■ お酒をこよなく愛するレッド・ギレンさんが、ポートランドを中心にノースウエストの“本当においしいお酒”をレポート。クラフトビールについて、おすすめの銘柄、ブルワリー、原料、ペアリング、関連のイベントに至るまで、さまざまな情報を日本語で執筆! レッドさんについて »
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- 1 ポートランドのビールを飲めるフードカートポッド
- 2 オレゴンのナノブルワリーの紹介
- 3 ポートランド市内のパブクロール
- 4 オレゴンのファームで飲もう!
- 5 ベンド市のビールシーン
- 6 オレゴンのホップ・カントリー巡り
- 7 オレゴンコーストでの地元ビール
- 8 コロナ禍でのクラフトビールの直販
- 9 ポートランドのニューブルワリー
- 10 ハシゴ酒でホリデーパーティー
- 11 僕の大好きな飲みテラス
- 12 ビールの副原料
- 13 変わったクラフトビールを飲みましょう!
- 14 自分でビールを作りましょう!
- 15 ちょっと田舎のおいしいブルワリー
- 16 ブルワリーでオレゴンの景色をエンジョイ!
- 17 オレゴンのビール祭りへ行こう!
- 18 クラフトビール・ビギナーへおすすめのビール
- 19 今年のクリスマスは クラフトビールのプレゼントを!
- 20 おいしいクラフトビールを空港でも飲みましょう!
- 21 ポートランドのボトル・ショップでビールを買いましょう!
- 22 今年の夏は ビアガーデンでクラフトビールを!
- 23 皆さん、「グラウラー」をご存知?
- 24 シアトル、ポートランドからのビール日帰り旅行
- 25 個性さまざま 樽熟成のクラフトビール!
- 26 サンクスギビング(感謝祭)のビアペアリング
- 27 ハロウィーンにピッタリ合うクラフトビール
- 28 旬のビール!期間限定フレッシュホップビール
- 29 ラガービールもクラフトをお試しあれ!
- 30 缶のクラフトビール 実は瓶ビールよりもいい!?
- 31 ノースウエストの夏、ビール祭りに行ってみよう!
- 32 水、麦、ホップと…果物!フルーツのクラフトビール
- 33 楽しい発見をしよう!クラフトビール・ツアー
- 34 味も本物、健康志向のクラフトビール
- 35 バレンタインデーはクラフト・ビールで決まり!
- 36 クラフト・ビールへの第一歩
ポートランドのビールを飲めるフードカートポッド
(2024年7月)
皆さん、こんにちは、少しお久しぶり! 僕はパシフィックノースウエストの夏が本当に大好きです。夏の間、僕の「ポリシー」は、夕食を毎日外、家のフロントポーチまたはレストランのパティオで食べることです。典型的なポートランドの食事として、フードカートポッド(屋台村)に行くのも大好きです。今回のコラムでは、冷えたおいしいビールが飲めるフードカートポッドを簡単に紹介したいと思います。
Prost! Marketplace
ポートランドNE地区のミシシッピアベニューにあります。約10台のフードカートがあり、最も有名なフードカートは、ポートランドで最高のBBQレストランと考えられているMatt’s BBQです。ここのユニークさは、ビールを飲める場所が2カ所あることです。一つ目はBloodbuzzと呼ばれる、地元のクラフトビールを提供するカートでカクテルやワインも提供します。2軒目はProst!で、ポートランドでは珍しくドイツ製ビールのみを提供するビアバーです。
Prost!Marketplace
https://www.bloodbuzzpdx.com/
https://prostportland.squarespace.com/
ビールを飲める場所が2カ所あるフードカートポッド。
Barley Pod
ここはポートランドNE地区の住宅街に位置するため、地元の人がよく訪れる「インサイダー」スポットです。8台のフードカートがあり、世界のいろいろな料理が提供されています。僕のお気に入りはフライドチキンサンドイッチ専門のFlew The Coopです。ポッドのアンカーテナントは、Baerlic Brewingのタップルームで、多くのビールを提供しています。店内は屋台の食べ物の持ち込みはOKです。また、他の多くのフードカートポッドと異なり、タップルームにトイレがあります。
Barley Pod
https://www.baerlicbrewing.com/northeast-barley-pod
Baerlic Brewingの中にたくさんテーブルがあり、悪天候でも問題なし!
Hawthorne Asylum
これはポートランドで僕の一番好きなフードカートポッドの一つです。その理由は、フードカートの種類が豊富(20軒以上)なためです。また、(天然ガスの)焚き火がいくつかあり、その近くで食事ができます。そのため、寒くても暗くても、食事は非常に楽しいです。最近、ビールのカートが、飲食エリアの隣の屋内スペースに移動しました。この新しい屋内スペースはAsylum Spiritsと呼ばれ、42種類のクラフトビールを樽生で提供しています(すごい)! カクテルやワインもご用意しています。そしてトイレもあり。
Hawthorne Asylum
20軒以上のフードカート。気に入る食べ物が絶対見つかるはず。
https://www.instagram.com/asylumspirits
Midtown Beer Garden
ポートランドの最新フードカートポッドの一つです。ダウンタウンの便利な場所で、バスと路面電車の路線もすぐ隣に通ります。20を超えるフードカートがあり、このエリアでは最大です。約300席あり、ライブが行われることもあります。大人気は和風サンドイッチを提供するTokyo Sandoです。ポッド内には、Fracture BrewingのFracture Brewing Bar Cartと呼ばれるビールカートがあります。普通のフードカートのように見えますが、Fractureのクラフトビールを8~10種類提供しています。
Midtown Beer Garden
ダウンタウン最大。20以上のフードカート。ホテル、観光名所、オフィス街のすぐ近く。
https://www.fracturebrewingpdx.com/
ポートランドのフードカートポッドに、ビールで乾杯しましょう!
オレゴンのナノブルワリーの紹介
(2024年3月)
みなさん、遅ればせながら新年明けましておめでとうございます(笑)。皆さんは春にすぐなることを心待ちにしていることと思います(僕もそうです)。暖かくなると、僕はワインからビールへ少しずつシフトします。今回は「ナノブルワリー」を共有したいと思います。ナノブルワリーは、商業的なビール醸造所の最小カテゴリーで、ほとんどの場合、たった一人で運営され、各バッチサイズは350リットル以下です。ほとんどのナノブルワリーは独自のタップルームがないです。クラフトビール専門店で購入することが必要です。ただし、ポートランドエリアにはタップルームのあるナノブルワリーが3軒あります。
Little Hop Brewing
リトルホップブルーイングはポートランドのご夫婦によって運営されています。ご主人は大規模なビール醸造所でビールを醸造したほか、自宅でビールを醸造する長いキャリアを持っています。しかし、新型コロナウイルスの影響で醸造の仕事ができなくなり、彼は自分でナノブルワリーを立ち上げ、ファーマーズマーケットでビールを販売し始めました。ある程度の成功を収めた後、ポートランドのサウスウエスト地区にビアカート(ビールの屋台)をオープンしました。そのビアカートは、オレゴン州で最も小さなタップハウスと考えられています。
Little Hop Brewing
https://littlehopbrewing.com/
丁寧に作られたビール。最も人気のあるビールはラガーとIPAです。
Duality Brewing
デュアリティブルーイングも、若いご夫婦によって運営されているナノブルワリーです。コロナ以前は、ご主人はプロのシェフで、ポートランドの多くの有名なレストランで経験を積んでいました。しかし、パンデミックで仕事を失ったため、古い輸送用シッピングコンテナの中に造った醸造所で少量のビールを作り始めた。彼は飲食業界の友人のネットワークを活用して、ポートランドのレストランにビールを販売できるようになりました。そして2023年、そのご夫婦はポートランドのノースイースト地区にタップルームをオープンした。ブランディングと写真撮影の経験がある奥様によって、タップルームは非常にクールでミニマルなデザインにされています。同じスペースで、別の若いカップルがレストランをオープンしました。
Duality Brewing
https://www.dualitybrewing.com/
常にビールメニューを変更。果物、花、ハーブなど面白い副原料を使用しています。新しいフレーバーを発見するのはいつも楽しい!
Crooked Creek Brewery
クルックドクリークブルワリーは、セントへレンズという町にあります。オーナーは自家製ビールをよく作ったプロの写真家でした。しかし、デジタル写真とソーシャルメディアの人気が高まるにつれ、オーナーは写真家としてのキャリアを維持するのが難しいことに気付きました。そこで彼は趣味のビール作りに目を向け、ナノブルワリーを設立しました。地元のファーマーズマーケットでビールの一部を販売した後、タップルームをオープンしました。タップルームはとても素敵な雰囲気が漂っています。
Crooked Creek Brewery
ベルギー酵母を使用しているビールが多く、風味と香りが良い。パブはとってもコージーでフレンドリー。
https://www.crookedcreekbrewery.com/
地方の小さな醸造所を応援するのも大事ですね。オレゴンのナノビールで乾杯しましょう!
ポートランド市内のパブクロール
(2023年3月)
皆さんこんにちは!春になるとまた外に出ることが多くなり、いい気分がします。COVIDの状況が大幅に改善されたので、友人や家族と一緒にレストランやバーに出かけることについて、より安全に感じることができます。というわけで、僕のお気に入りのパブクロール「ハシゴ酒」をいくつか紹介したいと思います。これらのパブクロールは全て徒歩でできます。ただし、パブ巡りの後は飲酒運転をしないでください。
SEポートランド・パブクロール
ポートランドのSE地区には、おいしいお酒が飲める場所がたくさんあり、Stark Streetに沿ってパブ・クロールルートがあります。まず、Fracture Brewingで夜を始めることをお勧めします。ビール醸造所のタップルームですが、バーのようなフィーリングがあり、とてもクールなインテリアがあります。
次の目的地はGrand Fir Brewingであり、そのオーナーはアメリカのトップクラスの女性醸造家の1人です。素晴らしいビールに加え、ディナーに最適なおいしい料理を提供しています。それから、夜の最後のお店として、アーバン(都市内)ワイナリーである Enso Winery に行くのが好きです(ワインは実際にそこで作られています!)。Ensoは、居心地の良い落ち着いた雰囲気のラウンジで、友人との会話に最良な場所です。
SE Portland
おいしいお酒を飲める場所がたくさん。Stark Streetがおすすめ!
Fracture Brewing(1015 SE Stark St.)
→ Grand Fir Brewing(写真・1403 SE Stark St.)
→ Enso Winery(1416 SE Stark St.)
アルバータストリート・パブクロール
ポートランドのNE地区に位置するAlberta Streetは飲食店もたくさんあります。まずは、Baerlic Brewingをお勧めします。Baerlicは軽めのビールが多く、素晴らしい裏庭のパティオがあるので、夜を始めるのにいい場所です。次の目的地は、フルーティーな特徴のあるHazy IPAスタイルのビールで有名な Great Notion Brewingです。ここのパブ内にあるポップアップレストランMatt’s BBQ Tacosを食べることをお勧めします(最高においしい!)。ビールをたくさん飲んだ後は、ワインに変えて、静かに夜を締めくくるのもいいので、僕は Les Cavesに行くのが好きです。Les Cavesはワインの隠れ家のような雰囲気をして、リラックスしながらスタッフと気軽に話ができます。
Alberta Street
飲食店が多く、1本道で迷いにくい。
Baerlic Brewing(写真・2223 NE Alberta St.)
→ Great Notion Brewing(2204 NE Alberta St.)
→ Les Caves (1719 NE Alberta St.)
セントラルイーストサイド・パブクロール
セントラル イーストサイド地区で僕のお気に入りの1つはLiving Hausで、素晴らしいラガーとIPAを仕込む新しい醸造所です。また、Living Hausの隣にある「らーめん阿夫利」から食事を注文できます。次のお店はLoyal Legionで、歩いてすぐのところにあります。Loyal Legionには、全てオレゴン州産のビール、サイダー、ワインが 99種類あり、選択肢がたくさんあります。最後の目的地として、ポートランドでトップのウイスキーバーの1つであるScotch Lodgeをお勧めします。アメリカ、ヨーロッパ、日本のウイスキーの幅広いメニューがあります。とても小さくて人気のある場所なので、予約をお勧めします!
Central Eastside
地元の人に人気のエリア。食べ物と飲み物の選択肢が多過ぎる!
Living Haus (628 SE Belmont St.)
→ Loyal Legion (710 SE 6th Ave.)
→ Scotch Lodge (写真・215 SE 9th Ave., Ste 102)
ポートランドのパブクロールで乾杯しましょう!
オレゴンビール、ワイン、サイダーやスピリッツ専門「オ州酒ブログ」のライター。オレゴンのお酒ツアーも提供しています!ポッドキャスト『オTALK』も好評配信中。
www.oshuushu.com
www.facebook.com/oshuushu
オレゴンのファームで飲もう!
(2022年7月)
みなさん、お久しぶりです! 今年の春は雨が多く、涼しくて長いと感じませんでしたか? いよいよ夏らしいですね! 夏になりましたので、外に出ましょう! 「外に出る」とは、もちろん「外で飲む」という意味でもあります(笑)。どこに行くかを決めるのに役立つように、今月は、お酒を実際に作って、その場で飲めるオレゴンの本物の農場を紹介したいと思います。
ビール:Crowing Hen Brewing
Crowing Henは、2021年にウィラメットバレーで設立された醸造所です。オーナーは3人の子どもがいる若いカップルです。彼らは農場で生活したいと考え、オレゴンの田舎で67エーカーの土地を購入しました。そのオーナーカップルは鶏の飼育と、それに加えてホップも栽培します。そのホップはファームブルワリーで作るビールに使用されています。Crowing Henのテイスティングルームでは、約9種類の生ビールが提供されています。去年、その一つが、米国で最も権威のあるビール賞を受賞しました。タップルームでビールを楽しめますが、素晴らしい景色を望むパティオエリアで飲むことをお勧めします。おいしいビールを飲みながら、鶏の鳴き声も聴けます!
