オレゴン州在住の日本人ライターが、食、自然、文化と魅力あふれるオレゴンを、ローカルの視点から紹介。(2010年掲載記事)
*掲載の情報は( )に記された年月時点のものです。
*連載は2013年6月に終了しています。
今月のレポーター/大沢由美子 |
11月12~14日にポートランドで開かれていたイベント、「スケート・アメリカ」。国際スケート連盟の公認国際フィギュアスケート競技会であり、各国から非常にレベルの高い選手が参加し、優勝を目指して争う大会だ。現世界チャンピオンの高橋大輔選手、08年全日本王者の織田信成選手、ジュニア世界チャンピオンの村上佳菜子選手、現4大陸チャンピオンのアダム・リッポン選手、欧州チャンピオンのカロリナ・コストナー選手、全米チャンピオンのレイチェル・フラット選手らが出場。そしてアイスダンスでは、バンクーバー・オリンピック銀メダリストのデイビス/ホワイト組、ペアではバンクーバー・オリンピック銅メダリストのサフチェンコ/ゾルコビー組と、強豪がひしめき合った。
今回の見どころは、何と言っても現世界王者、高橋選手が参加する男子シングルである。私がフィギュアスケートに魅せられ始めてから早20年が過ぎようとしているが、彼ほどすごいスケーターを見たことがない。もちろん、ソルトレイクシティー・オリンピックでの金メダリスト、アレクセイ・ヤグディン選手、トリノ・オリンピックでの金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ選手など、4回転ジャンプを何度となく跳び、芸術性にも優れ、一世を風靡した選手もいる。しかし、高橋選手ほど観客を引き込み、総毛立つような演技で、思わず元オリンピック金メダリストをも泣かせてしまうような選手がかつていただろうか。
高橋選手のスケートは、漕いでいるというのでもないのにものすごいスピードで非常に力強い。また、無駄なエッジの音がしなくて、まるでスケートが氷に吸い込まれているように見える。これに加えて、非常に複雑なステップを超高速で踏むことができ、氷の上というより、床で踊っているかのようだ。上半身の姿勢は、崩れることなく常に美しい。頭、腕、指先までも用いて、繊細な表現をすることができる。ジャンプも助走が短く、さあ飛ぶぞといった構えがなく、まるでステップの一部のように音と合わせて、軽々跳んでしまう。
ファイナルで披露したタンゴも素晴らしい表現力で、ジャンプ・ミスにもかかわらず、会場の女性ファンみんなを悩殺して見事に優勝を飾った。この取材で直接話をすることができたが、全くおごることなく、人間性も素晴らしい。「足の筋肉が戻ってジャンプのタイミングがずれてきている。滑りは良かった。アメリカでどう評価されるのか知りたい」と語る高橋選手に私は驚き、「えっ、高い評価はすでに出ていますよ!」と言ってしまった。本当に前代未聞のスター・スケーターである。94年の世界女王、佐藤有香さんでさえ、「大ちゃんの演技は(引き込まれているうちに)すぐ終わっちゃうんですよ」と嘆いた。ああ、本当にずうっと見ていたいと思わせる、まさに天才の輝きを持った無二の選手だ。
なお、女子シングルでは村上選手が高橋選手同様に、ショートプログラム(SP)2位から逆転して優勝。ほかの結果は次の通りであった。
【男子シングル】1位 高橋大輔、2位 織田信成、
3位 アーミン・マーバヌーザデー
【女子シングル】1位 村上佳菜子、2位 レイチェル・フラット、3位 カロリナ・コストナー
【ペア】1位 サフチェンコ/ゾルコビー組、
2位 タワーズ/モスコビッチ組、3位 スイ/ハン組
【アイスダンス】1位 デイビス/ホワイト組、
2位クローン/ポワリエ組、3位 シブタニ兄妹組
今月のレポーター/大谷星河 |
久しぶりに帰って来ても、心落ち着く場所があるー生まれも育ちも東京で、東京から出て生活したことのなかった自分が、オレゴン大学の学生として2008年9月に初めて移り住んだ町、オレゴン州ユージンだ。
ユージンは州内でも、ポートランド、セーラムに次ぐ第3の都市という位置付け。町の中心には市バスのターミナル、ユージン・ステーションがあるが、そこでは長髪に独特な服装をした人々が行き交う。そんな「ヒッピー文化」の町として知られているユージンは、それと同時にオレゴン大学を中心にした大学町でもあり、人口約15万人のうち、2万人以上を学生が占めるとされる。日本での夏休みを経てさえ、心落ち着き、すぐにまた町に溶け込めるのは、スロー・ライフをモットーとするユージン気質に加え、学生町特有の温かみにあふれているからに違いない。
