■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
思い出を挿し木に
(2022年6月)
バラは6月頃からたくさん咲き始め、10月頃まで美しい花を見せてくれます。バラはたくさん虫が付き、病気になりやすいイメージがありますが、今は品種改良されて、害虫や病気に強いものも店頭で買えるようになっています。同じバラでも香りが強いものやオールドローズと呼ばれる一重のシンプルなものなど、見ているだけでも楽しいですね。
皆さん、知っていますか?バラは挿し木で簡単に増やせるんですよ。私が初めてバラの挿し木に挑戦したのは、夫からもらった花束からでした(いつもはもらわないですよ)。結婚25 周年の年のバレンタインで、赤いきれいな、とても大きなバラ。
しおれてしまうのが本当にもったいなくて、どうにか残せないかと考え、初めはバラの花びらを押し花にして残しました。ちょうどその時、「Propagation(挿し木)」のクラスを取っていて、先生が「挿し木にできるよ」と教えてくれたので、早速花束の中のいくつかの花から、茎だけ切って挿し木をしました。10本植えた中で、5本が2カ月ぐらいで根付きました。そして、暖かくなった時にちょっと大きな鉢に植え替え、その後、庭に植えました。最終的に残ったのは3本、30%の確率でした。
今でも毎年、あの時と同じ真っ赤な花を咲かせて、見るたびにその時を思い出します。お祝いや記念にもらうバラ、このように残してみませんか?
▲①節(葉っぱが生えているところ)のすぐ下を切ります。
▲ ②切り口にRoot Hormone(ホルモン剤)を付けます。
▲③Perlite Soil(ミネラルたっぷりの水はけの良い土)に挿して室内で管理します。根が張ってきたら、大きな植木鉢に移植してください。
▲ ④5カ月後、きれいに花が咲きました。
▲園芸部長宅のバラの数々。どれも友人知人や、お客さんからいただいた花束から挿し木にしたものです。
▲どれも友人知人や、お客さんからいただいた花束から挿し木にしたものです。
バラ、ツツジ、アジサイは挿し木がしやすいです。挿し木をしたい枝の上部を使いましょう。挿し木に使用するRoot Hormone(ホルモン剤)は、液体より粉の方が使いやすくておすすめです。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。