Crowing Hen Brewing
ポートランドから約1時間。ワインカントリーの中心地、カールトンにある、約27ヘクタールの農場兼ブルワリー。
Web: https://www.crowinghen.com
ワイン:Hiyu Wine Farm
Hiyu Wine Farmは、オレゴン州で最も豊かな農産地の一つであるフッドリバーバレーの「フルーツループ」の中心部に位置します。Hiyuのユニークな特徴の一つは、ファーム内のレストランで使用されるほとんど全ての食材が同農場のものであること。なお、農産物を育てるだけでなく、牛、豚、鶏、アヒルも育てています。さらに、Hiyuはさまざまなナチュラルワインもその農場で作り、提供します。ファームレストランでは、そのワインを料理とペアリングでき、軽食からフルディナーまで、さまざまな食事プランがあります。スタッフに農場見学を依頼することは僕のお勧めです。スタッフは忙しくなければ、喜んで農場を案内してくれます。
Hiyu Wine Farm
フルーツループにあるワイナリー。レストランでは、食事とのペアリングが楽しめる。
Web: https://hiyuwinefarm.com
ハードサイダー:Bauman Farm
Bauman Farmsはウィラメットバレーにありますが、ブドウの栽培地域にはありません。リンゴを含む多くの種類の農産物が作られる地域にあります。その結果、2015年にBauman Farmsはサイダー事業を開始し、自分たちの農場や近くの農場のリンゴを使用して、アルコール入りのハードアップルサイダーを作っています。現在、バウマンズサイダーは、さまざまな品種のリンゴや他の果物を使用して、さまざまなフレーバーのサイダーを提供しています。どれも本当においしいです! 同社のサイダーは多くの店で見つけることができますが、敷地内カフェで試すのはより楽しいです。Bauman Farmsでは、地元産の果物や野菜、そして地元のフルーツ入り焼き菓子も購入できます。Petting Zooもあります!
Bauman Farm
さまざまなフレイバーのサイダーを製造。リカーショップでも売っています。
web: https://baumanfarms.com
オレゴンのファームで乾杯しましょう!
ベンド市のビールシーン
(2022年3月)
皆さん、遅ればせながら明けましておめでとうございます!あっという間に春になり、うれしくなりますね。春になったら足を延ばしてベンド市に行きませんか?ポートランドから車で約3.5時間。山に囲まれたベンド市はクラフトビールのパラダイスです。ビール醸造所の数は20軒くらいで、人口5000人あたり1軒のレベルです。ポートランドよりすごい数字です!
幸い、ベンド市はかなりコンパクトで、醸造所に次から次へと行くのは簡単で早い。そして、「Bend Ale Trail」のアプリまたはパスポートを使って複数の醸造所へ行くと賞品が当たる。ただし、全20軒へ行くのは大変ですので、今回は僕のお勧めの醸造所を紹介したいと思います。
エール・アポセカリー(Ale Apothecary)
オレゴン州で一番ユニークな醸造所の一つです。醸造所自体はベンドの周辺の山にあります。山のブルワリーでのビール作りのプロセスは、ほとんど工業化されていません。ビールの特徴は、周りの山や森にある自然酵母使用です。つまり、空気中の野生酵母は自然とビールを発酵させる。炭酸化も自然的なプロセスで行います。そして、全てのビールは木樽で熟成されます。結果、通常のビールと味が全然違う。味は微妙に酸っぱく、少しフルーティーで、まるでビールとワインのハイブリッドです。ほとんど手作りのビールですから、値段は少し高いです。ただし、その独特な味は、それだけの価値があります。
Ale Apothecary
ナチュラルプロセスで作るビール。醸造所は山の中ですが、タップルームは市街にあります。
https://thealeapothecary.com
クラックス・ファーメンテーション・プロジェクト(Crux Fermentation Project)
ご家族、お友達とベンドへ行くなら、ここはマストです。理由は幅広いビールスタイルを全て作ることです。ラガー、黒ビール、IPA、ベルジャンスタイル、ドイツスタイル、全てのビールが上手に作られてます。クラックスは店内でパブフードも提供しています。しかし、僕のお勧めは施設の横にある芝生で、フードカートからお料理をオーダーすることです。芝生スペースから山が見え、もちろんビアカウンターもあります。最高です。広く、子どもたちは自由に楽しく遊べる場所です。子どもがハッピーだから親もハッピーで、皆を喜ばすブルワリーです。
Crux Fermentation Project
幅広いメニューで、グループで行っても、必ず皆の好みに合う味やスタイルが見つかります。
https://www.cruxfermentation.com
モンクレス(Monkless)
Monklessとは「修道士はいない」という意味です。ここはベルギーの修道院で数百年前から作っているビール、つまり、ベルジャンスタイルビールの専門醸造所です。のどごしビールではありません。ゆっくり味わって楽しむビールです。ワインと同じですね。このビールスタイルはなかなか手に入らないので、飲み比べセットを注文するのがおすすめ。店内のインテリアは格好いいですが、バックテラスではデシュッツ川の観察ができ、楽しいです。
Monkless
ベルギーにインスパイアされたメニューを提供し、ベルジャンスタイルのビールとペアリングが楽しめます。
Web: https://www.monkless.com
ベンドで乾杯しましょう!
オレゴンのホップ・カントリー巡り
(2021年7月)
夏になりましたね。COVIDワクチンが広まり、今年の夏は去年より楽しくなりそう! 夏と言えばやっぱりビールですね。今回のコラムでホップをテーマにオススメビール巡りルートを紹介したいと思います。多くの方はホップという農産物を聞いたことはあっても、見たことがある方は少ないです。ホップはオレゴン州で栽培されていますので、まあまあ簡単にホップ見学はできます。場所はオレゴン州のウィラメットバレーにある「ワイン・カントリー」の隣に位置する「ホップ・カントリー」です。ポートランドから車で約45分です。
TopWire Hop Project
Top Wire Projectは2020年にオープン。ホップファームの中にあります。ファームのオーナーは、消費者がホップに興味を持っていることを知っていましたが、ほとんどの人はホップを見たことはありませんでした。その結果、彼らは季節限定のビアガーデンを開くことにしました。10種類のビールやハードサイダーがあり、全てにファームのホップが使用されています。外でおいしいビールを飲んでいると、四方八方にホップのツルが見えます。私はこの場所が大好きです! キッチンはありませんが、食べ物を持ち込むか、地元のメキシコ料理のレストランがデリバリーをしてくれます。
120年以上続くCrosby Hop Farmのホップ畑の真ん中にあるビアガーデン。@Woodburn
Web: www.topwirehp.com
Benedictine Brewery
Benedictineのビールを作るのは、醸造家ではなく修道士です。実は、Benedictineは修道院のプロジェクトです。そのビール作りによって、修道院の集金ができます。何百年も前からヨーロッパでは、修道院でビールを作る伝統があります。その伝統はだんだん無くなっていますが、オレゴン州でまだ生きています。なお、その修道院はブルワリーの近くにあり、静かで、行くと少し癒されるような気がします。Benedictineのタップルームはテラスがありまして、道路の向かい側に修道院のホップ畑が見えます。さまざまなビールが提供され、おつまみメニューもあります。
修道士が作るビール。修道院Mount Angel Abbeyは一般の見学も可。@Mt. Angel
Web: www.benedictinebrewery.com
Wolves & People
Wolves & Peopleはタップルームからホップ畑が見えません。その代わりに別のユニークな農産物が見えます。それはヘーゼルナッツです。実は、オレゴン州は世界第2位のヘーゼルナッツ産地で(1位はトルコ)、Wolves & Peopleはヘーゼルナッツ畑の隣でおいしいビールを提供しています。素敵なタップルームは元ヘーゼルナッツの納屋で、もちろんヘーゼルナッツを使用するビールは多いです。室内のバーは狭いですが、外のビアガーデンは本当に気持ち良く、ほとんどのお客さんは外で飲むことを好みます。フードとして、おつまみが提供され、食事の持ち込みはオッケーです(ゴミは自分で持ち帰ります)。
ヘーゼルナッツ畑の隣で、ヘーゼルナッツを使ったビールを作るブルワリー。@Newberg
Web: www.wolvesandpeople.com
オレゴンのホップ・カントリーで乾杯しましょう!
※飲酒運転は違法です。ルールを守ってブルワリー巡りをしましょう。
オレゴンコーストでの地元ビール
(2020年11月)
みなさん、あっという間に秋になりましたね。夏の暑さや山火事のスモークも消え、今年の秋のうまい空気は特にありがたいです。秋になると、オレゴンっぽい一つの楽しみはストームウォッチング(嵐観察)です。つまり、オレゴンコースト(海岸)にあるレストラン、バー、ホテル、別荘などの快適な場所の窓から海から入ってくる嵐を雲、風、雨を見る。ちょっと変わったアクティビティーですね(笑)。
ストームウォッチング以外にもオレゴンコーストに魅力はたくさんあります。長い砂浜、海の中の岩、感動的な岬、灯台、小さな漁村が多くあり、素晴らしい景色はあちこちに見えます。なお、オレゴンの海は豊かなシーフード産地となり、魚、牡蠣、クラムはおいしいです。秋になると、蟹も出ます!
もうひとつの魅力はクラフトビールです。オレゴンコーストには醸造所がたくさんあります。今回のコラムで僕の薦めるブルワリーを紹介します。
De Garde Brewing
ティラムック市にあるディ・ガールドブルーイングはオレゴン州の一番面白いビール醸造所の一つです。ビールは100%野生酵母を使用します。つまり、ビールの仕込み中に酵母を人工的に添加せず、空気中に自然に飛来している酵母を使用します。副原料としてフルーツもよく使います。そして、発売前に最低半年、ビールを木樽に寝かす。結果、ディ・ガールドのビールはワインっぽい酸味があり、フルーツの風味が少しします。
天然酵母を使用し、樽に寝かす。ワインみたいなビールがおいしい。
Web: www.degardebrewing.com
Pelican Brewing
ペリカン・ブルーイングは、オレゴンコーストに3つのお店を経営していますが、パシフィック・シティーにある本店がおすすめです。本店は、ビーチ添いにあり、目の前に海から飛び出たデカイ岩(Haystack Rock)が見えます。すごい眺めです。
苦めのIPA、飲みやすいクリームエール、薄いチョコ風味のするスタウト(黒ビール)が名物。
Web: www.pelicanbrewing.com
Rogue Ales
ローグエールズはオレゴンのクラフトビールシーンのゴッドファーザーの一つです。90年代から日本へビールを輸出するローグは、世界的に知られています。ローグも複数のお店はありますが、本店および醸造所は大きな港町ニューポート市に位置します。ニューポート市内でもローグは3店舗を運営していますが、オススメは醸造所の中にある「Rogue Brewer’s on the Bay」というパブです。
ビールの種類が豊富。フラッグシップの「Dead Guy Ale」に加え、実際に蕎麦を使用する「Morimoto Soba Ale」が面白い!
Web: www.rogue.com
Yachats Brewing
ヤハツ・ブルーイングはオレゴンコーストの中ほどにある、人口800人に満たないヤハツ村に位置します。オーナーのご夫婦はパブのインテリアに多くのリサイクル木材を使ってアットホームな雰囲気がします。奥さんが、発酵食品を自家製で作りますのでフードメニューによく出ます。
オススメのビールは「Thor’s Well」のIPA、「804 Pils」のラガー、 珍しくサラルベリーを使用する「Salal Sour」の三つ。
Web: www.yachatsbrewing.com
オレゴンコーストのクラフトビールで乾杯しましょう!
コロナ禍でのクラフトビールの直販
(2020年7月)
みなさん、お久しぶりです。前回の3月のコラム以降、世界は大変変わりました。コロナの影響は本当に想像を超えましたね。
コロナによって、クラフトビール業界も大変な影響を受けています。ほとんどのブルワリーは、メインの生産が生(サーバー入り)ビールで、その生ビールを飲食店に卸せなくなりました。もちろん自社のタップルームでの生ビールの提供も不可能です。店が少し開いても、州民は自粛して生ビールをそんなに飲みに行かない状況です。
生ビール市場が消えたため、多くのブルワリーは製造を缶・瓶ビールへシフトしました。なお、缶ビール、瓶ビールの販売チャネルは主に三つあります。①スーパーマーケット、②コンビニ、③直営。だが、スーパーマーケットやコンビニを通して販売すると醸造所のマージンはかなり減ります。ですから醸造所にとっては、直営の方が好ましいです。
僕はオレゴンのクラフトビールメーカーさんを応援したいので、読者の皆さまに直販によってクラフトビールが購入できる方法を紹介したいと思います。
宅配
コロナ以前、オレゴンの醸造所はビールのホームデリバリーをほとんど提供しなかったが、パンデミックの影響で今や大人気なサービスになっています。オーダーはすごく簡単です。醸造所のウェブサイトでビールを注文して、クレジットカード払いをします。醸造所のスタッフはその当日または翌日にビールを届けます。
テイクアウト
クラフトビール醸造所のパブ・タップルームでは、以前から缶・瓶ビールは販売しています。だが、コロナウイルスの影響でお店の営業時間は限られています。よって、現在のテイクアウトサービスはオンラインでの事前オーダーと支払いが必要となることが多い。お客さんの発注後に醸造所からメールが来て、いつからビールのピックアップは可能であるかお知らせしてくれます。そして、お客さんはタップルームで自分の名前を教えて、ビールをもらうだけです。
オンラインでの事前オーダーと支払いが主流。以下のサイトでは、宅配とテイクアウトの情報がまとまっています。
Web: craftbeerscribe.com/pdx-and-sw-washington-breweries-taprooms/#Portland-Area-Breweries-and-Cideries
ブルワーズマーケット
オレゴンのファーマーズマーケットは有名ですが、最近「ブルワーズマーケット」もできました! 一つの場所に、多くのブルワリーが集まり、それぞれが出店します。お客さんは2メートルの距離を置きながら車または徒歩で各醸造所のブースの前を通って、好きなビールをオーダーします。お支払いは、スマホで行います。だが、その場でビールは受け取らない。オーダーが全て終わって、お客さんが待ち合わせ場所で待っていると、それぞれの醸造所のスタッフはそこまでビールを運んでくれる。*オレゴン州の経済活動再開により、営業状況が変わることがありますのでご注意ください。
多くのブルワリーが集まり、出店しています。
Web: www.otbrewersmarket.com
直営で買ったクラフトビールで乾杯しましょう!
