■生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて »
(2024年8月)
ここ数年、西海岸の夏は森林火災が必ずどこかで発生します。気候変動によるものか、人間の自然破壊が影響しているのか諸説ありますが、明らかに気候がおかしくなってきているのを肌身で感じます。最近は、6月から山火事が発生するようになってきました。
日本でも昔から大火で村や町が消失した歴史があります。皆さん、お気付きでしたか?多くの神社やお寺に大きなイチョウの木が植えられているのを。イチョウは燃えにくいので、神社仏閣を守るために植えられたと言われています。また、日本では、サザンカや椿を生垣にして、延焼の速度を抑える工夫をすることがあります。
さて、ここアメリカでも各地域で「耐火樹(Fire-Resistant plants)」というものがリストで挙げられており、ノースウエストでは自生種のシャクナゲやオレゴングレープなどが推薦されています。
この辺りは7月から乾燥期に入り、水やりをしない限りは芝生が茶色のままになってしまい、火事で火が燃え移るのを促進してしまいます。他にも、庭で枯れた木や灌木をそのままにしたり、針葉樹の大きな枝を屋根にかかったままにすると、火が出た場合、家に早く燃え移ってしまいますので、屋根にかからないように切っておくことをお勧めします。
山火事の多い場所の近くに住んでいる人は参考にして、お庭に植えられてはどうでしょうか。
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▲サザンカの生垣。常緑でプライバシーが守れて燃えにくいので日本でも昔からよく生垣に使われています。
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▲ノースウエストの自生種オレゴングレープ。チクチクした葉が防犯に最適で燃えにくく生垣に向いています。

▲オーナメントグラスは火の回りが早く注意が必要。
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▲乾燥に強いローズマリーは、燃えやすい特質もあり。
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▲イチョウ。日本では昔から有名な耐火樹。大きくなるので、広い敷地で有効です
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▲燃えやすい竹。
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- ワシントン州キングカウンティー:燃えにくい樹木と灌木の情報:https://bit.ly/4cMWDoS
- オレゴン州立大学 燃えにくい植物の情報と庭や家の周りの空間の開け方やデザイン:https://bit.ly/4cSlVlG
●文・小杉晶子
サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。