オレゴン州在住の日本人ライターが、食、自然、文化と魅力あふれるオレゴンを、ローカルの視点から紹介。(2013年掲載記事)
*掲載の情報は( )に記された年月時点のものです。
*連載は2013年6月に終了しています。
今月のレポーター/村井ユカ |
©Lifetime
東京都渋谷区で育った私は、物心が付いた頃には1990年代後半の渋谷、原宿界隈をウロウロし、当時女子高生の間で大流行したコギャルファッションに身を包んでいた。家の最寄り駅は新宿駅だったこともあり、オフィス街を駆け抜けるビジネスマンやコンサバ系OLたち、制服を可愛く着こなす女子高生、最盛期だったバンド系やビジュアル系の兄ちゃんたちなど、さまざまな着こなしを見てきた。これほどファッションに多様性のある街は東京以外にない!と豪語していたが、実はポートランドも負けてはいない
そもそもポートランドのファッションとは?
ダウンタウンを見渡せば、おしゃれな人々を見かける。東京よりもリラックスしたビジネスカジュアルで仕事をする社会人、ヨガウェアをスタイリッシュに着こなす若い女性たち、大学生のスタイルもエッジが効いていて都会的だ。気候のせいかグレーやブラックなどの暗い色を身に着けている人が圧倒的に多い。しかし傘や手袋、スカーフなどの小物ひとつひとつにも気を配り、バランスのあるスタイルを心掛けているという印象だ。ビンテージはポートランドを代表するスタイルのひとつで、特にウィラメット川の東側に渡ると、このスタイルに身を包んでいる女性をよく見かける。
有名テレビ番組でもデザイナーたちが大健闘
『Project Runway』というファッションデザイナーによって繰り広げられるバトル番組は11シーズン目が終わったばかりだが、これまでにポートランド近郊から優勝者を3人も輩出し、番組出場者も数多い。1人目の優勝者セス・アーロン・ヘンダーソンのランウェイショーを私も間近で見たが、力強く少々革命的な装いを地元産の色とりどりのPendletonウールをふんだんに用いて表現。2人目の優勝者グレッチャン・ジョーンズは、フェミニンさを前面に出したシルエットが特徴で、日本人女性にも受けそうなスタイルだ。3人目は、今年4月末の放送で優勝したばかりの ミッシェル・フランクリン。彼女はポートランド色ともいえる黄土色、茶褐色、ダークグレーにブラックを取り入れ、カジュアルでフェミニン、そして時にエッジの効いたスタイル。雨の多いポートランドに住む女性を完全に意識してデザインしているのが手に取ってわかる。
ポートランドのショッピングシーン
私のお気に入りショッピングスポットは、ダウンタウンにあるParallelとPhysical Elementだ。両店とも地元ブランドから有名海外ブランドまで幅広く扱っていて、オーナーは積極的に新しいブランドを取り入れている。インスピレーション溢れる洋服や小物が並んでいるので、地元にいながら流行りのスタイルや、ポートランドらしいトーンダウンしたスタイルも選べるからオススメ。
また、フードカートのファッション版としてウィラメット川の東側を中心に現れた「ファッショントラック」は近年、人気を増していて、アンティークやビンテージアイテムの宝庫としてローカルファッションに敏感なポートランダーたちの目的地となっている。