ポートランドのニューブルワリー
(2019年3月)
本コラムの読者さま、新年明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いします! 少し遅れていますが…(笑)。もう、そろそろ冬は終わりますね。春になると、少しずつ暑くなり、ビールをより飲みたくなる。新しい年、新しいブルワリーを発見しませんか? 今回は、最近オープンしたばかりのオススメのオレゴン・ブルワリーを紹介します。
行ったことがないブルワリーでビールを飲もう!
● Wayfinder Beer
ウェイファインダーの建物はリノベーションされた古い建物で赤レンガが格好いい。いいお天気なら外のテラスは大人気。さまざまなビールを作りますが、僕はいつもドイツおよびチェコスタイルビールのHellesまたはPilsnerビールをいただきます。ご飯もおいしい!
場所:304 SE. 2nd Ave., Portland
Web:www.wayfinder.beer
▲ セントラル・イーストサイドの倉庫街のブルワリー。
● Ruse Brewing
ルーズブルーイングはダウンタウンから少し離れた倉庫街にありますが、MAXの駅は近く、行きやすいブルワリーです。インテリアはインダストリアルスタイル。オーナーの2人の若い男性はお客さんの目の前でビールを仕込んで、タップルームでビールを注ぎます。オススメのビールはホップの香りがよく立つ濁ったビールのHazy IPAスタイルです。レストランはないけど、店の外でフードトラックがご飯を提供します。
場所:4784 SE. 17th Ave., Portland
Web:rusebrewing.com
▲ ダウンタウンからMAXオレンジラインで20分。
● Threshold Brewing & Blending
スレッシュホルドはポートランドの一番新しいブルワリーであり、ほとんどのポートランダーにまだ知られていない! 誕生したばかりのビール工場ですからタップルームは非常にシンプルなデザインで、バーのような雰囲気をしています。ビールの選択はまだ少ないけどおいしいです。オススメのビールはNew England Style IPAです。
場所:403 SE. 79th Ave., Portland
Web:threshold.beer
▲ Mt. Tabor Parkの近くのブルワリー。
● Von Ebert Brewing
ヴォン・イバートは、ダウンタウンの近く、トレンディなパールディストリクトに位置しています。かなり広く、グループ・団体は入りやすいパブです。特徴はすごいビールメニューです。ビール25種類を提供しています! オススメは「Brewer’s Choice Paddle」という醸造家がおすすめする飲み比べセットです。フードメニューも選択肢はかなり広く、誰の口にも合う料理があります。
場所:131 NW. 13th Ave., Portland
Web:vonebertbrewing.com
▲ オシャレなパールディストリクトにあるブルワリー。
● Ferment Brewing Company
ファーメント・ブルーイングはポートランドから約1時間のフッドリバーのブルワリーです。パブからコロンビア川、ワシントン州の山は綺麗に眺められます。クラフトビールメニューの選択は広く、僕のレコメンドは日本でなかなか飲めない木樽熟成ビールです。「Premium Beers」のリストにあるバーボン、ワイン樽でエージングされたビールはすごくおいしい風味がします。フードメニューもおいしい!
場所:403 Portway Ave., Hood River
Web:fermentbrewing.com
▲ フッドリバーにあるブルワリー。
ハシゴ酒でホリデーパーティー
(2018年12月)
皆さま、あっという間に12月。ホリデーパーティーのシーズンです。今年は趣向を変えて、飲み屋巡りの「ハシゴ酒」パーティーはいかがでしょう? 醸造所が地域ごとに固まっているポートランドでは、「ウォーキングハシゴ酒」が可能です。今回は、僕の大好きなハシゴ酒コースをご紹介します。
【ノースイースト地区(歩行合計時間:8分)】
① Ex Novo
アメリカ初の非営利醸造所。しゃれたインテリアのパブからは、飲みながら醸造施設を見学できます。ビールは、「ElliotIPA」が特にオススメ。
場所:2326 N. Flint Ave., Portland
Web:exnovobrew.com
② LABrewatory
ビール製造機材メーカーのショールーム。展示用の機材で実際の仕込みを行い、ここでしか飲めないビールがほとんど。
場所:2326 N. Flint Ave., Portland
Web:labrewatory.com
③ Widmer Brothers
ポートランドで一番大きな醸造所ながら、パブはこぢんまりとして落ち着けます。実験的に仕込んでいるビールを提供。
場所:955 N. Russell St., Portland
Web:widmerbrothers.com
【サウスイースト地区(歩行合計時間:9分)】
① Base Camp
「オレゴンの大自然」を思わせるインテリア。オススメはベース・キャンプ特製グラスに注がれたマシュマロ付き「S’more Stout」です。
場所:930 SE. Oak St., Portland
Web:basecampbrewingco.com
② Cascade Barrel House
名物はサワービール。ビールに使用されるフルーツの乳酸菌から発生する酸味は、日本ではなかなか味わえないおいしさ。
場所:939 SE. Belmont St., Portland
Web:cascadebrewingbarrelhouse.com
③ Modern Times
若者に大人気のユニークなパブ。苦味が少なくホップをたくさん使用するHazyIPA スタイルのビールが有名。
場所:630 SE. Belmont St., Portland
Web:moderntimesbeer.com
【ノースウエスト地区(歩行合計時間: 14 分)】
① Bridgeport Brewing
ポートランドで一番古いクラフトビール醸造所。冬のオススメはBarley Wineスタイルです。
場所:1313 NW. Marshall St., Portland
Web:bridgeportbrew.com
② Deschutes Brewery
本社はオレゴン州ベンド。ポートランドでしか飲めない限定ビールを提供しています。
場所:210 NW. 11th Ave., Portland
Web:deschutesbrewery.com
③ Von Ebert Brewing
今年の春にオープンしたばかりで、すでに大人気。特徴はヨーロピアンスタイルのビールです。IPAも美味。
場所:131 NW. 13th Ave., Portland
Web:pearl.vonebertbrewing.com
僕の大好きな飲みテラス
(2018年8月)
読者の皆さん、夏になりましたね! 良いお天気の間にやっぱり外でお酒を飲まなきゃ! 夏になると、僕は飲み屋のテラス、パティオ、ビアガーデンでしか飲みません(もちろん、家のポーチでも飲みます)。気温は高く、外で飲むと、やっぱりお酒はよりうまくなる。友達と日没の光の中、または星の下でゆっくり飲めます。最高だと思わない? テラスのあるポートランドの飲み屋は非常に多く、選ぶのは少し難しい。今回のコラムを通じて、僕が好きなテラス付きの飲み屋およびクラフトビール・ブルワリーを紹介します。
● Apex
アペックスはものすごく「ポートランドクラフトビールバーっぽい」お店です。まず、クラフトビールが50種類は提供されていますので必ず好きなビールを見つけられます。スピーカーから出る音楽はうるさく、タトゥーをする若いお客さんがほとんど。お店より外のテラスは2~3倍広いです。車の駐車場はないが、さすがに自転車の駐車場は広い。
ウェブサイト:apexbar.com
ピープルウォッチングにオススメ!
● Prost!
ミシシッピのプロスト!ビアバーはかなり独特で、専門はドイツのビールです。ラガー系のビールが多く、夏にいいね。料理はほとんどないが、プロストのオーポートランドを中心にノースウエストのお酒をこよなく愛するレッド・ギレンさんが、同地の”本当においしいお酒”をレポート。日本語で頑張って執筆しています!僕の大好きな飲みテラス※次回は12月号に掲載予定ですナーはお店のすぐ隣に、Prost!Marketplace という屋台村を経営しています。フードカートでご飯を頼んで屋台村と店の間のデッキで飲んで食べられます!
ウェブサイト:prostportland.com
店の前の8軒のフードカートでご飯が買える。
● Schilling Cider House
シリング・サイダー・ハウスは珍しくハードサイダーしか提供しないバーです。つまり、ビール、ワイン、スピリッツはないです。ただし、甘口から辛口、全世界から約50種類のハードサイダーがあります。すごい数だ! よって、好みの味が絶対にあります。店の横に格好いいテラスがあります。
ウェブサイト:schillingciderhouse.com/portland
小さな焚き火のあるファイア・テーブルがおすすめ!
● Stormbreaker
ストームブレーカーはプロストと同じトレンディーなミシシッピにある、結構おいしいビールを作る小規模ブルワリーです。お店の中より、外のテラスは全然広いです。いいお天気になると、ほぼ満席です。天気は悪くても屋根付きエリア、焚き火エリアは快適です。
ウェブサイト:stormbreakerbrewing.com
テラスは犬は歓迎だから、犬好きにオススメ!
● Revolution Hall Roof Deck
レボルーション・ホール・ルーフデッキは改装されたハイスクールの中にあるイベントスペースや飲食店の施設です。この飲み屋はそんなに知られていないが、ポートランドスカイラインのベストビューの一つであります。
ウェブサイト:marthaspdx.com
屋上にあるルーフ・デッキからの眺めが素晴らしい!
オレゴンのテラスで乾杯しましょう!
ビールの副原料
(2017年11月)
ビールの主な原料は水、大麦、ホップ、酵母です。この4つがあればビールを作れます。
なお、ビールにこれ以外の成分、つまり「副原料」を使用する場合もあります。よく使われる副原料は大麦以外の穀物です。小麦、ともろこし、ライ麦など、穀物はかなり使用されていますが、消費者が多様な穀物の味の違いを知らないため、副原料の穀物の使用はそんなに宣伝されません。
しかし、ブルワリーは他の副原料をよくアピールします。それは味が分かりやすくて、独特な副原料です。その面白い副原料として、スパイス、果物、野菜もあります!そのスペシャルな副原料の事例を簡単に説明します!
①コーヒー
コーヒーは結構ビールに使われます。ダーク系のビール(スタウトまたはポーター)で使用する麦芽はコーヒーの風味がします。その風味を強化するため、さまざまなブルワリーがビールにコーヒーを添加する。コーヒー豆を使用するビールはコーヒーの味というよりコーヒーの香りがします。デザート(ケーキ、アイスクリーム)と最高のペアリングになります!
②ベリー
オレゴン州はベリー類の産地です。よってビールの副原料としてもかなり人気です! ラズベリー、ブルーベリー、ストロベリーの他、ブラックベリー、ボイゼンベリーもオレゴンのビールの成分になります。ベリーは主に2つのビールスタイルに使用されます。一つは夏によく飲まれるボディー感が軽く、酸味があるビールです(かなり酸っぱいビールもあります!)。もう一つはダーク系のビールとなります。黒ビールの場合、ベリーの味は黒ビールの重い味にバランスを与えてくれます。
③パンプキン
秋になると季節限定のパンプキン入りビールが登場します。ビールの醸造中にパンプキンそのまま、またはピューレやエキスを加えます。パンプキンは多数のビールスタイルに使われますが、ピルズナー、エール、ポーターが人気。
③唐辛子
ビールの副原料として唐辛子は珍しいです。でも、唐辛子をビールに使用するとおいしくなります。唐辛子の辛さのバランスをとるため、同時に果物がよく使わます。その甘辛さはやっぱり辛い料理に合います。僕は特にタイ料理と唐辛子ビールのペアリングが好きです!
下に紹介するビールをお勧めします! 面白い副原料入りのビールで乾杯しましょう!
変わったクラフトビールを飲みましょう!
(2017年2月)
2017年はもっとクラフトビールを飲みませんか?ポートランドでは、幅広いビールスタイル(種類)が楽しめます。人気があるスタイルはIPA、ベルジャン、ペールエール、スタウトなどです。でも、珍しいビールスタイルもありまして、日本ではなかなか手に入らないです。今回は、珍しいスタイルとそのビールを飲める場所を簡単に紹介いたします!
● Sour Beer (サワービール)
ネーミングの通り、酸っぱいビールです。そのサワーな味の原因はビールの作り方です。空気または木の樽に入っている野生酵母で酸っぱい味を発生させる、もしくは乳酸菌を使用して、サワーな味を作る。この2~3年くらい、ポートランドではサワービールが人気になってきました。フルーツ(例:ベリー、アプリコット、ピーチなど)がよく使われ、苦くないビールです。ですから、女性のファンは非常に多いです。
●Barley Wine(バーレーワイン)
バーレーワインはワインではなく、ビールです。ワインのようにアルコール度数が高い(8・5%~12%)ので「ワイン」と呼ばれます。高い度数を出すため、このビールは麦芽をかなり使用します。その結果、キャラメルまたはタフィーのような甘みがします。ポートランドのバーレーワインはホップも結構使うので苦味もある。ですからかなりリッチな味がします!
●Gose(ゴーザ)
サワービールのように酸味があるビールです。ゴーザの面白い特徴は塩を使用することです!塩の量は少ないので塩っぽい味はしません。ただし、味はよりシャープになります。小麦やコリアンダーも使用するので、結構ドライです。
●Barrel-Aged Beer(樽熟成ビール)
樽熟成ビールは、ビールのスタイルと言うより、ビールの作り方の一つです。このビールは出来上がってから木の樽に寝かされます。ワインやウイスキーと違って新樽は使われません。使われたことがある空のワインまたはウイスキー樽でビールを熟成する。その結果、熟成されたビールは樽に少し残るワインやウイスキーの風味がします。最高です!
●Radler (ラドラー)
ラドラーの特徴は清涼飲料を使用すること。つまり、ビールをスパークリングレモネード、レモンソーダ、またはコーラで割ることです。ビールと清涼飲料の割合は大体5対5でアルコール度数は低く、夏の午後にぴったりです!
オススメの飲む場所とビールは左の通りです。初めてのビールスタイルで乾杯しましょう!
◎ Cascade BrewingBarrel House :
さまざまなサワービールが飲めるバー
www.cascadebrewingbarrelhouse.com/
◎ Lompoc Side Bar :
さまざまな樽熟成ビールが飲めるバー
www.lompocbrewing.com/#/locations
自分でビールを作りましょう!