特に、大学キャンパスのメイン通りである13th Ave.周辺には、学生向けに安価で多様な食を提供する店が並ぶ。レストランというよりは定食屋に近い雰囲気で、チャイニーズ、コリアン、メキシカン、タイなどの料理店が軒を連ねているのだ。各店の扉を開けて中に入ると、キャンパス内とはうって変わって、そこだけパッと各国の情緒あふれる雰囲気に様変わりする。
韓国料理が好きな自分にとっては、Hilyard St.にあるコリア・ハウスが行きつけの店。年配の韓国人夫婦が経営しており、カルビなどの焼き肉のほか、各種韓国風スープもおいしい。いつも決まってオーダーするのはビーフ・プルコギ。アメリカに来て以来、ハンバーガーなども食べるが、同じアジアの味付けに引かれる。メインのプルコギと白いご飯のほかに、サイド・ディッシュとして、キムチやもやし炒め、ナムルなどが付け加えられ、スープも出て来る。
オーダーを取るところから、料理の準備、片付けまで、すべて夫婦ふたりでこなす。主な客層は、アジア人の学生だ。アジアン・テイストの辛い料理は、アメリカ人には少し抵抗があるのかもしれない。2年ほどのユージン滞在で、すっかり同店の常連客となってしまった自分は顔も覚えられていて、食事中にも「ご飯のお代わりは?」と言われるなど、常に気に掛けてくれるようになった。
夏休みでユージンを離れる際も、「9月にまた来ます」とあいさつ。すると、「また来るのを待ってるよ」と返してくれた。軽妙なやり取りが心地良い。そして、ユージンに戻って早速店に行ったとたん、「お帰り!」と、まさに歓迎ムード。なぜか家に帰って来たような気にさせられるのは、こういう家庭的なサービスで迎えられるからだと納得する。
都会のレストランやショッピング・モール内のフード・コートとは違う、学生町ならではの定食屋の魅力。休み明けに帰って来ても、こうして前と変わらずに迎え入れてくれる。日々の多忙な学生生活の中でも、ホッとひと息つける場所があるのはありがたい。大学の周りには、特にそんな空気があふれているように感じる。
■Korea House Restaurant
1306 Hilyard St., Eugene, OR 97401
TEL : 541-345-9555
営業時間:11:00 a.m.~9:00 p.m.
休み:土・日曜
今月のレポーター/大石洋子 |
ジオキャッシングをご存知だろうか。カタカナで書くと「新手の金貸業か」という怪しさだが、実はインターネットや携帯電話などのGPS機能を使った宝探しゲームで、誰でも無料で参加できる。2000年にオレゴンで始まったそうだ。今や全世界に117万個以上のキャシュ(宝)が隠されているという。
遊び方は簡単。まず、ジオキャッシングのウェブサイトでアカウントを作り、宝を探したい地域を決め(例・自宅のそば)、宝の隠し場所を調べる。あとは現地に行き、位置情報を確認できるGPS機能を駆使して宝を探すだけ。
宝とはいうものの、隠されているのは金目のものではない。大抵の場合は、箱の中にサイン帳とちょっとしたもの(ペーパークリップやコイン、小さなおもちゃなど)が入っているだけだ。見つけたらノートにサインして、あらかじめ持参した「ちょっとしたもの」を箱の中身と取り替えたり、あるいはただそのまま置いてきたり。
わが家からそう遠くないところに宝が隠されているというので、試しに行ってみた。GPS機器は持っていないし、携帯電話にその機能も付いていないが、ウェブサイトにあった地図で大体の場所がわかったので、ふらっと訪れたのである。
私が探すお宝は、ある住宅地の通りの行き止まり付近にあるとのことだった。現地で探してみたが、それらしいものは見当たらない。行き止まりの先は、原っぱ。この辺なんだけどな、とうろうろしていたら、近所の人が家から出て来た。それはそうだ。私は思い切り不審人物っぽかったから。
事情を説明したところ、「GPSありますよ」とスマートフォンを取り出し、宝探しに協力してくれた。そのうちに現れた向かいの家の方も、自宅に眠っていたGPS機器を引っ張り出して来て、捜索に加わってくれた。どうやら、行き止まりの先にある公園のトレイルの中ではないか、とのこと。
