ひとつの生命体である地球。自然の摂理を感じながら、季節感や地元食材に重点を置いたロハスな料理レシピを、元レストラン・オーナーが伝授。地球人が培ってきたさまざまな料理方法を使って調理する!
ミートローフと野菜のロースト
年末はパーティーや忘年会など、何かと忙しいものです。 それと同時に街全体がきらびやかになり、人々の心にも奉仕と平和への灯火が付きます。
今回はそんな時期にぴったりの簡単レシピです。手間は掛かりませんが、できあがると何となくよそ行きの感じになり、付け合わせも同時に作れるので、洗い物も少なくて済みます。なぜこの料理がエコなのかというと、ビーフとターキーを混ぜるのと、野菜やつなぎを多めに使うことで栄養価も高くしている点です。同量のたんぱく質を生産するのに必要な資源の量は、ビーフよりもターキーがはるかに少ないのです。本来ならベジタリアンにすべきとの声もあるかもしれませんが、年末くらいは肉とワインで舌鼓を打ちながら、世界平和を祈るというのが良くないですか?
●材料(4~6人分) ビーフひき肉(93%リーン) 1パウンド、 ロースト用野菜: ソース: |
●作り方
1 | コンベクション・オーブンを375度(普通のオーブンなら390度)にセットして、パン粉を豆乳に浸しておく。玉ネギはみじん切りにして、ニンジンはおろし金で荒めにおろす。 |
2 | フライパンにオリーブ油を熱して玉ネギを透き通るまで炒め、別の容器に入れて冷やしておく。大きめのボウルにひき肉、おろしたニンジン、豆乳に浸したパン粉、枝豆、オリーブ・オイル、ガーリック・パウダー、ドライ・ハーブ、ナツメグ、シー・ソルトを入れて、全体がなじむまで混ぜる。小さめのボウルに卵を溶き、炒めた玉ネギを加えてさっと混ぜてからボウルの肉に回しかけたら、更に全体がなじむまで混ぜる。 |
3 | ロースト用の野菜をひと口大にざっくりと切り、オリーブ・オイルと塩・コショウをまぶしておく。 |
4 | 長方形の耐熱皿に油をひいて(分量外)、まな板の上で丸太状に形を整えた2.を入れ、四方に少しの隙間を作っておく。熱したオーブンの中段に入れ、タイマーを20分にセット。20分経ったら別のベーキング・シートに野菜を広げてオーブンの下の段に入れ、更に20分焼く。20分後に野菜の上下を返してオーブンの温度を40度上げ、仕上げに5分間焼く。 |
5 | 肉と野菜を焼いている間に、小鍋にソースの材料をすべて入れ、焦げ付かないように混ぜながら中火で6分程煮詰める。ローフ皿の肉汁を混ぜて、さらに3分程煮詰める。大皿にミートローフと野菜を乗せて、イタリアン・パセリやチコリ等(分量外)を飾ってテーブルへ。 |
冒頭でも触れたように、食を巡る環境の話では、食べる者が摂取する栄養素の量に対しての生産時のエネルギーや資源の消費量が、環境性を論じる上での大きな要素と言えます。ちなみに、人間が肉を食べるのはたんぱく質の摂取が主な目的ですが、その含有量に対する生産時の消費エネルギーと資源量は牛肉が最も高く、豚肉はその次、そして各種の鶏肉はその次です。相対的に見ると畑の肉と言われる大豆においては、牛肉の1/16のエネルギー量で同量のたんぱく質を生産できるし、水の使用量に関しては大豆は1/100程だそうです。
これからますます増える地球人口。どこで何を生産し、どのようにそれらを分配するかが重要な課題となるのは間違いありません。もし日本があれだけ狭い国土の中で、しかもそのほとんどが山岳地帯であるにも関わらず、完全な食糧の自給自足を達成できたとしたら、それはまさに未来の人類が抱える大きな問題への有力な答えとなるのです。
80年代に住んだカリフォルニアで、ベジタリアンだった自分が行きたいレストランが周りになかったことをきっかけに、オーガニック/マクロビオティック・カフェを開店。以来オーガニック・コーヒー・ハウスや多国籍料理レストラン等を開店するも、97年に廃業。子供のころから環境オタクだったこともあり、以後環境専門の貿易業をシアトルで営む。
(2012年12月)
コメントを書く