■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2024年7月)
アメリカ独立記念の日を境に、ノースウエストに爽やかな夏がやってきます。よいお天気の日、ビーチで過ごすことも多くなってくる時期になりましたね。
川沿いやビーチのある公園に、この時期に鮮やかなピンクのバラが咲くのが目につくようになります。ルゴサローズ、日本の「ハマナス」です。このピンクのバラをビーチで見かけると「し~れ~とこぉ~の♪みさきにぃ~♪」という歌が頭に流れてきます。
ハマナスは、東アジアから日本列島に自生するバラ科の灌木で、こちらでは、自生しているのではなく、人工的に植えられたものですが、流木の脇から咲く鮮やかなバラのような花がとてもきれいです。涼しい気候を好み、日本では北海道から西日本まで自生しています。
園芸学のクラスを取っていた頃、アメリカ人の先生から「このバラ、日本で自生してるんだよね?」と聞かれて、たじたじになった経験があります。私は盆地で育ちましたので、海岸線に咲いている植物は全く知りませんでした。後で調べてみると分かりました。「これがあのハマナスか!」と。『知床旅情』の歌詞に出てくるおなじみのハマナスです。
こちらでの名前は「ルゴサローズ」のほか、「ジャパニーズローズ」「ビーチローズ」とも呼ばれていて、公園や公共のビーチによく植えられています。7月から8月にかけて咲いた後、ローズヒップと呼ばれる大きな実がなります。
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▲シアトルのビーチで、流木からのぞくハマナスの花。
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▲元気が出るようなマぜンタピンクがかわいい。まとめて植えると見応えがあり、豪華に見える灌木です。
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▲秋になると黄色く紅葉します。
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▲秋には大きなローズヒップの実がなります。花束に刺したり、実をドライフラワーにしたり、観賞用にも重宝されます。食べられるのでジャムやお茶などに使われます。
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▲北海道に自生しているハマナス。
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ハマナスの学名は「Rosa rugosa」 。日当たりの良い場所でよく育ちます。土はほとんど選びませんが水はけが良いことが条件です。虫もほとんどつかない、とても丈夫な灌木で公園や道路の植え込みにもよく使われています。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。