家族が集まり、空母の姿が見えると旗を振って乗組員を迎えた。
2002年7月20日にテロ対策のため、6カ月の予定でエベレットを出航したリンカーンは、帰港途中の今年1月1日にペルシャ湾へ再出航の指令を受け、無期限での戦闘配置についていた。
5月5日(月) Eddie Bauer、人員削減
エディ・バウワー(Eddie Bauer:本社ワシントン州レドモンド市)は親会社であるスピーゲル(Spiegel)の破産による再編成に伴い、大幅な人員削減を実施することを発表した。 同社は本社レドモンドでは180のジョブ・カットを予定、また、顧客窓口業務を行っているボセル市のコール・センター(従業員数365名)は7月6日(日)に閉鎖されることが決定している。
5月2日(金) Expedia、第1四半期は増収
大手オンライン旅行予約サービス会社のエクスペディア(Expedia:本社ワシントン州ベルビュー市)の第1四半期決算は、不況が続いている旅行産業に反して増収する見込みだ。
エクスペディアは昨日、1株利益は20セント(前年同期はセント)、純利益は2,690万ドル、総収入金額は1億9,800万ドルとなり、昨年度と比較すると4倍の伸びを見せたと発表した。 対イラク戦争とテロの影響で、期待した総帳簿価額よりも7,500万ドル少ない結果ではあるが、総収入は前年度より71%上昇の増益となっている。
5月1日(木) ブッシュ米大統領、空母から演説
ブッシュ米大統領が空母エーブラハム・リンカーン(USS Abraham Lincoln)に到着した。現職大統領がヘリコプターではなく飛行機で空母に着陸したのは、歴史上初めて。
大統領は1日夜、空母の船上から、国民に向けた演説を行い、イラク戦争の成功と戦闘の終結を宣言する予定だ。
2003年4月
4月30日(水) 年金基金、95億ドルの不足
ノースウエストの最大私的年金基金(Private Pension Funds)が前年度に初めて赤字を計上したことによって、企業の財源への影響が懸念されている。
企業は、従業員の退職金を確保するため、自らの金庫を開けて、資金の調達に奔走することになる。シアトル・タイムス紙のアナリストは、ワシントン州、オレゴン州、アイダホ州の3州をカバーする、大手15の民間確定給付型年金基金の不足金額(未来収益と積立金の差額)は95億ドルにのぼると分析している。
4月29日(火) ピュアラップの学校でSARS差別?
ピュアラップのバルー・ジュニア・ハイスクール(Ballou Junior High School)には、「Bruin Way」と呼ばれる「握手で挨拶」という学校行動規範がある。しかし、この学校規範に従って、代用教員に握手で挨拶をしようとしたザック・トラン(Zac Tran)君は、先生から冷たく拒否されてしまった。
「こんにちわ。僕はザックです。と挨拶をして手を出したら、先生はSARSが移るといって握手をしてくれなかった。それにSARSは中国人から伝染するとか、ステレオタイプなことを言った」とザック君は語っている。ザック君たち生徒は、この代用教員の握手拒否行為が間違っていると判断、これに同意した校長先生が調査を始めた。
ピュアラップ・スクール・ディストリクトのトニー・アポストル(Tony Apostle)氏は、「このような差別的コメントをする人物は、今後、ピュアラップの学校では代用教員として採用しない」と述べている。ザック君と彼の母親ミレイル・トラン(Mireille Tran)さんは、この学校側の対応に満足しているが、今後このようなことが二度と起こらないようにしてほしいと語った。
電話でのインタビューに答えた代用教員は「握手のことは寝耳に水。ピュアラップで10年も代用教員をしているが、今までに問題になったことなどなかった」と話している。
4月28日(月) タコマ警察署長自殺、離婚が原因?