【 ポートランドのショップ 】
■Parallel
1016 SW. Washington St.
TEL : 503-274-8882
www.parallelportland.com
■Physical Element
416 NW. 12th Ave.
TEL : 503-224-5425
www.physicalelement.com
今月のレポーター/大石洋子 |
©Lifetime
以前は東海岸のニュージャージーに住んでいた、と言うと、たいてい、「ポートランドとニュージャージー、どっちが好き?」と聞かれる。答えるのがなかなかむずかしい質問だ。
ニューヨークまで小1時間で行けたから、毎週末のようにレストランに行ったり、美術館に行ったり。楽しい日々であった。夫の転勤で、世界一エキサイティングな街を離れることになった時には、「都落ち」という言葉が頭に浮かんでガッカリしたものだ。
が、ポートランドに移ってきて子供が生まれると、気持ちはだいぶ変わった。海にも山にも近く、そして適度なサイズの街にはアクセスも簡単。だから、「どちらがいい?」の問いには、「ニューヨークはいまだに恋しいけど、でも子供を育てるにはポートランドはとってもいい街」と、答えるようになった。相手も、納得する。
週末をもっとアクティブに過ごしたい
しかし、海にも山にも近くなどと言いながら、実はあまりそれを享受していないことに気づいた。私は根っからのインドア派なのだ。その影響を受けてか、娘も「おウチがいちばん」というタイプだし、気がつけば最近、日曜といえば家族三人三様、家でだらだらしてばかり。
これではいけない、と反省し、今年はハイキングに出かけよう、と思い立った。ハイキングにハマっている東海岸に住む友人が、「ポートランド周辺ならたくさんトレイルがあるでしょう」とうらやんでいたことでもあるし。
ハイキングにおすすめ湖面に映る逆さ富士?!
というわけで、今年は我が家のハイキング元年。どこに行ったらいいものやら、ちょっと途方に暮れているが、とりあえずはトリリアム・レイクに行ってみようかと思う。
ポートランドから一時間半ちょっとのトリリアム・レイクには、だいぶ前に一度行ったことがある。絵葉書で見た、逆さ富士ならぬ逆さマウント・フッドをこの目で見てみたい、と思ったのだ。 その日はすばらしく天気のいい日で、ホントに絵葉書みたいな、湖面に映ったマウント・フッドを拝むことができた。用意していったお弁当をピクニックテーブルで食べて、その後、トレイルを歩いた。その時は子供がまだ小さかったのでほんの少し歩いただけだったが、調べてみると、湖の周りをぐるりと一周して戻ってくるトレイルは約2マイルだそうで。アップダウンもほとんどなく、ハイキング初心者にはもってこいのルートである。
トリリアムとはなんぞや?
ところで、トリリアムというのは、春に咲く可憐なユリ科の山野草である。「三のユリ」という意味だそう。葉が3枚、花弁も3枚、雌しべの先端が3つに分かれ、雄しべも外側に3本、内側に3本と、すべて3づくしだからである。
和名は、エンレイソウ。「延齢草」と書くそうで、なんとも縁起のいい名前である。ヤマミツバという別名もあるし、食べたら長生きできるのかと思いきや、漢方では用いられるものの、素人判断で口にすれば毒にもなるそうで。可憐なトリリアムは、見るだけにしておこう。
■Trillium Lake
Mt. Hood National Forest
Government Camp, OR 97028
www.fs.usda.gov/activity/mthood
Portlandからは、Mount Hood Timberline Lodgeに向かう要領。I-84 E.のExit 16で下り、26 Eastを約38マイル行くと、右手にTrillium Lakeのサインが現れる。
今月のレポーター/大石洋子 |
春は、忙しい。庭の手入れがいろいろとあるので。雑草取りはもちろん、多年草の株分けもしなければいけないし、夏のカラカラ天気がやってくる前に、新たに植物を植えて充分に根付かせなければならない。
