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1960年代後半から70年代に掛けてサンフランシスコ周辺で発生し、周囲を震撼させた無差別連続殺人事件の捜査にまつわる実話の映画化。あの「セブン」そして「ファイトクラブ」を世に送り出したデビッド・フィンチャー監督の最新作です。 1969年、サンフランシスコの夜空にはアメリカ独立記念日を祝う花火。しかし、郊外では若いカップルが乗る車を銃声が襲います。数日後、この殺人事件の真犯人として“ゾディアック”と名乗る者から声明文が複数の新聞社に届き、その声明文で第一面を飾らなければ、さらに人を殺めるという脅し……。連日人々を恐怖に陥れているゾディアックの犯行に興味を持ったのが、サンフランシスコの新聞社に勤める漫画家マーク(ジェイク・ギレンホール)。同社に勤めるマークの同僚で、ゾディアック事件を担当するジャーナリストも事件に深く魅せられ、ふたりは意気投合し、お互いに情報交換を始めます。一方、この事件を担当することになったトスキー刑事(マーク・ラファロ)も警察を弄ぶ犯行に苦悩しながら、犯人割り出しを急ぎますが、捜査はむなしく空回り。一般人が次々と殺人魔の餌食になっていく中、ある日、ゾディアックに関する有力情報が警察に届きます。 しっかりとした脚本と、隅から隅まで演技派の役者で固められた隙のない演出。マークの同僚で飲み仲間のジャーナリスト、ポール役はロバート・ダウニー・ジュニア。事件が迷宮入りするにつれ憔悴しきるトスキー刑事役は最近さまざまなジャンルで活躍中のマーク・ラファロが演じています。フィンチャー監督お得意のダークな世界観ももちろん健在で、物語をより引き立てます。不気味なエンディングも彼ならではないでしょうか。実際に、この事件の真犯人はまだ捕まっていません。 60年代、70年代のカリフォニア、特にサンフランシスコというとヒッピー文化に焦点が当てられがちですが、この作品の中でのサンフランシスコは至って暗く、この事件が起きた時代に生きていた人々のリアルな生活感、苦労感が伝わってきます。60年代、70年代風のサウンドトラックに郷愁を感じる人もいるかもしれませんね。ちなみにクリント・イーストウッド主演のヒット作「ダーティー・ハリー」シリーズは、ゾディアック事件を基にしていて、ハリー役はトスキー刑事がモデルだそうですよ。 |
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