シアトルの治安、犯罪傾向など
ワシントン州の窃盗犯罪率、暴力犯罪率とも全米平均より低く、シアトルはアメリカの大都市の中では比較的治安が良いと言われている。しかしノースウエスト最大の都市で人口も多く、日本に比べると犯罪率は高いので注意が必要。シアトルでの犯罪の傾向としては、暴力犯罪率は比較的低く、窃盗犯罪率が高い。2020年以降はパンデミック前よりも犯罪件数が増加しており、ダウンタウンなどの犯罪多発地域では、日中でも油断は禁物。銃を使った事件など、凶悪犯罪も以前よりも増えている。
シアトルでの2022年の犯罪件数
殺人:53
婦女暴行:328
強盗:1,758
加重暴行:3,498
放火:182
住居侵入強盗・窃盗:8,682
窃盗:28,626
自動車窃盗:6,908
シアトル警察署の犯罪報告より
シアトル市内の治安の良いエリア
犯罪率の低いエリアはバラード、マグノリア、ローレルハーストなどシアトル北部に多い。
シアトル市内の治安の悪いエリア(ダウンタウン以外)
ビーコン・ヒル、サウス・パーク、レーニア・ビーチなどダウンタウンよりも南にも犯罪率の高い地区が多い傾向にある。まだワシントン大学があるユニバーシティ・ディストリクトも犯罪が多い。
発砲事件が多発しているのは、ダウンタウン隣接のチャイナタウン/インターナショナル・ディストリクトに加え、ブライトン/ダンラップ(レーニア・バレイ)、ノースゲートの地域。
ダウンタウン・シアトル周辺の治安の悪いエリア
人が多く集まるダウンタウンは治安が良いとは言えないので、観光やショッピングの間も周囲の状況を観察し、犯罪に巻き込まれないよう気をつけたい。
観光客で賑わうスポットは基本的に安全だが、ベルタウンやパイオニア・スクエア、インターナショナル・ディストリクトは犯罪が多いので、これらの地域へ行きたい場合はできるだけ明るいうちに行くか、グループで行動して夜のひとり歩きは控えたほうが無難。またビルの間にある見通しが悪く狭い路地は避け、明るく人通りの多い歩道を利用しよう。
ダウンタウン周辺で犯罪が多いと言われる通り
<ウエストレイクやパイクプレイス近く>
・3rd. Ave. の Pike St. ~ Union St.
・Pine St. の 2rd. Ave. ~ 5th Ave.
・Pike St. の 2rd. Ave. ~ 5th Ave.
ショッピング・センターデパート、さまざまな店舗、レストランが集まるエリアで、Pike St.、Pine St. はウエストレイクからパイクプレイス・マーケットへ徒歩で向かう観光客など、多くの人通りで賑わうが、犯罪件数も多い。最近は3rd Ave.とPine St. 付近では昼間でも凶悪犯罪が発生している。3rd Ave. 沿いもあまり雰囲気は良くない。
<ベルタウン>
・1st. AveのBell St. ~ Blanchard St.
ベルタウンは、レストラン、バー、ナイトクラブなどがたくさんあるが、夜はグループで外出するなど注意し、ひっそりとした通りはなるべく避けて。
<パイオニア・スクエア>
・3rd. Ave. の James St. ~ Yesler St.
・2nd. Ave. の Washington St.~Main St.
レストラン、バー、クラブなど集まり、夜も賑わうエリア。観光やスポーツ観戦などで訪れる場合は、十分周囲に注意してトラブルに巻き込まれないようにしたい。ホームレスや麻薬使用者も多く、雰囲気の良くない場所もある。
<キャピトル・ヒル>
・Broadway の Pike St. ~ Pike St.
