The Pink Door ピンク・ドア
(2003年8月)
居心地良く過ごせる、カジュアル・イタリアン
ジャズの生演奏を気軽に聴きたい初心者にオススメなのが、この「ピンク・ドア」。パイク・プレイス・マーケットそばの、おしゃれなカフェやレストランがひしめくエリア、ポスト・アレイにあるイタリア料理のお店だ。毎週木曜の夜のみだが、本格的なジャズの生演奏が、おいしい食事と共に楽しめる。
店名の通り、ピンク色に塗られたドアから中に入ると、キュートな装飾が散りばめられた賑やかな店内。テラス席のテーブルからはエリオット湾が見え、夏の夜は気持ち良く過ごせる。ステージは店の奥に設けられているが、外にいてもスピーカーを通して演奏を聴くことができるので心配ない。もちろん、中にあるテーブルに座れば、目と耳で、ジャズの演奏をより堪能できる。人気のレストランなので、並ばずに座るには早めの入店が望ましいが、ステージ横にはバー・カウンターが設置されているので、ひとりでふらりとお酒とジャズを味わうのもいい。
ただ、この店に来たからにはやはり、自慢のイタリア料理を食べ尽くしてお腹をいっぱいにしたい。決して安い値段ではないが、本場イタリアを思わせる、旬の素材を活かしたメニューが豊富に揃っている。まず、お酒と共に最初にオーダーしたいのは「前菜盛り合わせ($10.50)」。生ハム、サラミ、チーズ、オリーブ、グリル野菜など、イタリアを代表する前菜の数々が一皿にてんこ盛りになって登場する。パンはオリーブ・オイルと共に無料でサーブされるので、パンと前菜だけでもかなりの満腹感が得られるはず。
そして、お腹に余裕があってもなくても、ぜひ試してもらいたいのがリゾット。写真の「チーズときのこのリゾット($17.95)」は日替わりメニューだが、少し硬さの残る米にチーズがほど良くからまり、さらにきのこの香りが食欲をそそる絶品のおいしさ。そのほか、粉チーズと刻んだハーブがたっぷりかかった「アンチョビとオリーブのスパゲティ、トマト・ソース($13.50)」などパスタ類も充実しており、ラザニアもまた人気だ。
知識がないと、ちょっと敷居が高いイメージのあるジャズ鑑賞も、ここでなら肩肘張らずに楽しめる上、チャージも必要ない。ジャズを聴く人、食べる人、おしゃべりする人、それぞれが居心地良く過ごせる。「また来たい」と感じさせる独特な解放感こそが、この店の持つ一番の魅力ではないだろうか。(取材、文・小関典子)
■ The Pink
Door →MAP
1919 Post Alley, Pike Place Market, Seattle, WA
TEL:206-443-3241
営業時間:火~土曜11:30 a.m.~11:30 p.m.、日曜5:00 p.m.~11:00 p.m.、月曜休
カバー・チャージ:なし
(2003年8月時点の情報です)
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