■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2023年8月)
ノースウエストの皆さん、たくさん太陽を浴びていますか? お店のガーデンセンターにも溢れんばかりの花が並んでいますね。その中の赤と黄色の小さいひまわりのような花は見たことありますか? ブランケットフラワーと言い、夏の太陽のように元気が出るお花です。
数年前、私は愛犬を亡くしました。通っていた獣医さんが愛犬の遺灰と一緒に送ってくれたカードの中に小さい種が入っていて「愛犬の思い出にお花の種を植えてね」とありました。複雑な気持ちで「種ね。咲くかなぁ…」とまぁ、植木鉢に埋め込みました。
コロナ禍もあって、時間にも余裕ができて、毎日様子を見て水やりと世話をしていたら、機嫌良く、ぐんぐん育ってゆきました。6カ月後、ぐぅーんと伸びて、ある晴れた日にぱぁぁぁと赤と黄色のひまわりのようなお花が咲きました。愛犬がいなくなってまだ心が沈んでいたので、その時なんだか亡くなった愛犬が「元気出せぇ~」と言っているような花でした。
その花がブランケットフラワーでした。日本語では、なんと「天人菊」というそうです。天人…。その花自体は、1年で終わってしまったけど、それから私は毎年、愛犬を思い出すためにこのブランケットフラワーを育てるようになりました。もともとは、アメリカ中西部の草原に自生する植物で、痩せて乾燥した土地で咲くそうです。赤と黄色いお花を見ると元気が出てきそうです。
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▲獣医さんからのカードに添えてあった種。
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▲種を土に埋めたところ。
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▲芽が出てから、外の植木鉢に移し、7月にこのように咲きました。
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▲日当たり抜群の場所を探すのが難しい庭では、フラワーワゴンに植えて移動させるのも手です。
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▲ブランケットフラワーは園芸店や種によって赤味と黄味の多い少ないに違いがあります。
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▲ブランケットフラワーは夏の日差しを浴びてよく咲きます。
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ブランケットフラワーは、基本的に「短命の多年草」で、こぼれ種からもよく育ちます。とても簡単に、植木鉢でも育てられますよ。虫が付かず、肥料もなしで、どんどん花がら摘み(終わった花を取る)をすれば夏から秋口までずっと咲いています。
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。