■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
名前から知る植物たち
(2022年1月)
皆さん、植物には学名が付いているのをご存じですか? 私が取った初めて園芸クラスが「Plants Identification」という授業でした。針葉樹・落葉樹・多年草・一年草などの識別、名前、どのような環境で育つのかを勉強します。まず、植物の名前を覚えるのが、日本人の私には結構大変でした。もちろん、英語の名前に加え、学名を覚えます。全く聞いたことのない音の名前と英語のスペルに四苦八苦した思い出があります。
例えば紅葉。日本の紅葉は、Acer palmatumという学名になります。このAcerは、紅葉一家の苗字のようなもので(属)、palmatumはその中の種別です。例えば、メープルシロップの取れるカエデは、Acer saccharumと言い、同じ家族の苗字のAcerが付いて名前だけが違います。この学名は、ラテン語から来ていることが多いので、アメリカ人のクラスメートも覚えるのに苦労していたようです。その中で、オランダ出身のクラスメートはラテン語もできるので、「覚えるのが簡単」と言っていました。
紅カエデの学名はAcer rubrum。rubrumはラテン語で「赤」を示します。他にはQuercus alba。Quercusはコナラ(どんぐりの家族の苗字)で、albaはラテン語で「白」を意味します。なので、これは英名「ホワイトオーク」となります。こういう知識が少しあれば、園芸店でラベルを見て、「これはあの植物の仲間だな」と分かり、面白いですよ。
▲ 紅カエデ
▲スノーベリー(Snowberry/Symphoricarpos albus *alba=白)
▲椿(Camellia/Camellia japonica *Japonica=日本)
▲ Pacific Rhododendron/Rhododendron macrophyllum *Rhodo=バラ、 *dendron=木)
▲ アジサイ(Hydrangea/Hydrangea macrophylla *hydro=水、 *macro=大きい、 *phylla=葉)
ソメイヨシノの学名はPrunus x yedoensis。xの意味は交配種です。つまり、ソメイヨシノは日本人が栽培用に作ったエドヒガンと大島桜の交配種で、日本の山には自生してません。山に生えているのは、山桜、Cerasus jamasakuraです。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。