第28回 「Kill Bill Vol.2」 | |||
昏睡状態から奇跡的に目を醒ましたザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、自分に起こった4年前の惨劇のすべてを思い出す。自分を不幸のどん底に突き落とした人間達、特に子供の父親、ビル(デビット・キャラダイン)への復讐を誓う……。怒りに燃えるザ・ブライドの復讐の旅は、ビルの弟、バッド(マイケル・マドセン)がいるテキサスの荒野へと続く。 Vol.1では、自分を殺そうとした憎い仲間達に次々と復讐をする。激しいアクションと噴出す大量の血、ばっさり斬られる人、人、人。これに辟易し、笑うところもいまいち笑えず、実際のところかなり不完全燃焼だった。 しかし! これで終わらないのがタランティーノ。Vol.2では、過去を振り返るシーンがかなりあったので、謎はおもしろいように解け、Vol.1と2で、完全燃焼するように作られているのだなと納得する。中国拳法の達人、パイ・メイとの壮絶な修行や、結婚式リハーサルでのビルとのやり取り、そして、最後に驚くべき事実が明かされる。「カンフー・チャンバラ映画に心頭したタランティーノ」と思わせておいて実は、計算ずくの壮大な愛の映画なのであった。 限りなく強く、しかも美しい、ザ・ブライドを演じたユマ・サーマン。子供がふたりいるとは思えないプロポーションは、素晴らしいのひと言である。クエンティン・タランティーノが監督する次作品のプレビューをやっていたが、これも中国(?)の伝説の英雄を描いた映画らしい。彼の中の武道アジア・ブームはなかなか冷めないようだ。 | |||
石渕裕子 群馬県生まれ。2002年までインターネットの会社(川崎)で勤務。結婚を機に渡米し、シアトルへ。小学校勤務を経た後、現在はコンピュータ会社にて勤務中。 |
Kill Bill Vol.2
- 12/07/2020
- とれたて!映画レビュー
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