第69回 「Be Cool」 監督:F・ゲイリー・グレイ 出演:ジョン・トラボルタ、ユマ・サーマン、ほか 公開日:3月4日(金) ウェブサイト: www.mgm.com/becool | |||
豪華キャストと大規模な宣伝広告で、公開前からこの作品に期待を抱きながら待ちわびていた映画好きは多かったハズ。しかし作品を見終わった感想は、正直イマイチだったし、裏切られた感でいっぱいとなってしまったのは私だけでしょうか。 ウソか本当かはさておき、音楽業界におけるシンガーの取り合いやいざこざといった、マネージャー達の駆け引きからうかがい知ることができる彼らの腹の黒さは、きらびやかな音楽の世界からはほど遠く、見ていてあまり美しい情景ではなかった。そしてハメたりハマッたりで忙しい、わけのわからないストーリー。結局、だからなんなのよって言いたくなるような筋のありそうでない話の展開は、見ていてとても疲れてしまった。マネージャー業という筋道に沿いながら繰り広げられたジョン・トラボルタとユマ・サーマンの、見ごたえがなく感情移入さえできない、客観的とも言える微妙な恋愛模様も、見ていてつまらなかった。 そんなグズグズな作品の中において、ただひとり際立っていたのはザ・ロックだ。アクション作品で見せるキリリとしたクールな表情とは打って変わり、今回の作品では、1世代前からタイムスリップしてきたかのような髪型と服装の趣味を持つ、一見風変わり、だけど無垢で一筋。そして止めのゲイという役柄のギャップが、とても無邪気でかわいく、新鮮に映った。私的に、アクション作品からひと皮剥けたザ・ロックの、新天地での演技力を見る価値だけはあったと思う。
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ケアケア:希望に満ちた将来を模索して止まない現役女子大学生。自分の視野と可能性を広げるためにやってきた新土地シアトルに来て早半年。今年2年目のアメリカで自分自身を一歩一歩前進させる、エディター兼ライターを目指す21歳。 |
Be Cool
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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