ひとつの生命体である地球。自然の摂理を感じながら、季節感や地元食材に重点を置いたロハスな料理レシピを、元レストラン・オーナーが伝授。地球人が培ってきたさまざまな料理方法を使って調理する!
フライパンひとつで仕上げる、キンキと野菜の煮付け
冬はおいしい魚がたくさん有りますが、ノースウエストで捕れる旬のものと言えば、やはりキンキ(Rockfish)でしょう。この赤い外見の魚は、この時期、脂が乗ってとてもおいしくなり煮付けに最適です。
今回はひとつのフライパンで付け合わせの野菜と一緒に煮ることで簡単にでき、しかも油を使わない栄養価の高い1品。地球料理のモットーのひとつは白砂糖を使わないことなので、甘みは蜂蜜の濃厚さとメイプル・シロップの味わい深さにフィーチャーして、健康にも良いおかずに仕上げました。魚自体が大きめなので、1尾でもふたり分として充分です。同時に煮込む野菜は好きな物で結構ですが、多めの煮汁でたっぷりの野菜を煮れば、更に味わい深さも増すというもの。ホカホカのご飯と一緒に召し上がってください。
●材料(2人分) 新鮮なキンキ 1尾、 |
●作り方
1 | 魚は、はらわたとウロコを取っておく(下処理をしてくれる店もある)。ベイビーパクチョイは縦に半分に切って洗う。ブナシメジはいしづきを切って適当な大きさに分ける。その他の野菜は5センチくらいのスティック状に切る。 |
2 | 大きめのフライパンに魚を入れ、別の容器で“A”を併せてからフライパンに注ぎ入れる。鷹の爪とショウガのスライスも入れて火にかけ、落とし蓋(アルミホイルでもよい)をして1度沸騰させる。沸騰し始めたら強めの中火にして6分ほど煮る。形を崩さないために、その間は触らないこと。 |
3 | 魚に火が通ったら、隙間にゴボウとニンジンを入れてまた落とし蓋を被せ、5分程度煮る。最後にベイビーパクチョイとブナシメジを入れて、更に3分ほど煮たら完成。崩さないように大皿に移して、温かいうちにどうぞ! |
「地産地消」という言葉をよく聞きます。これは、なるべく地元で採れた食物を食べようという考え方ですが、その意味は食べ物の流通に掛かるエネルギーやコストを抑えることと同時に、そこに住む人達が季節に合った食物を食べることで、より健康で自然な体調と精神状態を維持できるという意味もあります。
普段は気にしていないかもしれませんが、私達の体は季節ごとに微妙に変化しています。素晴らしいもので、自然界はそんな私達にとって最も適切な食物をちゃんと用意してくれているという訳です。例として、ウリ類には体温を下げる効果がありますが、これからますます気温の下がる季節にスイカやメロンを食べるのは、わざわざ風邪を引こうとしているようなものです。逆に、土の中で寒さを堪えようとする根菜類は、おいしいばかりでなく体を温めてくれます。結局私達は、どうあがいても自然の摂理の中で生かされているのだということかもしれません。
80年代に住んだカリフォルニアで、ベジタリアンだった自分が行きたいレストランが周りになかったことをきっかけに、オーガニック/マクロビオティック・カフェを開店。以来オーガニック・コーヒー・ハウスや多国籍料理レストラン等を開店するも、97年に廃業。子供のころから環境オタクだったこともあり、以後環境専門の貿易業をシアトルで営む。
(2013年1月)
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