■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2023年5月)
新緑が美しい季節になってきましたね。ガーデニング気分が高まってきます。でも、お庭の植栽について少し気を付けていただきたいこともあります。
例えば竹や笹。アジア風・和風の庭で人気ですが、一度植えるとたちまち根を広げ、隣の家、アスファルトをくぐってお向かいまで!ということがあります。「バンブーバリア」というカバーもありますが、私の経験上、多くがバリアを超えてあちこちから芽を出します。中には広がりにくい品種もありますが、地植えは避けた方がいいと思います。鉢植えでも底の穴から根が出ることがあります。
そして人気の庭木、藤。藤棚やフェンスに絡まって咲く様子がとてもゴージャスできれいですよね。藤のつるは成長が早く、夏までには軽く3、4メートルも伸び、剪定が大変です。幹も柱をどんどん飲み込んでいくほど強く、雨どいの隙間、窓枠の隙間にも侵入するほどです。メンテナンスに手間がかかることを頭に置いてください。
多年草ではユーフォルビア。園芸店ではたくさんの品種が売られています。非常に強く、形もユニーク。色もたくさんあって花壇で目立ちますが、種をたくさん飛ばすので、年々あちこちに小さい芽が出てきます。こんな所に?というような場所にまで生えることもあります。
また、日本でおなじみの料理に使える野草(フキやヨモギ、ミョウガなど)もプランター栽培をおすすめします。
▲竹は鉄のコンテナに植えれば広がりません。
▲竹は塀の外に根を広げるので注意。
▲プラスチック製のバンブーバリア。園芸店ではフィート単位で販売しています。
▲ヨモギも繁殖力が強いので、植木鉢などで管理した方がベターです。
▲藤は手入れを念頭に植えましょう。木にどんどん登る藤のつる。
▲ユーフォルビアは黄色い花のものが特に種を飛ばします。
庭に植えるのを避けた方がよい植物。繁殖力が旺盛過ぎて、あちこちに広がるのは竹・笹類、ユーフォルビア、ミント、ブラックベリー、ラズベリー、フキ、ミョウガ、ヨモギなど。伸びがすごくてせん定が大変なのものは藤、松、桜、柳など。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。