GPS機器とにらめっこしながらウェブサイトで調べた緯度、経度の地点に行くだけ―と、書けば簡単だが、やってみるとなかなか難しい。どちらの方角に行けばその地点に近付くのか、慣れないとコツがつかめないのだ。全く見ず知らずの方々を巻き込んでの捜索を小1時間も続けただろうか、ついにトレイルの中に金属製の箱を発見。金目のものではないし、見つけたところで何がどうなるわけでもないと知りつつ、発見した時の達成感は大きかった。
一体、このゲームの何が人々を魅了するのだろう、と半信半疑だったが、やってみれば、ジオキャッシングの魅力は、テクノロジーを駆使して見知らぬ人とつながることだ、と思った。その宝を隠した人、そしてログ帳に名を連ねたその宝の「発見者達」とつながる感覚。
私の場合は、親切な方々に助けられたことも楽しさのひとつであった。最初に話したのが日本人の方だったというのは奇遇だったし、その方のお向かいに住む夫婦も嬉々として協力してくれたのも幸いだった。
手軽に楽しめる娯楽だが、やはりGPS機器は必須。コンパスと地図を使って、鉛筆なめなめアナログ的に楽しむのも良いかもしれない。私の場合はラッキーだったけれど、好意的かつ理解ある人ばかりではないと思うので、住宅地をうろうろする際には配慮されたし。宝をひとつ見つけると、また次を見つけたくなること請け合いである。
■Geocaching
ウェブサイト:www.geocaching.com
今月のレポーター/Yuka M. |
ここ数年の間で、ライターやブロガーを名乗る人々が急増した気がする。
ここポートランドでも、大学など各所でライター講座が開かれているが、中でもユニークなのは、その名も「ライターズ道場」。道場と言ってもそこはアメリカ、堅苦しいものではなく、会社のオフィスを持たないフリーランスのライター達が会費を払い、スペースを借りるというものだ。
道場は土足厳禁。キッチンがあるほか、サイクリストにはうれしいシャワー・ルームも備えていて、会社のオフィスにも負けないくらい。コミュニティー・ルームやソーシャル・ルームなども完備し、ミーティングや会員同士でのおしゃべりなどに使える。ライターのためのイベントも目白押しで、会員なら誰でも参加可能だ。
創設者のひとりであるジェフリーさんによると、会員になる条件は「真剣にライターを目指している人や熱意のあるライター」であることのみ。ほとんどの会員がその入会理由を、「執筆活動に集中できる静かな場所の確保」「ほかのライター達とのネットワーキング」と口をそろえる。会員ライターのバックグラウンドはさまざまで、ライターほか、エッセイスト、ジャーナリスト、小説家なども。情報交換の場には持ってこいだ。
ジェフリーさんはニューヨーク出身。ニューヨークには、ライターズ・ルームと呼ばれるライターのためのコミュニティー・ルームが至る所に存在するが、ポートランドには、ライターの活動がとても活発なのにもかかわらず見当たらないことに気付いた。それが、ライターズ道場をオープンしたきっかけと語る。現在は、頻繁に利用する会員だけでも毎月平均で25人。ちなみに、ライターズ道場のすぐ横には、ジェフリーさんの兄が教える合気道道場(!)が併設する。
気になる会費は、通い放題で月$85、週1回の利用で月$25(共に1年契約)。たまに行くだけで良いという人には、半年有効で10回$100というプランもある。入会の前に試してみたいという人は、1回$25で1日中すべての設備やサービスを体験可能だ。集まった会費は、子供達のための無料読み書きワークショップなど、コミュニティー・プログラムにも充てられる。
私の知っている女性は、在宅でライター業を行っており、しかも子育て中。子供が家にいない間に仕事を終わらせたいけれど、家事などが目に付いて、とてもじゃないが仕事が手に付かないとよく漏らしていた。ライター道場は、まさに彼女のようなママ・ライターにはぴったりの場所。早速、彼女に教えてあげた。
と、かく言う私もライター。出張中以外は、家のパソコンの前でひとり、寂しく仕事を片付けている。この取材をきっかけに、週に1度は道場に通ってみようか……。もし、20代後半の日本人らしき者を見掛けたら、たぶん私なので声を掛けてくださいね!
■Writer’s Dojo
17518 N. Chicago Ave., Portland, OR 97203
TEL:503-706-0509
開館時間:10:00 a.m.~9:00 p.m.
(土・日曜~6:00 p.m.)
