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Sideways

第59回 「Sideways」
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ポール・ジャマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、サンドラ・オー、ヴァージニア・マドセンほか
公式ウェブサイト:http://www2.foxsearchlight.com/sideways/

Sideways

小説家になる夢を捨て切れていないミドル・スクール教師マイルズと、何年か前の昼ドラに出てたような三流俳優ジャックは、カリフォルニアのワイナリー巡りの旅に出る。ジャックは土曜に結婚式を控えており、思いっきり遊びまくる気でいるけれど、マイルズは自分の書き上げた小説を売り込んでいる出版社からの返事待ちで落ち込み気味。そんな彼らは、道中でふたりの女性、ワイルドなステファニーと知的なマヤに出会い、惹かれていく……。

とにかくこの映画は、ワインに始まりワインに終わるんです。ワインを小道具に、うまく登場人物が表現されています。ジャックは、がぶっと飲んじゃって、「あーうまかった」で終わりだけれど、マイルズはまず香りをかいで、色を見て、講釈たれるわけです。マイルズはそんな面もありながら、味わってるのか、ただの酔っぱらいなのかわからなくなっちゃうところもあるのですが……。

ワインのことなんてさっぱりわからない私でも、マイルズが大切にしている1961年のシュヴァル・ブラン※1はさぞかしうまいんだろうなあ、と思いました。「ワインは人生。今日開けたワインの味は今日しか味わえない。明日開けてもあさって開けても、また違う味になっちゃうんだから」というマヤの言葉にはどきっとしました。今、この瞬間を大切にしないとってことですかね。そんなシリアスな場面ばかりではなく(基本的にコメディー映画なので)、かなり笑えます。
マイルズのこだわり続けたピノ・ノアール※2、ぜひおいしいやつを1本試してみたいですね。


※1:ボルドー地方産の中でも絶大な人気を誇るワイン。
※2:赤ワイン造りに欠かせないブドウの品種のひとつ。このブドウを使ったワインでは、ロマネ・コンティが有名。
おこげ:シアトル在住4年目。8月に大学を卒業したものの、まだ学生気分が抜けていない。コメディーや家族向け映画ばかり見てしまうお年頃(?)。
パー子:社会人1年目。数々の名言を残す偉大な人。「骨盤送ってもらったの」は名言中の名言。ちなみにどこかのパー子さんと違ってピンクの服は着ていません。