育ててみた
こんな果実のなる木
最近、実のなる植物がちょっと楽しい。リンゴは「ふじ」を植え、家の壁に這わせる形で庭師に整枝してもらった。幹の前後に生える枝をすべて切り、横に出ている枝だけを伸ばす。千手観音みたい……というのはちょっと言い過ぎか。晩秋に実るリンゴは、小粒だが甘くておいしい。鳥につつかれるから、新聞紙でくるんでおく。ナシは「幸水」で、こちらも整枝してあるが、まだリンゴほどに収穫がないのが残念。
庭師にも夫にも反対されたのを押し切って植えたイチジクも、がんばっている。反対の理由は、「伸びるのが早くて剪定が追いつかないから」と庭師。「花も咲かずにつまらない植物だから」とは夫。伸びるのが早いのは本当だが(2年で私の背丈をあっさり超えた)、つまらないというのは違った。無花果という字のごとく、確かに花は咲かないけれど、春先にいつの間にか枝のあちこちにぷっくりと実を付けるのが愛らしい。それがちょっとずつ大きくなっていくのを見るのが楽しいのだが、去年は5月ごろにシカに食い荒らされてガッカリした。今年は早めにネットをかけなくては、と思っている。
野菜を植えるレイズドベッドの周りには、イチゴを植えた。ほとんど何の手入れもしないのに、ランナーと呼ばれるつるが伸びては根付き、ほとんど雑草みたいに広がっていく。こちらはナメクジとの戦いだ。ヤツらもちょうど食べ頃を狙って食べるので、油断がならない。一度にたくさんは採れないが、シーズン中はちょこちょこ切れ目なく楽しめて、去年はイチゴ狩りに行かずじまいであった。
新聞の園芸欄で見て取り寄せたユズは、冬を2回越した。「桃栗3年、柿8年、柚子の馬鹿野郎18年」と言うらしいが、確かに成長が遅くてもどかしい。冬の冷たい風に弱いと聞いたので、気温が下がって北風の強い日には、いまだにやきもきしてしまう。
ポートランドに合う果樹を扱うファーム
というわけで、実を付ける植物をせっせと植えている。前述の植物をすべてここでそろえたわけではないが、One Green Worldというファームが強い味方だ。「自分で果物を育てよう!」と謳うだけあって、実にさまざまな果樹を扱う。アケビやカキ、果樹ではないがフキやお茶などの変り種もある。
オンラインで植物が買えるところはたくさんあるが、このファームの良さは、ポートランド周辺の気候に合った植物ばかりを扱っていること。しかも、以前はポートランドから離れた所にあったので、配達してもらうしかなかったけれど、今年1月に市内に移り、自分でファームに足を運ぶこともできるようになった。
今、私が欲しいと思っているのは、ビワ(loquat)。ポートランドの気候がカンペキに合っているわけではないので、毎年実を付けるというわけにはいかないようだが、冬の天候次第では、収穫が楽しめる年もある、とウェブサイトにあった。楽しみだ。
果樹によっては、1本だけ植えても実がなりにくく、近くに別の品種をもう1本植えることで結実しやすくなることもあるので、購入前によくリサーチしてほしい
■One Green World
6469 SE. 134th Ave.,Portland OR 97236
TEL : 1-877-353-4028
Mon-Sat 10:00am-4:30pm
Closed on Sundays
www.onegreenworld.com
今月のレポーター/大石洋子 |
大人になって、学校の先生をしている友人が、休暇を楽しみにしているという事実を知って驚いたものだ。いや、私だって会社勤めをしていたことがあるから、勤め人が休暇を待ち遠しいと思う気持ちはよくわかる。しかし子供の頃、私の学校の先生はみんな、いつも学校に来たくて仕方がない、という風だった。きっと、もっと教えたくてたまらないんだろうな、とばかり思っていたので、学校の先生も実は休みたいんだと知り、少し意外だった。
3月は、春休み。先生たちも、子供たちも、休暇を楽しみにしているに違いない。一方、「ああもう、また休み?」と、ぶすっとしているのは、親たちだ。少なくとも私は、そう。学校の休み、なんだか多くないですか?