休み:なし
ウェブサイト:www.writersdojo.org
今月のレポーター/大石洋子 |
その昔、東京で会社員をしていたころに買った折り畳み傘が、ついに壊れて使えなくなった。バブルの時代に購入したもので、真っ赤な無地に黒のブランド・ネーム入り。おそらくアメリカでは誰も知らないブランドだし、だいたい、そんなことをアメリカ人が気に留めるはずもないのだが、雨の多いポートランドで使い続けるのはやや気恥ずかしかった。
壊れた傘を前に、昔は傘は直して使ったものだ、と思い出す。ビニール傘というものが、あまり市民権を得ておらず、明らかに安手とわかる傘を差すのにためらいを感じたころのこと。傘の布が骨の先からほつれて取れたら縫い直したし、骨が折れたら傘直し屋さんに持っていったものだ。我が家の近くでは、白いバンに乗ったおじさんが定期的にやって来て傘を直してくれた。おじさんは包丁を研いだり、靴を直したりもしていたような気がする。
最近は、何かを直して使うということが少なくなった。モノが安く売られているから、結局のところ「直すよりも買ったほうが安いし早い」ということになる。モノに愛着というものが持ちにくい時代だ。買う側はもちろんだけれど、自分の扱う商品に情熱を感じている売り手も少ないように見える。チェーン店なら、情熱など求めようもないだろう。
そういう時代だから、個人経営の専門店は際立つ。レイク・オズウィゴにあるナオミズもそのひとつだ。ランプの専門店で、ひとたび中に足を踏み入れると、所狭しと置かれたランプとシェイドの数に圧倒される。大きなものから小さなものまで、サイズも形もさまざま。この店を知ったのは、地元紙のホーム・セクションの家具直し特集記事だった。我が家には壊れたランプがあったので、記事を見てすぐにその店にランプを持ち込んでみた。それは、その昔、イタリアを訪れた時に道端で店を広げている人から買った陶製のもので、電球を支えるところがぐらぐらしていて使いものにならなくなっていた。陶器の部分にイタリアらしい絵付けがしてあって気に入っていたが、なにしろランプとしてきちんと機能しないので困っていたのだ。
ランプをちょっと見た店の女性は、手際良く部品を交換して、あっという間に直してしまった。ほかの店でよくある行程を――子供の使いみたいな店員に名前や電話番号を聞かれ、ランプを置いていって数週間後にまた取りに来て、というのを――想定していたので、あまりの手早さに驚いた。今やすっかり忘れていたが、専門家が実際に働いている店というのは、こんなにも小気味良く、ハナシが簡単なのだ。それに、壊れたものを直してもらってまた大事に使うというのは、気持ちが良い。
店の中には、既製品には見えないランプもたくさんあった。尋ねると、ボトルやつぼなどからランプを作ってくれるのだという。徳利ぐらいの小さなボトルで作られたランプなど、ほかでは見たことがない。旅先やアンティーク・ショップなどで気に入ったつぼを見つけ、この店で世界にたったひとつしかないランプに仕立ててもらうのが、今の私のちょっとした夢である。
■Naomi’s Lampshades and Lamps
15942 SW Boones Ferry Rd., Lake Oswego,
OR 97035
TEL. 503-636-1884
営業時間:10:00 a.m.~5:00 p.m.
休み:日曜
ウェブサイト:www.naomislampsandshades.com
今月のレポーター/大石洋子 |
娘が生まれて間もないころ、日本の新聞のコラムで、ある韓国系アメリカ人夫婦について読んだ。「子供を天才にしたいから」と、1日10冊もの本を読んであげたそうである。その時点でその子が何歳だったかも、どんな風に効果が出ていたのかも忘れてしまったが、10冊読み聞かせの甲斐あって今のところは賢い子です、という内容だった。影響を受けやすい私達夫婦は、その日から「1日10冊!」を合言葉に、せっせとゼロ歳児に本を読んでやることにした。ところが、である。いざやってみると、これがなかなか難しい。全部でせいぜい10ページ、文も各ページにほんの2、3行というボードブックを1日10冊なんて簡単と思っていたが、思いのほか時間は掛かるし、同じ本を何度も読んでいると、こちらが飽きてくる。そのうちに子供が大きくなってきて、もう少し長い本を読んでやるようになると、絵本とはいえ1日に10冊読むというのは容易ではないということがわかった。我が家の娘天才化計画は、かなり早い段階で頓挫した。
しかし、子供を育ててみて、本はすごい、とつくづく思うのだ。最新テクノロジーが席巻する時代にもかかわらず、紙に字と絵が書いてあるだけの超ローテクな本が、子供達の心をしっかりと捉えて離さない。いや、実はローテクだからこそ心に響くのかもしれない。著者が頭の中でひねり出した話が、子供の頭の中に入っていき、新たな空想の世界が広がる。読み聞かせをしてもらっている時はもちろん、ひとりで本を読んでいる時にも、人と(登場人物のみならず著者と)つながっている。本を読むという行為には、常に人のぬくもりがかかわっている、というのは言い過ぎだろうか。