4月26日(土)に、別居中だった妻に発砲し、自らも拳銃自殺したタコマ市警察署長、ディビッド・ブレーム氏が事件前に離婚のストレスを訴え、カウンセリングを模索していたことが明らかになった。
市政担当官のレイ・コープズ氏の話によると、1月に行われたFBI主催の「警察官向け精神的サバイバル・トレーニング・セミナー」に参加し、トレーニングの必要性を感じたブレーム署長は、自らの所属であるタコマ警察署でも同様のセミナーを開催していた。コーブス氏は「ブレーム署長は、警察官の精神的ストレスの影響を自ら心配していた人だったのに残念だ」と語っている。
ピアス郡保安局のエド・トロイヤー捜査官の話によると、26日午後、ブレーム署長と別居中の妻クリスタルさんは別々の車で駐車場に到着。妻の車に同乗していた8歳と5歳の二人の子供を自分の車へと移動した後、妻の車の助手席に乗り込んだブレーム署長は運転席にいた妻に発砲。自らも頭を打ち抜き自殺した。犯行に使用された45口径の半自動式拳銃が、署長の業務用拳銃であったかどうかはまだ確認されていない。
ブレーム署長は搬送先のセント・ジョセフ・メディカル・センターで死亡。妻のクリスタルさんは、シアトルのハーバービュー・メディカル・センターに運ばれ、依然として危篤状態が続いている。
ブレーム夫妻は離婚手続き中で、4月25日(金)の『シアトルPI』紙で離婚に関する家庭内暴力の経歴が暴露された直後の事件だった。
4月25日(金) M4.8の地震発生、被害はなし
今朝午前3時2分。オリンピック山脈の断層部でマグニチュード4.8の地震が発生した。地震の揺れはシアトルでも観測されたが、この地震による被害届は現在出されていない。ワシントン州の地震学者、アンソニー・カマール(Anthony Qamar)氏は、震源が深かったこともあり、それほどの被害はなかっただろうと語っている。
震源はポート・エンジェルスの南30マイル、シアトルの西43マイルのところにあるオリンピック国立公園内で、地下31マイルのところだという。
4月24日(木) ゲイツ氏、ゲノム研究に7千万ドル
マイクロソフト社の会長兼CEOのビル・ゲイツ氏と、同氏の妻であるメリンダ・ゲイツさんが組織する慈善団体「The Bill & Melinda Gates Foundation」が、ワシントン大学のヒト・ゲノム研究に7千万ドルの寄付を行ったことが明らかになった。これはノースウエストにある大学が受け取った寄付金のなかでは、これまでで最高の額である。
ビル・ゲイツ氏はインタビューで、寄付金のうち6千万ドルは「Department of Genome Sciences(ゲノム科学科)」と「Department of Bioengineering(生物工学科)」の研究施設の建設に使われ、残りの1千万ドルは、研究員の受け入れなど、治療法の見つかっていない病気に対するヒト・ゲノム・プロジェクトに利用されると語っている。
4月23日(水) 自動車登録料にモノレール税加算
モノレール税を含む新しい自動車登録料が、今年6月から適用される。新しい登録料(および登録更新料)は、キング郡道路税($15)、登録料($30)、サウンド・トランジット税(車価値の0.03%)に、モノレール税(車価値の.085 %)が加算される。
ワシントン州自動車管理局は、来週のはじめにも新しい登録料に関する通知を郵送する予定。
4月22日(火) タコマ郵便施設で粉末入り封筒発見
今朝早く、タコマ市にある郵便施設で、白い粉末入りの封筒が発見され、同建物にいたおよそ100名が緊急避難し、4名が病院に運ばれた。
タコマ警察によると、この封筒が発見されたのは今朝午前12時15分。郵便物の仕分けにより封筒がダメージを受けたため、中身の粉末が外部に漏れたという。しかし、生物化学危険物質を専門とする米陸軍の国家警備隊(Army National Guard)が調べたところ、この粉末は無害であることが分かった。
封筒の宛先はクララム郡(Clallam County)のセキム警察(Sequim Police Department)となっており、送信元のアドレスは記されていなかった。
4月21日(月) 80人が同時感染、インフルエンザ?
