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The Wild

第123回 「The Wild」
監督:スティーブ・“スパズ”・ウィリアムス
声の出演:キーファー・サザーランド、グレッグ・サイプス、ジェームス・ベルーシほか
公開日:4月14日(金) レート:G
公式ウェブサイト:http://adisney.go.com/disneypictures/thewild/

 
wild
© Walt Disney Pictures

ディズニーのアニメ映画を映画館で見るのは初めてのことで、ちょっとドキドキしながらチケットを買った「The Wild」。終わってみると「ごく普通の映画だったなぁ」という、期待外れのようなそうでもないような……微妙な作品でした。

最初の舞台はニューヨーク動物園。子ライオンのライアン(グレッグ・サイプス)は、父サムソン(キーファー・サザーランド)のようにうまく吠えることができず、貫禄もないことにコンプレックスを持っていました。ある日、ライアンは父に反抗して、以前から気になっていた緑のコンテナに入り込みます。しかし、そのコンテナはライアンを乗せたまま動物園を出て、走り去ってしまいます。息子の身を案じる父サムソン。仲間と一緒に動物園を飛び出し、行き着いた場所はアフリカ。野生動物のホーム・グラウンドで、動物園育ちの彼らはライアンを無事に救うことができるのでしょうか……。

注目したいのは主役・サムソンの声を演じた、人気TVドラマ・シリーズ「24」でおなじみのキーファー・サザーランド。最近では、Apple ComputerやFordなどのCMでナレーションを務めたりと、俳優業のみにとどまらない活躍を見せている彼。本作では、父としての威厳とその裏にある苦悩との間で揺れるライオン役を好演していました。しかし、「24」のイメージが先行する自分にとっては「ジャックがこんな声を……」と、違和感があったのが残念。

ストーリーはほかのCGアニメ映画と同様で単純明快でしたが、食物連鎖や動物園で飼われている動物達の習性に関する話が織り込まれており、良くも悪くもディズニーらしい教育的要素を感じました。また、主役であるサムソン&ライアン親子を除く各キャラクターの印象が弱過ぎたためか、今ひとつ感情移入しづらい映画だったように思います。見終わった後に「普通」と感じたのは、サイドを固めるキャラクターの個性がイマイチ光っていなかったのが原因なのかもしれません。

今年初め、CGアニメ制作会社のピクサーを買収したディズニーですが、そのピクサー制作の「Cars」が6月に公開を予定しています。興行収入の低迷するディズニーのCGアニメ映画が、本作を含め巻き返しを果たせるのか、気になるところです。

ミトウ :
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。