(2016年11月)
今年、ポートランド市内のビール醸造所数は70軒を超えます。さすが「ビール天国」ですね。ブルワリーが70軒以上になったことにはさまざまな理由がありますが、一つはホームブルーイング(自家醸造)です。日本で自家醸造は基本的に違法ですが、オレゴン州・ワシントン州は年100ガロンまでの自家醸造を認めています。
大勢のオレゴン人が家でビールを作ります。僕もビールを1回作ってみて、マジでまずかった!おいしいビールを作るのは難しい。でも自家醸造をする人の中には、うまいビールを作る方々がいまして、商業的な醸造所を立ち上げています。その結果、オレゴン、ポートランドの醸造所軒数は毎年増えています。ポートランドにあるブルワリーの70~80%はもともと自家醸造としてスタートしました。要するに、自家醸造ができなかったら今のポートランドにならなかった。今回は、自家醸造のためのお店を紹介します。
● F.H. Steinbart(F.H.スタインバート)
1918年にオープンしたこのお店は、アメリカ一古い自家醸造専用ショップだそうです。スタッフは皆ビール、ワイン、スピリッツの醸造に詳しいです。自家醸造用の素材、道具に自家醸造のクラスや本も提供します。自分でビールを作るためのものが本当に何でもあり、麦芽、ホップ、酵母は何十種類も販売しています。麦芽なら麦芽の専用ルームがあり、ホームブルワーは量り売りで麦芽を買って、用意された無料の粉砕機を使って、自分で粉砕します。
ウェブサイト:www.fhsteinbart.com/
● Portland U-Brew(ポートランド・ユー・ブリュー)
ポートランド・ユー・ブリューも自家醸造の材料を販売し、スタッフは自家醸造に関していろいろな相談に乗ってくれます。このお店は、かなり面白い特徴があります。地下室にスモールバッチ用の醸造所があります。お客さんはそこでクラスに参加して、ビールの醸造に関して勉強ができます。醸造所を貸り切って、オーナーのガイダンスで、自分が作りたいビールも作れます!
ウェブサイト:http://www.portlandubrewandpub.com/
● Homebrew Exchange(ホームブリュー・エクスチェンジ)
自家醸造の機材や素材を販売します。自家醸造ビールのクラスもありますが、ビール以外のクラスが面白いです。例えば、自家醸造のミード(蜂蜜酒)のクラスがあります。そして、自家醸造コンブチャ(紅茶キノコ)、ソーダやチーズのクラスもあります!
ウェブサイト:http://homebrewexchange.net/
自分の作ったビールで乾杯しましょう!
F.H. Steinbart
ホームブルーイングの老舗。入門者にはスターターキット(約$150)があります。
Homebrew Exchange
いろいろなクラスがあります。
Portland U-Brew
作り方を教えてもらいながら自分オリジナルのビールが作れます。
ちょっと田舎のおいしいブルワリー
(2016年8月)
夏になりましたね!夏と言えばビール!ビールと言えば「ビール天国」のポートランドではおいしいビールがたくさんあります!でも、オレゴン州にはポートランド以外の街にもおいしいビールがあります。ですから、今回のコラムでオレゴン州の、ちょっと田舎にある、めっちゃおいしいビールを作るブルワリーを紹介します!
● Crux Fermentation Project(クラックス・ファーメンテーション・プロジェクト)
オレゴンの中部、ベンド市にあります。なお、ベンド市は人口当たりのブルワリーがポートランドより多いです!本当の「ビール天国」はベンドかもしれない!ベンドのレベルが高いビール醸造所の中、クラックスは僕のおすすめです。ビールスタイルは幅広く、どれでもおいしいです。
ウェブサイト:www.cruxfermentation.com
● De Garde Brewing (デー・ガード・ブルーイング))
ティラムック市の一番名物はTillamook 社のチーズやアイスクリームでした。でも最近、もう一つの名物が誕生しました。デー・ガード・ブルーイングの独特なビールです。デー・ガードの特徴は天然酵母を使用することです。つまり、空気から酵母を集めて育て、ビールに使います。天然酵母を使用することで味はすっぱくなります。その酸っぱい味に合う副原料(フルーツなど)を添加したとても珍しいビールです。
ウェブサイト:www.degardebrewing.com
● Fort George Beer(フォート・ジョージ・ビール)
フォート・ジョージ・ビールはオレゴン州の最北西端のアストリア市に位置します。アストリアの名醸造所で、不景気の時、町おこしをしたブルワリーです。定番ビール以外に期間限定、数量限定のビールを結構出しますのでラインナップは常に異なります。夏になると僕はフォート・ジョージの缶ビールをよくいただきます。特に「1811」(ラガー)や低アルコールIPAの「Big Guns」はオススメです。
ウェブサイト:www.fortgeorgebrewery.com
● Barley Brown’s Beer(バーレー・ブラウンズ・ビール)
オレゴン東部のベーカー・シティー市(人口9800人)唯一のブルワリーです。小さな街の醸造所なのに、評判は良くて賞をたくさんとっています。ビールはすごくおいしいけど、ポートランドではなかなか飲めません。ですから、バーレー・ブラウンズのフルラインナップからビールを選びたい場合、車に乗ってポートランドから約5時間のドライブが必要です!
ウェブサイト:www.barleybrownsbeer.com
今夏、ちょっと田舎で乾杯しましょう。
Crux Fermentation Project
元Deschutesの天才マスターブルワーのブルワリー
Fort George Beer
「1811」はホップとアロマの香りが爽やかで夏におすすめ
De Garde Brewing
さまざまなフルーツの味が楽しめる天然酵母
ブルワリーでオレゴンの景色をエンジョイ!
(2016年5月)
春が来ましたね!雨季が終わると僕は外でビールを飲むことを考えます。オレゴンの奇麗な自然を見ながらビールを飲むことは最高!今回のコラムはオレゴンの景色が見える醸造所を紹介します!
● Pelican Inn(ペリカン・イン)
オレゴンコーストにあるPelican Innの景色は本当に独特です。醸造所はビーチに位置しており、パブの真正面に「Kiwanda Rock」という感動的な岩が綺麗に見えます。Pelican Innのさまざまななビールコンクールで優勝したビールは非常においしいです。
ウェブサイト:www.pelicanshores.com
● Buoy Beer(ブイー・ビール)
このパブはコロンビア川のドックの上にあります。良いお天気になるとパブの大きな窓が開けられ、海のように広いコロンビア川、アストリア大橋、たくさんの船が見えます。そして、パブのシーフードはマスト!フィッシュアンドチップス、牡蠣フライが大オススメです。ペアリングとしてピルズナーラガーがベストです!
ウェブサイト:www.buoybeer.com
● Ecliptic Brewing(イクリップティック・ブルーイング)
ポートランド市内には基本的に奇麗な景色が見える醸造所がないです。「最高の景色」とは言えませんが、Ecliptic Brewingはスカイラインが見えます。ポートランドの醸造所の中ではかなりおいしいご飯を提供し、もちろんビールがうまいのでオススメです!
ウェブサイト:http://eclipticbrewing.com
● Thunder Island(サンダー・アイランド)
コロンビア渓谷にある、ポートランダーにあまり知られていなくて、ローカルのお客さんが多い小さなブルワリーです。ここには秘密の素敵なアウトドアテラスがあります。そのテラスからコロンビア川とコロンビア渓谷の山が見えます。
ウェブサイト:http://thunderislandbrewing.com/homepage/
● Pfreim(フリーム)
僕にとって、フッド・リバー市のPfreimはオレゴン州で一番良い醸造所の一つです。ベルジャンスタイルのビールが多く、全てが本当においしいです。その上、場所が良い。パブの向かい側にウォーターフロント公園があり、コロンビア川、ワシンントン州の山、ウインドサーファーや公園で遊ぶ子どもたちが見えます。
ウェブサイト:www.pfriembeer.com
● Solera Brewery(ソレラ・ブルワリー)
ポートランドから行くには少し不便なパークデール市にあります。でも、行くべき醸造所です。テラスからマウント・フッドが奇麗に見えて目が離せません。
ウェブサイト:www.solerabrewery.com
いい景色を見ながら乾杯しましょう!
Pelican Inn
最高の景色+最高のビール=オススメ!
いろいろ飲める試飲セットが楽しい。
© 1859 Magazine
Buoy Beer
アストリア市にあるブルワリー。川からくるそよ風が気持ちいい!運が良ければアシカが見えることも
Thunder Island
ポートランダーにもあまり知られてないブルワリー。空気もうまい!ビールもうまい!ビールは4、5種類を提供
Solera
オレゴンの富士山ことマウント・フッドが目の前で最高!
© Brewvana
オレゴンのビール祭りへ行こう!
(2016年2月)
年が明けると僕はいつもビール祭りへ行く予定を入れます。1年間にオレゴンでは70以上のビール祭りがありますので結構選び難いです!お祭りのテーマは、パンプキン使用のビール、サワービール、ラガービール、自転車+ビールなど幅広く、それぞれ楽しいですが、全てには行けないですね。今回のコラムでは僕のおすすめのビール祭りを紹介します。ポートランド以外の街にもたくさんお祭りはありますが、この4つは全てポートランドで開催されます。
● Zwickelmania(ズイックルマニア)
ズイックルマニアはもしかしたらアメリカで一番独特なビール祭りかもしれません。オレゴン州の全クラフトビール醸造所のオープンハウスイベントで、ほぼ全ての醸造所に自由に入って、無料でさまざまなクラフトビールを試飲できます。さすが「ビール天国」のオレゴンだ!
ウェブサイト: http://oregoncraftbeer.org/zwickelmania/
● Fruit Beer Fest(フルーツ・ビール・フェスト)
フルーツ・ビール・フェストはアメリカ唯一のフルーツ・ビールの祭りです。この祭りの特徴は主に2つ。1つは提供されるビールのほとんどが季節やこの祭り限定ビールです。2つ目はビールの種類で、提供されるビールの全てにフルーツが使用されます。チェリーやグレープなど定番のフルーツや、ゆず、柿を使用するクラフトビールもあります。すごい!
ウェブサイト: www.facebook.com/Portland-Fruit-Beer-Festival-169321999785107/
● Fresh Hop Beer Fest(フレッシュホップ・ビール・フェスト)
オレゴン州はホップの産地です。ホップの収穫期に一部は新鮮(フレッシュ)な状態で醸造所へ運ばれ、フレッシュホップ・ビールができます。ホップを使用するビールの風味は普通のビールと全然違って最高です。しかし、フレッシュホップ・ビールは9月下旬から10月上旬しか飲めません。時間があんまり無いため、一軒一軒の醸造所を巡ってさまざまなフレッシュホップ・ビールを試すのは難しいでしょう。お祭りで幅広いフレッシュホップ・ビールを飲めることは大メリットです!
ウェブサイト: http://oregoncraftbeer.org/freshhopsfest/
● Holiday Ale Festival(ホリデー・エール・フェスティバル)
会場はダウンタウンポートランドのパイオニア・コートハウス・スクエアですごい便利な場所です。このお祭りの特徴はほとんどのクラフトビールがこの祭り限定なことです。冬のお祭りですから、夏に飲むビールと違います。体を温めるためアルコール度が高いビールが多いです。10%を超えるビールもありますので飲み過ぎないように気を付けてね!
ウェブサイト: www.facebook.com/HolidayAleFest/
ビール祭りで乾杯しましょう!
Zwickelmania
2月中旬頃。ほとんどの醸造所で無料で飲める
Holiday Ale Festival
11月末~12月初旬。デカいクリスマスツリーが素敵!
Portland Fresh Hop Beer Fest
9月下旬。この季節だけのビールが味わえる。
Portland Fruit Beer Fest
6月中旬。ラインナップは、リンゴ、ブルーベリー、オレンジ、ピーチ、マンゴー、ルバーブ、洋梨、パインアップル、レモン、プラムなど。
クラフトビール・ビギナーへおすすめのビール
(2015年10月)
秋になりましたね!このコラムではクラフトビールをよく紹介しますが、クラフトビールをよくご存知ない方はまだ多いでしょう。
クラフトビールは「職人が作るビール」の意味です。職人は素材を厳選してビール醸造の最初から最後まで品質管理をきちんとします。お金を儲けるより、ビールの色、香り、味、食感にこだわってお客様を喜ばすビールを提供することは職人の生きがいです!
クラフトビールと大手ビールとの違いはすぐに分かります。クラフトビールの色は薄い黄色から真っ黒まで幅広く、素敵な香りがします。シトラス、チョコ、コーヒー、バナナ、ナッツなどの香りは全て作り出せます。そして、クラフトビールなら苦みの微妙な味(ホップ、レモンなど)や甘みの微妙な味(モルト、クリーム、キャラメルなど)も楽しめます。
やっぱり、クラフトビールは最高!ただし、大手のビールに慣れている人にはクラフトビールを選ぶことは難しいでしょう。オレゴン・ワシントンのスーパーマーケットではさまざまなクラフトビールを揃えてあり、選択肢が多過ぎると思ってしまう人々はきっと多いです。今回のコラムで、入門者でもおいしいクラフトビールを紹介します。以下のビールは全て大手スーパーで見つけられます。
● Deschutes / Mirror Pond
麦芽とホップのバランスがとれたペールエールスタイルです。柑橘系、キャラメルの風味があります。ホップの苦みはありますが強烈な味がしませんのでクラフトビールビギナーにおすすめ。
Deschutes
「Mirror Pond」
水がとても奇麗なベンド市の醸造所です。
● Widmer / Hefeweizen
ヘフェヴァイツェンは大麦の麦芽ではなく、小麦の麦芽を使用したドイツのビールスタイルです。フローラルやシトラスの風味がして、少し濁っています。グラスにレモンを付けると、このビールは非常に飲みやすいです。
Widmer
「Hefeweizen」
ポートランドの一番古いクラフトビール醸造所の一つです。
● Bridgeport / Hop Czar
ホップザーは、ホップをたっぷり使用したIPAというオレゴンで一番人気と言われるビールスタイルです。かなり柑橘系の風味を出して結構苦いビールです。味が濃いビールやスピリッツが好きならこのビールはおすすめです。
Bridgeport
「Hop Czar」
ポートランドの古いクラフトビール醸造所です。
● Fort George / 1811 Lager
日本の大手ラガーのように爽やか感があり、軽い食感がするビールです。でも、日本のラガーよりホップ、レモンのいい香りとシャープな苦みがあります。日本の大手のラガービールが好きならこのビールはとてもおすすめ!
