スピルバーグがプロデュースにまわり、「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督する「SAYURI」の撮影が終わったらしい。世界中でベスト・セラーになった祇園の花柳界を描く小説『さゆり』が原作だが、生前の黒澤明はスピルバーグに日本語のセリフでの映画化を勧めたという。しかし黒澤の死後、スピルバーグは見事に裏切り、「SAYURI」の主要キャストはすべて中国人で埋められた。 セリフが英語なら国籍は関係ないとばかりに、チャン・ツィイー、ミッシェル・ヨー、コン・リーの3人を主要芸者役にキャスティング。脇を渡辺謙、役所広司、工藤夕貴、桃井かおりといった日本の実力派が固める。うっかり松田聖子なぞキャスティングしないか心配だったが、その点は心配なかった。記者会見で、日本の出演者が、「この映画は日本が舞台ではなく、まったく別の架空の国が舞台である」と妙なことを言っていたので、だいたい中身は予想できる。 「ロスト・イン・トランスレーション」「ラスト・サムライ」と、リアルな日本を描くことにハリウッドが本腰を入れ始めたのには、日本の興行的な価値の高さがある。日本で当たれば100億円近くの収入も見込める。これは、ヨーロッパ全体かアメリカ全体の収入にも匹敵する数字なのだから馬鹿にはできない。 それにもかかわらず、今回は相当な冒険をしてくると見た。その昔、「八月十五夜の茶屋」「サヨナラ」「東京暗黒街・竹の家」「ガン・ホー」で見せてもらった面白い日本を見せてくれるのではないだろうか。日本人女性は白人男性に無条件で尽くし、阿呆づらの日本人男性がヘラヘラ笑ってる噴飯物の映画でなければ、ある程度は楽しく観賞できる自信はある。「SAYURI」にはアメリカ人俳優は出て来ないらしいから、その心配は杞憂かもしれない。 ところで余談ですが、反日デモなどをされているのにもかかわらず、某国(近い方の国です)のドラマは、なぜあんなに人気なんでしょう。あれだけ日本製品を違法コピーしておいて、日本製品不買運動なんてチャンチャラおかしくて話になりません。「ライオンキング」が「ジャングル大帝」のパクリだとわかっても、日本人は大人だから何も言わなかった※。たとえ当時の日本で著作権の甘さがあったとしても、今の某国に比べればずっとましだったはず。「でっちあげ」という言葉が好きなお国なので、アメリカの日本でっちあげついでに付け加えました。 ※著作権を持つ手塚プロダクションと手塚治虫の遺族は、「ディズニーに盗作されたと故人が知れば、光栄と喜んだはず」とし、ディズニーとは争わない意向を示している。
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