■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2023年3月)
まだ、霜が降りる可能性があるノーウエストの早春ですが、植物たちはどんどん形を変えていっています。車で街を走ると、ピンク色の花をたくさん付けた街路樹が目に付きます。
「あれは、桜ですか?」。これ、一番多い質問。アメリカ人、日本人問わず、私がよく受ける質問です。あれはフラワリング・プラム(Flowering Plum)という名前で、桜ではなく梅なんです。
紫の葉を付けるのはパープルリーフ・プラム(Purple Leaf Plum)。公園や学校、図書館、街路樹など、公共の場所にたくさん植えられていますね。桜の木ほど大きくならず、病気や害虫にも強く、あまりメンテナンスがいらないので、とても人気です。早春にピンク色の花をたくさん付けて、その後、紫色の葉を出します。この紫色の葉っぱも、なかなか存在感があって、花の後でも観賞用の庭木として、とても人気があります。
私の裏の家の庭にも植わっており、てっきり桜の一種だと思っていましたら、ある年、突然、たくさんの実を付けて、それがプラムの実だったので分かりました。実は食べられるそうですが、種に毒があるので、食べるのはやめた方がいいようです。
挿し木もでき、春に新しい枝を切ってホルモン剤を付けてやると、根が出て来るようです。まだまだ寒い3月ですが、このピンクの花を見ると「もう春はすぐそこ!」といつも元気が出てきます。
▲薄暗い空にピンクが生えるパープルリーフ・プラム(学名Prunus cerasifera ‘Pissardii’)
▲白いフラワリング・プラム。少し香りがあります。蜜がおいしいのか、ハウスフィンチがよく花を食べています。
▲パープルリーフ・プラム
▲パープルリーフ・プラム
▲パープルリーフ・プラムは、花が終わると紫色の葉を出します。落葉するまでこの色なので、見応えがあります。
パープルリーフ・プラムは、できるだけ日当たりの良い場所に植えましょう。暗過ぎると葉が緑になります。土はほとんど選びません。せん定に強い木なので、怖がらずせん定してあげてください。新しい枝の方が花芽が多く付きます。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。