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Along Came Polly

第16回 「Along Came Polly」
監督:ジョン・ハンバーグ
出演:ベン・スティラー、ジェニファー・アニストン、デボラ・メシング、フィリップ・シーモア・ホフマン
公式ウェブサイト:http://www.alongcamepolly.com

Cheaper By the Dozen
© Universal Pictures

保険会社でばりばり働くルービン(ベン・スティラー)はリスクを恐れ、堅実に毎日を過ごしている。仕事も順調、愛するリサ(デボラ・メシング)との結婚も決まり、郊外に大きな家も購入し、何もかも自分の思った通りに確実に進んでいると思っていた。しかし、新婚早々のハネムーンで、デボラに裏切られ、傷心のところに同級生のポーリー(ジェニファー・アニストン)と再会する。ルービンは、保険会社という仕事がら、物事の基準を危険度(危ない目に会わないように生きていく。自分からリスクが発生することに飛び込むことはしない)で計る癖がついている。そんな自分と全く違った道を歩んできた、自由奔放で無邪気な彼女に最初は戸惑いながらも、変わっていく自分自身に気付き始める。そんな頃、リサがルービンとよりを戻したいと帰って来た……。

ベン・スティラーと言えば、「リアリティ・バイツ」「メリーに首ったけ」「ミート・ザ・ペアレンツ」……と、芸暦30年の彼の作品を挙げたら切りがないが、監督としてはもちろん、アクターとしても特異な才能を見せており、個人的に常に注目してきた。今作監督のジョン・ハンバーグは、「ミート・ザ・ペアレンツ」や「 ズーランダー」の脚本も手掛けており、スティラーとは息もぴったり。親友役のサンディーを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンは、さすが個性派と呼ばれるだけあって、クレージーさ加減がいい。友達に、ホフマンが西田敏行とカブると言ったら全く理解してもらえなかったが……。

とにかく才能溢れるスティラーの今回の相手が、ジェニファー・アニストン!? ほかに誰かいなかったのか? いや、彼女自身は好きだし、「フレンズ」も大好きで再放送さえ欠かさず観ているほど。関係ないが、旦那のブラッド・ピッドも大好きだ。だが、最初は正直、このふたりは不釣り合いではないかと思った。「フレンズ」のロス役、デビッド・シュワイマーもそうだけど、ジェニファー・アニストンもかなりレイチェル役を長くやり過ぎてしまったのではないか。彼女の映画も観ているが、どれもパッとしないし……。しかしながら、今作を観てみると、これが思った以上にしっくりしていたので、途中から安心して観ていられた。TVシリーズの「フレンズ」も今シーズンがファイナルだから、今後はいかにレイチェルを払拭させる演技ができるか、だろう。

ちなみにこの映画は、映画館に行って大きい画面で観るのもいいが、おそらく3月頃にDVDが発売されると思うので、家でじっくり楽しんでもいいのではないかと思う。

石渕裕子
群馬県生まれ。2002年までインターネットの会社(川崎)で勤務。結婚を機に渡米し、シアトルへ。小学校勤務を経た後、現在はコンピュータ会社にて勤務中。