現在、世界中で感染領域を広げている「SARS」だが、これとは異なる不思議な病気が、ネバダ州のレノにある「Reno Hilton Hotel」の宿泊客の間で広まっていたことが明らかにされた。同ホテルにはシアトルのローカル・バレーボール・チームのメンバーとその家族も宿泊していた。
これまでの調べによると、バレーボール・トーナメントに参加する目的で宿泊した客の間で、インフルエンザの症状に似た病気が広まっており、80人にこの症状が現れたという。この80人に共通しているのは、先週末、トーナメントが行われたコンベンション・センターにいたという事実のみ。
病気の原因は現在明らかにされていないが、衛生局は西ナイル・ウィルスの症状とも似通っているところがあると語っている。
4月18日(金) 息子を虐待の父、逮捕
昨日、タコマ市にあるアパートで 生後15カ月になる男の子が体に激しい殴打を受け、「Mary Bridge Children’s Hospital」に運ばれたが死亡した。
この事故で、タコマ警察は男の子の父親を逮捕。警察の調べによると、この父親は事件当時、6週間になるガールフレンドの娘と、自分の息子のベビー・シッターをしていたという。この父親は第2級レイプ犯罪で、性犯罪者として登録されていた。
4月17日(木) EMPの一部をSF体感博物館へ
マイクロソフト社の共同創立者のひとりである、ポール・アレン氏が建設したEMP(Experience Music Project)。ポップ・ミュージックの歴史と魅力を“体感”できる博物館として、観光客を中心に人気を集めているが、この博物館の一部、およそ1万3千スクエア・フィートにあたる敷地を、サイエンス・フィクションにフォーカスしたSFXこと「Science Fiction Experience」に変更する計画があるという。
プロジェクトを請け負った「Vulcan Inc. 」によると、「SFX(現時点では仮名)」は宇宙船の中にいるような構造になっており、訪れた人は宇宙の無限の可能性を体験でき、文化や社会に対するまったく新しい視点を体感できるという。オープンは2004年夏の予定。プロジェクトの費用は明らかにされていない。
4月16日(水) スタバ、SBCを買収
スターバックスは、ライバル会社の「シアトルズ・ベスト・コーヒー(以下、SBC)」を、7,200万ドルで買収することを明らかにした。スターバックスのSBC買収に向けての動きは、過去数週間に渡り業界でもうわさになっていたが、今朝、スターバックスと、SBCの親会社である「AFC Enterprises(アトランタ本社)」は、両社の間で契約が成立したことを明らかにした。
スターバックスのハワード・シュルツ(Howard Schultz)会長は、スターバックスのフレーバーとは異なるスペシャリティー・コーヒー・ブランドの獲得により、スタバ・ブランドを次の段階に持っていくことができると語っている。
4月15日(火) 確定申告申請、締め切り日
所得税の確定申告申請締め切り日の今日、ぎりぎりになって申告書類を投函する人が多いため、各地の郵便局は対応に大忙しだ。通常の営業時間までに申告書類が間に合わない人は、今日の真夜中まで、ポストに入った郵便物を集めてくれる以下の郵便局を利用しよう。なお、書類を投函する際には、切手をお忘れなく!
Federal Way Station, 32829 Pacific Highway S.
Twin Lakes, 1815 S.W. Campus Drive
Auburn Main Office, 11 Third St. N.W.
Kent, 10612 S.E. 240th St.
Downtown Renton, 314 Williams Ave. S.
Renton’s main office at 17200 116th Ave. S.E.
Renton Highlands, 4301 N.E. Fourth St.
Downtown Bellevue, 1171 Bellevue Way N.E.
Kirkland, 721 Fourth Ave.
Issaquah, 400 N.W. Gilman Blvd.
Mercer Island, 3040 78th Ave. S.E.
Redmond, 16135 N.E. 85th St.
Bothell, 10500 Beardslee Blvd.
Mill Creek Station, 15833 Mill Creek Blvd.
Edmonds, 201 Main St.
Lynnwood, 6817 208th St. S.W.
4月14日(月) 負傷した地元出身の海軍憲兵、帰国
バグダット近くで事故に遭い、全治6カ月の傷を負ったボセル出身の海軍憲兵(Marine military police)ブライアン・ガンク(Brian Gumke) さんが、帰国したことが明らかになった。
ガンクさんは、先ほど救出されたPOW(捕虜)のジェシカ・リンチ(Jessica Lynch)さんと同じ飛行機で、Pendleton基地に輸送され、家族と面会する予定となっている。
4月11日(金) 米軍、勝利宣言はまだ
米国防総省(ペンタゴン)は、フセイン政権は完全に崩壊したと言及したものの、公式の勝利宣言を出す段階ではないことを明らかにした。ペンタゴンのスポークスウーマン、ビクトリア・クラーク(Victoria Clarke)氏は、「(戦況は)よい」と語り、トミー・フランクス(Tommy Franks)中東軍指令官は、新政権ができるまで、米軍がイラクに駐在すると伝えた。