春休みに、普段できないようなことをしたいが、大袈裟なことはしたくないし、できればあまりお金も使いたくない。そんな親子のために、今回は、ポートランドの知る人ぞ知る小さなミュージアムをいくつか紹介しよう(入場料はいずれも無料だが、任意寄付の場所も)。
・スタークス・バキューム・ミュージアム
東側からバーンサイド・ブリッジを渡ろうとしたら、橋のすぐそばでバーンサイド・ストリートがいきなり一方通行になり、一本北のクーチ・ストリート から渡るようになっていてビックリした人も多いだろう。そのおかげで、通りがかりに、クーチ沿いの「掃除機ミュージアム」を「なんだろう?」と思った人も少なくないのでは? これは、スタークスという掃除機販売店の一角にある、掃除機のプチ博物館だ。いかにもアメリカンなアップライト式の物から、日本の掃除機のような、キャニスター式の物までいろいろ展示されている。1920年代の掃除機に既に電気コードが付いていたりして、「やっぱりアメリカは進んでいたんだなあ」と思わせる。更に古い物になると、ふいごのような物が付いていて、電気なしでもゴミを吸い込めるように工夫された掃除機もある。
・ウェルズ・ファーゴ・ ミュージアム
ウェルズ・ファーゴはずっと銀行だったのかと思いきや、1852年に、バーモント生まれのウェルズさんとニューヨーク出身のファーゴさんが創業した時には、銀行業務以外に、運送も手がけていたのだそう。トレードマークが馬車なのはこのためだ。このミュージアムには、1850年代の馬車や、運送に使われた蒸気船(模型)などが展示されている。3月18日(月)には、創業161年を記念するイベントが予定されている。
・ジェフモリス・ファイアー・ミュージアム
ベルモント消防署の中にあり、1853年に始まったPortland Fire and Rescueの歴史を垣間見ることができる。1860年代の消火用ホースや、それ以前に使用されていた手動ポンプなどが展示されていて、興味深い。古い写真の中の消防士たちの勇ましげな姿に思わずうっとりする。
・ポートランド・ポリス・ ミュージアム
消防博物館の後は、警察のことも知っておこう。ここでは、1850年頃からの写真、逮捕状、警官のユニフォーム、銃のコレクションなどが見られる。
周辺には、安価な駐車場を提供するスマート・パーキングがある。くれぐれも駐車違反のないように!
■Stark’s Vacuum Museum / TEL : 1-800-230-4101
www.starks.com/about_us/vacuum
■Wells Fargo Museum / TEL : 503-886-1102
www.wellsfargo.com/about/history/museums
■Jeff Morris Fire Museum / TEL : 503-823-3615
www.jeffmorrisfoundation.org
■Portland Police Museum / TEL : 503-823-0019
www.portlandpolicemuseum.com
今月のレポーター/大石洋子 |
少し前、日本のとある放送局が「テレビを面白くするにはどうしたらいい?」という問いをウェブサイト上で投げ掛けていた。インターネットの台頭でテレビ離れが叫ばれて久しい。どうやって面白くするかを考えるのが彼らの仕事のはずだが、視聴者に聞きたくなるほどに切羽詰まっているのだろうか。いずれにせよ、最大のライバルであるインターネットを通じて、そんな問い掛けをしているのが皮肉である。
その問いに、私ならこう答える。「プロを出しなさい」と。
日本のテレビを見る機会は少ないが、里帰りした時に見ると、「たいした芸のない芸人とタレント達との内輪ウケばっかり」という印象。そんなのを見せられて面白いはずがない。そんな安易なものではなくて、プロの技を見せてほしいと思うのだ。もう随分前だが、「料理の鉄人」を初めて見た時、「ああ、プロの技を見せると、テレビって面白いんだな」と思ったものだ。オリンピックがテレビ番組として面白いのも、同じ理由だ(選手達はプロだけではないけれど、その道を極めている人という意味では玄人である)。アメリカで「アメリカン・アイドル」がウケたのも、玄人はだしの芸が見られるからだ。だから私は常々、テレビを面白くするにはプロを使えばいい、と思っている。
こんな私が、いいモノ見つけたなぁと、ほくほくしているのが、ポートランド・オペラの「Opera To Go」というプログラムだ。ひとことで言えば、子供向けのオペラ。子供向けだからといって侮るなかれ。演じるのは皆、大人のプロのオペラ歌手だ。オレゴンとワシントン州南西部の学校などを回って公演する。ちょっと敷居が高いと思われがちなオペラを、身近に感じてもらおうと始まったプログラムだ。観劇客の対象年齢は幼稚園児から六年生までだが、このプログラムにかかわる学校・教育関係者達にも、オペラに親しんでもらおうという狙いがある。