食、アート、音楽などシアトルの若者文化の発信地的な場所だが、繁華街に潜む犯罪に巻き込まれないよう気をつけたい。
<インターナショナル・ディストリクト>
・12th Ave. & Jackson St. S. 付近(リトル・サイゴン)
シアトルのインターナショナル・ディストリクトには日系スーパーや手頃な値段で食事ができるレストランが多いが、犯罪が多いエリア。特に夜間は避けた方が良い。
盗難被害を避けるために
街歩き、ホテルで注意すること
暴力的な犯罪よりも盗難などの犯罪に遭う確率の方が高い。車上荒らしの被害を避けるため、車を駐車する場合は人目に付きやすい場所を選ぶ。また施錠したかを確認し、外から見える車内に物を残していかないように注意して。
街中でのひったくり、置き引きなど盗難に遭わないよう気をつけるのはもちろん、できるだけ多額の現金は持ち歩かないようにしたい。最新型のスマートフォンや携帯電話端末を狙った路上での犯罪も多いので気をつけて。
バスやライトレールなどの乗り物はいろんな人が利用するので、車内で居眠りをせず、また荷物はしっかり抱えて注意を払うこと。バスでは席は後方よりも運転手に近い前方が安全。
ホテルの部屋にいる時は必ずドアを閉めて鍵をかけ、さらにドアチェーンをかけて用心を。
シアトルでパスポートを盗まれたら
旅券(パスポート)を盗まれた場合は警察へ届け、事故証明書(PoliceReport)を入手する。そしてダウンタウンにある総領事館(TEL : 206-682-9107)に旅券の再発給申請を行う。必要となる書類、総領事館の場所や開館時間などは当サイトのお役立ち情報に掲載。
外出時の注意事項、治安状況や注意事項は、在シアトル日本総領事館が「安全の手引き」としてまとめ、ウェブサイトで公開しているので、目を通しておきましょう。
※『安全の手引き』より抜粋
目立たない
- 人目を引くような華美な服装・装飾品を身に付けず、周囲の環境に溶け込むことが望ましい。
- 周囲を刺激するような乱暴な言動、目立つ行動を取らない。
用心を怠らない
- 公共交通機関や人混みの中などでは、所持品から目を離さない。
- 多額の現金・貴重品を持ち歩かない。
- 単独での外出や、夜間の外出、人通りの少ない道はなるべく避ける。
- 周囲に不審な者や車両がいないか常に気を配り、尾行や監視をされていないか警戒する。
- デモや集会には不用意には近付かず、予期せず遭遇した場合は速やかにその場を離れる。
被害に遭った場合の警察への通報
緊急(起こったばかり、また行われようとしている犯罪、医療、消防などの緊急事態)
電話番号:911(日本語通訳あり、「ジャパニーズ・プリーズ(Japanese Please)」と伝える)
緊急ではない違法行為の通報など
電話番号:206-625-5011
シアトルのホームレスについて
シアトルでは、ホームレス人口の急増が問題となっており、特にホームレス支援施設があるパイオニア・スクエア周辺、またダウンタウンの高架下や軒下では路上で寝泊まりする人が目につく。通行人が無差別にホームレスから暴力を受けることは少ないが、言動のおかしな人には相手を刺激しないよう注意を。人通りの多い場所やバス停などで、小銭など物乞いする人が近づいてきても、無視するか、そのまま通り過ぎた方がよい。万が一、嫌がらせなどの迷惑行為を受けたら警察へ通報を。
シアトルの最近の治安状況
シアトルの治安の現状について、在シアトル日本国総領事館の杉本領事は「シアトル領事館に寄せられている犯罪被害で多いのは窃盗です。これまで、スーパーのカートに置いたカバンを取られた、車で信号を待つ間にロックをかけていなかった車のドアを開けられ、座席に置いたカバンを取られた、日本帰省中に空き巣に入られたなどの報告がありました。また、ダウンタウン・シアトルでは、パンデミック以降、ビジネスマンや観光客が減り、ホームレスが増えました。一部の公園がホームレスのテントで占拠されるようになり、テントの中から違法薬物が使用された痕跡が見つかることもあるようです。コロナ前後で街の状況は一部変わっており、前は大丈夫だった場所だから、今も大丈夫という油断は禁物です」と話しています。
(2021年7月 ライトハウス特集「アメリカ防犯ガイド」より)
■ ダウンタウン・シアトル、ワシントン州西部の観光地図(MAP1、MAP2) »
【その他】
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