フランクス軍指令官は、フセイン政権は崩壊したが、小規模ながらもイラク北部のティクリート(Tikrit)に反対勢力が残っており、依然、危険もあると述べている。
4月10日(木) ANA、ボーイング737を45機注文
ボーイングは昨日、全日空(All Nippon Airways, ANA)から、ボーイング737型旅客機、最高45機のオーダーを受けたことを明らかにした。
ボーイング社は現在、737型旅客機が製造されているレントン(Renton)工場の社員と製造ラインの縮小を行っているが、これは今後も継続される見通しで、全日空の旅客機の納品は2005年4月まで行われないと伝えている。
全日空がオーダーした旅客機の値段は、トータルでおよそ22億5千万ドルにもおよぶ言われているが、商業用旅客機の注文が減る中、ボーイング社がディスカウントを行った可能性もあると見られている。
4月9日(水) WA州で新たに4名がSARS感染の疑い
SARSに感染した疑いのある患者がさらに4人増え、現在までにシアトル周辺で、13名の患者が治療を受けていることが明らかになった。
ワシントン州衛生局のスポークスマン、ドン・モイヤー(Donn Moyer)氏によると、新たに確認された患者4名のうち3名は、SARS感染者が確認された国に旅行をしたことが分かっており、もう1名の男性はこのSARS感染した疑いのある別の患者に接触したと思われる。4名とも現在治療を受け、経過は良好だという。
4月8日(火) Costco、3階建て店舗の建設を計画
会員制 Wholesale ストアのコスコ(Costco Wholesale)は、ノース・シアトルの「Aurora Ave. and North 125th St.」に3階建ての大型店舗を建設する計画を発表した。
コスコによると、同店舗は2004年の秋までに完成予定で、広さは約15万立法フィート。建物の1階と2階が駐車場になるという。一方、建設予定現場周辺に住む住民たちは、付近の交通量が増え、「歩行者フレンドリー」を唱える市の姿勢に反するとしてこの計画に反発している。。コスコ側は、来る4月16日の午後7時30分から、「Haller Lake Community Club, 12579 Densmore Ave. N., Seattle」にて、住民を対象とした説明会を開く予定。
4月7日(月) 原子力空母、5月にもWA州に帰国
米海軍当局は、6日(日)、ワシントン州エベレットを基地とする米海軍原子力空母「USS Abraham Lincoln」の乗り組み員らの家族を集め、同空母が5月にも帰国する旨を伝えた。
「USS Abraham Lincoln」の乗組員は5,800名で、昨年7月にエベレットを出航し、6カ月の任務を終えた後、帰国する途中、対イラク戦争が開始したため、再び中東に配備されていた。
4月3日(木) あらたに1名の児童が結核に
ウエスト・シアトルにある「Madison Middle School」で、新たに1名の児童が結核(TB:tuberculosis)に感染していることが明らかになり、これで同校での感染者数は2名となった。患者らは現在治療を受けており、両患者とも回復に向かっているという。
シアトルおよびキング郡の衛生局は、現在、感染ルートの調査に当たっている。これまでに、同校以外にもシアトル内の学校で2名の感染が確認されているが、衛生局はこのふたつのケースに関連はないと述べている。衛生当局はさらなる感染を防ぐため、「Madison Middle School」の児童、教員合わせて200名に対して感染の有無を検査すると伝えた。
4月2日(水) キング郡で新たなSARS患者確認か?
キング郡の衛生当局は、新たに2名がSARS(重症急性呼吸器症候群)と似た症状を訴えていると発表した。これでキング郡ではSARSの疑いのある患者が4名となった。
最近、中国の広東省から帰ってきたこの新たな2名の患者は3歳と5歳の兄弟で、症状は軽く、現在は自宅で元気にしているという。また、先に確認された2名の患者も回復してきており、衛生当局は一般の人々の脅威になるものではないと語っている。シアトル・キング郡の公共保健伝染病課の医師も「この病気は、私たちのコミュニティーに容易に広まるものではない」と述べている。
SARS : Severe Acute Respiratory Syndromeの略。症状は高熱やせき、呼吸困難など、肺炎やインフルエンザと似ており、感染者のせきなどを通じてうつると考えられている。病原体は特定されておらず、有効な治療薬もまだないのが現状である。
4月1日(火) 天然痘ワクチン接種一時中断
先週からキング郡の医療関係者を中心に、生物化学テロに備えた天然痘ワクチンの接種が行われていたが、接種を受けた人の中から3名の死亡者が出たほか、多くの人が心炎などの症状を訴えた。そのため、6週間かけて行われる予定となっていた予防接種が2週間中断されることになった。
関係者は、同ワクチンの接種を行っているクリニックに対し、心臓に病歴がある人には接種を行わないよう注意を促している。また、もう一度天然痘ワクチンに関する情報を収集し、そのリスクを考えてから接種を受けるよう勧めている。
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