Fort George
「1811 Lager」
オレゴン州の最北西端にあるアストリア市の醸造所です。
オレゴンのクラフトビールで乾杯しましょう!
今年のクリスマスは クラフトビールのプレゼントを!
(2014年12月)
もう12月ですね!12月の一番大事なイベントは、もちろんクリスマスです。この楽しい時期にクリスマスツリーを飾ったり、クリスマス・クッキーを食べたり、子どもたちにプレゼントを渡したりします。
大人にもプレゼントを贈りますよね。でも大人を喜ばすようなクリスマスプレゼントを選ぶのはいつも難しいです。日本、パシフィックノースウエストで暮らす人の中にはビール好きな人が多いので、今年のクリスマスには、クラフトビールのプレゼントをしませんか?今月はおすすめのギストを簡単に紹介します!
● クラフトビール
当然、ビールが好きな人に一番いいプレゼントはクラフトビールそのものです。ワシントン州、オレゴン州には、さまざまなビールのスタイルがありますから、選ぶのは少し難しいです。プレゼントとして、ラガースタイルのビールは避けることがおすすめ。代わりに冬の天候に合うようなビールスタイルがベスト。例えば、スタウト、ポーター、バレーワインスタイルのクラフトビール。そのままで飲んでもいいし、クリスマスのデザートにも良いペアリングになります!スーパー、醸造所、ボトルショップ(酒屋)で買えます。
● グラウラー
ビール以外に、クラフトビールに関連する面白いギフトがたくさんあります。そのひとつは「Growler」(グラウラー)です。グラウラーは、生ビール4パイント分が入る容器。醸造所、ビアバーでグラウラーにビールを入れてもらうと、どこでも美味しくて新鮮な生ビールが飲めます!グラスや金属のグラウラーがありますが、僕が一番気に入っているのはセラミックのグラウラーです。やっぱり格好いい!
● 栓抜きのキーホルダー
キャンプ、ピクニック、出張中に栓抜きを忘れたことはありませんか?そうすると楽しみにしていたビールを飲めなくて悲しくない?キーホルダーに栓抜きを付けると、瓶ビールをいつでも飲める!とっても便利だ!僕が一番好きな栓抜きは、リサイクルされた自転車のチェーンがキーホルダーのリングに付いているもの。醸造所やアウトドアストアで買えます。
● アパレル
クラフトビール関連の洋服もいいプレゼントになります。オレゴン州、ワシントン州のブルワリーロゴ入りのTシャツ、トレーナー、バイクシャツ、帽子などは日本で手に入りにくく珍らしくて格好いいもの。軽いから日本に送っても高くならない。面白いのは赤ちゃん用の「Onesie」(ワンジー)。赤ちゃんがいる親戚や友達にこのワンピースをあげるときっと喜んでくれる!将来ビールを愛好する人間になるかもしれない子どもにぴったりと思わない?
今年のクリスマスはクラフトビールで乾杯しましょう!
おいしいクラフトビールを空港でも飲みましょう!
(2014年10月)
秋になるとホリデーシーズンがそ ろそろ始まりますね。これからハロ ウィン、サンクスギビング、クリス マス、お正月の時期になります。家 族・親戚と一緒にホリデーを過ごす ため、この時期に飛行機で旅する人 は多いです。ということで、当然、 空港へ行かなければなりません。
残念ながらアメリカのairport food はおいしくないです。ファーストフー ドのチェーン店が多く、座る場所が 少ない。ビールを飲みたくても大手 メーカーの薄い味のビールしかない し。要するにアメリカの空港で飲食 することは、あんまりいい経験にな りません。
幸い、パシフィックノースウェス トの空港ではおいしい選択がたくさ んあります。僕が特にうれしいのは、 シアトル・タコマ国際空港とポート ランド国際空港にはクラフトビール を提供するお店があることです。今 回のコラムでは、どこでおいしいビー ルが手に入るか紹介します!
● シアトル・タコマ国際空港(SEA)
・Anthony’s Restaurant & Fish Bar (C Concourse)
C コンコースの広いフードコート の近くに位置するアンソニーズは、 たくさんのクラフトビールを提供し ます。魚料理がおいしくてシアトル・ タコマ空港のトップレストランの一 つに評価されています。
ウェブサイト:www.anthonys.com
・Bigfoot Food & Spirits (North Satellite)
ビッグフットは普通のエアポート パブですので特別おいしいご飯は出 ません。しかし、生クラフトビール を提供します。6~7種類のクラフ トビールがあり、ほとんどはワシントン州、オレゴン州、アラスカ州の 地ビールです。
ウェブサイト:www.bigfootfs.com
● ポートランド国際空港(PDX)
・Rogue Ales Public House (D Concourse)
日本で有名なローグのパブでは、 同社のビール8種類を提供します。 人気のある「デッド・ガイ・エール」、 「ブルータル・ビター」と「ジュニパー・ ペール・エール」が定番です。ローグの蒸留所のスピリッツも飲めます
ウェブサイト:www.rogue.com
・Laurelwood Public House & Brewery (A&E Concourse)
ローレルウッドはポートランド国 際空港に2店舗あります。ビールラ インアップはポートランド市内のパ ブの定番ビールとほぼ同じです。「フ リー・レンジ・レッド」、「ワーキング・ ホースIPA」と「ツリー・ハガー・ポー ター」など8種類を提供します。冷 たい瓶ビール、お土産用T シャツも 販売しています。
ウェブサイト:http://laurelwoodbrewpub.com
・Made In Oregon (C&D Concourse)
メイド・イン・オレゴンはパブで はなくお土産屋さんです。キーホル ダー、ジャーキー、チョコなどを販 売しますが、瓶・缶のクラフトビー ルも売っています。オレゴン州のさ まざまなブルワリーのビールが見 つけられますので、ビールのお土産 を買うにはおすすめです!空港でも クラフトビールで乾杯しましょう!
ウェブサイト:www.madeinoregon.com
Laurelwood Public House & Brewery
Made In Oregon
ポートランドのボトル・ショップでビールを買いましょう!
(2014年8月)
ビールをどこで買いますか?ほとんどの人は「スーパー」と答えるでしょう。僕も時々スーパーでビールを買いますが、物足りないです。レジにビールを持って行って、お金を渡して終わり。要するにハートがないです。幸い、ポートランドにはハートがあり、楽しくビールを販売する酒屋さん(ボトル・ショップ)がたくさんあります。ほとんどのボトル・ショップにはバーが付いていますので、ビールを飲みながらお店のスタッフや他のお客さんとおしゃべりをして、楽しい時間を過ごしましょう!おすすめのお店を紹介します!
● Saraveza (サラベザ)
ここの雰囲気が大好きです。レトロなビール広告看板を飾り、クーラーケースは1950年代の物です。ビール・セレクションは十分あります。スタッフは皆若者でフレンドリー。提供する生、瓶、缶ビールに詳しいです。バーでは、ビールによく合う「パスティ」というイギリスの肉まんみたいなものをいただけます。
ウェブサイト:http://saraveza.com
● Belmont Station(ベルモント・ステーション)
このお店はポートランドのボトル・ショップの王様です。お店に入ると驚きます。なんとビール1300種類以上を扱います!お店の奥に「Biercafé」というバーがあります。
ウェブサイト:www.belmont-station.com
● 1856
1856は狭くてビール・セレクションが少ないです。でも雰囲気が落ち着いていて、スタッフはゆっくりビールの説明をしてくれますので、日本人のお客さんに良さそう。シンプルでかっこいいバーもあり、すぐそばには人気のレストランがありますので、食前酒を飲むのにおすすめです。
ウェブサイト:http://beerwinecider.tumblr.com
● Beer Mongers (ビア・モンガーズ)
ビア・モンガーズのビール・セレクションは広く、値段は比較的安めです。生ビールタップが7本に、生シードルのタップもあります。サービス(持ち込み)チャージなしでクーラーケースからビールを買って店内のバーで飲める。テレビが何台かありますので、おいしいビールを飲みながらスポーツ観戦できます。
ウェブサイト:http://thebeermongers.com
● Imperial Bottle Shop & Tap Room(インペリアル・ボトル・ショップ&タップルーム)
2013年にオープンしたばかりですが、アメリカのビール業界誌にアメリカのトップ100ビアバーと評価されています。スゴイ!品物のディスプレーもかっこいい。木の棚はビールが見やすく、一本づつ書かれた説明カードは分かりやすいです。
ウェブサイト:http://imperialbottleshop.com
● Bottles (ボトルズ)
ボトルズのインテリアはシンプルで、ビールのセレクションがいい。ほとんどはオレゴン・ワシントン州のビールですが、他州や外国のビールも提供します。ここの特徴は手作りのバーベキューです。毎日、スモーカーグリルでお肉をおいしく味付けします。いい天気ならデカイ木が立っているテラスが最高。
ウェブサイト:www.bottlesnw.com
クラフトビールで乾杯しましょう!
Saraveza
クーラーケースは1950年代の物。店内にはレトロなビール広告看板がたくさん。
Imperial Bottle Shop & Tap Room
業界誌でアメリカのトップ100ビアバー。一本、一本に丁寧な説明が書いてある。
今年の夏は ビアガーデンでクラフトビールを!
(2014年6月)
パシフィック・ノースウェストではもう夏になりましたね。雨は段々減ってきて青空の日が多くなります。うれしくない?!
夏に外でビールを飲むことは最高ですね。僕は夏に必ずビアガーデンに通います。日本にも、アメリカにもビアガーデンがありますが、アプローチは少し違います。日本のビアガーデンは、よく建物の屋上に位置して、大手メーカーのビールを提供します。緑がほとんどないのに「ガーデン」と呼ばれます。アメリカのビアガーデンは、店の裏に位置してクラフトビールが飲めます。そしてアメリカのビアガーデンの方が、緑が多くてより「ガーデン」の雰囲気がします。
このポイントは大事です。夏の暑いお天気でも緑の中で飲むなら、よりクールダウンできるからです。緑によってビールがおいしくなって開放的な気分です!
幸い、パシフィック・ノースウェストには緑あふれるビアガーデンがたくさんあります。今回のコラムでは、ポートランドとシアトル市内ビアガーデンを紹介します。
● ポートランド
・Green Dragon(グリーン・ドラゴン)
ポートランドのサウスイースト地区にあるグリーン・ドラゴンはローグビールが経営するパブです。当然、ローグのビールを提供しますが、実は、提供しているクラフトビール60種類以上のうち、ほとんどがローグ以外のもの。ここのビアガーデンの特徴であるたくさんの木は、涼しく広い陰を作り、飲みながら緑が必ず目に入ります。フルメニューもありますので外でビールと一緒にご飯も頂けます!
ウェブサイト:www.pdxgreendragon.com
・Vendetta(ヴェンデッタ)
ヴェンデッタはポートランドのノース地区にあります。クラフトビールもカクテルも提供するバーですが、地元の人しか知らないお店です。バーのバックガーデンは本当に最高。広くて緑がいっぱいです。アンブレラ付きのピクニックテーブルに座ってゆっくりビールを楽しめます。車がよく走る道の近くなのに、静かなグリーンの別世界。ピープルウォッチングも楽しいです。ポートランドらしいインディー系のファションをする若者客が多いです。
ウェブサイト:http://vendettapdx.com
● シアトル
・Marination Ma Kai(マリネーション・マ・カイ)
シアトルのアルカイ・ビーチに位置するマリネーション・マ・カイはハワイと韓国のハイブリッド料理のレストランです(有名なフード・トラックもあります)。ビアガーデン(テラス)はすごいです。クラフトビールを飲みながらシアトルのスカイラインやピュージェット・サウンドが目の前に見えます。市内で一番きれいな眺めの1つです。ダウンタウン・シアトルからウォータータクシーに乗って行き易い場所です。
ウェブサイト:http://marinationmobile.com/ma-kai
(外で)クラフトビールで乾杯しましょう!
Green Dragon
(ポートランド)
60種類ものクラフトビールが揃う
Marination Ma Kai
(シアトル)
景色が最高!
皆さん、「グラウラー」をご存知?
(2014年4月)
グラウラーはアメリカらしいビール容器です。通常、茶色のガラスでできていますが、ビールの瓶と全然違う。グラウラーは、醸造所またはビアバーで買いますが、買うときは空です。買ってから好きなビールを入れてもらいます。
普通のビール瓶とは大きさも違います。アメリカのスタンダードなビール瓶は12オンス(約355ml)で、グラウラーは64オンスになります。パイントグラス4杯と同じ量ですね。そのデカさでわかるように、グラウラーは基本的にお持ち帰り用のビール容器です。
さらに違うのは、グラウラーの再利用性です。グラウラーは、買うと、一生使えます。グラウラーに入っているビールを飲んだ後、空になったグラウラーを、醸造所かビアバーへ持って行くと、新たにビールを入れてもらえます。
日本人にとって少し不思議な容器でしょう。しかし、グラウラーのメリットはたくさんあります。タップ(ビール樽の栓)からグラウラーにビールを直接注ぐので、家に持って帰って超新鮮な生ビールが飲めます。グラウラーだと生ビールのおいしさを2日間から1週間キープすることができます。
もうひとつのメリットは家で飲めるビールの選択肢が広がることです。小さな醸造所はボトルのラインがないので瓶ビールを提供できない。大きな醸造所でも限定ビールを瓶にしないことが多いです。しかしグラウラーがあれば、通常、限られた場所でしか飲めない生ビールを、いつでも、どこでも飲めます。いいでしょう!
最後のメリットはローコストです。グラウラー・フィル(Growler Fill、醸造所またはビアバーにてグラウラーにビールを入れること)のコストは約12~16ドルです。つまり1パイントの生クラフトビールの値段は約3~4ドルになります。安っ!
