■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2024年2月)
寒さが染みるノースウエストの2月ですね。雪が降ることもある時期ですが、私は、時々寒い庭をウロウロして植物たちの春の準備を見付けるようにしています。まだ霜が降りる時期ですが、凍り付く土からひょっこりと小さい芽を出すシラー(Scilla)を目にします。
シラーは、ユーラシア大陸の高山に自生し、寒さにとても強い植物です。そして涼しい気候を好むので、このノースウエストの気候にピッタリです。夏は、葉を枯らして休眠するので、姿は一切見られません。
小さい小さいお花ですが、一旦咲き始めると、霜が降りようと、雪が降ろうと、地面が凍り付こうと、花は咲き続けます。私も最初は、1、2年で自然になくなるだろうなと思っていましたが、意外や意外。とても強い球根です。淡い水色の小さい小さいお花を一生懸命、地面にへばりつくように咲かせているのがとても愛おしく感じられます。
ノースウエストの園芸店でこの時期によく見かける小さな青いお花は、似た球根植物でチオノドグサかプシュキニア。よく似ていますが、違う属になります。これらも青い色がとてもきれいで、一緒に植えると良いコントラストになりますね。
ウサギはなぜかシラーを食べませんね。おいしくないのでしょうか。植えてみるのも庭造りの戦略の一つですね。植木鉢でも育てられるので、2月の楽しみとしてぜひ、試してみてください。
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▲シラーミスクトスケンコアナ(Scilla mischtschenkoana)。園芸店では1〜3月に販売しています。
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▲シラーミスクトスケンコアナ。雪の中に埋もれてもへこたれません。しっかりと咲き続け、まるで氷の妖精のようなお花です。
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▲シラーシベリカ(Scilla siberica)は下向きに咲きます。
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▲ブルーの花が上向きに咲くチオノドグサ(Chionodoxa)。
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▲白っぽい水色のプシュキニア(Pushkinia)。
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庭にある花をチオノドクサだと思って調べたら「えっ、いや、プシュキニア?いやシラー?」と二転三転。プシュキニア→おしべが丸く合体してる。チオノドクサ→上に向かって花が咲く。シラー→うつむいて咲く傾向があります。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。