がっかりさせないピノ・ノワール（赤）

GARRISON McBRIDE Oregon Pinot Noir Vintage 2003
Vinted & Bottled By Garrison McBride Winery,Santa Rose, CA
＄17.95
ポートランドのワイン専門店「Portland Wine Merchants」にて購入
■Portland Wine Merchants /
www.portlandwinemerchants.com

お酒を覚えた20歳のころから、ワインは今も変わらずずっと好きな夜の飲み物。でも、今から過去10年をさかのぼって考えてみると、私のワインの飲み方もずいぶん変わったなぁとつくづく思います。大学生のころ、お酒を飲むというそのこと自体に大きな意義を感じていたのか、何を誰とどのように飲むっていうことには無関心だったかもしれません。ワインを開けるのも毎日ではなく、ごくたまに。でも1度飲む時には大量に飲んでいたような気がします……。そんな飲み方ではワインの味を楽しむ余裕なんてもちろんなかったはずです。そしていろんなワイン経験を経た今、私とワインの付き合い方は以前とは全く異なるものになりつつあります。毎日・少しずつ・おいしいワインを、というのが今の私の飲み方。さらに、以前と大きく異なるのは、できるだけいいワインをいい人といい時間を過ごすために飲むようになったということでしょう。

さて今回紹介するのは、私の大好きなピノ・ノワールの赤ワイン。このワインさえあれば確実にいい時間が過ごせるという素敵なワインです。ピノ・ノワールとはぶどう品種の一種で、もうひとつのワインの代表的ぶどう品種カベルネ・ソーヴィニヨンとは味はもちろんのことあらゆる点で対照的な品種です。決定的な違いはその生産性ではないでしょうか。例えて言うなら、1エーカーのぶどう畑からカベルネ・ソーヴィニヨンなら30本のボトル・ワインを作れるところが、ピノ・ノワールだと10本しか作れない。それだけ、ピノ・ノワールはしっかりたくさんのぶどうを使わないと水っぽくなりがちだということです。でもだからこそ、軽い飲み口のわりにはしっかりとぶどうの味がするのも納得できますね。この「GARRISON McBRIDE」はオレゴンのぶどうを使っていますが、酒造しているのはカリフォルニアです。ブラックベリーとストロベリーの香りがするこのワインは、最初のひと口から飲み干す瞬間までとにかくスムーズ。とても繊細で素直、そして何よりしっとりとした味なのです。ふんわりと軽い飲み心地で、飲むほどに体をすっきり目覚めさせてくれそうなワイン。ワインの味そのものを楽しみたい方は、食前酒として飲むにもいいかもしれませんね。