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Ocean’s Twelve

第58回 「Ocean’s Twelve」
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ジュリア・ロバーツほか
公開日:12月10日(金) レート:PG-13
公式ウェブサイト:http://oceans12.warnerbros.com

Ocean's Twelve

「雨ニモ負ケズ、短イ日照時間ニモ負ケズ」と唱えるたび、耐える人生は好きになれない自分に気付く今日この頃。皆さん、いかがお過ごしですか? 浅倉薫です。

今月ご紹介する映画は『Ocean’s Twelve』。前作『Ocean’s Eleven(2001年)』で、カジノから大金を強奪したダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)一味が再び集結。奪い取ったお金を利子付きで埋め合わせするハメに陥った彼らは、前回以上の大金を稼ぎ出すべくヨーロッパへ向かいます。

新しい主要キャラクターは、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ扮するイザベル。ダニーの右腕的存在であるラスティ(ブラッド・ピット)の元恋人であり、ユーロ・ポール(欧州警察機構)の敏腕捜査官としてオーシャン一味を追う立場。ラスティは3年前、正体がバレそうになってイザベルの前から姿をくらましたものの、ヨーロッパでの仕事となれば元カノとの再会は避けられない。さらに、ナゾの盗賊“ナイト・フォックス”も絡んで、華麗な美術品の争奪戦が繰り広げられます。

オールスター・キャストの前作は大ヒットした一方、「プロットが甘い」「内容がない」という批判もあり、続編はいかに?と思いつつ観ましたが……変わってない(笑)。偉い、2匹目のドジョウを狙う作品として正道!

これは言わば、カラフルで甘くてシュワっと爽やかなフィズみたいな映画。芳醇な味わいに酔うワインや口中で弾ける香りを楽しむシャンパンと間違えてはいけません。確かに「それはないでしょ」と言いたくなる場面もありますが、テンポの良い編集とゴージャスな舞台設定、そしてこのキャスティングは大いに観る価値あり。だてに高いギャラをもらっている人達ではありません。登場人物の多さと場面の切り替わりの目まぐるしさはちょっと辛いかもしれませんが、前作抜きでこれだけ見ても十分楽しめますよ。

今回タイトルが『Ocean’s Twelve』になっているのは、グループに新メンバーが加わったから。この人は映画の後半で、あっと驚き、ぷっと噴き出すような役を演じてくれます。さらに、オールスター・キャストにダメ押しするかのように某有名人もカメオ出演しています。乞うご期待。

浅倉薫
東京生まれ。太平洋沿いの大都市を転々とした後、2002年にシアトルに流れ着く。文系思考の研究員、理系思考のマーケター、勉強ギライなUW生、などの過去を背負う不良主婦。自称“面食い”だが、その基準が普通じゃないと言う人も。現在のごひいきはジョニー・デップ。