ひとつの生命体である地球。自然の摂理を感じながら、季節感や地元食材に重点を置いたロハスな料理レシピを、元レストラン・オーナーが伝授。地球人が培ってきたさまざまな料理方法を使って調理する!
オレンジ・ヤム・ポテトと帆立のかき揚げ
初秋の今回は、今からが最もおいしくなるオレンジ・ヤム・ポテトと帆立を主役に、冷蔵庫に余っているくず野菜を混ぜたかき揚げを作ります。一般的にかき揚 げというとべったりしがちな料理のイメージが強いですが、この作り方だとパリッと仕上がります。ちなみに今回は甘味料や天ぷら粉、揚げ油にもこだわり、糖 尿病の方でも食べられるものにしました。ポイントは、捨てがちな冷蔵庫のくず野菜を使うこと、細かな材料にヘルシーなものを選ぶこと、具材の切り方や大き さに注意すること、そして粉を先にまぶすことがパリッとした仕上がり感の決め手になります。これをアルグラと共にからしマヨネーズを塗ったパンに挟み、サ ンドイッチにして食べても美味ですよ!
●材料(かき揚げ4枚分) ベイ・スキャロップ 1/2パウンド |
●作り方
1 | タレの材料を小鍋に全部入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして2、3分煮てアルコール分を飛ばし、器に移す。オレンジ・ヤム・ポテトは皮をむいて長さを5センチ、太さを7ミリくらいの棒状に切り、そのほかの野菜も大きさをそろえるように切っておく。 |
2 | 中くらいのフライパンにピーナツ油を入れて火にかけ、中温にしておく。切った具材を大きめのボールに入れて混ぜ、全体に大さじ3杯分の粉をまぶす。小麦粉1/3カップは冷水で溶いておく。 |
3 | かき揚げの材料を大まかに4等分して、1枚分ずつ小さめのボールに移す。塩少々と冷水で溶いた衣を大さじ2杯分ほど回し掛け、さっくり混ぜて油の中に滑ら せるように入れる。ばらけた部分を真ん中に載せるようにして、そのままじっくり3分ほど揚げてから、崩さないように注意して上下を返す。さらに2分ほど揚 げたら網に引き上げて油を切る。1.で作ったタレを回しかけて熱々をほお張る。 |
地球料理とは「エコ」な料理であり、すなわちエネルギーを使わない「低燃費料理」だと思われるかもしれません。それも間違いではありませんが、幸いなこと に私達が住むパシフィック・ノースウエストは、クリーンな電力に恵まれていて、電力の使用による環境汚染の心配はほとんどありません。それよりも心配なのは、物流に使われる化石燃料による汚染と物価の高騰です。もし自宅や地元コミュニティーに太陽光発電や小型風力発電などがあれば、もうそれはエネルギーの 使い方としては理想の状況です。同時に「地産地消」という言葉がありますが、このコンセプトはまさに地球環境のみならず、人々の健康の面からも理想の食体 系だと言えます。英語ではFood MileageとかLocavoreと言われていますが、これにさらに季節感、つまり旬のものを食べることを付け加えれば、環境も社会も個人の健康も、見 違えるほど良くなるに違いありません。それに、そういう食べ方がいちばんおいしいはずですし。
80年代に住んだカリフォルニアで、ベジタリアンだった自分が行きたいレストランが周りになかったことをきっかけに、オーガニック/マクロビオティック・カフェを開店。以来オーガニック・コーヒー・ハウスや多国籍料理レストラン等を開店するも、97年に廃業。子供のころから環境オタクだったこともあり、以後環境専門の貿易業をシアトルで営む。
(2012年9月)
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