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鶏肉と根菜の秋カレー

鶏肉と根菜の秋カレー

アジアン・スペアリブ

若い頃、インドの文化に憧れて、通算で7カ月程をインドやネパールで過ごしました。子供の頃からカレー好きなので、インドで覚えた料理を含めると、きっとこれまでに500種類以上のカレーを作っています。カレーとは、素材、味、テクスチャー、香り、色、そして薬膳効果を全て同時に楽しめる魔法のような料理で、ただスパイスの効果的な使い方にちょっとノウハウがあるだけ。

今回は秋を存分に感じる為に、スパイスのチョイスと素材の組み合わせを工夫して、子供から老人まで皆が楽しめる、「香り」と「色」を重視した甘口のレシピにしました。材料は多いですが、作り方は簡単。鶏肉はジューシーさと、うまみを味わうために、煮込まずさっと炒めて最後に入れましょう。

材料(4~6人分)

鶏肉(胸ともも)各1枚、
タマネギ0.7パウンド、
秋の根菜
:ヤム・ポテト、ニンジン、パースニップ、ゴールデン・ビーツ(葉と茎両方)など1.5パウンド、
シイタケ3個、
擦りおろしニンニク小さじ1、
擦りおろしショウガ小さじ1、
シラントロ1/3束、
植物油大さじ1、
ギー小さじ1、
1/4カップ

A:[マドラス・カレー・パウダー大さじ1、ターメリック小さじ1、マスタード・シード小さじ1、チリ・パウダー小さじ1/2、クミン小さじ1/2、コリアンダー小さじ1/2、シナモン小さじ1/6、クローブ、小さじ1/4、カイエンペッパー小さじ1/4]

B:[ターメリック小さじ1、マドラス・カレー・パウダー小さじ1/2、ガーリック・ペースト小さじ1、フィッシュ・ソース大さじ1.5、メープル・シロップ大さじ1、天然塩小さじ1/3]

C:[チキン・ストック2カップ、アップル・ソース1/2カップ、ニンジンの擦りおろし1本分、メープル・シロップ大さじ1]、ガラムマサラ小さじ1/2、ヨーグルト1/3カップ(オススメはローファットのプレーン・タイプ)、天然塩小さじ1

作り方

1
Aを混ぜ調合しておく。鶏肉をひと口大にスライスして、Bに漬け込む。根菜類はすべてひと口大に乱切りにして5分程蒸す。ゴールデン・ビーツの葉・茎は3センチくらいにざっくり切る。シイタケは5ミリ幅に切る。

2
厚手の鍋に植物油を熱してタマネギを炒める。透き通ってきたら弱めの中火にして、あめ色になるまでゆっくり炒める(約20分)。

3
ニンニクとショウガを加えて3分程炒めたら、Aを加えて更に3分程弱火でよく混ぜながら炒める。ギーを足し、蒸した根菜を加えて混ぜながら2分程炒め、酒を加えて更に混ぜ合わせる。

4
火を強めの中火にしてCを加えて全体を混ぜ、煮立ったら更に5分煮詰める。カレーを煮る間に別のフライパンに油を熱して、鶏肉をマリネ液ごと炒める。鶏肉の表面が白くなり始めたらシイタケを加える。全体に火が通ったらビーツの葉・茎も一緒に、すべてをカレーの鍋に入れる。

5
ガラムマサラを足してゆっくりと混ぜながら2分程煮る。最後にヨーグルトをボールに入れて泡立て器でよく混ぜてから加え、ひと煮立ちさせる。塩加減を調整して完成。ざっくりと切ったシラントロをたっぷりかけてご賞味あれ。

地球料理談義

前回は遺伝子組み換え食品の脅威について触れましたが、今回は、なぜ今オーガニックな食材にこだわるべきなのかをお話します。まず、農薬や除草剤を大量に使う工業的大規模農法と有機農法を比べた場合、同面積における収穫量は有機農法のほうが多いことが研究で証明されています。人材がより多く必要なので雇用も増えるし、農民の健康にも、消費者の健康にも良いのは当然です。農作物が含有する栄養価もはるかに高く、中でも決定的なのは無数に存在する微量ミネラルと、星の数ほどある酵素です。成分表には出てこないこれらの存在が、私達の健康を根本的に守っています。そして季節によってニーズも変わる私達の体内環境には、これらの地元環境で自然に育った季節の食材が力を貸してくれるのです。100年前にはすべての食材がオーガニックでした。それからどんどん状況が変わってきましたが、果たして人々の健康は当時より良くなってきたのでしょうか?答えはノーです。

文・写真/グルマンド信也

80年代に住んだカリフォルニアで、ベジタリアンだった自分が行きたいレストランが周りになかったことをきっかけに、オーガニック/マクロビオティック・カフェを開店。以来オーガニック・コーヒー・ハウスや多国籍料理レストラン等を開店するも、97年に廃業。子供のころから環境オタクだったこともあり、以後環境専門の貿易業をシアトルで営む。


(2012年11月)