正直なところ、本作はごくありきたりの女性向けのロマンチック・コメディーだと思い、まったく期待していませんでした。映画館も観客の9割5分は女性で、なんとなく場違いな雰囲気を感じていたのですが、これが男の僕でもなかなか楽しめる、意外な良作でした。 「みんなの幸せをお手伝いするのが好き」とブライズ・メイド(花嫁の付添人)を27回も務め上げたジェーン(キャサリン・ヘイグル)は、次の結婚式の段取りのために大忙し。彼女自身は職場の上司にゾッコンですが、自分の思いを伝えることができないでいます。そのころ、ミラノでモデルをしている妹が帰国。なんと上司は妹とのスピード結婚を決めてしまいました。そんなジェーンにも、ひょんなことから顔見知りになった新聞記者のケビン(ジェームズ・マースデン)が積極的にアプローチをかけてくるようになるのですが……。 主役のキャサリンには「Knocked up」やテレビ・シリーズ「Grey’s Anatomy」「Roswell」にもレギュラーとして出演したキャサリン・ヘイグル。底抜けに明るい新聞記者を演じるのは「X-Men」シリーズのスコット役や「Superman Returns」でもおなじみのジェームズ・マースデン。監督には本職が振り付け師という変わり種のアン・フレッチャー。監督業は2006年公開の「Step Up」に続いて2作品目となります。 予想できない展開、というのはありませんが、ストーリーはこのジャンルの映画としては及第点。ジェーンとその妹テスに、ひと目ではわからない負の面を背負わせることによって、最後の大団円へつながるまでの展開にも説得力が出ていました。この手のコメディーにしては本編が107分と長めですが、緩急がしっかり付いていたので、途中で飽きるということもないと思います。 キャラクター面では、ケビンの性格があまりにさわやかなのが気になりましたが、ジェームズ・マースデンが嫌味なく演じていて、なんとか許容範囲内。ジェーンと親友のケーシー(ジュディー・グリア)のコンビもうまくかみ合っていて、映画館ではこのふたりの掛け合いのシーンでたくさん笑い声があがっていました。そのほかのキャスト陣は可も不可もなしで、主演のふたりがきっちり光っている印象です。 |
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