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A Lot Like Love

第76回 「A Lot Like Love」
監督:ナイジェル・コール
出演:アシュトン・クッチャー、アマンダ・ピート
公開日:4月22日(金)
レート:PG-13
公式ウェブサイト:alotlikelove.movies.go.com

A Lot Like Love

日差しが目にまぶしくなってきましたが、「サングラスを掛けるには、もうちょっと鼻の高さが欲しくない?」と指摘されてヘコむ今日この頃。皆さん、いかがお過ごしですか? 浅倉薫です。

今回ご紹介する映画は「A Lot Like Love」。ニューヨークへ向かう若者オリバー(アシュトン・クッチャー)は、パンク・ファッションでキメた女性エミリー(アマンダ・ピート)を空港で見掛け、目を引かれます。機内で、服に飲み物をこぼしてしまったオリバーはトイレへ。そこへエミリーが押し入ってきて、いきなり2人の関係がスタートします。そして、3年後、5年後、6年後・・・・・・。たまの再会を繰り返す2人ですが、変わり続けていくお互いの人生はなかなか重なり合いません。

運命の出会いとは思っていなかったのに、なぜか縁が切れずに、そして・・・・・・、という物語と言えば、メグ・ライアンとビリー・クリスタルの「When Sally Met Harry(邦題「恋人たちの予感」)」を思い出します。会えば言い合いばかりしているけれど、結局言いたいことを言い合える最高の友人であることに気付き、それが恋愛に発展しそうになって慌てるのですね。あの映画は、悪印象いっぱいの出会いから友情を育んでいく「起」と「承」、お互いが男女を意識し始めて危機感が生まれる「転」を経て「結」に至るきっちりした構成で、ウィットに富んだセリフも非常に生きていました。

残念ながら、「A Lot Like Love」は、そこまでよくできた映画とは言い難いです。会話に笑えるところはたくさんあっても、ヒネりは欠け気味。冒頭のエミリーのエキセントリックさは目を引くものの、それが後の展開には生きてこない。2人が再会を繰り返す理由が、もっとはっきり見えると良かったんですけど。「起」のインパクトに比べると「承」は不完全燃焼で「転」のありかは不明。片方が挫折した時に他方に支えを求めることで繋がってきた縁のように見えるので、「結」の先行きに不安が残る感じなんです。

アマンダ・ピートはややトウが立っていますが、表情が生き生きとして可愛いです。演技に磨きを掛ける余地はありますが、アシュトン・クッチャーは人気急上昇中。プロットや脚本はこの際さておき、目の保養にどうぞ。

 

浅倉薫
東京生まれ。太平洋沿いの大都市を転々とした後、2002年にシアトルに流れ着く。文系思考の研究員、理系思考のマーケター、勉強ギライなUW生、などの過去を背負う不良主婦。自称“面食い”だが、その基準が普通じゃないと言う人も。現在のごひいきはジョニー・デップ。