Agua Verde アグア・ベルデ
（2003年9月）
水辺の景色と共に味わう、絶品フィッシュ・タコス
ちょっとお財布の中身が寂しい時でも、気軽に利用しやすいのがメキシコ料理。ここシアトルにも、メキシカン・レストランは星の数ほどあるが、「気取らず、安いながらも、雰囲気のいいレストラン」となると、行く店は限られてくる。中でもイチオシなのは、ユニバーシティ・ディストリクトにある「アグア・ベルデ」だ。
ワシントン大学の裏手、ユニオン湖とワシントン湖の間のPortage Bay沿いにポツンとたたずむその店は、初めて行く者には多少見つけにくい場所にある。にも関わらず、ランチ時には行列ができるほどの混雑ぶりで、かなりのリピーターがいることが伺える。レストランへの入り口とは別に、テイクアウト用のカウンターも設けられており、そこから料理を受け取った客が向かう先は、レストランの隣にある小さな公園。水辺の芝生に転がりながら仲間と食事をする、地元のアメリカ人でいっぱいだ。
もちろん店の中でも、オープン・テラスの席で心地よい風を感じながら、おいしいメキシコ料理が味わえる。ディナー・タイムは席でオーダーを取ってくれるが、ランチ・タイムはカフェテリア形式。レストランの入り口から列に並びながら、食べ物、飲み物をオーダーし、最後にレジで会計する。ランチ・メニューには、メキシコ版サンドイッチのトルタス（Tortas
＄1.95～＄5.95)、トルティーヤで具を包んで焼いたケサディーヤ（Quesadillas ＄1.95～＄3.95）、揚げ餃子風のエンパナーダ（Empanadas
＄5.50）など魅力的な品々が並ぶが、やっぱりメキシコ料理はタコスを食べなきゃ始まらない！
11種類あるタコス（Tacos de la Casa ＄5.49～）は、1皿に3つのタコス、フルーツ、ナチョス・チップが載せられて出てくる。タコスに使われるトルティーヤは、小麦粉を使った白いタイプで、よく見かけるトウモロコシ粉を使った黄色いタイプとは違い、少し厚めにふっくらと焼き上げられ、もちもちとした食感が特徴だ。サルサ・ソースは3種類用意され、各自好きなだけカップに入れていくスタイル。＄1.95でサイド・ディッシュもオーダーでき、チリを利かせたマッシュ・ポテトやサラダなど9種類から選べる。
今回試したタコスは3種類。「De salmon ahumado」は、スモーク・サーモンとキャベツの上にアボカド・ソースがかかったシンプルなフィッシュ・タコスで、いつもの“こってりメキシコ料理”に慣れた舌にはかなり新鮮。スモーク・サーモン本来の味が口の中いっぱいに広がり、キャベツのシャキシャキ感もさわやか。同じフィッシュ・タコスでも、「De
camarones」の場合は、ガーリックとバターで炒めたエビに、サルサとカレー風味のアイオリ・ドレッシングというトッピングで、よりメキシカンらしい一品。また、ビーフ・ステーキとチーズが入った「De
carne」はボリュームたっぷりで、お腹の満足感を得るには最適。かと言って、しつこさは全くなく、ペロリと平らげてしまった。
ドリンクも自家製のものが豊富で、パイナップルとレモン、ライムをミックスした「Chicha de pina（＄1.50）」、乾燥したハイビスカスの花びらから作った「Jamaica（＄1.50）」など、個性的なメニューが揃う。定番のマルガリータもいいけれど、これらのフレッシュ・ジュースもぜひお試しいただきたい。
「アグア・ベルデ」ではレストラン営業のほか、カヤックのレンタルも行っているので、週末に訪れてアウトドア・スポーツを満喫するのもいい。ただし、日曜の食事はテイクアウトのみとなっているのでご注意を。シアトルらしい美しい水辺の風景を楽しみに、日本から来た友人や家族を連れての食事＆アクティビティに利用するのもオススメだ。（取材、文・小関典子）
■ Agua Verde → MAP
1303 NE Boat St., Seattle, WA
TEL：206-545-8570
営業時間：月～土曜11:00 a.m.～4:00 p.m.、5:00 p.m.～10:00 p.m.、日曜（テイクアウトのみ）12:00 p.m.～6:00
p.m.
価格：＄1.95～＄9.95
ウェブサイト：www.aguaverde.com
（2003年9月時点の情報です）