■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2023年4月)
公園や森を歩くと、小さい植物が土から顔を出し始めているのを目にするようになりました。この時期、空き地や雑木林でよく見られる山菜をご存じですか? 日本のイタドリです。イタドリは、アメリカで園芸品種として販売され、それが野生化しました。ほぼ全米に広がっており、実は「生態系を脅かす、繁殖力の強い外来種(Invasive Species)としてワシントン州・オレゴン州でも指定されています。少し肩身の狭い思いもしますが、初めはイタドリの形が竹に似ているとして園芸界で人気だったと聞いています。が、今や嫌われ者になってしまいました。確かに一度植えるとどんどん広がっていってしまいます。
子どもの頃、そういえば母親と山菜取りで取った記憶があります。食べた記憶はあんまりなかったので、ネットで調べて料理してみることにしました。コリコリしたセロリのような食感で意外に苦味がなくて食べやすいので驚きました。
その後、アメリカ人ガーデナーとイタドリの話になると「これ、食べられるのよ。おいしいよ」と付け加えるようになりました。みんな「えええーーーっ!」と驚き、どう料理するのか興味津々で質問されます。ノースウエストに生えてるイタドリもタケノコもワラビも食べると話すと「日本人はなんでも食べるね」と言われたこともあります。旬を食べる文化はいいもんだなぁと、あらためて日本を見直すきっかけにもなりました。
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▲イタドリは白い花が咲きます。
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▲イタドリの新芽はこのように生えています。英語でイタドリはJapanese knotweed。
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▲食べられるのは、新芽の柔らかい部分です。
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▲ピーラーで皮をむいたら5センチ程度に切り、塩揉みしたら一晩寝かせてアク抜きします。
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▲翌日、サッと茹でたら出来上がり。
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▲イタドリのバター炒め
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イタドリの採りごろは、土から出てきて30センチぐらいの時。少し伸びても、柔らかければ茎の上の方なら食べられます。葉がたくさん出てきて、白い花が咲くころ(ノースウエストでは6月ごろ)だと、もう食べられません。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。