さて、夏休み。図書館も本屋も子供向けのプログラムを組んで、子供達に本を読むことを奨励する。マルトノマ郡の図書館では、サマー・リーディング・プログラムに申し込んだ子供に、すごろくのようなものが描かれたカードをくれる。規定の時間だけ本を読むごとに、すごろくのマスを色で塗っていき、3つのゴールに達成すると、その都度小さなオモチャや本などの賞品がもらえるというわけ。8月31日までに最終ゴールに達したら、カラフルなTシャツが手に入る(12年生まで対象)。ワシントン郡の図書館にも似たようなプログラムがあり、こちらは7月31日まで。また、本屋のボーダーズでは、夏の間に読んだ本10冊の題名を所定の用紙に記入して持っていくと、本が1冊無料でもらえる(12歳以下対象、8月26日まで)。バーンズ・アンド・ノーブルでも8冊読めば1冊無料(1~6年生対象、9月7日まで)。図書館のプログラムは実際に足を運んで申し込みをしなければならないが、本屋のほうはウェブサイトから用紙をダウンロードできる(無料でもらえる本は、リストの中から1冊選択)。
どのプログラムも、小さな子供には親の手助けが必要だったり、実際に読んだかどうか親が署名をしなければいけなかったり。子供達が本を読むばかりでなく、本について親子で話す良いきっかけになりそうだ
■Multnomah County Library
ウェブサイト:www.multcolib.org
■Washington County Cooperative Library Service
ウェブサイト:www.wccls.org
■Borders
ウェブサイト:www.borders.com
■Barnes & Noble
ウェブサイト:www.barnesandnoble.com
今月のレポーター/大石洋子 |
少し前まで娘によく読んでやっていた絵本に、悲しいことばかり考えて涙を流し、その涙でお茶をいれる、という風変わりなフクロウの話があった。短か過ぎて書けなくなった鉛筆、レンジ台の後ろに落っこちたまま誰にも見つけてもらえないスプーン――フクロウはそんなことを考えては泣く。つい先日、エバーグリーン航空宇宙博物館でヒューズH-4ハーキュリーズという飛行機を見て、このフクロウのことを思い出した。
通称スプルース・グースと呼ばれるこの飛行機は、実業家であり映画製作者で飛行家でもあったハワード・ヒューズの会社によって造られたもの。レオナルド・ディカプリオ主演の映画「アビエイター」にその経緯が描かれている。正確には飛行艇で、第2次大戦中にドイツの潜水艦、Uボートに妨害を受けずに兵や武器をアメリカからイギリスに輸送するため開発された。武装した兵士750人、あるいは戦車を2両運ぶことができるよう設計されたというだけあって、その大きさには驚かされる。翼の幅では、今も大きさは世界一。しかも、戦時中でアルミなどの金属を節約するようお達しがあったため、木製というからさらにビックリなのだ。
悲しいのは、完成したのが終戦から2年経ってからで、飛んだのはたったの1度――高度70フィート、距離は1マイル――ということ。戦時に完成していれば大西洋を往復して大活躍したかもしれないスプルース・グースの悲しさを思うと、フクロウでなくても泣けてくるではないか。今は博物館の中で静かに余生を送っている。スプルース・グースのことなら何でも知っている風のボランティアの老人達がいて、質問すると嬉々として知識を披露してくれるのだが、その誇らしげな感じがまた物悲しい……。
博物館はマクミンビルのダウンタウンからクルマで5分ほどの場所にある。悲しさを忘れるべく(そして空腹を満たすべく)、ダウンタウンでニックス・イタリアン・カフェに入る。外から見た感じはあまりパッとしないが、これがハイブロウな全国版グルメ雑誌『サブール』に取り上げられたことのある名店なのだ。パスタのメニューは少ないが、そのどれもが自家製パスタ。私達が慣れている乾麺のいわゆるアルデンテと呼ばれる食感とは違い、もちっとした感じだ。秀逸なのは、ミネストローネ。いろいろな野菜のうま味が複雑に絡み合った熱々のスープを、仕上げに加えられるペスト・ソースが引き立てる。家庭では決して真似できないし、おそらくほかのイタリアンの店でもちょっとお目に掛かれない完成度だ。
マクミンビルのダウンタウンにはかわいらしい店やギャラリーなどがあって、ぶらぶらと歩くのが楽しい。郊外型のショッピング・センターの進出により、アメリカのあちこちからこういう小さな街が消えつつあるから、その存在は貴重である。毎月第3土曜にはアート・アンド・ワイン・ウォークというイベントが催されているそうだ。今度はぜひその時に来てみよう。
■Evergreen Aviation and Space Museum
500 NE Captain Michael King Smith Way,McMinnville, OR 97128
TEL:503-434-4180
開館時間:9:00 a.m.~5:00 p.m.
休み:なし
ウェブサイト:www.sprucegoose.com
■Nick’s Italian Cafe´
21 NE 3rd St., McMinnville, OR 97128
TEL:503-434-4471
営業時間:11:30 a.m.~2:30 p.m.、5:00p.m.~8:00 p.m.(日曜12:00 p.m.~8:00 p.m.)