なお、ガラスのグラウラーが多いですが、もっと格好いいグラウラーもあります。例えば、ステンレススチールのグラウラーがあります。
僕にとって一番お洒落なグラウラーはPortland Growler Companyのセラミック・グラウラーです。アメリカの昔のウイスキー瓶に基づいたデザインです。セラミックですからビールをより長く冷やせるらしいです。
シアトルとポートランドのほぼ全ての醸造所とビアバーはグラウラー・フィルを提供します。最近は、大手スーパー(Whole Foods MarketやFred Meyerなど)にもグラウラーサービスがあります。スゴイ!
グラウラーの専門店もあります。そこでは、さまざまな生ビールを提供します。ですから自分の好きな生ビールを選んで、自分の家、ピクニック、ホームパーティーなどで飲める!下記のお店はおすすめです。
クラフトビールで乾杯しましょう!
● ポートランド
・Portland Growler Company
カッコいいグラウラーがたくさん!
ウェブサイト:http://portlandgrowlercompany.com
・Tin Bucket
ハイテクなグラウラー・フィル設備を使用!
ウェブサイト:http://growler-station.com/tinbucket
● シアトル
・Chuck’s Hop Shop
生ビールが39種類もある!
ウェブサイト:www.chucks85th.com
(外で)クラフトビールで乾杯しましょう!
Tin Bucket
(ポートランド)
Portland Growler Company
(ポートランド)
シアトル、ポートランドからのビール日帰り旅行
(2014年2月)
このコラムに出てくるクラフトビールやビアバーはシアトルとポートランドにあることが多いです。でも都会から離れてもおいしいクラフトビールがありますよ!今回は楽しい「ビール日帰り旅行」を紹介します。
● ポート・タウンゼンド(ワシントン州)
ポート・タウンゼンドはシアトルから約2時間の、とてもかわいい海添いの町です。シアトルから車で行くには、フェリーに乗船します。
ポート・タウンゼンド市内にクラフトビール醸造所は2軒あります。Port Townsend Brewingは、幅広いビールスタイルを提供します。誰の好みにも合うビールがあります。
もう1つはPropolis Brewingです。Propolis のビールの特徴は、ホップの代わりにハーブを使用しています。テイスティング・ルームは無いけど近所のPourhouseバーで頂くことができます。
・Port Townsend Brewing
ウェブサイト:www.porttownsendbrewing.com
・Pourhouse
ウェブサイト:www.ptpourhouse.com
● ベリングハム(ワシントン州)
シアトルから1時間半のベリングハムでは、ハイキングやホエール・ウォッチングなどができます。
ベリングハムにあるクラフトビール醸造所の1つはBoundary Bay Brewingです。ダウンタウンにあり、レストランで食事も頂けます。良い天気ならテラス席がおすすめです!
もう1つのKulshan Brewing Companyは小さな醸造所で、地元の人に大人気です。タップルーム(生ビールを飲める場所、レストランではありません)では定番ビール9種類と季節限定のおいしいビールが飲めますよ。
・Boundary Bay Brewing
ウェブサイト:www.bbaybrewery.com
・Kulshan Brewing Company
ウェブサイト:www.kulshanbrewery.com
● フッド・リバー(オレゴン州)
フッド・リバーはポートランドから約1時間のドライブです。コロンビア渓谷を通り、山、川や滝が見えて、素晴らしい景色が広がります。
市内に少なくとも4つの醸造所があります。おすすめの1つはDouble Mountainです。おいしいビールと、ビールにすごく合うピザも提供します。僕の意見ですが、Double Mountainのピザはオレゴン一のおいしさです!
もう1つは Pfreim Family Brewers。タップルームは感動的です。格好いいインテリアがあり、醸造設備が目の前に見えます。コロンビア川添いにあり、テラスで飲むのがすごく気持ちいいです。
・Double Mountain Brewery
ウェブサイト:www.doublemountainbrewery.com
・Pfriem Family Brewers
ウェブサイト:www.pfriembeer.com
● アストリア(オレゴン州)
アストリアはオレゴンで一番古い町で、コロンビア川の河口に位置します。アストリアに流れるコロンビア川はあまりに広く、海みたいな感じがします。
アストリアの真ん中にFort George Breweryがあります。ここはこの町で一番人気のお店かもしれない。僕のおすすめは2階のレストラン。おいしいビール、ウッドオーブンで焼いたピザと川の眺めが楽しめます。 もう1つはWet Dog Caféで、ビールを飲みながらデカイ窓から船を見ると、のんびり気分が味わえます。
・Fort George Brewery
ウェブサイト:www.fortgeorgebrewery.com
・Wet Dog Café
ウェブサイト:www.wetdogcafe.com
クラフトビールで乾杯しましょう!
個性さまざま 樽熟成のクラフトビール!
(2013年12月)
「樽熟成」のお酒にはどんなイメージがありますか?当然、樽熟成のワインがありますね。樽でワインを熟成すると、バニラや木などの風味が出ます。色も変わります。樽熟成のウイスキーもあります。樽熟成されたウイスキーは、味が柔らかくなって色が全然違う(ウイスキーはもともと透明です)。つまり、お酒を樽で熟成するとさらにおいしくなる。
なお、ビールの通常の造り方に「熟成」の工程が入ることはあまりないです。ビールが飲める状態になったら醸造所はその完成品をお客さんに早く提供することがスタンダードのプロセスです。やっぱりフレッシュなビールがうまい!
しかし、樽熟成のビール(Barrel Aged Beer)もあります。醸造所は特別な味のするビールを造るために、木の樽を使用します。特に高アルコール度数のビールを長い間、樽に入れると、ワインやウイスキーのようにおいしくなります。熟成することは、当然時間がかかりますので、狭いクラフトビール醸造所はたくさんの樽を置けない。ですから樽熟成のビールは、通常、限定のビールなんです。
樽熟成ビールの面白いポイントは、さまざまな樽を使用することです。例えばワイン、ウイスキー、ポートワインの樽にビールを入れることがあります。ラム酒、ジン、テキーラの樽熟成ビールもあります!当たり前のことですがそれぞれの樽タイプに特徴があります。
● ワインの樽
コーヒーは結構ビールに使われます。ダーク系のビール(スタウトまたはポーター)で使用する麦芽はコーヒーの風味がします。その風味を強化するため、さまざまなブルワリーがビールにコーヒーを添加する。コーヒー豆を使用するビールはコーヒーの味というよりコーヒーの香りがします。デザート(ケーキ、アイスクリーム)と最高のペアリングになります!
● ウイスキーの樽
オレゴン州はベリー類の産地です。よってビールの副原料としてもかなり人気です! ラズベリー、ブルーベリー、ストロベリーの他、ブラックベリー、ボイゼンベリーもオレゴンのビールの成分になります。ベリーは主に2つのビールスタイルに使用されます。一つは夏によく飲まれるボディー感が軽く、酸味があるビールです(かなり酸っぱいビールもあります!)。もう一つはダーク系のビールとなります。黒ビールの場合、ベリーの味は黒ビールの重い味にバランスを与えてくれます。
● ポートワインの樽
秋になると季節限定のパンプキン入りビールが登場します。ビールの醸造中にパンプキンそのまま、またはピューレやエキスを加えます。パンプキンは多数のビールスタイルに使われますが、ピルズナー、エール、ポーターが人気。
冬に合うようなビールスタイル(スタウト、ポーター、バーレーワイン)がよく樽で熟成されます。ですから今がチャンス!近所のビール専門店へ行って買いませんか?Do you have any barrel aged beers?と聞いてください。店員さんは喜んで樽熟成のビールを案内してくれます。
僕は上記の樽熟成ビールをビール専門店で買いました。樽熟成ビールは超限定品ですから、お店によって選択が違うかもしれない。しかし、何でもいいので樽熟成ビールを買って飲めば、面白くていい経験になりますよ!クラフトビールで乾杯しましょう!
Deschutes The Abyss
(デシューツ・ザ・アビッス)
3種類の樽(オーク樽、バーボン樽、ワイン樽)で熟成されるスタウトビールのブレンド。黒砂糖、バニラ、甘草の風味が味わえる。大好き!
www.deschutesbrewery.com
Widmer Old Embalmer
(ウイドミアー・オールド・エンバルマー)
バーレーワインスタイルのビールでアルコール度数が高い(10.2%!)。ホップ、麦芽をよく味わえるワイン樽熟成のビールです。
www.widmerbrothers.com
サンクスギビング(感謝祭)のビアペアリング
(2013年11月)
個人的に僕は11月に行われるサンクスギビング(感謝祭)が一番好きなホリデーかもしれません。家族と友達が集まる。ファイアープレイスに火を付ける。ターキー(七面鳥)を料理して、家の中がおいしい匂いでいっぱいになる。
一番大事なことは、サンクスギビング・ディナーを素晴らしい御馳走にすることです。メニューは、ターキーとマッシュポテト。それにグレイビー・ソースやクランベリー・ソースを合わせます。当然その前のアペタイザー(前菜)と、その後のデザート(特にパンプキンパイ)も大事ですよ!このコラムを書くとお腹が空きますね…。
ご飯以外にドリンクも大事です。サンクスギビング・ディナーにはワインのペアリングが普通です。しかし、ビアペアリングも可能です。食事に合わせたクラフトビールを飲むと、食べ物がさらにおいしくなります。新しい組み合わせを相次いで発見することが楽しいです。
今回のコラムでは、サンクスギビング・ディナーのビアペアリング・アドバイスを差し上げます!
【食前】
ご飯を食べる前ですから皆のお腹が一番空く時ですね。ですから、味が濃くてアルコール度が高いビールは避けた方がいい。逆に味が軽くて食欲を刺激するビールがおすすめです。ビールスタイルとしてピルスナー系のラガーがベストになります。
【アペタイザー】
サンクスギビング・ディナーのスタートには、チーズ、クラッカー、野菜、フルーツ、サラダがよく出ます。良いペアリングになるのが、ラガーよりホップの味がするけれど苦すぎないビールです。ですから、アペタイザーで飲むおすすめのビールスタイルはペール・エールです。
【メイン】
アメリカのどこの家庭へ行っても、サンクスギビング・ディナーのメインにターキー、マッシュポテト、グレイビー・ソースが出ます。合わせて食べると塩辛くて重いです。 少し脂っこいし。味のバランスを取って脂肪分をカットするため、一番良いペアリングがベルジャン・スタイルのビールです。
【デザート】
実は、デザートとビールをペアリングすることは凄く楽しいです。珍しいアプローチですから、少しショックを受ける人もいるでしょう。しかし、ワインやスピリッツのようにビールがデザートの味をよりおいしくすることもあります。特にチョコ、コーヒー、パンプキン風味のスタウト、またはポーターのビールスタイルが最高。
今年のサンクスギビングで、クラフトビールのペアリングにチャレンジしてみませんか?忘れられないディナーになりますよ!
大手スーパーで下記のおすすめクラフトビールが買えました。参考にしてください。クラフトビールで乾杯しましょう!
No-Li Silent Treatment Pale Ale
(ノリ・サイレント・トリートメント・ペール・エール)
前菜 / ペールエール
www.nolibrewhouse.com/age-gate
ハロウィーンにピッタリ合うクラフトビール
(2013年10月)
10月になるとパシフィック・ノースウエストの天候が変わりますね。涼しくなって、紅葉が始まって、そして雨が降ります。つまり、夏が終わって春までおてんとうさまをほとんど見ない!少し寂しいなぁ。
しかし10月になると楽しいこともあります。それは子供たちが大好きなハロウィーンです。超アメリカンな祭りで、家はジャックオランタン(パンプキンでできたランタン)で飾られます。そして10月31日に子供がコスチュームを着て近所の家を回って、チョコ、キャンディーなどをもらいます。楽しい時期ですね。
大人でも楽しみがあります。当然、大人のコスチューム・パーティーもありますが、10月頃にクラフトビール市場では季節限定のパンプキンビールが登場します。名前のとおり、パンプキンビールは本物のパンプキンを使用します。ビールの醸造プロセス中に、パンプキンをそのまま、あるいはピューレ、またはエキスを加えます。多数のベースビールのスタイルがありますが、ピルスナー、エール、ポーターが人気。
収穫の時期の秋しか販売されないビールですので、本当に旬の味がします。マイルドで、ホップの苦みより麦芽とパンプキンの甘みが味わえる。ある醸造所はパンプキンパイのスパイスを加えていて、やっぱりパンプキンパイの風味がします。
パンプキン・クラフトビールのファンは大勢います。ですからパンプキンビールの祭りもあるのです!今年(2013年)の10月4~6日に、シアトルのElysian BrewingはGreat Pumpkin Beer Festivalを開催します。祭りでは、パンプキンビール約60種類を提供します!特大の生パンプキンをくり抜き、中に数ガロンのパンプキンビールを入れて、お客さんは、そのパンプキンに入ったビールをいただきます。要するにダブル・パンプキンだ!
ポートランドでもパンプキンビールの祭りがあります。Green Dragon Bistro & Brew PubではKiller Pumpkin Festivalが開催され、パンプキンビール15種類以上が提供されます。ここでも、パンプキンの中に注がれたパンプキンビールが飲めます!日程はウェブサイトで要確認。
自分でパンプキンビールを試したければ、大手スーパーで見つけられます。例えば、Laurelwood Pumpkin Ale(ロレルウッド・パンプキン・エール)。色は濃い琥珀です。瓶を開けるとパンプキンの香り。飲むとシナモンの味もします。パンプキンの味は薄めですからパンプキンビールが初めての方にいいかもしれない。アルコール度は少し高め(7.5%)ですが飲みやすいです。
ほかにも、おすすめは下記です。クラフトビールで乾杯しましょう!
©Rogue Ales & Spirits
Rogue Pumpkin Patch Ale
(ローグ・パンプキン・パッチ・エール)
自社農場で収穫したパンプキンをローストし、醸造前に加える。エリジアンより辛口でスパイス(ジンジャー、シナモン、ナツメグ)の香りや味がする。パンプキン入りのご飯(リゾットなど)に合うビール。
http://rogue.com/beers/chatoe-pumpkin.php
The Elysian Great Pumpkin Ale
(ザ・エリジアン・グレート・パンプキン・エール)
オレンジ色で、パンプキンパイのようにパンプキンの甘みとスパイス(シナモン、ナツメグ)の味がする。パンプキンパイとのペアリングがおすすめ。
www.elysianbrewing.com/elysian-beers/
great-pumpkin-ale
旬のビール!期間限定フレッシュホップビール
(2013年9月)
このコラムの読者さんたちはご存知だと思いますが、ビールの主な原料はホップです。大事な役割をする材料で、ホップはビールの苦みを作ってビールの香りに貢献します。抗菌の役割もあります。ということで、ホップのおかげでビールは本当に美味しい!
