第13回 「Lord of the Ring/王の帰還」 | |||
1954年に第1巻が出版されて以来、書籍、映画、ゲームなど、すべての冒険ファンタジーの原点として世界中の人々を魅了してきたJ・R・R・トールキン原作の『指輪物語』を完全映画化。遥か昔の中つ国で、ある指輪を手にしたホビット族の勇者フロド(イライジャ・ウッド)が仲間と共に旅立ち、指輪を狙う悪の冥王サウロン一味と戦いながら指輪を抹消するまでを描いた物語である。 1作目は、ストーリーと登場人物の多さに追いつくのに精一杯、2作目は、うーん、アドベンチャーではあるが友情ドラマ重視でスピードに欠けたなー、という感想を持っていた。しかし、集大成というべき今作は、仲間が仲間を呼び、力を合わせて強力な闇の勢力と戦う、前2作品を上回る映像、スピードである。上映時間は3時間20分もの長編だが、3つの作品の中でいちばん圧倒的な作品に仕上がっており、そこまでの時間を感じさせないほどだった。 17日に全世界で公開された今作は、世界31ヵ国の公開5日間で興行収入2億4,600万ドル(約265億6,800万円)の驚異的な成績を記録し、歴代1位となった。約8億6,100万ドル(約928億8,000万円、歴代7位)を記録した第1部、約9億2,100万ドル(982億8,000万円、同5位)を記録した前作「二つの塔」をはるかに凌ぐオープニングとなった。 興行収入の数字を見てもわかる通り、今までの映画史上に残る、最長、最大の映画となった。もうほんとに書き切れないほど、ストーリーは深く、スケールは壮大だ。観終わった後は、ふぅーっと力が抜け、上映中ずっと気を張っていたことに気付いた。一人ひとりについてもっと知りたいと思うほど各キャラクターの存在が濃く、それぞれ重要な役割をこなしている。多くの出演者達は、次々と新作映画への出演を決めており、今後の活躍が楽しみである。今までの作品についてもっと知りたいという方は、公式ウェブサイトが非常に充実しているので、そこでおさらいしてから観ると、今まで気付かなかった箇所に気付いて何倍も楽しめるのでは? はまってしまった私は早速、このホリデー・シーズンに原作を読破しようと思っている。 | |||
石渕裕子 群馬県生まれ。2002年までインターネットの会社(川崎)で勤務。結婚を機に渡米し、シアトルへ。小学校勤務を経た後、現在はコンピュータ会社にて勤務中。 |
Lord of the Ring/王の帰還
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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