オーシャンズ・シリーズもついに3作目。ハリウッドのトップスターを集めてゴージャスな映画を作るというテーマは相変わらずで、今作は11、12と出演したジュリア・ロバーツが妊娠のために外れ、代わりに悪役としてアル・パチーノがキャストに加わっています。 本作のストーリーは、ラスベガスで新しいカジノをオープンさせようとしていたルーベン(エリオット・グールド)が、パートナーであるウィリー(アル・パチーノ)に経営を奪われ、ショックで倒れるところから始まります。ルーベンの無念を晴らすため、ダニー(ジョージ・クルーニー)の元には続々と仲間達が集まり、カジノのグランド・オープンを妨害するべく行動を開始するのですが……。 このシリーズの特徴として挙げられる小ネタの多さは今回も健在。特に輸送・雑用担当のモロイ兄弟(ケーシー・アレック、スコット・カーン)の奇行の数々は爆笑モノでした。ハリウッド・スター達の楽しそうなアドリブや、時事ネタを見つけて笑えるかどうかは、普段どれだけハリウッド映画やゴシップにアンテナを張っているかに掛かっています。また、今回ダニーのチームに加わった「もうひとり」は意外や意外、そんなのありか、という人物でした。 シリーズ化した映画の難点は回を追うごとにキャラクターの説明が減っていくことですが、「Ocean’s Thirteen」もその例に漏れず、11と12を両方見ておかないと、キャラクターのつながりがわからず混乱必至です。さらに、今作の欠点として、キャラクター達が何をしているかが最後まで見ないとわからない、というのがあります。例えば11なら、カジノへの侵入プランを観客に提示しておきながら、終盤にどんでん返しで驚かせる、という構造でしたが、今作は最初から最後まで説明が少なく、各要素のリンクも希薄。キャラクターの個性だけで持たせた映画、という印象になってしまいました。 とはいえ、あのハリウッド・スター達を同じスクリーンで見られることにこそ、オーシャンズ・シリーズの意義があります。お気に入りの俳優だけを眺めてうっとりするも良し、小ネタ探しに没頭するも良しです。ソダーバーグ監督の好みなのか、キャストやキャラクター名にゴッドファーザー・シリーズとのつながりもいくつかあるようなので、映画ファンの方はチェックしてみてはいかがでしょうか。 |
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