休み:なし
ウェブサイト:www.nicksitaliancafe.com
今月のレポーター/大石洋子 |
約束の時間に、私はミスター・チェンの家に行く。いつもにこやかに迎えてくれる彼は、私を部屋に案内する。小さなベッドがある部屋。私よりも少し年下のミスター・チェンは、何か大切な使命を帯びているというような目をしている。あまり人には言わないけれど、7年前に私が妊娠したのは彼のおかげではないかと密かに思っているのだ。小さな部屋で私は静かに服を脱ぎ、用意されていたガウンを着て、彼が再び部屋に入って来るのを待つ。やがて現れた彼は、「寒くない?」と気遣いながら私をベッドに仰向けに寝かせ、そして私の体に……鍼を打つ。
ミスター・チェンに初めてお世話になったのは、2003年のこと。子供が欲しいと思いながらうまく排卵していなかった私は、インターネットで検索して彼を見つけたのだった。週に1度、卵巣とへその辺り、それと健康全般のために手足の数カ所に鍼を打ってもらったのは3カ月ほどだっただろうか、めでたく私は妊娠した。西洋医学の医者にも通っていたから、すべて鍼による作用かどうかはわからない。でも、それまでに西洋医学だけで2年ほどトライしていたことを考えると、ミスター・チェンの鍼による効果は大きかったのではないかと考えている。
その後、今から2年ほど前に坐骨神経痛を患った時にもお世話になり、数回の治療で痛みから解放された。最近は、首と肩のしつこい痛みを取り除いてもらうべく通っている。いわゆる四十肩というヤツだと思うのだが、コレを結構軽く見ていた私は、実は浮気をしてしまった。まずカイロプラクティックに通い、それからフィジカル・セラピーなるものにも行ってみた。この10年間に2度起こった自動車追突事故(軽いムチ打ち)がいけないのかも、ということで首の専門医にも行ったし、近所の鍼も訪れた(イーストサイドにあるミスター・チェンのクリニックは我が家から少し遠いので)。
どれも効かなかった。それでミスター・チェンのところにまた通い始めたところ、頑固な肩凝りには少しアグレッシブな治療が必要だとのことで、鍼を打っている部分に熱を当てたり、鍼に機械をつないで振動を送ったり。3回目くらいから、だいぶ改善が見られるようになった。それまで知らずしらずに首のところに手を持っていっては「あぁー」としかめ面していたのが、なくなってきたのである。最初から彼のところに行けば良かった。
最近は肩と首のついでに、アンチ・エイジングのためにと顔にも鍼を打ってもらっている。心なしか、顔色が良くなった気がする。肩凝りと美容の悩みを1度に面倒みてもらえるのは、鍼ならではであろう。漢方の処方もしてくれるし、日本人の奥さんが日本語で相談に応じてくれる。料金は初回$80、2回目以降$70。加入している保険によっては適用が可能な場合もあるので、事前に確認してみよう。
※内容はあくまで筆者の体験談であり、その効果は誰にでもあるとは限りません。
■David Cheung, Lic. Ac.
Acupuncture and Botanical Clinics of Oregon
5433 SE Division St., Portland, OR 97206
TEL: 503-227-7900
診療時間:9:00 a.m.~5:00 p.m.
(火・金曜はペンドルトンのクリニックにて診療)
休み:日曜
ウェブサイト:www.abcoforegon.com
今月のレポーター/大石洋子 |
今年の初めから娘がアイス・スケートに夢中になっている。ショッピング・モールのスケート・リンクで滑っている人達を見て、自分もやってみたくなったらしい。わが娘の辞書には「慎重」という言葉はない。向こう見ずに滑っては転び、立ち上がってはまた転ぶ、というのを延々繰り返して、初回は下着までびしょびしょ。次の回からはスキー・パンツを履かせることとなった。以来、毎週のようにスケートをしている。が、冬季オリンピックが始まった途端にスケート・リンクが込み合ったのは面白かった。オリンピック選手に憧れて初心者がやって来た、というよりは、その昔にアイスホッケーやフィギュア・スケートをやっていて、「オリンピックを見て久しぶりに滑りたくなった」という感じの大人が多かった。
私自身は、アイス・スケートにあまりなじみはない。幼い時分に、子供会などのイベントで年に1、2度やった程度。だが、小学生の時にはローラー・スケートをよくやった。東京12チャンネル(現・テレビ東京)で「日米対抗ローラーゲーム」が放映されていたころだ(トシがバレますな)。今考えればスポーツというよりは、あらかじめシナリオの決まっていたエンターテインメントだった気もするが、とにかく東京ボンバーズがカッコ良かったなぁ……などと、娘のアイス・スケートに付き合いながら、自分の子供時代を思い出している。
私達がよく行くのは、ビーバートンにあるバレー・アイス・アリーナ。1965年から営業する、歴史のあるスケート・リンクだ。パブリック・スケートはひとり$8(貸し靴込み)で、6歳以下の子供は大人と一緒なら無料。団体割引が5人からあるので、小さい子供のプレイ・グループに良さそうだ。スケート・リンクは寒いのでジャケットを忘れずに。
