■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2024年1月)
新しい年が明けました。にぎやかなクリスマスが終わり、静かなお正月を過ごされているかと思います。ノースウエストが一番暗いこの時期、灰色の空ばかりだと色欠乏症(私が命名)にかかってしまうので、私は防寒具をエイヤッと羽織り、Washington Park Arboretumへと足を運びます。
「Winter Garden」と呼ばれるお庭では、冬に咲くマンサクやサザンカ、地面からはシクラメン、ユニークな形で一生懸命咲くヒイラギナンテンが見られます。
そして炎のような色の枝のドッグウッド。冬は多くの樹木が葉を落とし、休眠期に入っているように思われますが、葉がない幹の模様や色を鑑賞する楽しみもあるのです。変わった模様の百日紅の幹、ペラペラとめくれるペーパーバーク・メープルの幹、真っ白い幹が引き立つ白樺の幹。夏には気が付かなかった色や形が表れます。
温かいラテを片手に、散歩がてら新しい発見をしてみませんか。「えー、こんな幹の色が自然からできるの?」「寒い中、元気に咲いてるね」「やっぱりこの灌木、家の庭にも植えよう」などと心がワクワクしてきます。春に咲く球根の芽を発見できるかもしれません。この時期に咲くお花は少ないので、ハチドリが争いながら花の蜜を吸うのが見られます。花が咲くと虫がやってきて、黄色い野鳥、ウォーブラーも飛んできます。なかなか面白いウインターガーデンです。
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▲マンサク。「まんず(まず)咲く」と言われ、冬に一番乗りで咲き始めます。
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▲ハーディーシクラメンは、たくさん植えると暗いお庭も明るくなります。
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▲サザンカは晩秋から初冬まで咲きます。
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▲ハチドリがブンブン舞うヒイラギナンテン。
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▲ビバーナムは優しい香りで癒されます。
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▲(右)百日紅。まだら模様の幹が冬の庭に映えます。(左)ペーパーバーク・メープル。めくれる皮と赤茶の幹がきれいです。
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Washington Park Arboretumは520の浮橋西端にあるワシントン大学の森林公園。230エーカーの広さで、四季折々の自然が楽しめます。日本庭園以外は入場無料です。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。