そして皆さんはご存じないかも知れませんが、ワシントン州とオレゴン州はホップの産地です。そう!実はアメリカのホップの産地として、ワシントン州はナンバーワンで、オレゴン州がナンバーツーなのです!(USA Hops 2012 年調べ)
ですから、パシフィック・ノースウエストでのクラフトビール産業、およびビールカルチャーは強です。
チャンスがあればホップのファームを訪ねてみましょう!ホップのツルは6~7メートルの高さまで這い上がり、「身長が高い茶園」のような感じです。ホップの収穫の時期は、8月後半から9月前半までの短い間です。なお、味と香りを長く保ってブリュワーさんが使いやすいように、収穫されたホップは、通常、乾燥されペレット状態にします。ある醸造所はホップのエキスも使用します。
採れたてのホップでできたビールはFresh Hop Beer と呼ばれます。要するに超限定、旬ホップのビールで、通常9月末から10 月のみの限定販売!
ある醸造所は、収穫の1時間以内に採れたホップを醸造しているビールに加えます。パシフィック・ノースウエスト以外でなかなか手に入らないビールです。ワシントン州、オレゴン州のボクたちはラッキー!
フレッシュホップのビールは、僕が1番好きなビールかもしれない。やっぱり新鮮なホップですから風味と香りがより出ます。ホップの種類によって、花、シトラス、草、松の香りなどあります。色々なビールにフレッシュホップが使用されますが、IPA、ペールエールとラガーなど、苦みが美味しいビールスタイルが多いです。
定番のビールではないので、フレッシュホップを発売する醸造所は毎年少し変わります。ですから9月末頃にスーパーのビールのコーナーに行くか、またはパブで聞いてみてください。上記のFresh Hop Beer は昨年提供されたのですが、今年また出るかは要確認。お店で見つからない場合、Fresh Hop Beer 祭りもあるので、下記を参照に。エンジョイ!
クラフトビールで乾杯!
● フレッシュホップビール 祭り
・ Hood River Hops Fest
visithoodriver.com/event/
・ Fresh Hop Ale Festival
www.freshhopalefestival.com
・ Portland Fresh Hops Fest
www.oregoncraftbeer.org/events
●おすすめのフレッシュホップビール
・Deschutes Hop Trip
(デシューツ・ホップ・トリップ)
www.deschutesbrewery.com/brew/hop-trip
・ Fremont Brewing Cowiche Canyon Fresh Hop
(フリーモント・ブルーイング・カウィッチ・キャニオン・フレッシュホップ)
www.fremontbrewing.com/cowiche-canyon
・ Full Sail Hopfenfrisch Fresh Hop Lager
(フルセイル・ホップヘンフリッシュ・フレッシュホップ・ラガー)
www.fullsailbrewing.com/brewmaster-reserve.cfm
自宅の庭で育てたホップの収穫(昨年)。 娘のハナちゃんが手伝う。今年も楽しみ~!
ラガービールもクラフトをお試しあれ!
(2013年8月)
皆さんは「ラガー」をよくご存知でしょう。日本ではラガーは、ものすごく人気があって、どのバーでも、どの居酒屋、レストラン、酒屋、コンビニでも提供されています。あまりに人気で、日本人にとっては「ラガー」=「ビール」かもしれません。
でも実はラガーは、ビールのスタイルの1つ。日本人は常にラガーを飲んでいるので、ほかのビールスタイルとの違いがわからない人々が多いようです。そこで、今回は、少しラガーの説明と紹介をします!
ラガーの1つの特徴は下面発酵ということ。ラガースタイルのビールで使用される酵母は、醸造プロセス中に、ビールの下部に集まって発酵を起こすのです。逆にエールというビールスタイルの酵母は、上面発酵を起こします。
ラガーのもう1つの特徴は、発酵状況にあります。ラガーの酵母が発酵できる温度は 4 ~10℃。ほかのビールスタイルと比較すると低い温度です。またラガーの発酵期間はより長く、醸造所によっては数週間~数カ月間がかかります。
ところで、日本人のラガーに対するイメージは、黄色で強烈な炭酸辛口のビール。確かにそうです。しかしラガーの中にも多数のスタイルがあり、それぞれ味が違います。たぶん日本人に好評のラガーは「ピルスナー(Pilsner)」スタイルでしょう。色が薄くて味が爽やかです(特に夏にいいですね!)。
ほかに、ラガーのスタイルには「ボック(Bock)」があります。ボックは黄色から茶色の範囲があり、味がピルスナーより甘い。通常、ボックのアルコール度は高いですよ!
また「ドゥンケル(Dunkel)」のラガースタイルもあります。ドイツ語で「ダーク」という意味。このラガースタイルの色は、琥珀からダークブラウンの範囲。麦芽の濃厚な風味があるスタイルです。
そのほかのラガースタイルもありますよー!要するに、日本人がイメージするラガー以外にも、多数のラガーがあるのです。
アメリカと日本では、ラガーの有名な銘柄は大手メーカーのものです。でもパシフィック・ノースウェストでは、職人意識で造られるクラフトラガーもあることを忘れずに!
とはいっても、クラフトビール醸造所はスペースが狭いので、比較的醸造プロセスが長いラガーは、生産のネックに。早くクラフトビールを造って売りたい醸造所は、ラガーよりエールを醸造します。なのでクラフトラガーは特別な存在なのです!
特に美味しくて日本人好みのクラフトラガー(ピルスナー系)は下記です。ほかにも、ポートランドにあるHopworks Urban Brewery のOrganic Hub Lager は2012 年、ストックホルムのビール&ウィスキーフェスティバルで銅メダルを受賞。オレゴン州各地、およびシアトルなどのワシントン州のスーパーなどで手に入ります。
クラフトビールで乾杯!
●日本人が好みそうなクラフトラガー
Red Hook Pilsner
(レッド・フック・ピルスナー)
チェコ共和国(ピルスナー発祥の地)のピルスナーの味を守っているビール。飲みやすく苦みは控えめなラガー。
www.redhook.com/beers/pilsner
Fort George 1811 Lager
(フォート・ジョージ1811ラガー)
口当たりはライトで苦みがあるビール。日本のラガースタイルとよく似ている。
www.fortgeorgebrewery.com/beers/
regulars/1811-lager
缶のクラフトビール 実は瓶ビールよりもいい!?
(2013年7月)
皆さん、缶ビールにどんなイメージを持っていますか?アメリカでは昔から缶ビールのイメージはあまり良くないです。大手メーカーの薄い味がする安っぽいビールは缶と強い関連がありました。要するに、缶は「品がない」容器のイメージがしますね。逆に瓶ビールはより高級のイメージがします。なぜ瓶ビールの方が好評なのだろう?一般の人に尋ねると「金属の味がしないから」という答えが多いでしょう。客の声を聞いて、パシフィック・ノースウェストのクラフトビール醸造所は昔から瓶ビールしか造りませんでした。
しかし、ここ3年くらいの間にクラフトビール醸造所の視点が変わってきました。実は現在「缶ビール革命」が起こっていて、缶クラフトビールが手に入りやすくなりました。瓶から缶へのシフトの理由はいったい何でしょうか?
理由の一つのは缶の技術です。生ビールのケッグと同様、缶の中面に薄いライナーがあります。そのライナーのおかげで金属の味が完全になくなる。でもそのほかの理由もたくさんあります。読者の皆さんは驚くかもしれませんが缶が瓶よりベターです!「えっ?」というリアクションが聞こえてきますね(笑)。では、缶のメリットを少し説明しましょう。
まず缶は中に光を通さない。実は、光がビールの味と香りの敵です。光に感光すると、ビールに入っているホップにより、味と香りが悪くなる。特に香りの方が変わります。ビールは光をたくさん受けると「スカンクの匂い」がします。ですから透明の瓶は最悪です。緑色の瓶もダメです。茶色の瓶は比較的良いですが、缶はビールを守るためにベストなのです。
缶のもう一つのメリットは酸化が起こらないこと。ビールは酸化すると味が古くなる。つまり美味しくなくなる。瓶は、キャップの間に小さな隙間があり、空気が少し入ります。そうすると酸化の原因になる。缶ならその問題はまったくありません。
また、缶は瓶より環境に優しい容器です。缶の方が軽くて運送用の燃料がかからないし、瓶のガラスより缶のアルミをリサイクルするコストとエネルギーの方が低い。そして缶は人間により優しい!割れ物ではないので瓶と違ってケガをしにくい。
「金属の味」の話に少し戻りましょう。確かに缶の中面にライナーがあるので、ビールは金属と直接触れない。しかしそれでも缶からビールを直接飲むと少し金属の味がするかもしれません。なぜなら、人間の舌がライナーの付いていない缶の外面と接触するから。解決法は簡単です。缶からグラスにビールを注いで楽しむ!その方が香りもいいです。
クラフトビール醸造所は缶のメリットに目が覚め、今どんどん缶ビールを出しています。最近、缶クラフトビールの選択はすごく広くなりました。美味しいのがたくさんあるので、色々トライしてください。下記の缶クラフトビールは大手スーパーで見つけました。乾杯!
●スーパーなどで見つけられる缶ビール
ノースウエストの夏、ビール祭りに行ってみよう!
(2013年6月)
6月ってやっと夏という感じですね。パシフィック・ノースウエストでは雨の量が減って暑くなります。学校の夏休みも始まって大人も子供もワイワイな気分になります。
日本と同じく、夏にはワシントン州、オレゴン州でもさまざまな祭りが行われます。例えばポートランドは6月のローズフェスティバルが有名です。でも知っていましたか?クラフトビールが名物のパシフィック・ノースウエストでは当然ビール祭りもたくさんあるのです!
僕はビール祭りへよく行きます。いろいろなメリットがありますよ。多くのビール醸造所(ブルワリー)が集まってビールを販売するので、1カ所で幅広い種類のビールの試飲ができます。いくつかのブルワリーは、祭り限定ビールを造るので、めずらしいビールも飲める。そして良い天気の中、友達と飲むビールは最高です!
ビール祭りの参加の仕方は、どこでもほぼ同じです。入場料(通常25~35ドル程度)を払って、ビールリスト・説明書、マグカップ、ビール券(祭りにより異なるが約10~15枚)をもらいます。1枚のビール券で3~4オンスのビール「Pour」がもらえます。入場してビールの説明書を読み、自分が興味のあるクラフトビールを提供するブルワリーのカウンターへ向かいます。多くのブルワリーが祭りに参加するので、もらったビール説明書と祭りのマップを一生懸命チェックします。
人気があるブルワリーには長い列ができています。待っている間にほかのお客さんと会話をするのは楽しいです。みんなクラフトビールに興味があるので、そこで飲んだオススメのビールを聞けばいいのです。「What is your favorite beer at this festival?」と聞くと、アメリカ人と楽しい「ビール英会話」がスタート!
ブルワリーのカウンターで、ビール券とマグカップを渡して「Pour」をいただきます。超限定のビールならビール券1枚以上必要となることも。ビールをいただき試飲して評価します。香り、色、口に含んだ時の味、味のフィニッシュを比較してビールの「鑑賞」をする。飲み終わったら次のビールをトライ!試飲して美味しいと思ったビールを再び飲むこともできます。本当に好きなビールがあったらビール券を複数枚渡すとFull Pour(マグカップ1杯分)をいただけます。
ビール祭りでの大事なポイントがいくつかあります。祭りによっては、子供は入場禁止です。またビールを飲んだ後酔っ払い運転が心配です。ですからビールを飲まない人に祭り会場の送り迎えを頼んでください(ビールを飲まない客には入場料の割引があることも)。そして酔っぱらわないよう、水をたくさん飲んでしっかり食事をして出かけてくださいね!
全米屈指の人気とされるOregon Brewers Festivalほか、オススメは下記です。クラフトビールで乾杯!
● シアトル
・ Seattle International Beerfest
開催日:7月上旬|会場:Seattle Center
16カ国から200種類のビールが提供される国際ビールフェスティバル。子供も入場可。
www.seattlebeerfest.com
● ポートランド
・North American Organic Brewers Festival
開催日:6月下旬|会場:Overlook Park, Portland
オーガニックのクラフトビールしか提供しない祭り。公共交通機関で行くとディスカウントあり!子供も入場可。
www.naobf.org
水、麦、ホップと…果物!フルーツのクラフトビール
(2013年5月)
パシフィック・ノースウエストのクラフトビールの美味しさの秘密をご存知ですか?“ビールの産地”ですから、きれいな水、ゴールデンな麦、そして豊かな香りがするホップはすべて、ワシントン州またはオレゴン州で豊富にあります。これらの地元の原料を使って醸造所のマスター・ブルワーさんたちは美味しいビールを造ることができます。
そして、ワシントン州とオレゴン州は、以下の農作物の産地でもあります。同地域のリンゴ、洋梨、チェリー、さまざまなベリー、ナッツなどは有名です。ですから通常ローカルな原料を利用しようとするブルワーさんたちは当然、このエリアのフルーツの使い道をよく考えます。その結果できたのが、フルーツビールです。面白いと思わない?
呼び名のとおり、フルーツビールはフルーツが添加されるビールです。カットしたフルーツごと、あるいはフルーツピュレー、フルーツジュースを発酵中のビールに入れます。フルーツの果肉を使用する場合もあるし、フルーツの皮だけを使うビールもあります。
フルーツビールは昔からあります。ベルギーの「ランビック」という伝統的なスタイルのビールは、チェリーとラズベリーをよく使用します。しかしワシントン州とオレゴン州のブルワーさんたちは、伝統から離れてさまざまなビールスタイルをベースにして、新しいフルーツビールを提供しています。ですからフルーツでできているペールエール、スタウト、ラガー、ウイッツェンなどをよく見かけます。もっとマニア向けのパブとかバーは、ケグ(ビールの樽)からのベースビールを、新鮮なフルーツを入れた「ランドル」というビールフィルター装置に通す。この「フルーツフィルタリング」をすると最高の香りと味です!
