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Elf

第9回 「Elf」
出演:ウィル・フェレル、エドワード・アズナー、ボブ・ニューハート
監督:ジョン・ファブロー
公式サイト:http://www.elfmovie.com

ポスター
© New Line Cinema

あるクリスマスイブの夜、サンタ(エドワード・アズナー)が北極の家に戻るとプレゼント袋の中から赤ちゃんが……。その赤ちゃんはバディーと名付けられ、パパ・エルフ(ボブ・ニューハート)の元ですくすくと育っていく。そのバディーを演じるのがサタデー・ナイト・ライブ出身の怪優コメディアン、ウィル・フェレル。

まず、私達には馴染みの薄いエルフってなんだ?ということだが、サンタクロースの下で働く小さな妖精のようなものであるらしい。子供をいたずらっ子(例:He was a small elf.)という意味でエルフと呼んだりもする。この映画の見所はなんといっても、バディーが起こす騒動と、見るもの触るものへの思い掛けないリアクションの数々だ。

ほかのエルフと比べて体が大きすぎるため、エルフの仕事も全く上手くこなせないバディーだが、自分をエルフだと信じて疑わなかった。そんなある日、バディーは、自分が実は人間だと知らされ、ニューヨークにいる父親ウォルター(ジェームス・カーン)に会いに行くことを決意する。北極の家からニューヨークまで徒歩での旅。しかし、仕事人間で利益第一の父親ウォルターには、黄色のタイツを履いてわけのわからないことを言っているバディーが自分の息子とはどうしても信じてもらえず、冷たくあしらわれてしまう。

子供の心を持った天真爛漫のバディーは、自分の育った世界と正反対のニューヨークの見るものすべてに興味津々。次から次へと騒動を起こし、周りをとことん振り回す。ウォルターの妻、エミリーはバディーを一家の一員として温かく迎え入れ、弟のマイケルとも兄弟の絆が生まれる。そして父親ウォルターも、愛に溢れ、純真無垢のバディーによって、変化が生じてくる……。

実はこの映画、ロイターの調べによると、11月14日~16日の全米興行収入は約2,720万ドルで、The Matrixを抜き前週2位から首位に浮上。制作費3,000万ドル台の低予算映画ながら、既に7,130万ドルを稼ぎ出しており、業界筋では1億5,000万ドルに達するとの予想もある。

私もサンクスギビングを目前にして、自分の中ではかなり盛り上がってきているが、日本にいた時は、クリスマスもバレンタインもただの消費への扇動なんだ、と冷めた部分があった。クリスマス前になると決まってクリスマス映画が上映されるアメリカでは、どの映画を観ても、基本メッセージは「自分と周りを見直して、忘れかけた愛を取り戻そう」ということ。それにまんまと乗せられるのがわかっていても、毎年クリスマス映画を観ては温かいクリスマス・スピリットを感じ、じーんとなっているのはちっとも悪くないと思う。この映画を観終わった後、ついつい「♪You’d better watch out, You’d better not cry, You’d better not pout」と口ずさんでいたのは私だけではありません!

石渕裕子
群馬県生まれ。2002年までインターネットの会社(川崎)で勤務。結婚を機に渡米し、シアトルへ。小学校勤務を経た後、現在はコンピュータ会社にて勤務中。