演目は、毎年変わる。今シーズンは、モーツァルトの「魔笛」。学校以外にも、ポートランド・イーストサイドにある ハンプトン・オペラ・センターで公演が予定されている。12歳以下の子供は$5、大人は$10。この値段で本物のオペラに触れることができるなんて、破格のバーゲンだ。
私は去年、8歳になる娘の誕生会をどうしようかと考えていた時に、このオペラを見つけた。歌好きの娘の誕生会にオペラはちょうどいいかも、というわけで、席があるかどうか確認するため、ポートランド・オペラに連絡を取ってみた。このプログラムの責任者は、「誕生会! すごくいいアイデア!」と興奮し、公演が終わった後、オペラ歌手達が娘のために「ハッピー・バースデー」を歌うよう手配してくれた。娘は、プロのオペラ歌手に朗々と「ハッピー・バースデー」を歌ってもらって大感激。誕生会に招待したクラスメイト達も、初めて見るオペラに夢中で見入っていて、公演後の質問コーナーでは、熱心に質問していた。子供が手軽に本物に触れられる機会を与えてもらって、大感謝であった。
■Portland Opera To Go
www.portlandopera.org/company/education-and-outreach/portland-opera-go
今月のレポーター/大石洋子 |
突然だが、行列に2度敗れた朝のすしは、ひどくまずかった。
事の顛末はこうだ。昨夏、日本に里帰りした際、東京に数日滞在した。時差ぼけで午前4時前には家族全員起きてしまったので、築地魚市場に行ってマグロの競りを見よう、ということになった。5時からの受け付けには優に間に合う。ところが、タクシーを飛ばして行ってみたら、もうその日の受け付けは終了したと言われた。まだ5時前だというのに。なんでも、徹夜組もいたりして、4時台の到着では遅いのだそう。
ガッカリしたが、気を取り直して市場内でいちばんおいしいというすし屋に行くことに。ゴム長靴に帽子を被った作業服姿の人々や小型トラックなどが忙しく行き交うなか、評判のすし屋にたどり着いてみると……なんと、開店前なのに既に長蛇の列。並ぶとは聞いていたが、これほどとは。何度も言うが、まだ午前5時前だよ! 意を決して並んだ。1時間、2時間。列は、なかなか進まない。朝だというのに既に気温は高く、空気はベトベト。
娘が音を上げ、結局私達は評判のすしをあきらめて別の店に入った。こちらは行列がないどころか、店内もガラガラ。壁には有名野球選手のサイン付き写真があり、「もしや隠れた名店?」と、思わせたが……。
すしは、おいしくなかった。酢の加減か、それとも温度か、いや握り方の問題なのか。シャリがおいしくないし、どのネタもなんだか水っぽい。睡眠不足の上に列に並んで疲れていて、おまけに機嫌も悪かったから、最悪のコンディションではあった。が、それを差し引いても、築地でまずいすしを出すというのは貴重な存在かも、と皮肉っぽいことを考えたくなるほど、ガッカリするすしであった。
というわけで、行列はおいしさの証だ。ポートランドにも行列のできる店がいくつかある。ダウンタウン、バーンサイド・ブリッジ西端近くのブードゥー・ドーナツもそのひとつ。
ユニークといえば聞こえはいいが、ふざけているのか、と言いたくなるような品ぞろえだ。メープル味のフロスティングにカリカリベーコンとか、バニラ・フロスティングにシリアルやM&M、砕いたオレオのトッピングなど。この店のシンボルともいえる、ブードゥー・ドールという名のドーナツは、 その名の由来に関係してか不思議な顔だし、ゲイ・バーというドーナツには、虹色の配色のシリアルが並んでいたり。
24時間営業のドーナツ屋というのも珍しい。真夜中や早朝は知らないが、いつ通り掛かっても店の前に列ができている。その列にひるんで、長いこと遠巻きに見ているだけだったが、「列は早く進むよ」という友人の言葉を信じて並んでみたら、確かに、結構すぐに自分の番が来た……というより、種類がありすぎてなかなか決められないから、もう少し時間が欲しかったくらい。
大きめのドーナツは、ボリュームたっぷり。レイズド・イースト・タイプがふわふわでおいしかった。クレジットカードを受け付けない、それでも客が並ぶというのも、おいしくて流行っている店の証である。
■Voodoo Doughnut
22 SW 3rd Ave., Portland, OR 97204
TEL : 503-241-4704
●24時間営業
●休み:サンクスギビング、クリスマス、正月
www.voodoodoughnut.com
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