フルーツビールは、やっぱりベースになっているビールより微妙に甘い風味がします。面白いのは、通常、季節によって違うフルーツが使用されること。暑い気候の時によく販売されるフルーツビールには、さわやかなラガー、ペールエール、ウイッツェンスタイルのビールをベースにし、中に添加されるフルーツはオレンジ、ユズなどのシトラス系、スイカ、ピーチ、アプリコットなどです。ですから、夏らしい気分や風味をエンジョイできます。
逆に寒い時期には、リッチな味がふさわしいので、冬によく見かけるフルーツビールは、ベースビールとしてチョコとコーヒー風味を出す少し濃い味のスタウトとポータースタイル。その場合よく添加されるのは、チェリー、ラズベリー、イチジクなどの「レッドフルーツ」です。甘くないけど「デザートビール」と考えてもいいかもしれない。本当に美味しい!
フルーツビールは、一般的に季節限定品です。季節によってラインアップが変わるので店(スーパー、酒屋、バーなど)で確認を。
6月にはポートランドでフルーツビールフェスティバルが開催される。
ウェブサイト:www.portlandfruitbeerfest.com
●この季節にぴったりフルーツビール
Hopworks Belgian-Style Apple Ale
(ホップワークス・ベルジャン・スタイル・アップル・エール)
リンゴの微妙な酸味と、パリッとするドライな味のビール。
www.hopworksbeer.com/organic-belgian-apple-ale
Pyramid Apricot Ale
(ピラミッド・アプリコット・エール)
Wheat(小麦)のビールがベースでアプリコットの香りと風味があり、わずかな甘味も。女性にも人気。
www.pyramidbrew.com/our-brews/apricot
楽しい発見をしよう!クラフトビール・ツアー
(2013年4月)
パシフィック・ノースウエストでは4月になると、やっと春っぽくなってきます。雨も少し減り、 いいお天気に変わると、家から出て新しい発見をしてみたくなりませんか?
そんな時、面白くて少し変わったアクティビティーがオススメ。今年は、クラフトビール・ツアーをしてみれば?
日本人はクラフトビール・ツアーを聞いたことがないかもしれません。しかしクラフトビールは、ワシントン州及びオレゴン州の名物ですから、そのツアーは大人気です。美味しいクラフトビールを飲みながら、約3時間、インサイダーな視点、軽いお勉強、そして“ビール・ツーリスト”仲間と交流するのは本当に楽しいです
各ツアーは微妙に違いますが基本は同じ。集合場所で、ツアーバスに乗り込みます。うまいクラフトビールを飲むことが目的ですから、参加者たちは皆、飲む前からいい気分。明るいガイドさんの挨拶が終わったら最初の醸造所へ出発です!ツアーは通常、3~4カ所の醸造所を回ります。これは大事なポイント。各醸造所は違うビール・スタイルを提供するので、多数の醸造所へ行くとさまざまなビールを味わえるのです。つまり一つだけの醸造所ではつまらない。
醸造所に着くとタップルーム(パブ)に入ります。そして醸造所のスタッフが、1種類のビールを出してくれます。ガイドさんはビールのスタイルを説明して鑑賞の仕方も教える。ワインのように、ビールの色、香り、味、口に含む感じ……。アルコール度は大事だよ!次から次へ違うビールが出て来て、スタイルの説明がある。各醸造所ではビール3~4種類を試飲できるので、量は十分満足。しかし酔っ払いたくなければ、当然すべて飲んでしまわなくても結構です。味見だけをお願いします!
ガイドさんからは、クラフトビールの原料の説明もあり、ツアー参加者は、水、麦、ホップと酵母の役割を少し学びます。麦とホップの見本も出るので、自分の手で触ったり、鼻で香りをかいだり、口で味わったりします。参加者のほとんどの人は初体験のようです。
ツアーによっては、ブルワーさん(ビールを造る人)が、直接ビールの醸造プロセスを説明してくれます。その説明を通してブルワーさんの職人意識をよく感じます。日頃、なかなかできない感動的な経験です。
ツアーに参加する人々は、うまいビールを試飲するので、だんだんいい気持ちになります。そうすると“飲ミュ二ケーション”が始まって、日本人はアメリカ人と楽しく「ビール英会話」ができます!
クラフトビールファンでも、クラフトビールは少ししか飲まない人でも、ツアーは本当に楽しくて、忘れられない経験となるでしょう。
● Road Dogs Seattle Brewery Tour
ロード・ドッグズ・シアトル・ブルワリー・ツアー
シアトルのビールツアー中で、トップにランクインしているのがココ!(口コミサイト「トリップアドバイザー」調べ)
www.seattlebrewerytour.com
●Brewvana Portland Brewery Tour
ブルヴァナー・ポートランド・ブルワリー・ツアー
ポートランドで人気の4つのビールツアーのうちの1つ。日曜はボクが日本語で案内。
www.brewvana.com
●オ州酒ブログ ビールツアー
ポートランドの日本語ブルワリーツアー。
https://www.oshuushu.com/portland-beer-tour
味も本物、健康志向のクラフトビール
(2013年3月)
最近、パシフィック・ノースウエストのレストラン、スーパー、ベーカリーで、グルテン(Gluten)・フリーの物をよく見かけませんか?グルテンは、大麦、小麦、ライ麦などから出る成分で、タンパク質の一種です。グルテンに関連した病気(小麦粉アレルギーやセリアック病)のために、多くの人は、グルテンが入っている物を食べられない。だるい気持ちを取り除きたい健康志向の人もグルテンを避けます。ワシントン州、オレゴン州ではグルテン・フリーのことが流行っています。
現在、グルテン・ブリー食品には幅広い選択肢がありますが、大麦、小麦あるいはライ麦で作られるビールは問題です。つまりビールにはグルテンが入っています。ですからビールが大好きでも、グルテンと関連する病気がある人、または健康志向の人は、おいしいビールを飲めない。友達とパブで集まっても自分だけはビールを楽しめない。暑い時にゴクゴクビールを飲みたくてもできない。かわいそうと思いませんか?
でも、そんな人々に本当に幸せな展開があります。最近、おいしいグルテン・フリーのクラフトビールが、パシフィック・ノースウエスト市場に誕生しました。本当にハッピーなニュースです。今回のコラムでは、銘柄2つをクローズアップします。
ひとつ目は、ウィドミアー・オミッション (Widmer Omission)です。ワシントン州、オレゴン州での流通が強いウィドミアーは、州でもっとも大きなクラフトビール醸造所のひとつです。ウィドミヤーの従業員、または従業員の奥さんには、グルテン・フリーの人が多いらしいです。ですから2006年から「グルテン・フリーのビールを頑張ろう!」と決め、12年に発売を開始しました。醸造方法としては、通常のビールに入っている大麦を使います。しかし、企業秘密のプロセスで大麦からグルテンを引き抜きます。要するにビールとまったく同じ原料を使っていて、「本当」のビールです。僕はペール・エールをいただきました。グルテン・フリーと言われなかったら、わからない。オススメです。
2つ目は 、ハーベスター・ブルーイング(Harvester Brewing)。 ハーベスターの会社方針は、グルテンが入っている材料は一切を使用しないこと。つまり、グルテン・フリー・ビールの専門醸造所です。 使用原料が、面白いです。栗、ソルガム、カラスムギ、ショ糖、ホップ。 ラインナップは感動的です。IPA、ペール・エール、レッド・エール、ダーク・エール、季節限定のビールも提供します。僕はIPAを試飲。おいしい!グルテン・フリーの人は喜ぶと思います。小さな醸造所ですが、両州での流通はそこそこいいです。
グルテン・フリーでもグルテン・フリーではなくても、誰でもがこの2つのビールを楽しめるでしょう!
●グルテン・フリー オススメのビール
Ground Breaker Brewing
(グラウンド・ブレーカー・ブルーイング)
ウェブサイトの「Where To Buy」では、販売店の所在地が地図で見られる
www.groundbreakerbrewing.com
Widmer Omission
(ウィドミアー・オミッション)
ラガーとペール・エールを提供している(IPAは4月に誕生)。ウェブサイトの「Find Omission」から、入手できるレストラン、販売店が検索できる
www.omissionbeer.com
バレンタインデーはクラフト・ビールで決まり!
(2013年2月)
2月といえばバレンタインデー。カードと花は素敵なプレゼントですが、アメリカでも、やっぱりチョコレートはいちばん人気がある。大事な人とチョコを楽しみながら、大人っぽく乾杯したいけどチョコに合う酒は何でしょう?
実はチョコと酒のペアリングは難しいです。ワインとチョコは良いコンビと言われていますが、気をつけないとだめです。赤・白ワインの種類によってはチョコがまずくなります。ブランデーとコニャックも良いペアリングになると思われていますが、味とアルコール度数がきつ過ぎるかもしれません。でもパシフィック・ノースウエストの人々は、チョコレートとすごく良いペアリングになる酒類をよくわかっています。その酒類とはビール。そう、ビールです!
チョコとビールのペアリングとは少し変でしょう。確かにビールのスタイルによっては、チョコと全然合わないことがあります。例えば日本人に大人気のラガー、またはアメリカでよく売れているペール・エールとIPA(インディア・ペール・エール)のビールは、チョコと良くない相性です。なぜなら、これらのビールの特徴であるホップが出す苦味が強いから。
パシフィック・ノースウエストの人達は、全く別のスタイルのビールとチョコをペアリングします。それは、スタウトとポーターです。ペアリングの秘密は麦芽の甘味です。麦芽はホップのようにビールの大事な原料。スタウトとポーター・スタイルの場合、麦芽の甘味がホップの苦味を和らげます。なお、麦芽の面白いところはビールに使用される前にローストされること(コーヒーの豆みたい)。麦芽のローストの仕方によって違う味が出るのです。麦芽のうまみに富んだモルティーな味、コーヒーの味、スモーキーな味も出ることがあります。そしてもうひとつはチョコの味です。
スタウトとポーターのチョコ味は本当においしいです。もっと詳しく説明すると、わずかなダーク・チョコレートの風味です。銘柄によっては、醸造の際、本当のチョコレートを使用することもあります。炭酸が少ない場合は、クリーミーな味に。味だけでなく、チョコの甘い香りを出すビールもあり、これらを総合すると、スタウトとポーターは、チョコレートと本当に良いペアリングになるのです。
ですから今年のバレンタインデーにワイン、ブランデー、コニャックをスキップして、おいしいスタウトあるいはポーター・スタイルのクラフト・ビールにしてみるのはどうでしょう? 絶対にがっかりしない新発見になります! 特に上記のスタウト・ポーターは、大手スーパーで見付けられ、オススメで
す。
クラフト・ビールで乾杯!
● チョコのペアリングに 最適なビール
Seven Brides Becky’s Black Cat Porter
(セブンブライド・ベッキーズ・ ブラック・キャット・ポーター)
わずかにチョコの香りのする少しクリーミーなビール。後味にも、チョコの風味が少し残る。
http://sevenbridesbrewing.com/
index.html
Rogue Chocolate Stout
(ローグ・チョコレート・スタウト)
醸造時、チョコレートそのものを使用。ココアとモルトの香りと風味が楽しめる。
www.rogue.com/beers/chocolate-stout
Elysian Dragon’s Tooth Stout
(エリジアン・ドラゴンズ・トゥース・スタウト)
コーヒー、チョコ、チェリーの香り。コーヒーとダーク・チョコ風味。
www.elysianbrewing.com/beer/
クラフト・ビールへの第一歩
(2012年12月)
気が付きましたか? アメリカのパシフィック・ノースウエストでは「クラフトビール革命」が起こっています。“ブリューパブ”(brewpub:独自のビールを造り提供するパブ)が満席でワイワイします。スーパーのビール選択はすごく広いです。また、ビール・フェスティバルは、ほとんど毎月開催されています。確かにビールをゴクゴク飲むことはおいしいけど、マジでビールの祭りまで? 不思議な現象でしょう。
日本人のビールに対するイメージは、大手メーカーが造る薄い味「ラガー」です。パシフィック・ノースウエストの人達にとってのビールのイメージは全然違う。僕らはビールというと「クラフト・ビール」のイメージがします。クラフト・ビールの定義は、「地元の小さな醸造所で厳選される原料が入っている、ブリュワーさんの愛情で造られるビール」です。クラフト・ビールのブリュワーさんは、京都の着物屋さんのように職人意識を持っていて、お金が儲からなくても体が痛くても情熱で頑張っていく。品質が高いビールを提供することは、クラフト・ブリュワーの生きがいです。
クラフト・ビールは、ワインのように鑑賞します。まず外観。色は幅広く、薄い黄色から真っ黒い色までです。次は香り。ホップ、シトラス、コーヒー、バナナ、フローラル、モルトの香りなど可能です。最後は味。クラフト・ビールによって、苦味の微妙な違いと、甘味の微妙の違いがあります。それでワインのように、クラフト・ビールと食事のペアリングは最高! 僕は前菜、メイン、デザートと、それぞれペアリングをよくします。
でもラガーに慣れている日本人はクラフト・ビールを敬遠するかも。選択が広過ぎる、銘柄を知らない、味が好きかどうか分からない、と。でも飲んでみないとクラフト・ビールの良さは分からない。
ですからクラフト・ビールへ第一歩目をしましょう! 初めての人には、苦味と甘味のバランスが良くとれて味がいっぱい(フルボディー)の「ペール・エール」(特に下の銘柄3つ)がオススメです。
● ビギナーにおすすめのペール・エール
Fort George Sunrise OPA
(サンライズ・オートミール・ペール・エール)
www.fortgeorgebrewery.com/beers/
regulars/sunrise-oatmeal-pale-ale
www.oshuushu.com
www.facebook.com/oshuushu
● ポートランド観光ガイド| レッドさんが紹介するオレゴンのワイナリー特集»
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