第65回 「In Good Company」 監督:ポール・ウェイツ 出演:デニス・クエイド、トファー・グレイス、スカーレット・ヨハンソン、セルマ・ブレア、クラーク・グレッグ、ほか ウェブサイト:www.ingoodcompanymovie.com | |||
今回はおこげ&パー子に代わり、ケアケアが担当します。 50歳を目前にしたある男の波乱万丈物語。大手雑誌社でセールス・チーフとして確実に自分の地位を築き上げ、家庭ではふたりの娘にも恵まれ、安定した理想の人生を送る主人公ダン。彼が心待ちにしていた穏やかで安らかなこれからの人生設計。しかし、それは突然音を立てて崩れ始める。会社の買収とそれに伴う降格、妻の妊娠に娘の大学進学と、自分の身の回りで起こるさまざまな出来事に振り回されるダン……。 私にとって魅力的だったのは、ダンの年齢の半分とも言える20代後半の年下上司。この若造チーフ、カーターは地に足が着いていない、無邪気でまっすぐな少年の心を持つ一途な男で、純粋で憎めないキャラクターがどこかこそばゆく、新鮮に映った。おまけに、あるきっかけで知り合い恋に落ちる相手アレックスは、何とダンの長女。離婚経験を持つカーターと、大学新入生アレックスの甘く切ない恋もまた、ピュアでとても素敵。1点の疑問は、カーターの性格からは想像もできないほどに冷めた、元妻との夫婦関係。なぜ? 理由がとても気になった。 そしてぜひ注目して欲しいのが、ダンとカーターのチームワーク。葛藤、協力、いら立ち、慰め、思いやり、そして信頼。ビジネス社会のみならず、人間関係において、何が大切なのかがわかりやすく描かれている。 いくつもの想像を覆す展開と、ビジネス現場の真実、それに伴う家族愛。いろいろな角度からの視点がバランスよく調和されている、コメディー・タッチの作品だ。
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ケアケア:希望に満ちた将来を模索して止まない現役女子大学生。自分の視野と可能性を広げるためにやってきた新土地シアトルに来て早半年。今年2年目のアメリカで自分自身を一歩一歩前進させる、エディター兼ライターを目指す21歳。 |
In Good Company
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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