ポートランド・イーストサイドにあるロイド・センターのスケート・リンクもたまに利用する。ショッピング・モールの中でアイス・スケートというのも妙な感じなのだが、しばらく滑るうちに慣れる。こちらは入場料が$6で、貸し靴が$3。毎週金曜10:00 a.m.~11:30 a.m.にプリスクーラー(3~6歳)と一緒に行くと、大人は無料になる(公立校が休みの金曜を除く)。夏休みの期間中は6歳から12歳までが対象のサマー・キャンプもあり、午後と午前に2時間ずつのレッスンがある。スケートのほかに、クラフトやエクササイズなども。月~金曜の8:00 a.m.~5:30 p.m.で$198とリーズナブルだ。夏の間にアイス・スケートができるようになる、というのもなかなかオツではないだろうか。
どちらのスケート・リンクも1年中オープンしており、クラスも開催。パブリック・スケートの時間は日によって違うので、出掛ける前にウェブサイトでスケジュールをチェックするのをお忘れなく。
■Valley Ice Arena
9250 SW Beaverton-Hillsdale Hwy.,
Beaverton, OR 97005
TEL: 503-297-2521
www.valleyicearena.com
■Lloyd Center Ice Rink
953 Lloyd Ctr., Portland, OR 97232
TEL: 503-288-6073
www.lloydcenterice.com
今月のレポーター/大石洋子 |
今年の1月から、オレゴン州で自動車運転中の携帯電話使用が原則禁止になったのをご存知だろうか。手で持たない、いわゆるハンズフリー・タイプの使用はOKだが、手に持って通話するタイプは特殊なケースを除いて全面使用禁止になった。知らなかった? いや、もはや知らなかったでは済まされない。罰金は、$142だそうだ。
ちなみに今、全米で運転中の携帯電話使用を禁止しているのは、カリフォルニア、コネチカット、ニュージャージー、ニューヨーク、ワシントン、それにオレゴンの6州とコロンビア特別区。そのうち、ワシントン州はやや控えめだ。携帯電話使用は罰則の対象ではあるが、それだけでは警察はクルマを止めることができない。何かほかの交通違反があって初めて、携帯電話の使用を罰することができるそう(2月5日現在、新法案を審議中)。
携帯電話を使用しながらの運転は危険だという調査結果は山ほどあるし、大体そんなことは調査しなくたって、日々運転していればわかる。ウインカーを一切出さなかったり、やたらとゆっくり走っていたり――なんかヘンだと思うクルマの十中八九は、携帯電話でお話し中。心ここにあらず、という感じの運転である。
こんなことは常識や良心の問題だから、みんなが自ら「危ないからやめておこう」と思えれば良いのだが、そういう人よりも「平気、平気」と思う人のほうが多かったので、わざわざ法律を作らざるを得なくなった。情けないことだが、仕方がない。
運転中の携帯電話使用に関して、私はこう思っている。製本所の大きなカッターとか、あるいはどこかの工場の何か大きなプレスの機械とかなんとか、操作を誤れば指を落としかねない、というような機械を動かすのに、携帯電話を使いながらやるだろうか、と。もちろん、やらないに決まっている。
クルマは、指を落とすどころか、操作を誤れば命を――しかも自分のだけではなくほかの人(達)の命をも――奪いかねない、とても危険な機械なのである。クルマをあまりに日常的に使うので忘れてしまいがちなのだけれど、そこのところを常に忘れずにいなければいけない、と思っている。
運転中の携帯電話使用禁止に関する記事が地元紙に載った際、「赤信号で止まっている時や渋滞中の使用は良いのか」とか「テキスティング(携帯メール)はしても良いのか」という質問が寄せられたそうだが――こういう人達がいるから、わざわざ法律を作らなければいけなくなる――念のために言っておこう。どちらもダメ! 道路の走行車線の一部を占めていれば、クルマが動いていなくても走行中と見なされる。また、テキスティングは、酒酔い運転よりも危険だという調査結果がある。
というわけで、携帯電話で話しながらの運転はしないように。どうしても話したかったら、路肩にクルマを止めてから。くれぐれも安全第一でお願いしたい。人は匿名になると、たがが外れがちである(インターネットの世界が良い例だ)。クルマの運転中は、知らない人に囲まれて匿名(誰も自分を知らない)状態になり、携帯電話使用に限らず、「本当はいけないんだけれど」というようなことをしてしまいがちだ。
周りのドライバーがすべて近所の人だと思って運転しなさい、と言った人がいた。なるほど、である。
■オレゴン州携帯電話新法
www.oregon.gov/OSP/docs/OSP_Cell_law.pdf
今月のレポーター/大石洋子 |
先日、友人とインテリアの話になった時、「アメリカ人の家には壁に絵だの写真だの、いろいろ掛かっているけれど、ごちゃごちゃせずに家庭的で温かい感じになっているよね」と意見が一致した。スッキリさっぱり、余白を多く取りがちな日本人の傾向とは、かなり異なる。
壁に掛けるアートを選ぶのは、なかなか大変だ。インテリアの番組などを見ていると、壁のペイントや家具の色などから部屋の色調を決め、それに合うような絵をインテリア雑貨の店で買うなどしている。そうしてでき上がった部屋は統一感があって素敵なので、私も真似をしたいところだけれど、しかしながら、色が合うからというだけで絵を買うことに、どうしても抵抗がある。私は、思い入れのある絵を――本当に好きだと思えるものや、旅先で買ったものなどを――飾りたいと思うのだ。
そんなわけで、お気に入りを見つけに、アート・ショーと名の付くものには、ちょこちょこ顔を出している。今の時期は、ポートランドのダウンタウン東側にあるバックマン小学校のアート・ショーが待ち遠しい。
