第37回 「Fahrenheit 9/11」 | |||
この映画がどれだけの人にどのくらいの影響を与えるのだろうか。映画館がこんなに人・人・人で埋まったのは今まで見たことがない。映画館の前には、長蛇の列。インターネットでチケットを購入したにもかかわらず、満席で結局折りたたみイスに座る羽目になってしまった。それだけ人々の関心が高いのだろう。 最初の部分は、ブッシュ大統領もしくは、ブッシュ陣営をかなりおもしろおかしく皮肉っている(実際、反ブッシュ演出がオーバーなところもある)。それも少し経つと、現在のイラク情勢、アメリカ兵士達の現実など、奥深く切り込んだ内容に変化していく。ブッシュにしろ、イラク戦争にしろ、私は元より反対派であったが、この映画を観たことによって、戦争というものの無意味さ、残虐さがより強く身に染みた。また映画の中では、一般市民は結局のところ、政治家の醜い損得勘定の波にのまれ、決して逆らえないという現実も浮き彫りにされている。 上映開始前から、ニュースや新聞でかなり大きく取り上げられ、各レビューでは賛否両論があった。しかし、この映画を観れば誰もが、戦争に対しても、政治に対しても、無関心ではいられなくなるのではないだろうか。 | |||
石渕裕子 群馬県生まれ。2002年までインターネットの会社(川崎)で勤務。結婚を機に渡米し、シアトルへ。小学校勤務を経た後、現在はコンピュータ会社にて勤務中。 |
Fahrenheit 9/11
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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