■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2020年11月)
さぁ、やってきましたね、ノースウエストの暗い冬が。鮮やかだった街路樹も全て葉を落とし、まさに色のない季節が巡ってきた感じです。そんな時期にふんわり咲いてくるのが、サザンカです。
ピンク、白、赤、黄色などの色も多彩で、一重から八重咲きまであるほか、香りが強く、雨の中、横を通るとふわっと優しい香りが漂ってくるものもあります。
私は関西で育ったのですが、サザンカの生垣が近所に多く、シアトルの自宅の庭にも生垣を作りました。乾いた冬、自転車で走り抜けた生垣を思い出します。
花が少なくなるこの時期、うちではこのサザンカの花をめぐってハチドリたちのバトルが始まります。薄暗いノースウエストの冬の庭に咲くサザンカを見ると、心にぱぁと火が灯る気がします。
サザンカは、バルコニーやポーチ、デッキなどでフラワーポットを使って育てられ、寒さに強いパンジーやシクラメンなどと合わせると、冬でも常緑が美しい寄せ植えができます。ちなみに、よく似た花に椿がありますが、花びらがハラハラ落ちるのがサザンカ。花ごとぼたっと落ちるのは椿です。
ただ、11月中旬頃からノースウエストでは朝霜が降りるので、花が霜で茶色くなるのが残念。朝霜対策に、壁沿いに植えたり、南からの冷たい空気をブロックできる所に置けば、より長く花が楽しめますよ。1月や2月に咲く品種もあり、冬の花として長く楽しめます。
▲ ①匂いがとてもいい「Apple Blossom」。
▲ ②一重の白サザンカは、ちょうど今の時期、11~12月に見頃を迎えます。
▲③八重咲きの白サザンカ。
▲④2~1月に咲く「Kanjiro Camellia(勘次郎)」。
▲ ⑤ほのかに香る「Cleopatora」。
サザンカ(Sasanqua Camellia)の良いところは、育てやすく、いったん根付くと水やりの要らないところです。害虫や病気もほとんどなく、巨木にもなりません。日陰でも日向でも育ち、刈りばさみでジャキジャキ切っても次の年も元気に芽が出てきます。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。
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