第89回 「Charlie and the Chocolate Factory」 監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、フレディー・ハイモア、デビッド・ケリー ウェブサイト: http://chocolatefactorymovie.warnerbros.com | |||
「西側に絶景を望む家」=「夏はトコトン暑い家」だと身をもって知り、「冷え冷えのオフィスで深夜まで仕事する生活に戻りたい~」と泣きごとを並べる今日この頃。皆さん、いかがお過ごしですか? 浅倉薫です。 今回ご紹介する映画は「Charlie and the Chocolate Factory」。ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)は、素晴らしいお菓子を次々と作り出す天才。ところが不思議なことに、誰ひとりとしてウォンカの工場の内部を見た者はいません。ある日、「チョコレート・バーに入っているゴールデン・チケットを引き当てた子供5人を工場に招待する」という広告が。子供も親も、夢のチケットを引き当てようと必死でチョコレートを買い漁ります。チャーリー(フレディー・ハイモア)は、ウォンカの工場に人一倍興味をそそられていますが、貧しい家庭では大量のチョコレートを買うことなんて不可能。甘やかされた小憎たらしい子供達がチケットを手に入れていく中、思い掛けなく最後のチケットがチャーリーの元に舞い込んで来ました。工場には何があるのでしょう? ウォンカってどんな人なのでしょうか? そして彼が子供達を招待した目的は……? 原作はロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』。子供へのお説教に夢と毒をいっぱい混ぜ込んだこの話を映画化するに当たり、監督にティム・バートン、主演にジョニー・デップが起用されています。滑稽なのに不気味、怖いのに魅力的なイメージ作りはティム・バートンの得意とするところだし、ジョニー・デップは複雑なキャラクターの中に純粋さを表現できる優れた俳優。この2人ならば、めくるめく悪夢めいた世界を描けたはずですが、今回は家族愛や素直な良い子を賛美するメイン・ストーリーを立てたのか、夢はいっぱいだけれど毒は抑え気味のようです。 雪の降り積もる小さな街に、ケバケバしいキャンディー・カラーとクールな白やブルーで描かれた、まるでディズニーランドのような工場の内部。画面は非常に美しく、ほのぼの感やちょっと意地悪なコミカルさも随所にあって、細部まできちんと作られた映画。お子さん連れで見るのにお勧めですよ。
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浅倉薫 東京生まれ。太平洋沿いの大都市を転々とした後、2002年にシアトルに流れ着く。文系思考の研究員、理系思考のマーケター、勉強ギライなUW生、などの過去を背負う不良主婦。自称“面食い”だが、その基準が普通じゃないと言う人も。現在のごひいきはジョニー・デップ。 |
Charlie and the Chocolate Factory
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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