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ふるさとの味・雑煮

お雑煮

あけましておめでとうございます! イヤー、この連載も半年になりますか。昨年は公私ともにお世話になった方がたくさんいます。ありがとうございました。皆様方にはつつがなく新しい年を迎えられたことと思います。ところで、お雑煮食べました? アメリカの正月というのはあまりにあっけなく、何年経っても慣れないもんです。おせちみたいな手の込んだ物はとうとう作らなくなってしまいましたが、せめて正月気分を味わいたいと、毎年雑煮だけは作り、嫌がる子供達にも有無を言わせず「お屠蘇」の真似事だけは欠かさずやっているモーガン家。この原稿が登場する頃は10年ぶり(いつもは夏に里帰り)の日本の正月から帰って来たところでしょうが。高校と中学の同窓会があるんで、初めての冬の里帰りと相成りました。

和歌山の実家では、毎年味噌汁の具沢山にゆでた丸餅を入れたのが出ます。京都は白味噌に丸餅、小芋やニンジン、京菜などを入れるのかな。焼いた切り餅にすまし仕立ては関東風。具もシンプルに鶏肉と小松菜か三つ葉、かまぼこの入るところもあれば、椎茸や下ゆでしたやつ頭、かぶを六角に切ったものを添えたりするお宅もあるようだし、四国の方では餡餅(塩餡だと思うけど)を味噌仕立てに入れるとか、鮭やイクラが入る豪華版もあったりして、本当に郷土色豊かですよねー。関西妻と関東夫が一緒になると、どちらかに自然淘汰されるか、正月3が日で両方作るか、けっこう大変みたい!? 地域だけじゃなく、各家庭によっても違うから、余計ややこしいのよね。お宅の雑煮はどんな感じ?

でも、そんなに餅ばっかり食べれるもんじゃなし、うちでは余った餅を揚げて、塩味で食べたり、大根おろしと天つゆで食べるんですが、これがまたイケるの。居酒屋では「みぞれ餅」と呼んで出てたメニュー。酒の後にぴったりです。作り方は説明するのもおこがましいほどいたって簡単。天つゆは、だし1カップとみりん1/3カップ、しょう油1/4カップで作り、煮立てておいて、揚げた餅にどっさり大根おろしを載せて、天つゆを注ぐだけです。

実家の味噌仕立て雑煮のレシピ

■ 材料
  • 小芋 4個(皮をむいて大きければ半分に・冷凍でもOK) 
  • 大根 4センチ(皮を向いていちょう切りか半月切りに)  
  • ニンジン 1/2本(皮をむいて5ミリくらいのスライス)
  • 白菜 2枚(短冊切り)
  • 生椎茸 2枚(半分でも短冊でも)
  • かまぼこ 適量スライス
  • 油揚げ 2枚(短冊切り)
  • だし 4~5カップ(ちゃんとイリコや昆布、かつおで取る人もいる)
  • 味噌 大さじ5~6(信州味噌と白味噌のブレンド)
  • 丸餅 4~8個(別鍋でゆでた方がよい)

■ 作り方
  1. 大きめの鍋に水と粉末だしを入れ、根菜を水からゆで始める。
  2. 9分火が通ったら、他の野菜や具を加え、柔らかくなったら味噌を溶き入れて、火を止める。
  3. お椀にゆでた餅を入れ、上からこの味噌汁を注ぐ。

実家では、野菜を調理する時に餅も一緒に入れるため、最後の方はネトネトになる。私はこれがいやだったの。ご近所では鮎のあぶったものを半年ほど天井に吊るしておいて、これでだしをとる本格派もいました。ニンジンを梅型に切るのも正月ならでは。今年もよろしく。

 

逸子モーガン:
アメリカ人の夫とふたりの男の子を持つ。アメリカで人気のキッチン用品「パンパード・シェフ」や還元水のコンサルタント、ボランティアに、単なるお節介に、とにかくじっとしていない自他共に認める元気印主婦。おいしいものが大好き、でも手抜きも大好き! 何にでも首を突っ込む好奇心旺盛なおばちゃん(?)です!