公立のバックマン小学校は、アートに重点を置いた学校。毎年3月には、資金集めのためのイベントを開く。
当日、古くて趣ある校舎の中は、お祭りのようなにぎわいだ。生徒達も参加し、自分の作品を売っている。確か昨年は、版画や手製のポストカードなどが並べられていた。小学生の作品だからと素通りするのはもったいない。将来の巨匠が幼少のころに制作したものを買うチャンスかもしれないから……というのは、もちろん冗談だが。それでも額に入れたら、ちょっとしゃれたインテリアになるような、掘り出し物が見つかるかもしれない。
そして、プロのアーティストの作品ばかりが並べられているコーナーは、イベントの目玉。120ものアーティストが参加しているそうだ。絵だけでなく、陶器やガラス細工などもある。プロとはいえ素人くさい感じのものもあれば、ポンと気軽に買えないような値段の付いた作品も。たくさんの作品を見ていると、自分がどういうものが好きなのかということがわかってくるし、これはあの部屋のあそこに掛けたらいいかもなあとか、こんな額に入れたら格好がつくんじゃないか、などとあれこれ考えながら見ていくのも楽しい。子供のための無料クラフト・コーナーも用意されている。4歳以下の子供には大人の付き添いが必要だが、5歳以上は大人なしでも参加OK(親はその間、ゆっくりとアート・ショッピングができる)。
ほかにも音楽あり、食べ物ありと、家族で1日中楽しめるイベントである。しーんとした美術館で本格アートと向き合うのも良いが、学園祭みたいなワイワイがやがやという雰囲気の中、家にぜひとも飾りたいと思えるような作品を発掘するのもまた一興。お気に入りを手に入れたら、一刻も早く家に帰って壁に掛けてみたくなること請け合いだ。
■Buckman Art Show & Sell
場所:Buckman Elementary School
320 SE 16th Ave., Portland, OR 97214
TEL: 503-916-6230
http://artshow.buckmanelementary.org
今月のレポーター/大石洋子 |
6年ぶりくらいに会った友人夫婦が、すっかりやせていて驚いた。食べる量を減らす、健康的な食生活を心掛ける、という至ってシンプルなダイエットの結果だという。「スーパーマーケットでは、真ん中の棚にある商品は買わずに壁際に陳列されているものを買うようにしている」とも。一体どういうことだろうか?
「真ん中の棚に置いてある食べ物は、加工された食品ばかりでしょ?」と彼らから返ってきた答えに、よくよく考えてみると、確かにその通りなのだ。大抵、四方の壁沿いにあるのは、野菜、果物、肉、魚、乳製品など。それ以外の「アイル」と呼ばれる通路沿いに並んだ棚にあるのは、シリアル、クラッカー、ソーダ、缶詰、冷凍食品などの、工場から出てきた食べ物がほとんどを占める。それらを「工業製品」と呼ぶ人もいるし、また、中には「フェイク・フード――偽の食べ物」と断ずる人もいる。
そんな食べ物に疑問を抱いた人達が築き上げたのが、ポートランドにあるこのグローサリー店、フード・フロントだ。健康や環境に配慮した商品ばかりをそろえ、生鮮食品は、できる限り地元の業者から仕入れている。ユニークなのは、共同組合形式という点。誰でも$150の「オーナー負担金」を払えばオーナーになれる。一括でなく、毎月$5ずつ払うことも可能だ。
オーナーになると、年に4回行われるオーナー感謝祭の際に5~10%割引で買い物ができたり、年に2回発行されるクーポン・ブック($35相当)がもらえたりという特典がある。店に利益が出た場合には、前年の買い物額に応じて配当金ももらえる。オーナー達がそこで買い物をすればするほど、店が潤い、また自分達にも見返りがある、というシステムなのだ。ちなみに、オーナーから退けば、最初に払った負担金は全額戻ってくる。
1972年に開いた小さな店から始まり、今では6,000人のオーナーを抱えるまでになった。2008年秋には、2号店もヒルズデールにオープンした。
フード・フロントに置いてある商品は、大手チェーン店で売られている大手メーカー製の商品に比べるとやや高額である。割引期間にまとめ買いをするにしても、やはり値段の面では大手にかなわないし、品ぞろえという点でも見劣りがする感は否めない。それなのにじわじわと発展を遂げているのは、消費者の「安心できるもの、納得できるものを買いたい」というニーズに応えているからであろう。この先、こうした動きはさらに広まるのではないか。フード・フロントが、ポートランド発のコープ・グローサリー・チェーンになる日はそう遠くないかも? というような皮算用はさておき、オーナーシップがない人でも普通に買い物ができるので、1度のぞきに行ってみてはどうだろうか。
■Food Front
ノースウエスト店:2375 NW Thurman St., Portland, OR 97210
TEL: 503-222-5658
ヒルズデール店:6344 SW Capitol Hwy., Portland, OR 97239
TEL: 503-546-6559
営業時間:8:00 a.m.~9:00 p.m.
休み:なし
ウェブサイト:www.foodfront.coop
*掲載の情報は( )に記された年月時点のものです。
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